若手起業家16人の共通点とは?『起業のリアル』を読んで

若いエネルギー

あなたの周りには、若くして起業する人はいますか?

私は、あまり人付き合いを好まないため、そういった方面の知り合いには乏しいです。私自身も、起業をしようとは考えたことがないタイプの人間ですので、若手の起業家というのはとても遠い存在の人々に感じられます。

でも、彼らが一体何をどのように考え、起業をしようと決心したのか? そして、彼らは事業を成功させる上で何をしたのか? というところには、とても興味があります。それは、彼らが私と同年代でありながら、あまりにも違う生き方をしている人々だと思うからです。

そこで、複数の若手起業家を取り上げた、とある本を読んでみました。これがとても刺激的で、考えを新たにさせられるところが多くありました。今回はその本をご紹介します。

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『起業のリアル』の構成

『起業のリアル』は、ジャーナリストとして著名な田原総一郎氏が、16人の若手起業家と個別に対談し、それをまとめたものです。

田原氏はまえがきで次のように語っています。

僕は年を取って柔軟な思考を失ってしまったせいか、ニュースを聞くだけでは、彼らのビジネスモデルや、それが生み出す新しい価値についてよくわからないところがあった。(中略)

だから僕は自分の恥をさらすことをいとわず、懸命に話を聞いた。

本書は、僕と彼らの真剣勝負のドキュメンタリーである。

この言葉にも表れているように、田原氏は丁寧に若手起業家の話を聞き、それに賛同したり、疑問をつきつけたりすることで、若手起業家が手掛けている事業の魅力を読者に伝えようとしています。

『起業のリアル』に見る若手起業家の共通点

私は本書を読みながら、この若くして志の高い起業家の人々には共通点がありそうだと感じました。以降、私が注目した共通点について、まとめていきます。

共通の背景―海外経験

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若手の起業家の多くは、留学や単身での渡航など、海外経験を持っています。

例えば山口恵理子氏(1981年生まれ)は、バングラデシュやネパールでバッグ・洋服を製造する会社マザーハウスを興した方ですが、彼女は慶応義塾大学卒業後、バングラデシュBRAC大学大学院開発部で修士課程を修めています。

岩瀬大輔氏(1976年生まれ)は、出口治明氏とともにライフネット生命を創業した方ですが、東京大学法学部卒業後、米ハーバードビジネススクールに留学しています。

徳重徹氏(1970年生まれ)は、電動バイクのベンチャー企業テラモーターズを設立した方ですが、彼は29歳で勤めていた会社を退社した後、サンダーバード国際経営大学大学院へ留学し、MBAを取得しています。

留学や海外滞在経験は、彼ら若手起業家のバックグラウンドのひとつとなり、目立たない場合もあります。しかし、むしろ外国で受けた衝撃体験こそが、今行っている事業の根本にある、という場合も多いようです。

いずれにしても、日本を飛び出し、経済的・文化的に異なる土地で経験したことが、彼らを起業に向かわせる要因になっていると想像しています。

共通の行動力―社会問題への取り組み

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若手起業家は、社会で巻き起こっている問題に対して、それを解決するのは自分であるという意識を持っています。そして、その意識が彼らを行動させ、起業という形で結実しています。

フローレンス代表の駒崎弘樹氏(1979年生まれ)は、日本において子育てがあまりに難しいことに疑問を持ち、病児保育・小規模保育の仕組みを作ることで、子の親になろうとする人々を支援しています。

ユーグレナ社長の出口充氏(1980年生まれ)は、食糧問題の本質が食べ物の生産量の問題ではなく栄養という質の問題であると看破しました。そして、動物と植物の両方の栄養素を生み出す生物であるミドリムシに注目して、地球規模の栄養失調を解決しようと試みています。

e-エデュケーション代表の税所篤快氏(1989年生まれ)は、途上国の貧しい高校生たち向けに格安の予備校を開き、大学進学の機会を提供する事業を進めています。

ここに挙げたのは育児・食糧問題・教育機会の問題ですが、他にも、雇用における性差別などの多岐の問題に、彼らは体当たりで臨んでいます。

共通の精神性―私腹を重視しない

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これは本書で取り上げられていたすべての若手起業家に言えることですが、彼らには、お金を稼いで豊かになろうという態度はほとんど見えません。彼らは、お金は稼ぐが、それは事業を継続したり、また別の事業に投資して新しく展開するためにこそ必要なことなのだ、と認識しています。

私は、起業する人の多くが、一発あてて成功したい、財産を築いて豊かになりたいという思いから起業をするのだと思い込んでいました。でも、実際にはそうではなかった。

彼らにとっては、まず社会問題や、世の中にある不便なこと、不満なことを解消したいという思いがまずあって、それを持続可能な形で解決したいという動機がある。そのために、ビジネスという形態をとり、それを成功させようと尽力しているのです。

だから彼らにとって、私腹を肥やすことは別段大きな意義のあることではない。社会との関連におけるもっと壮大なビジョンがあって、その実現にこそ起業の意味がある。そういうことなのだと思います。

おわりに

『起業のリアル』を読むことによって、私とは違う世界に住んでいるように思える若い起業家の人たちのことが、大分理解できたと感じます。彼らは、何らかの衝撃的体験を通じ、それを社会の解決すべき問題として認識し、ビジネスという形に昇華して、解決しようとしているのです。

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