どうすれば価値を感じてもらえるか?キーワードは「ホンネ」

ヒット商品が教えてくれる 人の「ホンネ」をつかむ技術

「人はいつ商品を買うのか」

「なぜ買うのか」

「どういう状況で買うのか」

最近こういった問いばかりを考えている。

マーケティングの本にはよく、人は価値を感じたときに買うのだと書いてある。

価値…

なんとなく分かるようで、分からない。ハッキリとつかめた気がしない。価値とは何なのか? どういうときに人は価値を感じるのか?

価値という言葉は、私にはまだまだつかみどころのない概念だ。だから、価値を感じさせるにはどうすればいいのかと、悩み続けている。

しかし次の本のタイトルを見かけて、私は「あぁ、これか!」と少し合点が行った。

ホンネ」。

人はホンネを掴まれたとき、価値を感じ、スッとその商品を手に取って、購入してしまうのではないか。

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『ヒット商品が教えてくれる 人の「ホンネ」をつかむ技術』で学んだこと

著者の並木裕太氏は、様々な企業から市場分析を依頼されるマーケティングコンサルタントである。

「心のレントゲン」という手法を用いることで、従来の調査では分からなかった人間の心理に迫ることができるという。

実際、本書では、ヒット商品の裏側にどんな「人のホンネ」があるのかということについて、いくつもの事例に基づいた分析が行われている。

著者の論には興味がつきない。その中で、特に学びの大きかった部分を記しておく。

言葉は嘘をつくが、行動は嘘をつかない

行動は嘘をつかない

「言葉は嘘をつきますが、行動は嘘をつきません。」

これは、本書の「はじめに」における並木氏の言葉である。

人は直球で聴かれてもホンネなんて答えはしない。だから、その人の過去にまつわる質問をするなどして、行動パターンを探りだすのが重要だ、としている。

並木氏が挙げている面白い例が、気になる女性に好みのタイプを聞き出すときにどう訊くか、という例。

「○○ちゃんは、どんな人が好みなの?」

と訊いたところで、「優しい人」とかのありきたりな答えしか返ってこない。だからそう訊くのではなく、

「○○ちゃんがこれまでに好きになった人って、どんな人だったの?」

と訊く。そうすると、相手は喜んで過去の行動を話し出すから、そこからその人の本心が見えてくる。

なるほど。人は自分の本当の気持ちは隠したがるものだし、そももそ自分では自分の本心に気が付かないことすらある。

一方で、過去のことはしゃべりたいし、そこから読み取れることが多くある。

行動は嘘をつかないという原理。なぜ売れているか?を知るには、人の行動を子細に記録し、そこにあるホンネを読み取る努力をしなければならないのだ。

13のヒット商品と、共通点

13のヒット商品

並木氏は、13のヒット商品について、その商品がいかにうまく人の「ホンネ」を掴んでいるかを分析している。

ヒット商品の例としては、サマンサタバサの鞄、天使のブラ、スカルプD、AKB48など。

それらに共通している人のホンネ・心理とは、「本当の自分を隠したい」「自分をアピールしたい」「他人の本性を知りたい」というものである。

個々の分析については本書を読んでもらえれば良いかと思う。ここでは私が最近購入したある商品に関連づけて考えてみたい。

私が買ったのは、毛玉取り機である。

気に入っている服に毛玉やケバ立ちが出来て、処分せざるを得なくなることがこれまでに何度もあった。毛玉・ケバ立ちさえなければまだ着れるので、捨ててしまうのはもったいないし、エコではないと感じていた。それで、それらの服を毛玉取り機で再生させようと考えたのだ。

でも、「捨ててしまうのはもったいない・エコではない」というのは建前である。

本当は、新しい服を買うお金があまりないわけだ(笑)。でもそんな自分は隠したい。だから、毛玉をとって服を綺麗にして、少しでも良い自分を演出したい。

また、「捨ててしまうのはもったいない・エコではない」から毛玉取り機を利用していると言えば、聞こえが良い。モノを大切にするという人柄をアピールできる。

自分自身が買ったものについても、こういうホンネが実は潜んでいると分かる。

アップルはなぜ勝ち続けるか?iPod販売戦略

iPodに対する女性のホンネ

並木氏の分析で最も印象に残るのがアップルのiPodに関するものである。非常にためになったので、この事例だけはここに書きとめておく。

アップルは、ポータブル音楽プレーヤー市場で、完全に一人勝ちしている。

なぜ彼らは勝者になれたのか? 著者の最初の指摘は、iPodの登場によって女性がポータブル音楽プレーヤーを持つようになったというもの。だから、iPodの勝因を探るには、「女性たちのホンネ」を洗い出す必要がある。

並木氏の手法で分かったところによれば、それは次のようなところにあった。

「従来のポータブル音楽プレーヤーは音楽オタク・メカオタクの持ち物のようで、自分が持っていて自然な感じがしない。デザインも自分のファッションやアクセサリーと合わない」

「その点、iPodはどんな服装にも合う。カジュアルなイメージがあるのでカバンから出しても恥ずかしくない」

オタクの持ち物でダサい…というホンネをつかみ、スタイリッシュなiPodを開発。女性たちはその商品にファッションアイテムとしての魅力を感じた。こうして、爆発的なヒットにつながっていったということである。

価値とは何か?というのは難しい問いだが、どうすれば価値を感じてもらえるか?という問いであれば、その答えがここにある。人は、ホンネを受け入れてくれる商品に価値を感じるのである。

まとめ

ヒット商品の裏側には、人がなかなか表に出さない「ホンネ」が隠れている。ホンネをつついた商品は価値あるものとみなされ、売れに売れていく。

私自身は商品開発の人間ではないから、ホンネをつつく商品をつくることそのものは、できない。

しかし、並木氏の考え方を、ブログでモノを売っていくときの指針にすることができるだろう。

すなわち、「ホンネを刺激する文章を書く」。

この明確な方向性を得られたことが、本書『ヒット商品が教えてくれる 人の「ホンネ」をつかむ技術』からの大きな収穫であった。

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