アガルート司法試験・予備試験講座を実際に受講してレビューしている杉山貴隆です。

アガルートで司法試験の合格を目指そうと公式サイトを開いてみたものの、ずらりと並ぶ講座やカリキュラムを前に、「結局どれを選べば合格までたどり着けるのだろう」「全部でいくらかかるのだろう」と手が止まってしまう。そんな経験はないでしょうか。
この迷いの正体は、司法試験には合格までの道が2つあり、どちらを通るかで選ぶプランも必要な費用も変わってくる、というところにあります。情報が各ページに散らばっているため、全体像をつかむのは簡単ではありません。
そこで今回は、合格するためのルートごとに「どのプランをどの順で受講し、総額いくらになるのか」を一枚の地図のように整理してみます。読み終えるころには、あなたが進むべき道と、支払うことになるおおよその金額がはっきり見えているはずです。
※本記事は2026年6月時点で入手できる情報を基に作成しています。記事内で示す金額は「アガルートに支払う受講料の最少額」です。試験の受験手数料や、法科大学院ルートで必要になる大学院の学費、自身で必要性を感じたときに追加する学習の費用は含みません。
司法試験合格までの2つのルート

司法試験は、誰でもいきなり受けられる試験ではありません。まず「受験資格」が必要で、その資格を得る道は2つです。アガルートのプランも、どちらの道を選ぶかということを出発点に組み立てられています。まずは全体像を押さえましょう。
| ルート | 司法試験の 受験資格の得方 | アガルートで 中心になるプラン |
|---|---|---|
| 予備試験ルート | 予備試験に合格 | 予備試験 最短合格カリキュラム |
| 法科大学院ルート | 法科大学院を修了 (在学中受験を含む) | 法科大学院入試・法曹コース 最短合格カリキュラム |
1つ目が予備試験ルートです。予備試験という国家試験に合格すると、法科大学院を経由しなくても司法試験の受験資格が得られます。
2つ目が法科大学院ルートです。大学卒業後に法科大学院へ進んで修了するか、在学中に一定の要件を満たすことで受験資格を得ます。
2つのルートの関係についてアガルートは次のように説明しています。
法科大学院ルートは着実にステップを刻む有効な選択肢ですが、「時間とコストを最小限に抑え、最短で法曹界へ羽ばたきたい」と願うなら、予備試験ルートこそが唯一無二の選択肢です。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 予備試験最短合格カリキュラム
合格率で言うと予備試験ルートの方が高いですが難易度も高いため、リスクを抑えながら司法試験を目指す場合には法科大学院ルートも有効な選択肢です。
参考【アガルート公式】法科大学院入試・法曹コース 最短合格カリキュラム
ざっくり言えば、最短で駆け抜けたいなら予備試験ルート、リスクを抑えて着実に進みたいなら法科大学院ルート、というのがおおまかな住み分けです。どちらを選ぶかで受講するプランが変わり、結果として費用も変わってきます。
ここから先は、それぞれのルートで何を受講し、いくらかかるのかを具体的に見ていきましょう。
予備試験ルートのプランと費用

ここからは予備試験ルートを見ていきます。受講するプランと、司法試験合格までにかかる総額を順に確認しましょう。
予備試験最短合格カリキュラムを選ぶ
予備試験ルートで初学者がまず選ぶべきは「予備試験最短合格カリキュラム」です。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 予備試験最短合格カリキュラム
フルとライトの2種類がありますが、ここでは教材もサポートも最も充実した初学者向け最上位の「フル」を前提にします。
- 総合講義300(合格に必要な知識を一から学ぶ基礎講座)
- 論文対策(「論文答案の書き方」と「重要問題習得講座」)
- 短答対策(短答知識完成講座・短答過去問解説講座)
- 予備試験の論文過去問解析講座
- 選択科目対策(8科目から1つ)・答練・実務基礎科目対策
- プロ講師による添削・質問対応・コーチングなどのサポート
見てのとおり、予備試験の合格に必要な要素が一通りそろっています。短答式試験対策も、論文式試験対策も選択科目も過去問演習も、この一本に含まれているのが大きな特徴です。初学者がゼロから始めても、まずはこれだけで予備試験対策が完結するように設計されています。
そして見逃せないのが、このカリキュラムが予備試験の先にある司法試験までを視野に入れている点です。
アガルートは「予備試験合格後は更にカリキュラムをお申し込みいただく必要はなく、司法試験の論文形式(8枚答案)に慣れることで司法試験に完全対応することが可能です」と述べています。

予備試験は司法試験より科目が多く難度も高いため、その対策がそのまま司法試験対策を兼ねる、という考え方です。
では、本当にこの一本だけで司法試験まで十分なのでしょうか。ここには少し補足が必要なので、費用の具体的な金額と合わせて次で説明します。
論文過去問を足した合計費用
結論を先回りしてお伝えすると、予備試験ルートでアガルートに支払う費用の目安は、おおよそ次のとおりです。
| 受講するプラン | 税込価格 |
|---|---|
| 予備試験最短合格 カリキュラム/フル | 1,298,000円 |
| 司法試験 論文過去問 解析講座(全年度分) | 281,600円 |
| 合計 | 1,579,600円 |
カリキュラム本体が約130万円、そこに司法試験の論文過去問解析講座(約28万円)を足して、合計でおよそ158万円になります。
なぜ論文過去問解析講座を足したのか、その理由を説明します。実は予備試験最短合格カリキュラムには、予備試験の論文過去問は含まれていますが、司法試験の論文過去問(基本7科目分)は含まれていません。
その一方、司法試験の論文式試験は、必須科目では1問あたり8頁という長文で、予備試験とは出題のされ方も分量も異なります(分量の規定は2026年度のCBT方式への移行後も同様です)。
アガルート自身も予備試験最短合格カリキュラムのページで「予備試験合格後は、司法試験 論文過去問解析講座をご利用いただくことをお勧めしております」と述べています。

参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 予備試験最短合格カリキュラム
また、論文過去問解析講座のページにも「事前に綿密に過去問対策を行い、出題形式に慣れ、出題傾向を把握することは必要不可欠」と記されています。

これらのことが示唆するのは、実は予備試験最短合格カリキュラムに司法試験の論文式試験対策を追加する必要性が高いということです。
つまり、アガルートはこの論文過去問解析講座を「お勧め」という任意の位置づけにとどめているものの、司法試験の論文式の過去問演習をしないまま本番に向かうのは、現実的とは言えません。
そこで私は、これを実質的に欠かせない講座とみなし、合計額に含めました(私の独自判断)。
ただし、過去問演習そのものは、アガルートの講座でなくても、公表されている過去問や市販の問題集で代えることもできます。ただ本記事は「アガルートで一通りそろえるといくらか」という観点なので、アガルートの講座で計算しました。
逆に、アガルートの案内どおり論文過去問解析講座を任意と考えて外すなら、最小構成はカリキュラム本体のみの約130万円です。「最低でも約130万円、司法試験の論文までしっかり備えるなら約158万円」と捉えておくとよいでしょう。
法科大学院ルートのプランと費用

続いて法科大学院ルートです。選ぶプランと総額を見ていきますが、このルートには予備試験ルートと決定的に違う点があります。それは司法試験合格の主役が、アガルートではなく法科大学院になるということです。
法曹コース最短合格カリキュラムを選ぶ
法科大学院ルートで初学者がまず選ぶべきは「法科大学院入試・法曹コース最短合格カリキュラム/スタンダード」です。
参考【アガルート公式】法科大学院入試・法曹コース最短合格カリキュラム/スタンダード
名前に「法曹コース」と入っていますが、法曹コースとは、法学部などに置かれ、法科大学院の既修者コースへとつながる課程を指しています。
法曹コースに在籍していなくても、法科大学院を目指す初学者であればこのカリキュラムの受講対象者です。
- 総合講義300(知識を一から学ぶ基礎講座)
- 論文対策(「論文答案の書き方」と「重要問題習得講座」)
- 法科大学院入試の過去問解説(人気校の過去問)
- ステートメント(出願書類)対策
- 予備試験・法科大学院入試の答練
「法科大学院入試・法曹コース最短合格カリキュラム」が主眼に置いているのは、「法科大学院入試の突破」です。法律を学んだことがない人でも、約1年間の学習で難関法科大学院入試の突破を目指せる構成になっています。
同時に、アガルートはこのカリキュラムを「在学中司法試験合格まで見据えた」ものとも位置づけています。

ただし中身をよく見ると、司法試験の短答対策や、司法試験の論文過去問、選択科目対策までは含まれていません。法科大学院入試・法曹コース最短合格カリキュラムは「入試突破に必要な力をつけ、その基礎が司法試験にもつながっていく」という設計だと理解するのが正確です。
短答対策を足した合計費用
このルートでアガルートに支払う費用の目安は、おおよそ次の通りです。
| 受講するプラン | 税込価格 |
|---|---|
| 法科大学院入試・法曹コース 最短合格カリキュラム/スタンダード | 998,800円 |
| 短答知識完成講座Ⅰ (憲法・民法・刑法) | 59,400円 |
| 短答過去問解説講座Ⅰ (憲法・民法・刑法) | 76,780円 |
| 合計 | 1,134,980円 |
カリキュラム本体が約100万円、そこに司法試験の短答対策を足して、合計でおよそ113万円。ただしカリキュラムの価格は入学目標年度によって変わり、上の表は2029年4月入学目標のものです。2028年4月入学目標なら、本体は約89万円で、合計額は約102万円になります。
短答対策を足したのには理由があります。司法試験の短答式は憲法・民法・刑法の3科目ですが、先ほどのカリキュラムにはこの短答対策が入っていません。
アガルートはトップページの対応表で、このカリキュラムで司法試験まで対応するには「別途、短答式試験対策(3科目)が必要」と明記しています。

しかしながら、アガルートはどの講座を充てればよいかまでは指定していません。そこで私は、司法試験の短答3科目(憲法・民法・刑法)に対応する「短答知識完成講座Ⅰ」と「短答過去問解説講座Ⅰ」を充てることを前提として計算しました(私の独自判断)。
単科講座の価格は価格表のページで確認できます。
なお、ここで1つ注意点があります。それは、この約113万円は「司法試験に合格するための費用のすべて」ではないということです。
法科大学院ルートでは、司法試験対策の中心はあくまで法科大学院での2~3年の学びにあります。アガルートのこの費用は、いわば「法科大学院入試の突破と、司法試験の短答対策までをアガルートでそろえる費用」だと考えてください。
そして法科大学院には別途の学費が必要です。文部科学省令が定める国立大学の標準額でみても、2年間で約190万円、3年間なら約270万円ほどかかり(いずれも入学料込み)、私立はさらに高くなります。この学費は今回の費用には含めていません。
2ルートの費用比較と選び方

2つのルートで、アガルートに支払う費用を並べてみましょう。
| ルート | アガルートに支払う 費用(目安・税込) | この金額が指す範囲 |
|---|---|---|
| 予備試験ルート | 約158万円 | アガルートで司法試験合格まで |
| 法科大学院ルート | 約113万円 | 法科大学院入試+司法試験の短答まで (司法試験の学習の主軸は法科大学院) |
表だけを見ると、法科大学院ルートのほうが40万円以上安く見えます。ですが、この数字をそのまま「法科大学院ルートのほうがお得」と読むのは早計でしょう。
理由は2つあります。1つは、すでに触れたとおり、法科大学院ルートには大学院の学費(国立の標準額でも2~3年で約190万~270万円、私立はさらに高め)が別途かかること。
もう1つは、2つの金額が指す範囲がそろっていないことです。
予備試験ルートの約158万円は「アガルートだけで司法試験合格まで」をほぼ射程に入れた金額ですが、法科大学院ルートの約113万円は「入試と短答まで」で、司法試験対策の本体は法科大学院に委ねられています。同じ「費用」でもカバーしている範囲が違うのです。
費用の数字だけで飛びつくのではなく、「自分がどれだけの期間をかけられるのか」「働きながらなのか、専念できるのか」といった事情も合わせて選ぶのが賢明でしょう。
費用を可能な限り抑える方法

ここまで読んで、「思っていたより高い」「もう少し抑えられないのか」と感じたかもしれません。最後に、この点について参考となる情報をお伝えします。
- 各種割引制度(他校からの乗り換え割引など)
- 合格特典(合格した場合の返金制度)
- 受講するプランの絞り込み
本記事で提示した金額は、2つのルートを比べやすくするために、割引を使わない正規価格で初学者向けの最上位プランに統一して算出しました。
実際には、アガルートが「最大50%OFF」としてさまざまな割引制度を用意していて、条件に合えば負担額を引き下げることができます。

また、対象のプランには合格特典として全額返金制度もあります。合格体験記の提出やインタビュー出演を条件として税抜受講料相当額を受け取れる制度です。こちらを利用できれば実質費用はかなり抑えられるでしょう。

さらに、学習経験者の方は自分自身の知識レベル・学習段階にあったプランを選択し、よりリーズナブルな受講料で学習を進めることもできます。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 講座一覧/価格表
資格試験対策講座でよく話題になる教育訓練給付制度については、アガルートの司法試験・予備試験講座は対象外です。
司法試験合格のための受講費用は決して小さくありません。一方で、本当に削るべきは金額そのものよりも「迷っている時間」であるという見方もできます。
自分が採るべきルートと必要なプランを確定させ、利用可能な割引制度がわかったら、目標実現のためのスタートを早期に切っていただければと思います。
この記事のまとめ

アガルートで司法試験合格を目指すとき、最初の分かれ道は「予備試験ルートか、法科大学院ルートか」でした。各ルートで選択するべきプランとアガルートに支払うおおよその費用は、次のように整理できます。
- 予備試験ルート:予備試験最短合格カリキュラム+司法試験の論文過去問解析講座で「約158万円」
- 法科大学院ルート:法曹コース最短合格カリキュラム/スタンダード+短答対策で「約113万円」(ただし法科大学院の学費は別)
数多くのプランを前に立ちすくんでいたとしても、進む道さえ決まれば、選ぶべきカリキュラムも必要な費用も驚くほどシンプルに決まります。この記事が、あなたが最初の一歩を踏み出すための地図として役立てば幸いです。

