アガルート司法試験・予備試験講座 市販テキストで独学できる?

アガルート司法試験・予備試験

アガルート司法試験・予備試験講座を実際に受講してレビューしている杉山貴隆です。

アガルート司法試験・予備試験講座を実際に受講してわかったこと【口コミ・評判】
アガルート司法試験・予備試験講座の「最短合格カリキュラム」を実際に購入・受講しました。実体験をもとにレビューします。

司法試験や予備試験の対策を本格的に検討し始めると、講座の受講料の高さに少し驚いてしまいますよね。アガルートのカリキュラムも、決して気軽に手が出る金額ではないでしょう。

そうなると「あの教材だけを買えないのだろうか」「市販の本や中古で安くそろえて、独学でなんとかできないか」といった発想になりがちです。

ただ、ここで教材の選び方を誤ると、お金も時間も大きく無駄にしかねません。だからこそ、一度立ち止まって確かめておく価値があります。

そこで今回は、アガルートのテキストが市販されているのか、中古や市販書籍で独学が成り立つのかを、公式情報をもとに整理しました。この記事を読み終える頃には、あなたが次に選ぶべき道が、はっきり見えているはずです。ぜひ最後まで目を通してください。

※本記事は2026年6月時点で入手できる情報を基に作成しています。

今回の結論

今回の結論

最初に、この記事の結論をまとめてお伝えします。

  • 講座テキスト(有料プランに付属した総合講義テキストなど)は、単体では市販されていない
  • 中古で講座テキストを手に入れて独学する方法は、規約・著作権の面でも学習効果の面でもおすすめできない
  • アガルートが出版する市販書籍は確かにあるが、それだけで独学合格を狙うのは、かなり厳しいのが実情

なぜそう言えるのか。ここからは、ひとつずつ丁寧に見ていきましょう。

参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座

アガルートのテキストは2種類ある

アガルートのテキストが市販されているかどうか。この問いに答えるには、まず「テキスト」という言葉を2つに分けて考える必要があります。

具体的には、講義とセットの「講座テキスト」と、書店で買える「市販書籍」。順番に整理していきます。

講座テキストは単体で買えない

講義で実際に使う「講座テキスト」を手に入れる方法は、次の3つに限られます。

  • カリキュラムを購入し、教材として受け取る
  • 単科講座(総合講義300など)を購入し、教材として受け取る
  • 資料請求をして、民法のテキストを1冊無料で受け取る(在庫・期間限定)

講座テキストは、講義動画と一体で使うことを前提に作られた中核教材です。たとえば基礎インプットの中心となる総合講義300には、テキスト7冊と論証集7冊が付いてきます。

これらを本・書籍として書店やAmazonで購入することはできません。講座テキストはあくまで講座の教材の一部なんです。

もっとも、講座テキストを正規に手に入れる方法がないわけではありません。その方法とは、単科講座の「総合講義300」(約32万円)または「総合講義100」(約16万円)の購入です。どうしてもという場合は、高額ではありますが代金を支払うことで入手できます。

他方、数千円でテキストだけを買う、という方法は存在しません。(この点が、後ほど紹介する市販書籍との決定的な違いになります。)

ひとつだけ、ほぼ無料で講座テキストの実物に触れる手があります。それは、資料請求でもらえる民法のテキスト1冊です。対応する講義動画も視聴できるので、教材の雰囲気を確かめる「おためし」として、私はとても優秀だと感じています

ただし1冊かつ期間限定なので、これで全科目がそろうわけではありません。この点を念頭に利用するようにしましょう。

参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 資料請求・無料体験

書店で買える市販書籍がある

一方で、アガルートの講師陣がつくった本は一般向けに市販されています。書店やAmazonなどで誰でも購入できるものです。主なシリーズは次の4つ。

シリーズどんな本か1冊の価格目安
合格論証集論文で書く論証をまとめた本約3千~5千円
総合講義1問1答重要知識の一問一答集約2千~5千円
実況論文講義論文答案の書き方の解説書約3千~4千円
最短合格読本受験ルートを解説するガイド約2千円

参考【アガルート公式】アガルート出版 書籍一覧

並べてみるとわかるとおり、論証集・一問一答・論文の書き方・受験ガイドといった、特定の目的に特化した本ばかりです。

ここで見落としてはいけない区別があります。市販されているのはこうした「関連書籍」であって、講義で使う総合講義テキストそのものの市販版ではありません

アガルート自身も、予備校の論証集は通常なら講座に付随してしか手に入らないものだと説明したうえで、自社の合格論証集は市販していると案内しています。

つまり、中核の講座テキストは原則どおり非売品、その周辺の一部の本だけが例外的に市販されている、というのが実情です。

「アガルートのテキストは市販されてる?」という問いに私なりに一言で答えるなら、「学習の核になるテキストは市販されていない。ただし論証集などの補助的な本は買える」となります。この構造を最初に押さえておくと、この先の話がぐっと理解しやすくなるでしょう。

講座テキストを中古で買って独学できる?

講座テキストは新品では単体で買えません。それなら中古はどうか、と考えるのは自然な流れです。フリマアプリやオークションで安く手に入れて独学できないか、と気になっている人もいるでしょう。

しかし、ここには見過ごせない2つの問題があります。

規約や著作権の問題がある

まず、ルールと権利の問題です。アガルートの会員規約や公式の案内には、次のことが書かれています。

  • 受講生が教材を第三者に売却・贈与・貸与することは、規約で禁止されている
  • 教材を無断で複製して販売する行為は著作権侵害にあたり、刑事罰の対象になる
  • 教材を使う権利は、受講契約をした本人の学習目的に限って与えられる

会員規約の第11条は、教材を第三者に売ったり譲ったり貸したりすることを、はっきり禁じています。オークションへの出品も名指しで挙げられており、中古として出品する行為そのものが、出品者側の規約違反にあたるのです。

参考【アガルート公式】アガルートアカデミー会員規約

違反した場合には差止めや損害賠償の定めもあり、決して軽く扱われてはいません。

さらにやっかいなのが、フリマやオークションに出回る「複製品」、いわゆるコピー本の存在です。アガルートは、教材を無断で複製して販売する行為は著作権侵害であり、刑事罰の対象になると明言しています。

フリマサイトの運営会社とも協力し、こうした行為には厳しく対処していく構えです。複製品と知らずに買ってしまえば、結果として違法なコピーの流通を助けることになりかねません。

念のため補足すると、買う側が会員規約に直接しばられるわけではありませんし、正規品の中古購入がただちに違法と言い切れるかは、込み入った法律論を含みます。

それでも、出品者の規約違反や著作権侵害品の取引に、結果として加担してしまうことは否めません。安く済ませたいという気持ちはよくわかりますが、わざわざこのリスクを背負う必要はない、というのが私の率直な考えです。

参考【アガルート公式】フリマアプリ等における複製品に対する対応

講義が付かず内容も古い

仮に規約や権利の問題を脇に置いたとしても、そもそも学習がうまく回らない、という壁が立ちはだかります。

  • 講義動画はアカウントに紐づく本人専用で、中古のテキストには付いてこない
  • テキストは年度ごとに改訂され、中古は古い版で、最新の法改正や判例に対応していないことがある
  • 添削や質問、コーチングといったサポートは一切受けられない

アガルートの学習は、講義動画とテキストが二人三脚で進む設計になっています。講義はマイページから視聴する仕組みで、ログイン用のIDとパスワードは本人だけのもの。第三者へ譲ったり貸したりすることはできません。

ですから、中古で紙のテキストだけを手に入れても、肝心の講義動画もデジタル版のテキストも見られないのです。たとえるなら、教科書だけは手元にあるけど、その授業には出られないという状態に近いでしょう。

加えて、法律の教材は毎年のように改訂されます。中古市場に出回るのは古い年度の版であることが多く、その後の法改正や新しい判例が反映されていないおそれがあるのです。

知らずに古い知識を覚え込んでしまうと、あとで修正するのに余計な手間がかかります。これは安さと引き換えにするには、あまりに大きな代償ではないでしょうか。

結局のところ、中古の講座テキストでの独学は、安く済ませたつもりが、講義なし・内容が古い・サポートなし、という三重の遠回りになりがちです。

お金以上に、貴重な勉強時間を失いかねません。私としては、やはりおすすめできない道だと考えています。

市販のアガルート本だけで独学できる?

では、堂々と買える市販書籍ならどうでしょう。合格論証集や一問一答だけをそろえて、独学で合格を目指せるのか。結論を急がず、3つの角度から確かめていきます。

アガルートも独学の難しさを認めている

意外に思うかもしれませんが、独学の厳しさをいちばん率直に語っているのは、ほかならぬアガルート自身です。アガルートは、独学を始めるなら次の教材一式をそろえるべきだと案内しています。

  • 六法(判例ありと判例なしの2種類)
  • 入門書
  • 基本書(通読用と辞書用)
  • 判例集・判例注釈書
  • 演習書
  • 問題集(短答・論文の過去問解説は必須)
  • 論証集などの予備校本

参考【アガルート公式】司法試験の独学におすすめの参考書・テキストは?一式揃えるべき書籍を紹介

そのうえで、アガルートのコラムは司法試験の「独学での合格は極めて困難」だと明記しています。不可能ではないけれど、極めて困難。この温度感は、しっかり受け止めておきましょう。

注目してほしいのは、この一式のうちアガルートの市販書籍が担えるのは論証集や一問一答、論文の書き方といったごく一部にすぎないという点です。

六法や基本書、入門書、判例集、演習書は、他社や学者が書いた本を別途そろえる必要があります。これは、ほかならぬアガルート自身がそう案内している事実です。

言いかえれば、「アガルートの市販本だけで教材一式がそろう」ことはありません。市販書籍は、独学での合格に必要なツール群の中のごく一部にとどまるのです。

INFO

なお、この問題は講座を受講すれば全部解決する、という話でもありません。

もちろんプランによっては基本書の代わりになるテキストや演習用教材が付属します。これに対し、六法や、より深く学ぶための判例集・基本書などは、受講生でも自分で用意するのが原則です(判例集・基本書は、講座では参考図書として案内されます)。

市販書籍に足りないもの

アガルートの市販書籍だけで独学しようとすると、具体的に何が欠けるのか。主な「穴」は、この4つに整理できます。

  • ゼロから体系を学ぶための講義と総合講義テキスト(中核のインプット)
  • 答案を見てもらう添削や、疑問に答えてもらう質問対応
  • 全科目分の論証集(市販の合格論証集には憲法・行政法が見当たらない
  • 本ごとの新しさのばらつき(古い年に出たままのものもある)

いちばん大きいのは、知識をゼロから積み上げるための講義と総合講義テキストが手に入らないことでしょう。

アガルートが一般向けに販売している一問一答や論証集が、その代わりになると思うかもしれません。けれども、これらはどちらも、知識を整理し、確認し、覚えるための教材です。

一問一答は重要な知識を問いと答えの形で確かめるもの、論証集は論文で書く論点をまとめたもの。いずれも、すでに理解した内容を仕上げる段階でこそ力を発揮する本であって、何もないところから理解を組み立てるための書籍ではありません。

参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 参考書・テキストのおすすめ5選

論文対策の弱さも見逃せません。独学の最大の難所は論文式試験の答案を書く力をつけること。ところが市販書籍には添削サービスが付かないため、自分の答案が合格水準なのかを自己採点で判断するしかありません。

さらに、アガルートが市販している合格論証集には憲法・行政法の巻が見当たらず、全7科目の論証集を市販だけでそろえることもできないのが現状です。

念のため申し添えると、市販書籍そのものは質の高い教材です。問題は、それ「だけ」では独学の土台までは作れないという一点に尽きます。土台となる講義や体系的なインプットは、別のどこかで用意しなければならないのです。

市販書籍が活きる使い方

ここまで厳しい話が続きましたが、アガルートの市販書籍を否定したいわけではありません。むしろ、とても優れた教材だと言えます。それらが本来の力を発揮するのは、こんな使い方をしたときです。

  • 講座や基本書で学んだあとの知識の復習・点検に使う
  • 論証の正確さをチェックし、答案の質を一段引き上げる
  • 苦手な科目や論点を、ピンポイントで補強する

ポイントは、主たる学習が別にあって、その上に市販書籍を重ねるという順番です。土台があってこそ、一問一答や論証集は復習の切れ味を発揮します。これは、市販書籍が本来担う「整理・確認・暗記」の役割にも素直にかなった使い方です。

費用をできるだけ抑えたいのであれば、いきなりフルカリキュラムに飛び込まず、中間的な道を選ぶこともできます。たとえば総合講義などの単科講座で、講義と総合講義テキストという学習の土台だけを正規にそろえ、そこに市販書籍を重ねるやり方です。

ただし、単科講座で手に入るのは、あくまで講義とテキストが中心になります。答案の添削や、担任講師によるパーソナルコーチングといった手厚いサポートまで一体でそろうのは、フルカリキュラムのほうです。

こうしたサポートは、本来なら独学者が自力で抱え込む負担を、まるごと肩代わりしてくれます。だからこそ私は「市販本だけで独学」を入り口にするよりも、土台は講座や基本書に任せて、市販書籍は補助に回す、という役割分担をおすすめしたいです。

遠回りに見えて、結果的にはこれがいちばんの近道になることが多いのですから。

参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 予備試験最短合格カリキュラム

この記事のまとめ

この記事のまとめ

最後に、ここまでの話を振り返ります。アガルートのテキストは、講義とセットの「講座テキスト」と、書店で買える「市販書籍」の2つに分かれていました。前者は単体では市販されておらず、後者は論証集や一問一答など4つのシリーズが市販されています。

そして、講座テキストを中古で手に入れて独学する方法は、規約や著作権の面でも、講義が付かず内容も古くなるという学習面でも、おすすめできるものではありませんでした。

アガルートの市販書籍だけで独学合格を狙う道も、アガルート自身が「極めて困難」と認めるほど険しいものです。市販書籍は、あくまで一定の土台の上で輝く副教材だと考えるのが、現実に即した見方でしょう。

予備試験は合格率が数%という狭き門で、教材選びひとつが合否を左右します。「テキストは市販されているのか。それを使って独学できるのか」という小さな疑問から始まったあなたの教材選びも、ここまで読めば、ずいぶん解像度が上がったのではないでしょうか。

大切なのは、安さだけで飛びつかず「自分の学習の土台をどう作るか」から逆算することです。市販書籍を上手に味方につけながら、あなたに合った学び方を選んでみてください。最初の一歩は、思っているよりずっと近くにあります。

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