理科検定とは?特徴・受検するメリット・難易度・勉強法を解説

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資格取得で人生を変えてきた宅建士杉山貴隆です。

漢検や英検、数検など教科ごとに実力を試すための検定試験があります。理科に関する検定が理科検定(実用理科技能検定)です。理科検定を持っていると入試や就職で有利になることがあり、また理科の復習や基礎固めにもなります。

この記事では近年注目を集めている理科検定の特徴・受検するメリット・難易度・勉強法などを解説します。受検を検討している方は参考にしてみてください。

理科検定とは?

理科検定は日本理科検定協会が実施している理科学習の検定試験です。理科に興味を持って勉強する人を増やすために創設されました。理科検定の特徴を見ていきましょう。

特徴① 小学生から高校生の範囲をカバーしている

理科検定では小学1年生から高校応用レベルまで広い範囲をカバーしています。1級から11級まで分かれており、自分の目標や現在の実力に合わせて受検できる点が魅力です。例えば中学生レベルの3~5級の出題範囲は次のようになっています。

検定階級学年検査内容
理科検定3級中3運動とエネルギー、化学変化とイオン、
科学技術と人間、生命の連続性、地球と宇宙、自然と人間
理科検定4級中2電流とその利用、化学変化と原子・分子、
動物の生活と生物の変遷 気象とその変化
理科検定5級中1身近な物理現象、身の回りの物質、
植物の生活と種類、大地の成り立ちと変化

教科書にそった出題範囲となっており、学校の勉強がそのまま検定の勉強として活かせます。復習としても挑戦できますし、自分の力試しとしても気軽に受検しやすいです。

特徴② 理検STEPと理検SCOREの2種類の受検方法

理科検定には2つの受検方式があります。理研STEP理研SCOREです。

理研STEPは特定の階級を指定し受検する方式です。たとえば2級の検定試験に申し込んで受検し、基準以上の成績を納めることで2級合格者として認定されます。他の多くの検定試験と同様です。

これに対し理研SCOREは成績がスコアで示され、スコアに応じて認定される級が決まる受検方式です。「テストで取った点数に応じて2級に合格したり1級に合格したりする」と考えても良いでしょう。

理検SCOREは理研SCORE100・理研SCORE60といったいくつかの受検級に分かれており、それぞれで認定を受けられる級が異なります。受検級・出題範囲・認定級は次の通りです(ここに示していない受検級もあります)。

受検級出題範囲認定級
理検SCORE100小6~中学~高31級~6級
理検SCORE60小6~中3準2級~6級
理科SCORE40小3~小66級~9級
理科SCORE30小1~小39級~11級

例えば理検SCORE100では小6から高3までの範囲が出題され、スコアに応じて1級から6級の評価を受けることになります。

特徴③ 科学検定よりも基礎的な内容

同じ理系の検定として有名なのが科学検定です。インターネット上で受検できますが、2023年5月現在、サービスを休止しています。理科検定とはどのように違うのでしょうか。

理科検定は教科書にそった基礎的な内容が問われ、主として記述問題が出題されます。科学検定は教科書の内容を超えた応用的な問題が多く出題されます。問題内容が異なっているのが大きな違いです。

理科検定を受検し合格するメリット

理科検定は小学生から高校生までの学習内容をカバーして幅広い層の人が受検します。合格することでどんなメリットがあるのでしょうか。

メリット① 高校・大学入試で有利になる

理科検定に合格するメリットの1つめは高校や大学の入試で有利になることです。推薦入試のときに理科検定を持っていると内申点にプラスされる学校があります。例えば「理科検定3級以上で+1点」のように決められていることが多いでしょう。

理科検定がプラスになる優遇制度のある学校は理科検定公式サイトの入試優遇校紹介ページで確認可能です(下記)。必要な級やどのようにプラスになるかは学校ごとに違います。受験したい学校が優遇の対象になっていたら募集要項を確認してみましょう。

メリット② 理科の予習・復習になる

教科書は文部科学省が決めている学習指導要領をもとに作られています。学習指導要領とは「小学校と中学校で最低でもここまでは勉強しましょう」という学習範囲を示したものです。

理科検定は学習指導要領を参考にしてテスト問題が作られています。したがって理科検定の受検対策は教科書の内容と共通する部分が多く、学校で習うことの予習・復習になるのです。

長期的な目線に立てば、児童生徒が理科検定の勉強をすることは高校受験・大学受験における理科系科目の得点アップにもつながると考えられます。

メリット③ 履歴書に書ける

理科検定は履歴書にも書ける検定試験です。理系の仕事に就きたいときには理科についての知識をきちんと学んでいることの証明になります。7級や8級など低い級は書けませんが、中学3年生レベルの3級以上だと書いても問題ないレベルでしょう。

ただし理科検定を持っていても就職で常に圧倒的に有利になるわけではありません。あくまで教科書にそった基礎的な知識を身につけていることを証明する手段の1つであると考えておきましょう。

履歴書に書くときには理科検定を取ろうと思った理由を合わせて伝えることが勧められます。そうすることで理系の仕事に対する熱意が伝わりやすくなるはずです。

理科検定の日程と会場

理科検定はいつどのような場所で受検できるのでしょうか。検定の日程と会場について説明します。

【日程】1~2か月に1回行われる

理科検定は毎年10回程度行われています。2023年度は全8回の試験が実施される予定です。詳しい日程は理科検定公式サイトで確認できます。

1~2か月に1度の間隔で実施されているため気軽に受検しやすいと言えます。不合格になってしまった場合もそれほど期間を開けずに再チャレンジすることが可能です。

【会場】全国6か所で行われる

2023年度の理科検定は東京、埼玉、横浜、愛知、神戸、佐賀の6つの会場で実施されます。関東、中部、関西に住んでいる人にとっては受検しやすいでしょう。なお会場は変更になる可能性がありますので公式サイトで必ずチェックしてください。

また理検STEPの一部と理研SCOREの一部に限りオンライン受検も可能です。会場での受検に比べて検定料金がやや高いのですが、近くに会場がない場合でも自宅で受検できるメリットがあります。

理科検定の難易度と合格率

理科検定の難易度や合格率はどれほどなのでしょうか。理科検定ではある基準を満たせば合格となります。難易度と合格率を具体的に解説します。

【難易度】理検STEPは70%以上で合格

理科検定の理研STEPは試験問題にどれだけ正解できたか(正解率)が合格基準になっており、具体的には70%以上が基準となっています。50%以上70%未満だと「準級合格」となります。例えば3級を受検して正解率が60%だったときは「準3級合格」です。

理検SCOREでは合格基準は無く、成績はスコアによって示されます。そしてスコアが一定以上に達していれば級が認定されます。スコアと認定級の詳細は理科検定公式サイトの表で確認できます。

【合格率】公表されていない

理科検定の合格率は公表されておらず、どれほどの人数が合格しているのかはわからないのが実情です。合格率がわからないとしても、合格基準をクリアできるよう試験範囲を入念に確認し、十分な対策を行った上で受験するようにしましょう。

理科検定の勉強法

理科検定は教科書の指導要領にそって作られているので、基準が分かりやすく勉強しやすい検定試験です。具体的にどのような勉強をすれば良いのでしょうか。

過去問を解く

理科検定の対策をする際は過去問を解いて傾向を知るところから始めましょう。理科検定の公式サイトで過去問を無料で閲覧できます。どのような形式の問題が出題されるのかをチェックしましょう。

ただし公式サイトには一部の過去問しか掲載されていません。もっと過去問を解きたい場合は過去問題集の利用を検討すると良いでしょう。

教科書の内容を幅広く押さえておく

理科検定は教科書の内容に沿って作られています。そのため教科書の内容がしっかり理解できていれば合格できる可能性が高くなります。出題範囲に当てはまる部分を復習して理解するようにしてください。

ただし理科検定の出題範囲は広いため、全てをカバーすることは少し難しいかもしれません。過去問から傾向をつかんで「この単元だけは押さえておこう」と自分なりに目標を立てるとよいでしょう。

この記事のまとめ

理科検定は高校・大学受験時の推薦入試で優遇されることに加えて、学校の勉強の復習にもなる一石二鳥の検定試験です。理科に興味があり、将来理系の仕事に就きたいと考えている人はぜひ受検を検討していただければと思います。

以上、参考になれば嬉しいです。

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