漫画能力検定とは?受験するメリットや難易度・勉強法を解説

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日本で生まれ育った人で「漫画を読んだことがない」という人は皆無でしょう。漫画は日本の代表的な文化の1つです。

近年ではグローバル化に伴って日本の漫画が海外に輸出され、世界中の人に楽しまれるようにもなっています。そんな漫画の創作能力を問う検定試験が漫画能力検定です。

この記事では漫画能力検定の概要を解説し、合格するメリットや勉強法などをお伝えします。受験を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

漫画能力検定とは

漫画能力検定は特定非営利活動法人日本漫画能力検定協会が主催する検定試験です。正式名称「漫画能力検定まんがのうりょくけんてい」を略して「漫検まんけん」と呼ばれることもあります。

漫画能力検定は次のように定義されています。

  • 漫画愛好者の描画力と創造力をプロが客観的に評価する検定
  • 趣味やクラブで漫画やキャラクターを描く方や、本格的に漫画を学ぶことを目指す方を対象に、客観的な評価を行う実技検定

単に漫画制作に関する知識を問うのではなく、実際に漫画やキャラクターを描くという実技を伴う点がこの検定の大きな特徴です。2019年には中国でも実施されており、海外での認知が進む国際色豊かな検定でもあります。

漫画能力検定は次の2つの検定に分かれています。

漫画キャラクター検定(1級~4級)
魅力的なキャラクターを描き出す能力の有無を判定する検定試験。受験者は指定のストーリー・条件に基づいてキャラクターを描くことを求められる
漫画家アシスタント検定(1級~3級)
漫画制作のアシスタントとしての能力の有無を判定する検定試験。受験者は指定されたコマにトーン・ベタ・スピード線といった漫画的表現を描くことを求められる

すべての検定及び級は年齢・性別・国籍を問わず受験可能です。

漫画能力検定に合格するメリット

検定を受験し合格するには「受験対策の時間」や「受験料」といったコストがかかります。であれば、受験する私たちとしてはできるだけたくさんの合格するメリットがほしいですよね。

漫画能力検定を受験して合格するとどのようなメリットがあるでしょうか。少なくとも次の3つのことが挙げられます。

  • 漫画関連の入試でアピール材料になる
  • 漫画関連の就職活動でアピール材料になる
  • 漫画関連の独立開業でアピール材料になる

以下で詳しく見ていきましょう。

メリット① 漫画関連の入試でアピール材料になる

漫画能力検定を受験し合格するメリットの1つめは漫画関連の入試の際にアピール材料になることです。

漫画に関する専門学校や大学を目指す方は入試の際に面接を受けることがあります。面接では当然、漫画に対する熱意やこれまでの活動について質問されるでしょう。

その際に漫検合格を示すことができれば漫画に対する情熱があることを伝えられますし、実技検定に合格するほど習熟した技能を示すことができます。

メリット② 漫画関連の就職活動でアピール材料になる

漫画能力検定を受験し合格するメリットの2つめは漫画に関する就職活動でアピール材料になることです。

漫画関連で雇用を得て働きたい場合、漫画家アシスタントや出版社の社員といった仕事があります。またデザイン事務所のスタッフや企業専属イラストレーターという働き方もあるでしょう。いずれも人気の職種です。

企業や事務所が募集を開始すると多数の応募があります。採用担当者はその中から少しでも良い人材を採ろうとすることでしょう。そんな競争の中であなたが漫画能力検定の合格者であれば、その点で他の人との差別化ができます。

もっと具体的に言うと、漫画能力検定に合格していることで「漫画の技術を身に付けている人だ」「検定を受験するくらいだから仕事も頑張ってくれるだろう」と評価してもらえるんです。

以上をまとめると、漫画能力検定はあなたに揺るぎない競争力をつけてくれます。

メリット③ 漫画関連の独立開業でアピール材料になる

漫画能力検定を受験し合格するメリットの3つめは漫画関連の独立開業でアピール材料になることです。

漫画を描く能力を活かして独立開業したいという人もいるでしょう。ここでは「漫画家として漫画を描く」以外の道を考えます。たとえば漫画教室、似顔絵師・似顔絵教室、絵画教室といった事業です。

開業後、集客するにあたってはあなた自身の能力に関する客観的証明があると効果的です。たとえば美大を出ているとか、コンテストの受賞歴といったものがあれば、人はあなたを信頼して顧客になってくれます。

そんな客観的証明の1つが漫画能力検定です。あなたのプロフィールで「漫検合格済み」であると記すことにより、あなたのデッサン力や創造力を明確に提示できます。

想像してみてほしいのですが「私は絵を描くのがうまいです!」と言うだけの講師より「私は絵を描くのがうまいです。その証拠に漫画能力検定に合格しています」と言う講師のほうがずっと信頼できますよね。

このように、漫画能力検定は第三者による能力の証明としてあなたにハクを付け、あなたのビジネスの成功を助けてくれます。

漫画能力検定の日程と会場

漫画能力検定の日程と会場について解説します。

日程について

漫画能力検定は3月・6月・11月の年3回実施されています。最近の試験実施情報は次の通りです(2023年5月現在)。

試験回と実施日申込期間実施検定名
第44回
2021年6月13日(日)
2021年3月1日から
2021年5月13日まで
漫画キャラクター検定
漫画家アシスタント検定
第45回
2022年11月13日(日)
2022年9月16日から
2022年10月13日まで
漫画キャラクター検定
漫画家アシスタント検定
第46回
2023年3月12日(日)
2022年12月12日から
2023年2月13日まで
漫画キャラクター検定
漫画家アシスタント検定
第47回
2021年6月11日(日)
2023年5月11日まで漫画キャラクター検定
漫画家アシスタント検定

最新情報・詳細情報は漫検公式サイトで確認できます。

会場について

漫画能力検定には個人受験と認定会場受験があり、どちらを選ぶかで会場が異なります。

個人受験の場合

個人受験の場合はオンライン受験となり、特定の会場ではなく自宅等のインターネット環境を使って受験します。

受験当日は「パソコンとウェブカメラ」または「スマートフォン」が必要になります。あらかじめ準備しておき、動作確認専用ページで動作確認をしておきましょう。

その他、必要なものと受験の流れは次のページで確認できます。

認定会場受験

認定会場受験の場合は自分が所属している団体(専門学校など)が認定会場になっているかどうかを確認する必要があります。団体の事務窓口に問い合わせてみましょう。

所属団体が認定会場になっている場合はその団体から受験申込所を受け取って申し込みます。会場は所属団体が指定する場所となります。

所属団体が認定会場でない場合は前述の個人受験(オンライン受験)を検討すると良いでしょう。

漫画能力検定の試験内容・難易度・試験形式

漫画能力検定の試験内容・難易度・試験形式について解説します。

漫画キャラクター検定

漫画キャラクター検定の試験内容は次の通りです。

検定級試験内容
4級指定された設定のキャラクターで、
指示された表情をバストアップで描く。ペン入れは行わない
3級指定された設定のキャラクターで、
指示された表情をバストアップで描く。ペンを入れる
準2級指定された設定とストーリーに合わせて、
2体の全身キャラクターで指定された表情や簡単なアクションを描く
2級指定された設定とストーリーに合わせて、
2体の全身キャラクターで指定された表情やアクションを描く
準1級指定された設定とストーリーに合わせて、簡単な背景を描き、
3体の全身キャラクターで指定された表情やアクションを描く
1級指定された設定とストーリーに合わせて、背景を描き、
個性的な3体の全身キャラクターで指定された表情やアクションを描く

漫画キャラクター検定の難易度については、公式の問題例・解答例と次の想定対象者・制限時間をもとにイメージしていただければと思います。

検定級想定対象者制限時間
4級小学生・中学生・高校生60分
3級小学生・中学生・高校生120分
準2級中学生・高校生180分
2級中高生・専門学校生・短大生・大学生180分
準1級中高生・専門学校生・短大生・大学生180分
1級漫画専門科生・漫画愛好家180分

試験形式は問題文に沿いつつ「A4漫画用紙1枚に描く」こととされています。

漫画家アシスタント検定

漫画家アシスタント検定の試験内容は次の通りです。

検定級試験内容
3級ベタ入れ、スピード線、トーンベタ貼り、
ホワイト修正、簡単な背景といった
アシスタントとして基礎的な技能を用いて描く
2級集中線、ベタフラッシュ、かけ網、つやベタ、ホワイト処理、
トーン削り、小物、背景の見本を参考にした背景おこしといった
アシスタントとして基本的な技能を用いて描く
1級写真からの背景おこし、背景処理、効果線、
トーン処理、モブシーンおこしといった
アシスタントとして高い技能を用いて描く

漫画キャラクター検定の難易度については、公式の問題例・解答例および検定概要次の想定対象者・制限時間をもとにイメージしていただければと思います。

検定級想定対象者制限時間
3級漫画専門科生・漫画愛好家・
漫画家アシスタント志望者
120分
2級漫画専門科生・漫画愛好家・
漫画家アシスタント志望者
180分
1級漫画専門科生・漫画愛好家・
漫画家アシスタント志望者
180分

試験形式は問題文に沿いつつ「B4漫画用紙1ページ(1級は2ページ)に描く」こととされています。

漫画能力検定の勉強法

漫画能力検定の勉強法について解説します。

漫画キャラクター検定の勉強法

漫画キャラクター検定に合格するには魅力的なキャラクターを描けるようになる必要があります。

「好きな漫画のキャラクターを模写する」のが最も手軽ですので、そこからスタートすると良いでしょう。その次の段階としては漫画の描き方に関する初心者向けの参考書を用意し、表情・髪型を描き分けたり、服の描き方・さまざまなポーズを描く練習をします。

次の書籍は単行本が出ており、またKindle Unlimited会員であれば追加料金なしで読めます。ぜひ使ってみてください。

漫画家アシスタント検定の勉強法

漫画家アシスタント検定に合格するには漫画独特の表現技法を習得し、アシスタントとしての能力を紙の上に示せるようになる必要があります。

ベタ・ホワイト修正・スピード線・集中線といった基礎的な技術は早めに身に付けて、素早く正確に表現できるよう繰り返し練習しておきましょう。

スクリーントーン関連の処理や背景の描写といった発展的な技術については、はじめのうちは好きな漫画・流行している漫画を模写するところからスタートすると良いでしょう。一定の感覚がつかめたら、初心者向けの書籍を利用して練習してください。

次の書籍は単行本が出ており、またKindle Unlimited会員であれば追加料金なしで読めます。ぜひ使ってみてください。

この記事のまとめ

今回は漫画能力検定について解説しました。

漫画は私たちに夢や楽しさを与えてくれます。そんな漫画を生み出す能力を測定しようとするのが漫画能力検定です。漫画能力検定に合格すれば、進学や就職活動・独立開業であなたの能力を他の人にわかりやすく印象付けることができます。

あなたの漫画の技術を埋もれさせることなく、客観的な評価を得て将来に活かすため、漫画能力検定を活用しましょう。

以上、参考になれば嬉しいです。

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