アガルート司法試験・予備試験講座を実際に受講してレビューしている杉山貴隆です。

アガルートの司法試験・予備試験講座を検討するとき、まず気になるのは「合格率はどのくらいなのか」という点ではないでしょうか。
公式サイトには「39.1%」といった数字が大きく掲げられていて、たしかに高そうに見えます。ただ、この数字が実際に何を表しているのかを正しくつかめている人は、意外と少ないかもしれません。
数字の意味を取り違えたまま講座を選ぶと、「思っていた話と違った」と後悔しかねません。そこで今回は、アガルートが公表している合格率・合格者数・占有率を一つずつ整理し、それぞれが何を意味するのかをわかりやすく解説します。
この記事を読み終えるころには、派手な数字に振り回されることなく、自分の判断材料として冷静に使えるようになっているはずです。
※本記事は2026年6月時点で入手できる情報を基に作成しています。
予備試験で公表された合格率

まずは「合格率」という言葉どおりの数字から見ていきましょう。
アガルートは過去に予備試験に関する受講生合格率を公表していました。数値を全国平均(ここでは「予備試験の全合格者数÷全受験者数」を指す)と比較してみます。
全国平均の4倍以上という実績
アガルートが示した予備試験の合格率は次の通りです。
| 年度 | 全国平均の合格率 | アガルートの合格率 |
|---|---|---|
| 2019年度 | 4.04% | 17.7% |
| 2020年度 | 4.16% | 20.29% |
表を見てまず驚くのは、その差の大きさです。2019年度は全国平均4.04%に対してアガルートは17.7%、2020年度は全国平均4.16%に対して20.29%でした。どちらの年も、全国平均のおよそ4倍から5倍にあたります。
予備試験は、全国の最終合格率が3%から4%台にとどまる超難関の試験です。受験者の多くが涙をのむこの試験で、これだけの実績を残していたことになります。
ここで一つ、数字の読み方を補足しておきます。全国平均の合格率は、予備試験を受験した人全体に対する最終合格者の割合です。
一方、アガルートの数字は同社の「予備試験1年合格カリキュラム/マネージメントオプション」(現行の「予備試験最短合格カリキュラム」)を受講した人を母数とした合格率を指します。つまり「受講した人のうち、どれだけが合格したか」を示しているわけです。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 予備試験最短合格カリキュラム
母集団の性質が異なるため、「アガルートを選べば誰でも4倍受かりやすい」と単純に言い換えることはできません。それでも、過去の受講生がこれだけの合格率を残した事実は、講座の力を物語る心強い材料だと感じます。
合格率データが2年分にとどまる理由
ところで、アガルートが合格率を公表したのは2019年度・2020年度にとどまります。つまり、それ以降は合格率を公表していないんです。これはなぜなのか。確実に言えるのは次のことです。
- データをそろえられないという話ではない(現に2年分は公表されていた)
- 合格率の公表をやめた確かな理由は、明らかにされていない
- 現在の公式が前面に出すのは、合格者数と占有率(詳しくは後述)
まず押さえておきたいのは、これは数字を出せないという話ではない、という点です。現に2019年度と2020年度には、受講生の合格率が公表されていました。
誰がどのプランを受講したかは当然わかるのですから、特定のプランに絞って毎年算出することもできるはずです。つまり「数字を出せない」わけではありません。
では、なぜ続かなかったのでしょうか。正直なところ、確かな理由は公表されておらず、断定はできません。考えられるのは、より大きく目を引く数字へと見せ方の軸を移した、ということです。
後述しますが、アガルートは合格者数と占有率の公表は継続しています。その最新の数値は「合格者618名」「合格者の約4割がアガルート生」といったもの。
それらは絶対数が大きく、情報の受け手にインパクトを与えやすいように思えます。受講生の合格率よりも、実績を伝える材料として扱いやすい面があるのは確かでしょう。
理由がどうあれ、アガルートは毎年、合格者数・占有率という他の指標で合格実績を示し続けています。合格率が2年分にとどまることをもって、実績そのものの信頼性が揺らぐわけではない、と私は受け止めています。
司法試験の合格者数と占有率

続いて、現在アガルートが最も大きく打ち出している司法試験の合格実績を見ます。
公式が掲げる「39.1%」という数字が何を意味するのか、そして合格者数の推移を、順に確認していきましょう。
合格者数は毎年600名前後を維持
アガルートの講座を受講して司法試験に合格した人の数を、全国の合格者数とあわせて並べます。
| 年度 | 全国の合格者数 | アガルートの合格者数 | 占有率 |
|---|---|---|---|
| 2019年度 | 1,502人 | 523人 | 34.8% |
| 2020年度 | 1,450人 | 650人 | 44.8% |
| 2021年度 | 1,421人 | 669人 | 47.8% |
| 2022年度 | 1,403人 | 636人 | 45.3% |
| 2023年度 | 1,781人 | 641人 | 36.0% |
| 2024年度 | 1,592人 | 602人 | 37.8% |
| 2025年度 | 1,581人 | 618人 | 39.1% |
司法試験は、毎年の合格者が全国でおよそ1,400人から1,800人という規模の試験です。
その中でアガルートの受講生は、2020年度以降は毎年600人台で安定しています。直近の2025年度も618人が合格しました。一つの講座から毎年600人前後の合格者が出続けているというのは、率直に言ってかなりの規模だと思います。
注目したいのは、この数字が単年で跳ねた結果ではなく、何年にもわたって積み重なっている点です。試験の難易度や合格者の総数は年によって動きますが、アガルートの合格者数は大きく崩れることなく推移してきました。
受講生をこれだけ継続して合格へ導いているという事実は、教材や指導の水準が一過性のものではないことを物語っています。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 合格者の声・合格実績
ただし、表のいちばん右にある「占有率」という数字には、少し注意が必要です。これがまさに、公式サイトで大きく掲げられている「39.1%」の正体にほかなりません。
39.1%は合格率ではなく占有率
ではアガルートの占有率「39.1%」とは具体的に何を指すのでしょうか。
- 占有率とは、その年の司法試験合格者全体のうち、アガルート生が占める割合のこと
- たとえば2025年度の司法試験合格者全体は1,581人。そのうちの39.1%(618人)がアガルートの受講生だったという意味
- これは「受講した人の何%が合格したか」を示す合格率とは別の数字
「39.1%」という数字だけを見ると、つい「アガルートの受講生の39.1%が合格した」という意味に読みたくなります。けれども、実際はそうではありません。
占有率は、2025年度に司法試験へ合格した1,581人を全体としたとき、そのうちの618人、つまり約4割がアガルートの受講生だった、という意味です。アガルートの公式サイトでも「合格者の約4割がアガルート生」と説明されています。
言い換えるなら「司法試験に受かった人100人を見渡すと、そのうち40人がアガルートで学んでいた」という感じ。これはこれで、アガルートが司法試験対策の世界で確かな存在感を持っていることが伝わりますよね。
なぜ高い合格実績を出せるのか
ここまで見てきた実績は、どのようにして実現したのでしょうか。背景にある講座の特徴を、講師・カリキュラム・サポートの三つの面から見ていきます。
講師は全員が新司法試験合格者
アガルートの指導体制で、まず特徴的なのが講師陣です。
- 司法試験の講師が30名以上在籍(2026年6月時点)
- その多くが新司法試験の合格者
- 質問対応・答案添削・学習相談まで、すべてプロ講師が担当
アガルートは、司法試験の指導にあたる講師の多くを新司法試験の合格者でそろえています。つまり「試験を実際に突破してきた人が教鞭をとる」体制です。
法律の試験では、知識を持っていることと、それを答案で表現できることが、別の能力として問われます。合格者自身が教えるという点は、答案作成力を鍛えるうえで大きな強みになるはずです。
さらに見逃せないのが、質問への回答や答案の添削、学習相談といったサポートまで、このプロ講師が直接担う体制をとっていることです。
アガルートは、こうした個別対応を合格者アルバイトに任せず講師が引き受けると明言しており、受講生に対する助言の質を一定に保とうとする姿勢がうかがえます。
もちろん、講師が優秀であれば自動的に合格できるわけではありません。それでも、つまずいたときに頼れる相手が「合格を経験した人」であるという安心感は、長い受験勉強を支える土台になるでしょう。
論文力を段階的に鍛えるカリキュラム
次に、教材の組み立て方です。アガルートは論文対策を中心に据えています。
- 総合講義300で、合格に必要な知識をインプットする
- 論文答案の「書き方」で、答案の型を学ぶ
- 重要問題習得講座で、基本問題の演習を重ねる
- 論文過去問解析講座で、本試験の過去問に取り組む
- 答練で、予想問題を使って応用力を鍛える
予備試験や司法試験で合否を分けるのは、論文式試験です。アガルートのカリキュラムは論文を書けるようになることに照準を合わせて組まれています。
知識を入れる総合講義300を終えたら、すぐにその科目の論文対策へと進行。具体的には、答案の型を学ぶ「書き方」から始まり、基本問題の演習、過去問、そして予想問題の答練へと、段階を追って難度が上がっていきます。
インプットとアウトプットを早い段階から往復させる設計になっていますので、いきなり過去問に放り込まれて途方に暮れる、ということが起きにくい構成です。階段を一段ずつ上るように、論文力を積み上げられます。
知識を覚えること自体がゴールになりがちな独学に比べ、「書く」ところまでが一本の道筋として用意されているのは、初学者にとって心強い点だと思います。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 予備試験最短合格カリキュラム
手厚い添削とコーチング体制
最後に、一人で学ぶ通信講座の弱点を補うサポート面を見ます。
- 答案の添削を、プロ講師が多数引き受ける
- 学習中の疑問を講師に質問できる制度がある
- 担任の講師が毎月、学習の方向性や計画の相談に乗る
- バーチャル校舎に、オンラインの自習室やゼミ、講師への相談の場がある
通信講座でいちばん不安なのは、「自分の答案が合格レベルに届いているのか、誰も見てくれないのではないか」という点ではないでしょうか。
だからこそ、アガルートはプロ講師による添削を厚く用意しています。書いた答案を提出すれば、どこをどう直すべきかが返ってくる。論文の上達には、添削を通じた訓練が欠かせません。
加えて、学習中の疑問を質問できる制度や、担任の講師が毎月、学習の進み具合や計画について相談に乗ってくれる仕組みもあります。一人で黙々と進めるのではなく、伴走者がいる感覚で学べるのです。
オンライン上には自習室やゼミの場も設けられていて、孤独になりがちな通信学習を支える工夫が随所に見られます。
こうした仕組みが、先に見た合格者数や合格率という結果を裏側で支えているんです。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 予備試験最短合格カリキュラム
実績が高くても受かるとは限らない?
ここまで、アガルートの合格率や合格者数の高さを見てきました。ただ、立ち止まってこう感じた人もいるかもしれません。「実績がいくら高くても、それは自分が受かることを保証してくれるわけではないのでは」と。
たしかに、その通りです。占有率は合格した人の中でのアガルート生の割合であって、受講した人の何%が受かったかを示すものではありません。受講生全体の合格率は公表されていないのですから、「アガルートを受講すれば必ず受かる」とは、誰にも言い切れないのです。
では、これらの実績に意味がないのかというと、決してそうではありません。司法試験も予備試験も、どの講座を選んだとしても「受講しただけで受かる」種類の試験ではなく、最後は自分がどれだけ学び、どれだけ続けられるかで決まります。
その前提に立つと、毎年数百人の合格者を継続して送り出してきた事実は「本気で取り組めば合格まで届く可能性が十分ある」ことを示していると言えるでしょう。
数字は合格の保証書ではありません。けれど「自分の努力を預けるに足る土台かどうか」を見極める材料としては、十分に信頼できるものだと私は思います。
この記事のまとめ

アガルートの合格率について、三つの数字を見てきました。
予備試験では、受講生の合格率が全国平均のおよそ4倍から5倍にあたる年がありました。司法試験では、合格者数が毎年600人前後、合格者に占める割合はおよそ3割から4割(高い年は5割近く)で推移しています。
そして、つい合格率だと思ってしまう「39.1%」は、正確には占有率を指す数字でした。
大切なのは、これらをひとくくりに「優れた合格実績」とまとめてしまわず、それぞれが何を測っているのかを区別して受け取ることです。
占有率は合格者の中での存在感、合格者数は規模、受講生の合格率は受講した人から見た手応え。意味を選り分けて読むことで、数字はあなたを惑わせる飾りではなく、講座を選ぶための確かな手がかりに変わります。
数字の意味さえ正しくつかめれば、アガルートの実績は、あなたの判断を後押ししてくれる頼もしい材料になるはずです。あとは、受講を開始して一歩を踏み出せるかどうか。この記事が、その判断の助けになればうれしく思います。

