「アガルートの司法試験・予備試験講座で受かった人は実際にどう勉強を進めたのか」が気になっていませんか。講座ページを読めば教材の一覧は分かります。でも、それをどんな順番で、どれくらいの深さでこなせば合格に届くのかは、なかなか見えてきません。
司法試験も予備試験も、学習量が膨大な試験です。進め方を誤ると、遠回りが年単位の差になって返ってきかねません。だからこそ、先に合格した人たちの実体験を知っておく価値は大きいはずです。
そこで今回は、アガルート公式サイトに掲載された合格者の体験記を数多く読み込み、予備試験と司法試験それぞれの勉強法・進め方を整理しました。この記事を読み終える頃には、教材とどう付き合えば合格に近づけるのか、具体的な道筋が描けるようになるでしょう。
※本記事は2026年8月時点で入手できる情報を基に作成しています。ただし、引用している受講生の評価は受講当時のものであり、現在とは状況が異なる場合があります。
予備試験のおすすめ勉強法・進め方

予備試験の体験記を読み進めていて、まず目に飛び込んできたのは「教材を進める順番と深さ」の話でした。ここでは、インプット期の駆け抜け方から短答対策まで、繰り返し語られていた5つの進め方を順に見ていきます。
総合講義は立ち止まらず走り抜ける
インプットの中核である総合講義300について、今回読んだ体験記の語り口は驚くほど揃っていました。
- 「完璧に理解ができていなくても、とりあえず先に進むことを意識したほうがいい。総合講義300はあくまで前菜であり、重要問題習得講座こそがメインディッシュのインプット教材だからである。」 【引用元】
- 「定着を図るというよりは早く終わらせて全体感を把握することに注力することをおすすめします。」 【引用元】
- 「総合講義の利用方法としては、分からないところや疑問点があったとしても、そこで長く立ち止まりすぎず、どんどん先に進んでいくのがいいと思います。」 【引用元】
- 「アガルートの先生方は完璧主義を捨てるよう再三アドバイスをくださったにもかかわらず、それに従わなかったのが、受験期間が長期化した理由であり、1番の後悔です。」 【引用元】
- 「法律は完全初学者であったため、わからないことが当たり前だと思って、ひたすら立ち止まることなく勉強することにした。」 【引用元】
- 「総合講義は、聞いていて理解できない箇所は多々ありましたが、簡単に印をつけて、とにかく先に進むことを心掛けました。」 【引用元】
- 「最初はわからなくてもとにかく進めようという方針のもと、分からなくても戻らない。前進あるのみ、ということを意識して勉強しました。」 【引用元】
- 「総合講義はとりあえず一周して全体の流れをつかめば十分で、問題演習に早めに取り組むことが大事である。」 【引用元】
- 「分からないことがあったら立ち止まって考えてしまう癖がある私は、テキストなどを読み進めていくのが遅いたちでした。しかし、総合講義の講座1周目は、わかりやすく簡潔に進めていってくれたので、普段の勉強よりも早くテキストを1周することができ、自分の上記癖は次第に矯正されていきました。」 【引用元】
- 「とにかく一周目はわからなくても先に進むとよいです。そのあとにやるであろう重問を行ことで総合講義テキストの理解が進むこともあります。」 【引用元】
- 「復習はせず、分からなくてもどんどん進め、アウトプットで分からなかったときに戻る教材として使用していました。」「私が一番失敗したのは総合講義で、復習を一切せず、とにかく早く聞き切ることしか頭にありませんでした。」「毎回の講義後5分でも復習していれば知識の網羅性は高まり、より早く短答論文の理解が深まっていたと思います。」 【引用元】
これだけ多くの合格者が同じことを言うのは、偶然ではありません。実はこの「総合講義は立ち止まらず走り抜ける」方針は、受講生が編み出した工夫ではなく、アガルートが公式に示している学習方針そのものなのです。
モデル学習スケジュールには、分からないところがあっても立ち止まりすぎず前に進むようにという趣旨の案内があり、受講生に配布される合格ハンドブックにも「わからないことが出てくる度に立ち止まることは効率が非常に悪いと言えます」と明記されています。
つまり上の引用群は、公式の指示に素直に従った人たちが、本当にそれで良かったと報告している構図だと私は読みました。
なぜ立ち止まらないほうが速いのか。総合講義300が同じテキストを2周する設計になっていることが、その答えだと思います。1周目で基本を、2周目で応用や横断的な知識を積み上げる構造ですから、1周目で完璧を目指すのはそもそも設計思想に合いません。
地図を描くとき、最初に大枠を捉えてから細部を描き込むのに似ています。輪郭がないうちに一地点を描き込んでも、全体のどこにいるのか分からなくなるだけです。
ただし、注意してほしい点が1つあります。「立ち止まらない」は「聞き流してよい」という意味ではありません。
事実、最後に挙げた引用の方は、復習を一切しなかったことを自身の一番の失敗として振り返っていました。また、アガルートも「ただ聞き流すだけでは頭に入らず時間の無駄になる」と合格ハンドブックで戒めています。
逆に、完璧主義を捨てられなかったことを受験期間長期化の最大の後悔として語る方もいます。走り抜けることと素通りすることの間に居続ける。この加減こそが、最初の関門なのだと感じます。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 総合講義300

重要問題習得講座を軸に周回する
論文対策の中核として、体験記に繰り返し登場するのが重要問題習得講座(受講生の間で「重問」と呼ばれているもの)です。
- 「自分が使った全ての教材の中で、重問を解いている時間が一番長かった。」「重問で基本的論点を網羅していたおかげで、定番問題を短時間で処理でき、思考力を問われる初見の問題に落ち着いて取り組むことができた。」 【引用元】
- 「最終的に合格したときには、民事系3科目8周、公法系・刑事系4科目9周していました。」 【引用元】
- 「こちらの講座で意識したことは、問題を見た瞬間に答案構成が浮かぶぐらいまで反復しました。」 【引用元】
- 「重問の1、2周目は論点を見つけたりすることに精一杯で、答案を書けるような気が全くしませんでした。しかし、何度も周回しているうちに、段々と答案の形が分かってくるようになりました。」 【引用元】
- 「重要問題習得講座は1周目は暗記対象のピックアップ、2周目は論点が浮かび問題提起と論証が記憶できているかの確認、3周目は事案の評価の仕方の習得に使いました。」「何を目的として問題を解くのかを意識することで必要周回数を減少させられたように思います。」 【引用元】
- 「1週目は答えを読み、2週目以降は答案構成のみひたすらやっていました。4周目くらいの時点で、重要問題集の問題ならかなり形にできるようになりました。」 【引用元】
- 「各科目10周程度、繰り返し使用していました。」「問題を解く際は答案構成にとどめて、とにかくはやく周回することを目標としていました。」 【引用元】
- 「どの科目も、重問の答案構成を4周以上行い、問題をぱっと見ただけで脳内で答案の流れや論証を想起できるようになるレベルまでやりこみました。」 【引用元】
- 「私自身3周まではほとんど何をしているのかわかっていなかったことを記憶しています。」 【引用元】
- 「3周程度重問を回した頃から、自分で答案構成をすることができるようになり、5周目からはテキストなどを参照しながら…を検討しました。」「本番では、重問掲載の問題と類似の問題を解くことができたのはもちろんのこと、「重問にない問題は現場勝負の問題」と割り切ることができ、わからない問題に対しても焦らずに取り組むことができました。」 【引用元】
- 「合格者の多くは、〇周も回した!〇倍速で講義を聞いた!等と効率的な勉強法を提示されています。しかし、凡人には無理です。凡人は、ひたすらに時間をかけて盤石な基礎を固めるにつきます。」「私は凡人なのにそんな合格体験記に感化されとにかくスピードを意識した結果、穴だらけの基礎になってしまいました。」 【引用元】
- 「重問は素晴らしい教材だが、あくまでもインプット教材であり、重問だけを回して合格できるのは天才だけである。」 【引用元】
8周、10周という数字が並ぶと、つい周回数そのものに目を奪われます。しかし体験記を読み込んで私が本質だと感じたのは、回数ではなく「周ごとに目的を変えている」ことでした。
1周目は暗記対象の選別、2周目は論証の記憶確認、3周目は事案の評価の仕方と、段階を分けた方は、目的を意識することで必要な周回数を減らせたとまで言っています。
1周目は解答を読むだけ、2周目以降は答案構成のみといった形で、周ごとに負荷を変える工夫も複数の体験記に見られました。同じ問題集を回すのでも、毎回同じ負荷で解き直しているわけではないのです。
答案構成中心で回すという工夫は、1問あたりの時間を圧縮して、触れられる問題の数を増やすための戦略だと言えます。フルで起案すれば1問に長い時間がかかるところを、構成だけなら大幅に短く済む。
ただし、構成ばかりを重ねても、時間内に答案を仕上げる力までは育ちません。だからどこかで実際に書く必要があるのですが、その「どこか」を決めてくれるのが、重要問題習得講座に用意された添削対象の問題です。
添削を受けるには答案を提出しなければならないので、対象の問題は自然と書くことになります。残りは構成で高速に回し、添削対象だけは書いて出す。書く問題と構成にとどめる問題の線引きが、教材の側にあらかじめ用意されているわけです。
一方で、周回数の数字を鵜呑みにしないでほしいというメッセージも、体験記の中から聞こえてきます。速さを競う体験記に感化されて基礎が穴だらけになった、と率直に語る方の言葉は重いものでした。
数字を真似るのではなく、自分の周回に目的を与えること。それがこの講座との正しい付き合い方だと私は考えています。そして「重問だけを回して合格できるのは天才だけ」という指摘が示すとおり、重問はあくまで基礎固めです。この先の過去問演習については後でお伝えします。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 重要問題習得講座

論証集を一元化教材に育てる
暗記用の小さな教材である論証集について、合格者たちは「覚える」以上の使い方を語っています。
- 「論証集は、試験問題を解くのに必要だと思った知識を全て書き込む一元化教材として使った。」「オリジナルの1冊を作れたことで試験会場には論証集以外を持っていく必要がなかった。」 【引用元】
- 「この論証集に、あてはめの際の考慮要素、評価方法などを記載すれば、試験直前の見直しに使うことのできる一元化教材としても利用できました。」「電車の中で復習できるサイズのテキストは非常に魅力的でした。」 【引用元】
- 「私は論証集を一元化教材のように使用していました。」「そうすることで、論文式試験の前には論証集だけを見直せばよいという状態にしていました。」 【引用元】
- 「アガルートの論証集は、余白が非常に多いため、論証以外の知識も一元化した」「論証集記載の論点について、自分の頭の中で論理の流れを再現することができるようになれば、安定して合格できると思う。」 【引用元】
- 「頑張れば1週間で全科目の論証集を回すことができるので、直前期などに重宝しました。」 【引用元】
- 「判例の規範等のみを暗記すると決め、それ以外の文章は理解をすることに努めながら、本番にそれを自分の言葉でパラフレーズしながら展開できるように学習を進めていくことで、暗記に割くリソースを最小化することができます。」 【引用元】
- 「論証を暗記していないと、本試験で問題を目の前にしたときに、問われていることが典型論点なのか現場思考型なのかを判断できません。」 【引用元】
- 「まず論証集で注目すべきポイントに目星をつけた後に、それを前提に判例や基本書に当たる、というのが、私にはあっていました。」 【引用元】
- 「私は繰り返しすぎて、工藤先生がどのタイミングで咳払いするのか、次に何を言うのか覚えてしまったが、そのくらいやることでこの論証集の良さが感じられると思う。」 【引用元】
- 「電車に乗っている時間や仕事の休憩時間にこの講座の音声を聞き流し、次に講師の先生が何をいうか、覚えてしまうくらい聞き込みました。」 【引用元】
- 「通学の時間や昼休憩の時間など合間の時間を見つけてよく論証集や自作のまとめノートなどで勉強していました。」 【引用元】
- 「大学に入ってからすぐ論証集の音声をスマホのファイルに入れ、歩くときには聞き続けました。」「論証は覚えようとせず、理解に徹してキーワードは確実に覚えるという方法で読み進めていました。」 【引用元】
引用を貫くキーワードは「一元化」です。論証集をただ覚えるのではなく、重問や過去問、短答の学習で得た知識を余白に書き込んでいき、直前期にはこの1冊だけを見ればよい状態に育てる。
オリジナルの1冊に育てたことで、試験会場には論証集以外を持っていく必要がなかったという方までいました。薄くて持ち運びやすく、余白が広いという教材の作りが、この使い方を支えています。
まとめノートを別に用意する人もいますが、ここで目立ったのは、既にある教材を自分仕様に改造していく発想でした。白紙から作り起こすより手間が少なく、時間のない受験生活と相性が良いのでしょう。
では、どこまで覚えるのか。ここは見解が分かれます。判例の規範だけを正確に暗記して、残りは自分の言葉で展開できるようにするという方針もあれば、キーワードだけ確実に覚えて残りは理解に徹するという方針もある。
かと思えば、論証を暗記していないと典型論点か現場思考かの判断すらできないと語り、その暗記を合格の決め手に挙げる方もいました。暗記の総量を絞る人と、絞らない人が並んでいるのです。
とはいえ、意味の分からないまま丸暗記することを勧める声は見当たりません。理解を土台に置いたうえで、どこを覚えどこを理解で処理するかを自分で決めている点は、方針の違いを越えて共通しているように読めます。
暗記が苦手だと自覚している方が、だからこそこのやり方を勧めたいと語っていたのも印象に残りました。私自身、資格試験の学習で丸暗記に挫折した経験があるので、覚え方を自分で設計するというこの姿勢には深く共感します。
なお、引用には音声を聞き込んだという話が繰り返し出てきますが、1点補足が必要です。体験記に見られる、講義音声をスマホに入れて持ち歩くという手法は、音声ファイルのダウンロード提供が2025年8月で終了したため、現在は同じ形では再現できません。
今は学習アプリで講義動画をダウンロードし、オフラインで視聴する形になります。移動時間や休憩時間を復習に充てるという発想自体は今も有効ですから、手段を現在の環境に置き換えて取り入れてください。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 論証集の「使い方」
参考【アガルート公式】公式アプリ「AGAROOT Learning」
論文過去問と答練で書く力に変える
重問で答案の形を身につけたら、次は本物の過去問と答練です。ここには合格者たちの後悔が最も色濃く残っていました。
- 「重問は素晴らしい教材だが、あくまでもインプット教材であり、重問だけを回して合格できるのは天才だけである。やはり過去問演習と答案構成というアウトプットをしたことによって実力が格段に上がり合格できたと思う。」 【引用元】
- 「失敗体験として、過去問に着手するのがやや遅れた点があげられる。」 【引用元】
- 「これらの過去問は短答後にやろうと温存させていたのですが、私は学部の定期試験もあり、過去問を回すことまではできなかったため、温存しすぎずに早い段階から過去問に触れておくべきだったと感じました。」 【引用元】
- 「一つだけ遵守できなかったことが、「過去問に早めに触れる」ということです。過去問は、最高の教材であることを試験本番の半年前に知り、それ以降はただひたすら過去問を解いていました。」 【引用元】
- 「論文式試験は、全科目正味半分得点できれば合格できるので、完全解を目指すのではなく、70分という制限の中で、いかに法的理解を示し、最低限の得点を確保するかが重要になってくると思われます。」「アウトプットこそが最高のインプットであることを実感いたしました。」 【引用元】
- 「模範答案は満点水準の答案であることを前提に、その水準の「半分程度に到達できれば合格できる」という意識を持って勉強に臨めました。」「6月から試験直前の1週間前までは、ほぼ毎日2〜3通の論文を書き、添削を受けるというサイクルを継続しました。」「答案構成に15分、執筆に45分を、3枚目まで書き切ることを目標とし、添削対象の重問を含め、予備試験答練をすべて完走しました。」 【引用元】
- 「特に答練については、絶対に全科目フルサイズでの起案をし、しかも本番と同じ条件(時間制限や、六法、筆記具など)で問題を解くことを意識し、本番でなにが課題になるのかをあぶりだすような対策をしていました。」 【引用元】
- 「もし、完璧主義に陥ってしまいいつまでも問題演習や実際に答案の起案をしていなかったら、答案の書き方がいまいちわからないままで、予備試験の合格はほぼ確実にありえなかったと思います。」 【引用元】
- 「一回解いて満足するのではなく、1日後、1週間後、2週間後に、同じ問題の答案構成をするなどして復習を行い、記憶に定着させることを意識した。」 【引用元】
- 「私は「反省・改善ノート」を作り、過去問起案を通じて明らかになった自分の答案の問題点や反省点を書き込むとともに、自分なりにその原因を分析し、今後それを改善するためにやることを言語化していました。」 【引用元】
読んでいて印象的だったのは、過去問にもっと早く触れればよかったという後悔の多さです。実力がついてから解こうと温存した結果、回しきれずに本番を迎えた。最高の教材だと気づいたのが本番の半年前だった。こうした述懐が、異なる年度の体験記に繰り返し現れるのです。
自分の実力不足を直視したくなくて過去問を先送りする気持ちは、私にも覚えがあります。それでも、敵の姿を知らないまま鍛錬を積むのは効率が悪い。着手の早さは、この試験では特に利益が大きいように思えます。
もう1つ注目したいのは、引用に出てきた「半分程度で合格できる」という感覚です。模範答案と同じ水準に届かなくてもよい、という見立て。これは受験した人たちの実感であって、公式に「何割書けば受かる」と決められているわけではありません。
ただ、その実感と地続きの事実が制度の側にもあります。予備試験の論文式には、答案を「優秀」「良好」「一応の水準」「不良」の4区分で評価するという採点方針が公表されていて、一応の水準に達した答案にも相応の点数帯が割り当てられているのです。
しかも目安として示された分布では、その一応の水準が最も厚い層に置かれています。満点に近い答案だけが報われる試験ではありません。
完全解への焦りを手放し、時間内に書ける水準を淡々と上げていく。引用にあった毎日2~3通の起案と添削のサイクルは、その実践例と言えるでしょう。
現行のカリキュラムには予備試験論文過去問の添削が含まれており、フルプランならこれに答練も加わります。書いて出す練習の場そのものは、制度として確保されているんです。
1点、これから受験する方には読み替えが必要です。予備試験の論文式は令和8年(2026年)試験からCBT方式、つまり会場のパソコンで答案を入力する方式に移行します。体験記が語る、本番と同じ筆記具で書き切る訓練は、手書き時代を前提にしたものでした。
時間内に答案を完成させる訓練が大切なことは変わりませんが、これからは画面上での構成と入力の練習が中心になります。アガルートも論文式のCBT演習環境を用意しているので、演習段階から本番の形式に慣れておきたいところです。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 予備試験 論文過去問解析講座
参考【法務省】司法試験及び司法試験予備試験のデジタル化について
短答は過去問と条文で仕上げる
論文の陰に隠れがちな短答式ですが、ここで足元をすくわれた体験談もあります。
- 「短答式試験に数点の差で落ちてしまい非常に落ち込みました。短答式試験は非常に難関ですので、1回目の受験の方は早めに対策した方がいいと思いました。」 【引用元】
- 「予備試験は論文試験が鬼門であるため、短答対策がないがしろにされがちだが、短答試験はかなり難しい。」 【引用元】
- 「短答は過去問をとにかく回し、出てきた条文を判例六法にすべて黄色のマーカーペンでマークしながら進めました。」「短答過去問(判例六法にライン引きながら)行政法8周・商法7周・その他の5科目6周でした。」 【引用元】
- 「短答は、アガルートの過去問集を自分が間違った問題にチェックをつけながら6周ほど回し、直前期は、法務省のサイトから実際の形式で時間を計って回していました。」 【引用元】
- 「予備試験・司法試験の過去問全肢を把握し、正答率を100%に近づけるとともに、そこから派生する条文知識を深掘りするようにしてました。例えば、過去問で本文が出題されたなら但書まで押さえ、形式的な結論だけでなく趣旨や具体例までセットで定着させました。」 【引用元】
- 「単なる暗記ではなく、なぜその選択肢が正しいのか、あるいは誤っているのかを理解しながら進めました。特に効果的だったのは、六法に間違えやすい知識を書き込むことです。」 【引用元】
- 「短答前はこれを3周以上解いて、解説にでてきた条文は必ず六法で引いて確認していた。また、ネットで年度別でも解いて確実に知識を定着できているか確認した。」 【引用元】
- 「短答対策として、1科目目の講義終了後から毎日15問ときました。間違えた問題は解説を読み、それでもわからない問題は解説講義を聞きました。」 【引用元】
- 「短答式:直前期はとにかく間違った問題を繰り返すことと、条文の素読です。特に民法や刑事訴訟法、商法、行政法等は条文そのまま出るものもあり、条文の文言をなんとなく押さえておくことが重要だと考えました。」 【引用元】
- 「短答式試験の勉強に少し時間を取りすぎたように思います。3月頃から一気に短答の勉強の比重を上げて進めていきましたが、実際には5月頃からでも十分間に合うように感じましたし、短答式終了後、論文の勉強を始めたときにかなりブランクを感じました。」 【引用元】
- 「初年度の短答式試験は、漫然と過去問を解くことを繰り返し、アウトプット偏重の学習となっており、点数が伸びなかった。2年目からは、判例六法を一元化教材とすることに決め、過去問を解く際に出てきた条文・判例をマークし、直前期に見直すという勉強をした。」 【引用元】
- 「短答対策が同時に論文の対策にもなるように、論証の理解と暗記も並行して取り組みました。」 【引用元】
予備試験は論文が天王山だとよく言われます。それは事実ですが、短答を通過できるのは受験者の2割前後にすぎません。
数点差で不合格になった方の言葉が示すとおり、短答で落ちればその年の挑戦はそこで終わります。論文の勉強が進んでいる人ほど短答を軽く見てしまいがちですが、この関門の高さは正しく恐れておくべきだと感じました。
対策の中身は、実に地道です。過去問を繰り返し解き、出てきた条文を必ず六法で引く。間違えやすい知識は六法や判例六法に書き込んで、直前期に見直す1冊を作っておく。
ここで面白いのは、論証集のところで見た「一元化」の発想が、短答対策でもそのまま使われていることです。漫然と過去問を回して点数が伸びなかった反省から、判例六法への一元化に切り替えたという体験談は、解く量ではなく知識の集約の大切さを物語っています。
着手時期については、声が割れていました。早めに始めるべきだったという人がいる一方、短答に時間を割きすぎて論文の勘が鈍ったという反省もあります。短答と論文はある程度、時間の取り合いになるからです。ここは自分の進み具合と相談しながら配分を調整するしかありません。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 短答過去問解説講座Ⅰ 憲法・民法・刑法

司法試験のおすすめ勉強法・進め方

司法試験のパートでは、様子が変わります。使う教材は予備試験期と重なるのに、その使い方が別物になるのです。
過去問を起点に、司法試験期ならではの5つの進め方を見ていきましょう。
司法試験の過去問を中心に据える
司法試験合格者の体験記で学習の主役に躍り出るのは、講座教材ではなく本試験の過去問そのものでした。
- 「司法試験・予備試験いずれに関しても、「重問と過去問を極める」ことが合格のために必要な事項であり、これだけで十分合格することが可能であると考えます。」「全問3周し、そのうち1周は全問起案、平成28年度以降はもう1通起案しそれ以外の検討は答案構成という形で、過去問に対して大きなウエイトを置いていました。」 【引用元】
- 「司法試験の過去問を解くことに尽きます。倒さなければならない敵は、司法試験である以上、当然といえば当然です。」「私はフルに起案をするのではなく、詳しめの答案構成を1時間程度で作成するようにしていました。フルで起案すると時間もかかりますし、答案構成だけでも十分アウトプットすることができます。」「司法試験の問題文は予備試験に比べると倍以上あり、論ずべきことや事実の量もその分増えます。」 【引用元】
- 「ひたすら過去問を回しました。答案構成でいいので何度も解きまくりました。」「年度と科目を言われたらどんな問題かしゃべれるレベルです。」 【引用元】
- 「朝に短答過去問を1時間ほど演習、午前中に論文過去問を1年分演習し、午後はその復習と採点実感出題趣旨の読み込み、夜は暗記と補充的インプットというルーティンを決め、それをひたすら回しました。」 【引用元】
- 「ほぼすべての講師の方が仰っていた「早い段階で過去問に触れる」という言葉を予備試験対策において、唯一遵守することができませんでした。」「そこで、司法試験対策においては、過去問対策に重点を置き、全年度の問題に触れ、重要とされる年度は答案を作成して周回するという勉強方法を貫きました。」 【引用元】
- 「過去問演習を学習の中心に据え、繰り返し解くことに専念しました。司法試験は、予備試験と比べて問題文が長く、事案も複雑であるうえ、判例の重要性がより高いと感じていました。」 【引用元】
- 「実際に試験時間の2時間を測って問題を解き、その後「司法試験論文過去問解析講座」のテキスト及び講義を使って分析・復習を行いました。」 【引用元】
- 「過去問は本試験までに、民法5年分、憲法6年分、刑訴7年分、行政法と刑法8年分、商法12年分、民訴13年分、労働法11年分を起案しました。起案して放置するのではなく、先生にお願いをして確認してもらったり、合格者に添削を依頼するのが良いかと思います。」 【引用元】
- 「選択科目も含めて司法試験の過去問は、全年度1回は解くことができたが、結果として復習に充てる時間が不十分となってしまった点は反省すべきと感じている。」 【引用元】
- 「私は個別指導のおかげで、早期の過去問・短答対策の重要性を認識していたので、ロースクール(既習)に入学してすぐに過去問対策・短答対策を始めることができました。」 【引用元】
予備試験と司法試験の勉強法で最も違うのは、過去問への取り組み方だと思います。
予備試験期はインプット講座と重問が主役でしたが、司法試験期は本試験の過去問が学習の中心に来る。理由は問題の性質の違いです。引用にもあるとおり、司法試験の問題文は予備試験より格段に長く、必須科目の答案は1問につき8頁まで書けます。
処理すべき事実の量が段違いなので、短文の事例問題をいくら積み上げても、本試験の重さには慣れられないのです。敵を倒すには敵と同じ体格の相手と組み合うしかない、ということでしょう。
進め方は一様ではありません。全問を一度はフル起案した人もいれば、詳しめの答案構成を1時間で作る方式に徹した人もいて、どちらも合格しています。
フル起案は書き切る体力がつく反面、1問に時間がかかる。答案構成は数をこなせる反面、書く訓練が別途必要になる。どちらを軸にするかは可処分時間との相談です。
ただ、全年度を1周したものの復習の時間が足りなかったという反省が示すように、解いた量より復習に残せた時間が仕上がりを左右する点は、方式を問わず共通しているように読めます。
引用の中に、予備試験期に守れなかった「早い段階で過去問に触れる」という教訓を司法試験対策で実行した方がいました。実はこの方、先ほど予備試験のパートで、過去問が最高の教材だと知ったのは本番の半年前だったと悔やんでいた方と同じ人物です。
後悔がそのまま次の試験の戦略に変わっていく過程が、2つの体験記をまたいで残されている。ここには思わず引き込まれました。
なお2点補足すると、引用にある個別指導のオプションは現在は募集を終了しており、相談の場は、フルプランに付く月1回のコーチングや、毎月のホームルームが中心です。
また、基本7科目の司法試験論文過去問解析講座は予備試験向けカリキュラムには含まれず、単科講座として販売されています。アガルートは予備試験合格後にこの講座の利用を勧めているので、予備試験ルートの方は合格後の追加受講を視野に入れておくとよいでしょう。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 司法試験 論文過去問解析講座

出題趣旨・採点実感で水準を知る
過去問演習とセットで語られるのが、法務省が公表する出題趣旨と採点実感の読み込みです。
- 「過去問・出題趣旨・採点実感は、公表されている中で唯一の絶対的な正解・指標であり、ここに記載されている内容を分析せずして、採点者に求められている答案を作成することが出来るようにはならないと思います。」「過去問を採点実感と出題趣旨の記載だけで学習しようとすれば、要求されているレベルが高すぎて、かえって学習の道筋を失うことになると思います。」 【引用元】
- 「過去問については、過去10年分の問題を何度も解き、出題趣旨と採点実感を繰り返し読み込み、試験委員の思考に沿って答案を構成することを意識しました。」 【引用元】
- 「講義内では、受験生の相場観についても言及されている部分があり、「ここは厚く書かないと負ける」「ここは時間を取りすぎないようにする」等の戦略について話してくださるのはありがたかったです。」「どこまでが基本知識なのか、どこからが応用論点なのかを確認しました。ここで得たメルクマールをまとめノートに集約し、メリハリの基準を押さえるようにしました。」 【引用元】
- 「解説と模範答案では、出題趣旨・採点実感が踏まえられているため、いわゆる「完全解」を把握することができ、同時に書き方についても学習することができます。」 【引用元】
- 「自分で作成した答案と模範解答及び採点実感を見比べることで、自分自身が「一応の水準」に達することができているのかを測ることができ、本番を見据えた対策をすることができた。」 【引用元】
- 「司法試験の解答筋は学説ごとに複数存在することが通常ですが、この点でも当該講座は様々な解答筋について検討しているため、反対説の理解も深まり、次同じ論点が出題された際にはより理解を示せる解答ができるようになります。」 【引用元】
- 「模範答案の表現はより良い文章になっていたり、論証集にはない理由付けが書かれていたりするため、それを論証集に書き足す等することでより説得力のある答案を書くことができます。」 【引用元】
- 「問題文を読み、論点を把握して答案構成を行いました。そのあとで、出題趣旨・採点実感のみを軽く読み、自分が書いた答案を見直し、間違っている点やなおすべきところを発見して修正する。」 【引用元】
- 「司法試験の正解は出題趣旨と採点実感にあるため、出題趣旨や採点実感で紹介されていた判例・学説等についても、既存の論証集に記載がない部分については追記していった。」 【引用元】
- 「時間内に無理なく書けるレベルの分量でかつ配点事項を漏らさない答案例で学習をできました。」 【引用元】
出題趣旨と採点実感は、答案に何が求められているかについて、試験を作る側が公表しているほぼ唯一の公式の手がかりです。ところが最初の引用が鋭く指摘するとおり、これを生のまま読むと、要求水準の高さに圧倒されて道筋を見失いかねません。
出題趣旨は、その問題で何を論じるべきだったのかを詳しく説明した資料です。実際の答案の出来については、採点実感が水準の区分ごとに実例を示しています。ただ、そこから自分は何をどこまで書けばよいのかを割り出す作業は、受験生自身に委ねられたままです。
ここに過去問解析講座の存在意義があると私は考えています。講座の価値は模範答案を見せてくれること以上に、「ここは厚く書かないと負ける」「ここは時間を取りすぎないようにする」という相場観に翻訳してくれることにある。
そう捉えると、講座と公式資料の役割分担がすっきり見えてきます。
体験記に相場観という言葉が出てくるのは、偶然ではないでしょう。司法試験の論文式は偏差値換算による相対評価で、短答式と論文式の得点は1対8の比重で合算されます。つまり勝負のほとんどは論文で決まり、その論文の得点は受験生集団の中での位置で決まる。
どの論点に時間を割き、どこを簡潔に流すかという判断が、そのまま順位に直結する構造です。理想の答案を目指す競技ではなく、集団の中で沈まない答案を安定して出す競技なのだと、制度を知るほど実感します。
この構造を最も体現しているのが、不合格の直後から自分の再現答案と出題趣旨を突き合わせ、敗因を知識不足と答案のメリハリ不足の2点に絞り込んで翌年に合格した方の歩みです。
やみくもに勉強量を増やすのではなく、採点者の物差しで自分の答案を測り直す。遠回りに見えて、これが一番の近道なのでしょう。
なお、司法試験は令和8年試験から短答式・論文式ともCBT方式に移行しています。手書きの筆力は問われなくなりましたが、時間内に構成し、書くべき分量を配分する力が問われる本質は変わりません。
教材の役割を司法試験仕様に変える
予備試験期に使い込んだ重問や論証集は、司法試験期にも登場します。ただし、その役割は大きく変わっていました。
- 「過去問で出てきた論点については、必ず重問に立ち返るようにしていました。重問と過去問とで、事案や結論がどのように異なるのかを比較・検討することは、理解を深めるうえで非常に有益だったと感じています。」 【引用元】
- 「司法試験の直前期には、民法重問を2~3日で全問周回し、穴がないことを確認するという方法で仕上げを行っていました。」 【引用元】
- 「最後まで重要問題習得講座で繰り返し答案構成をして、論証や答案で書くべき流れを忘れないようにしました。重問はいわば大きな論証集として使いました。」 【引用元】
- 「重問に乗っている問題は<瞬時に論述できるべきであり悩むべきでない問題>、重問に乗っていない問題は<発展問題であり時間をかけて取り組むべき問題>という線引きができるようになりました。」 【引用元】
- 「学習開始当初から通算して、予備試験合格までに4周程度、そこから司法試験合格までに追加で5周程度、重問を回しました。」 【引用元】
- 「毎日寝る前には論証集を音読し、一週間で八科目を一周するように計画して回していきました。司法試験の勉強としてさまざまなことを行ってきましたが、最後まで続けたのは論証集の音読だけです。」 【引用元】
- 「アガルートの総合講義300で工藤先生が話した内容で、条文の趣旨や条文創設の背景、反対説等を追記したり、その他にも法科大学院の授業で教わった司法試験で使えそうな論述方法等を印刷して論証集に張り付けたりして、オリジナルの論証集を完成させていった。」 【引用元】
- 「既存の論証をそのまま使うのではなく、問題文の事実関係や出題趣旨・採点実感に合わせて微調整し、自分の言葉で再構築することで、試験本番での柔軟な対応力を鍛えました。」 【引用元】
- 「論証を暗記できれば、答案を書く時間を圧縮することができ、その分だけ問題文を注意深く読んだり、条文引用を丁寧にしたり、問題文の使えそうな事実を引用して評価するといった時間に繋げることができ、それが合格という結果につながったと実感しております。」 【引用元】
- 「自分の苦手分野であった民事系・刑事系については、全科目2〜3周するようにしました。」「各科目、受験生が最低限抑えるべき論点について、過不足なく記述されており、インプット・アウトプット双方で役立ちました。」 【引用元】
- 「1周目は1問30分以上かかることもありましたが、何周もしているとどんどん復習時間が短くなり、直前期には小さい論点を含め総復習的な趣旨で1問5分程度、合計3〜4時間ほどで1科目全て解くといった使い方もしていました。」 【引用元】
- 「3回目の受験では、今までの論証集中心の学習を見直し、論証集は使わない学習方法に切り替えました。」「3回目の受験時には総合講義100のテキストと講義自体を周回し、試験に臨みました。」 【引用元】
同じ重問の話をしているのに、予備試験のパートとは語られ方がまるで違うことに気づいたでしょうか。
予備試験期の重問は、答案の形を体に入れるための訓練場でした。司法試験期になると、過去問で出てきた論点を確認しに戻る参照先になり、直前期には1科目を数日、慣れれば1問5分で総点検する検査装置になります。
引用にあった「いわば大きな論証集」という表現が、この変化を一言で言い当てていました。教材が変わったのではなく、学習者の側が成長して、教材との関係が変わったのです。
論証集も同じ道をたどります。予備試験期に暗記と書き込みで自分仕様に育てた論証集が、司法試験期には出題趣旨・採点実感や法科大学院の授業で得た知見を吸い上げる台帳になっていく。
そして論証を瞬時に再現できることの価値は、知識の証明ではなく時間の創出にあります。必須科目は1問2時間。論証を思い出す時間を圧縮できれば、その分を問題文の読み込みと事実の評価に回せます。
この時間配分の感覚は、8頁の答案と格闘する司法試験ならではのものだと感じました。
一方で、この型に収まらない歩みもあります。3回目の受験で論証集中心の学習をやめ、テキストと講義の周回に切り替えて合格した方がいました。
その判断の背景には、出題者は予備校の論証集などを入手して作問していると法科大学院の教授から聞いた話と、論証集の論点から外した出題が多いという本人の実感があったそうです。
出題側の実務として確かめられた事実ではありませんが、同じ教材でも人によって最適な使い方が違うことを教えてくれます。
なおこの方が使った総合講義100は学習経験者向けの短時間版で、予備試験向けの初学者カリキュラムには含まれていない講座です。混同しないように補足しておきます。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 総合講義100
差をつけられないことを狙う
司法試験合格者の体験記には、独特の逆説めいた戦略論が繰り返し登場します。
- 「「周りの受験生に差をつけるための学習」ではなく、「周りの受験生に差をつけられないようにするための学習」を常に心がけていました。言い換えれば、完璧主義を捨て、学習する対象を徹底的に絞り込んだうえで、それを反復し続けました。」 【引用元】
- 「司法試験は相対評価であるということです。みんなができない問題はできなくても差がつかない一方で、みんなができる問題ができないと、一気に差がつきます。」 【引用元】
- 「誰もが知っている基本知識や判例を、いかに正確に理解し、記憶し、そして本番で答案に表現できるか。この基礎の深さこそが、相対評価である本試験での勝敗を分けると確信しています。」 【引用元】
- 「司法試験は皆がきちんと書けるところを落とさずに書いたら受かる試験であり、皆が書けないところは自分も書けなくても問題が無い試験である」 【引用元】
- 「重問に載っていなかった論点はしょうがないと思え、載っていないものは手持ちの武器で勝負しよう、と割り切ることができた点で、とても信頼できる教材だと思います。」 【引用元】
- 「司法の過去問を解くほど、特に在学中受験生にとっては見切りをつけることが重要であると考えるようになりました。」「重問を回しているからこそ捨てるべき問題を捨てて取りにいくべき設問で点数を取れたと思います。」 【引用元】
- 「学習の途中からは試験で書けるかを判断基準にして勉強にメリハリをつけました。頻出論点には十分な時間をかけ、出題可能性の低い論点は思い切って削ることで、合格答案を作るための力に集中できました。」 【引用元】
- 「相対評価である司法試験においては、すべてを完璧に理解しようとするよりも、出題可能性の高い論点を確実に押さえることが重要であり、メリハリを保ちつつ必要十分な範囲を網羅している総合講義は、効率的な学習を可能にする教材だったと感じています。」 【引用元】
- 「論証に書いてないことは知らなくてもしょうがないと割り切り、合格者の再現答案や重問の模範解答を見て使えそうな当てはめの表現を吸収しました。」 【引用元】
- 「上位合格ではないですが、落ちない、守りのプレイングを徹底し、合格することができました。」 【引用元】
- 「論文対策はみんなが書けることを書き負けず、しっかり問題文の誘導や指示に従うということを目的として、基礎基本を大事にすることにしました。」 【引用元】
- 「私が司法試験に合格できた最大の要因は、とにかく学習時間を確保し、徹底的にインプットに時間を割いたことだと思います。」「まずは知識量を徹底的に底上げすることが最優先だと考えるようになりました。」 【引用元】
別々に学んできた人たちが、示し合わせたように同じ表現へたどり着いている。この一致に、私は少し鳥肌が立ちました。
難関試験と聞くと、人より多くを知り、人より難しいことを書ける者が勝つ世界を想像します。ところがここで挙げた合格者たちが語るのは正反対で、みんなが書けるところを絶対に落とさない、という守りの戦略なのです。
これは精神論ではなく、制度への合理的な適応だと考えられます。先にお伝えしたとおり、司法試験の論文式は偏差値換算の相対評価です。
得点が受験生集団の中での位置で決まる以上、周りも書けない論点を落としたことは順位に響きにくく、逆に周りが書ける論点を落とせば大きく響く。ならば学習資源は、みんなが書けるところの精度に投じるのが理にかなうわけです。
ただし、この戦略には見落とされがちな前提があります。「捨てる」判断ができるのは、捨ててよい範囲が見えている人だけだということです。重問を回しているからこそ捨てるべき問題を捨てられた、という言葉がその核心を突いています。
網羅的な基礎演習を済ませているから、目の前の問題が「みんなが書ける側」なのか「捨ててよい側」なのかを瞬時に仕分けられる。基礎の網羅と割り切りは、順番を守って初めて機能するセットなのです。順番を飛ばして割り切りだけ真似れば、ただの手抜きになってしまいます。
最後の引用は、あえて主流と逆向きの声を選びました。徹底的にインプットに時間を割いたことが最大の要因だったという方です。
問題演習で手が止まる原因は理解不足だと見極めて、まず知識量の底上げを最優先した。多数派の型をなぞることより、自分の弱点を正しく診断することのほうが上位にある。この記事で紹介してきた勉強法のすべてに、この留保を付けておきたいと思います。
選択科目は絞って短期に仕上げる
基本7科目の陰で、意外に合否を左右していたのが選択科目でした。
- 「不合格だった時の敗因の1つは、選択科目が足を引っ張ったことでした。そこで、選択科目を短時間で合格ラインまで仕上げるために、アガルートの選択科目の過去問講座を受講しました。」「アガルートの模範答案で十分な条文の引用、あてはめを確認することができて、とても有益でした。」 【引用元】
- 「市販の解答例が乏しい中でどのような解答を作るべきかという指針を得られたことで選択科目の学習で迷いがなくなり、基本7科目に注力する時間的・精神的余裕を持つことができました。」「私は国際公法選択だったのですが、大手予備校でも開講されていないことが多く、インプット・論証の定着・過去問演習ができるアガルートの選択科目講座は非常に重宝しました。」 【引用元】
- 「選択科目は過去問をよくやっておくことが重要だったりするので、アガルートの講座で比較的短時間で過去問をすべて網羅できたのは良かったと思います。」 【引用元】
- 「私は、講義を見ながらまず2周し、その後は講義を見ずに2周、それでも理解できない問題のみを最後に講義を見ながら1周したところ、本試験でも上位25%ほどの評価でした。勉強時間があまり割けない選択科目ですが、この講座に勉強範囲を絞ったことはかなりよかったように思います。」 【引用元】
- 「選択科目にかかる時間はあまりないと思いますが、何もやらないと、もちろん点数は取れないので、なるべく効率よく学修して、他の科目の勉強に時間をあてるのが理想だと思います。」 【引用元】
- 「倒産法の重問は、30問という少ない問題数で、重要条文・論点を抜かりなくカバーしており」「短い期間でもなんとか対策を進めることができました。」 【引用元】
- 「環境法に関しては、まず春休みにアガルートの講座を一気に消化して一通り基礎知識や過去問をインプットした後、ローの授業でブラッシュアップするという形をとりました。」 【引用元】
- 「受験生向け学習教材や再現答案の少なさに直面し、全然コスパ良くないじゃん…と絶望しました。」「本講座は、恐らく予備試験、司法試験受験業界で唯一と言って良い司法試験過去問を網羅的に扱った講座です。」 【引用元】
- 「選択科目で租税法の対策がここまで充実している予備校講座はほかにはなく、法科大学院の授業よりも充実していると思います。」 【引用元】
- 「選択科目については、全年度の過去問の答案構成などを2周したと思います。」 【引用元】
選択科目は8科目から1つを選び、論文式で2問出題されます。配点は必須科目より小さいものの、対策を怠って足を引っ張られたことが不合格の一因だった、という体験談があるのは見過ごせません。
時間をかけすぎれば基本7科目を圧迫し、放置すれば全体を沈める。この配分の難しさこそが、選択科目という存在の厄介さだと思います。
ここで挙げた声の答えは明快で、講座の範囲に絞り、過去問中心で短期に仕上げる。基本7科目で培った進め方を、ぎゅっと圧縮して適用する形です。
もう1つ、体験記を読んで初めて納得できたことがあります。選択科目は選ぶ人の数が科目によって大きく偏っており、選ぶ人が少ない科目では市販の教材や模範解答がそもそも手に入りにくいという事情です。
国際公法や租税法の合格者が講座の存在自体に感謝を語っていたのは、この文脈でした。独学の選択肢が細い科目ほど、講座の価値は相対的に上がります。アガルートは8科目すべてに講座を用意しているので、マイナー科目を選ぶ予定の方には心強い環境と言えるでしょう。
なお、予備試験向けの最短合格カリキュラムには、選んだ1科目分の選択科目対策講座一式が含まれており、その中には司法試験の過去問解析講座も入っています。予備試験の段階から、選択科目については司法試験レベルの過去問まで手が届く構成です。
ただし選択科目の添削は限られた通数にとどまるため、答案の仕上げは基本7科目の添削で鍛えた書き方を応用していくことになります。
参考【アガルート公式】司法試験・予備試験講座 選択科目 5講座パック

この記事のまとめ

今回は、アガルート公式サイトに掲載された合格者の体験記から、予備試験と司法試験の勉強法・進め方を整理しました。振り返ると、2つの試験で教材との付き合い方が変わっていく様子が、はっきりと浮かび上がったと思います。
- 総合講義は立ち止まらず走り抜け、完璧主義を手放す
- 重要問題習得講座は周ごとに目的を変えながら周回する
- 論証集と六法は知識を書き込む一元化教材に育てる
- 論文過去問と答練には早めに触れ、書いて添削を受ける
- 短答は過去問と条文の反復で足元を固める
- 学習の中心を本試験の過去問に移す
- 出題趣旨・採点実感を相場観に翻訳して答案の水準を知る
- 重問と論証集は点検ツール・集約台帳へと役割を変える
- 相対評価を前提に、みんなが書けるところを落とさない
- 選択科目は講座の範囲に絞って短期で仕上げる
最後に、体験記の中にはこんな言葉もありました。
- 「1番大切なことは、周りと比べずに目的意識をもって自分のペースで進めることだと思います。」「自分に合った勉強法を探すことが大切なので、合格体験記や先輩のアドバイスはあくまでも参考程度という認識で、目的意識をもった勉強をするべきだと思います。」 【引用元】
この記事もまた、先を歩いた人たちの「参考程度」を寄せ集めたものにすぎません。それでも、先人の足跡がこれだけ揃って同じ方向を指しているなら、最初の一歩を踏み出す地図としては十分に信頼できるはずです。
あとは、あなた自身の状況に合わせて縮尺を調整しながら歩くだけ。その一歩を、今日の学習計画づくりから始めてみてください。


