職歴なしのアラサーであっても職務経歴書を書くべき理由を伝えたい【書き方・実例つき】

職歴なしアラサーの就職

20代後半までダラダラと学生を続けており定職に就いていなかった杉山貴隆です。

今回はこんな疑問に答えます。

アラサーなんだけど初めて本格的な就活をしようと思ってる。求人票を見ると、履歴書と一緒に「職務経歴書」を出さないといけないみたい。職歴が無くても書かないとダメ? 何を書けばいい?

20代後半から30代前半の年齢まで就職したことが無い人の場合、職務経歴書をどうするかという問題にぶつかってしまいますよね。

私も初めて就活をしたのは28歳のときでした。「まともに働いたことが無いのに職務経歴書? どうしたらいいんだ?」と悩みました。悩んだ末に自分なりの職務経歴書をこしらえて就活を開始。10社ほど応募して何とか初めての仕事に就くことができました。

この記事ではそんな私の経験に基づいて「30歳前後で初めて就職活動をする場合に職務経歴書をどう作るか」という問題について私の考えをお伝えしていきます。せっかくなので私が実際に当時提出した職務経歴書も公開します。参考にしてみてください。

アラサーの職歴なしでも職務経歴書は書こう

まず結論からお伝えすると、あなたがアラサーの職歴なしの人であってもできるだけ職務経歴書は書くべきです。書かなかった時点で負けが確定してしまうので。

どういうことか少し説明します。「自分が企業の採用担当者だったら」と想像してみてください。日々、たくさんの応募者が履歴書と職務経歴書を送ってきます。

そんな中ある応募者が職務経歴書を付けず履歴書だけを送ってきたとします。あなたはその応募者にどんな印象を持つでしょうか? 率直に言って何の印象も持てないのではないでしょうか。

なぜなら職務経歴書が無い分、その応募者に関する情報が他の人に比べて少ないからです。情報が不足していれば印象を持てと言われてもどうしようもありません。

当然ながら採用担当者に興味・関心を持ってもらえなければ面接には呼んでもらえないでしょう。「ウチには縁が無さそうな応募者だ」と判断されて不採用となってしまい、就活はそこで終わりです。

以上のように職務経歴書を出さなかった時点で他の応募者との競争に敗北します。これでは応募する意味がありません。ですのでせっかく応募するのであれば必ず職務経歴書を作成して履歴書と合わせて提出しましょう。

職務経歴書は職歴を並べるためのものではない

「でも職歴が無いのに何を書けばいいの?」と思うかもしれません。そう思ったあなたは職務経歴書に関する思い込みや常識にとらわれ過ぎています。

あなたは「職務経歴書は職歴を詳しく知ってもらう目的で書く」と思っているのではないでしょうか。私は違うと思います。職務経歴書は採用担当者に「ビビッ!」ときてもらうために書くのです。

先ほど想像してもらったように採用担当者は毎日多くの応募書類を読んでいます。その中で「おっ?この人はちょっと面白いかも」「うちの会社に貢献してくれそうだ」「面接に呼んで話してみたい」と思ってもらうために書く。それが職務経歴書なんです。

職務経歴書には確かに自分の職歴について書くことが多いですが、それは目的を達成するためのひとつの手段に過ぎません。ビビッときてもらう目的を達成できるのであれば、立派な職歴をズラズラと並べる必要はないのです。

あなたは(かつての私のように)職歴なしのアラサーかもしれませんが、きっと何かしらの経験や価値を持っていると思います。職歴とは少し違うところにあるあなたの経験や価値を採用担当者の心に響く形で表現してみてください。

それがあなたのオリジナルの職務経歴書になりますし、そういう職務経歴書であればあなたが興味を持たれる可能性も高まります。

具体的には何を書くか

ここまで少し抽象的な話になってしまったので、ここからは具体的に何を書くかという話をしていきます。

アルバイトなどでお金を稼いだ経験を書く

もしアルバイトなどでお金を稼いだ経験が少しでもあるなら、それを書くのが一番良いでしょう。たとえアルバイトでも雇われて働いた立派な経験ですし、表現の仕方次第では強烈に採用担当者に自分をアピールできます。

私自身も28歳で最初の就活をしたときアルバイト経験を職務経歴書に記しました。参考までに私が最初に就職活動をした際に使っていた職務経歴書をダウンロードできるようにしておきます。

[杉山貴隆の職務経歴書]

私は20代の中盤から後半にかけて専門学校のようなところで講師としてアルバイトをした経験があったため、そのことを記してあります。

(ただのアルバイトではありますが、いかにも職歴っぽく書いてあります。これは採用担当者が見慣れていると思われるフォーマットで書くことにより、形式ではなく内容に意識を集中してもらうことを狙った結果です。)

私が当時意識していたポイントで今考えても「こうしたのが良かった」と思える点があります。それは「アルバイトで働いた経験がある」ことを伝えるだけではなくて、その経験を今回応募する仕事のどんなところで活かせるのか明記したことです。

単に「アルバイトをしました」と書くだけでは「だから何なの?何の役に立つの?」という話になってしまいかねません。そこで仕事にどう活かせるのかを採用担当者の想像に任せるのではなく必ず自分でアピールするようにしていました。

具体的にどうアピールしたかというと、たとえば「賃貸仲介」と呼ばれる営業職に応募したとき、私は講師のアルバイト経験をこんなふうに書いています。

評判が良かったのは、毎回の授業の終わりに配布するコメント用紙でした。その用紙に、その回の授業で分からなかった点や質問、その他コメントを記してもらいました。そして次の回の最初に、コメントの内容を取り上げ、時間の許す限り、ひとつひとつ答えました。このことは、一方向的になりがちな講義形式の授業において、双方向的な意見のやり取りを活発化し、受講生の満足感を高めました。

住宅の仲介においても、お客様からの質問・要望を受け、これに適切に答えるというプロセスが不可欠であると思います。といっても、私がとった「コメント用紙」のやり方は、直接には使えないものかもしれません。しかしながら、相手の抱いている疑問や期待に積極的に応答するという私の気構えは、この分野においても適用できるものと信じます。

最初の段落で講師として何をしたのかを述べています。次の段落でその経験が賃貸仲介の営業職でどう活かせると考えているのかを自分の言葉で書いています。

あなたが採用担当者だったらどうでしょうか。こう書いてあったら「ビビッ」と来そうですか? もし今の私が採用担当者だったら、こんなふうに考えると思います。

「コイツ、内容も形式も文章表現も、全部微妙な感じの職務経歴書を送ってきているなぁ…」

「でも一応、我が社に貢献したいという気持ちはあるみたいだな。仕事の内容も理解しているし、自分の能力がどう役立てられそうかも考えているようだ」

「他の応募者との比較にはなるけど、時間があったら面接に呼んでもいいかもしれないな」

実際にどのような印象を持ってもらえたのかはわかりませんが、当時私を担当した採用担当者はビビッときたようです。私は書類選考を通過して面接に呼ばれ、応募した賃貸仲介の営業職に就くことができました。

特技を中心に書く

アルバイトなどでお金を稼いだ経験が無い場合は何か他のことであなたの特徴や価値を感じてもらえそうなことを職務経歴書に書いていきます。

ひとつ良いアイデアだと思うのは自分の特技をアピールすることです。特技という言葉は「得意なこと」くらいの意味で考えてください。あなたが得意なことは何でしょうか。

たとえば「文章を書くのが得意」なのであれば次のように表現すると良いでしょう。はじめに「私の特技は文章を書くことです」と書いた上で、それを裏付ける実績を可能な限り列挙します。実績の例は下記。

  • 過去に賞を取ったことがある
  • ツイッターのフォロワーが3,000人いる
  • 趣味でブログに文章を書いていてアクセスが月間○○ある、等

こういった実績をアピールしつつその能力を仕事のどんなところで活かせるかを書きます。たとえば賃貸仲介職に応募したい人であれば「店頭に貼り出す物件広告やネットの物件情報で良い文章を書いて、お客様を呼び込むのに役立てます」という具合です。

つまり特技を書くといっても「何が得意なのか」を書くだけでは足りません。「実績」を書いてもまだ足りません。あなたの得意なことを仕事のどんな所で活かせるかを明記するようにしてください。そうすると採用担当者の心をつかむことができます。

少し補足

私の特技に関していうと、実はPCが好きでWordやExcelは結構使いこなせるほうです。先に共有した私の職務経歴書の最後でもその辺に触れています。

WordやExcelが使えるくらいで特技って言えるの?と思うかもしれませんが、社会に出てみると、WordやExcelを使える人は意外と少ないです。

その一方、仕事を進める上ではWord・Excelが必須のツールになっていますので「使えます!」と書いてあるだけでも強力なアピールになります。

もしあなたが私と同じようにWordやExcelが得意なのであれば、そのことは必ず職務経歴書に書くようにしてください。

資格を中心に書く

資格を持っている人は資格のことを書くのも良いです。資格についてアピールする場合もその資格を持っていることが仕事をする上でどう役立てられそうかを必ず表現するようにします。

たとえばあなたが日商簿記3級の資格を持っているとします。その上で賃貸仲介職に応募しようとしているならどう書いたら良いでしょうか? 私なら次のような感じでアピールします。

  • お金の計算に慣れているので、お客様への見積書や請求書を作成するときに素早く間違えずに計算できる
  • 売上や利益といった経営上の数字を理解できているので、日々の営業活動を経営者の目線で遂行できる
  • 資格の勉強をしていく中で自分で調べて学び取ることが大切なのだと実感した。日々の業務の中でも、わからないことは自分で調べるという姿勢で成長していける

何の資格を持っているかという話だけだと弱いです。その資格に関する知識や資格を取るまでの体験が仕事をする上でどう活きてくるくるのかを書きましょう。

そうすると採用担当者は「確かに他の応募者よりは資格を持っているこの人のほうが魅力的だな」と思ってくれます。

人生における経験を書く

特技や資格と言われても何も思い当たるものが無い場合はどうしたら良いでしょうか。そういう人でも30年近く生きていれば何かしら人生で経験してきたことがあるはずです。

自分の個人的な経験を仕事においてこんな形で活かせるという話を、想像力を働かせて書いてください。例えば…

日本中旅をした経験がある
色々な地域・地方のことを知っているので、お客様と話を合わせやすい。話が合うと仲良くなれるので売上に結び付く
長年、家族の介護をしてきた経験がある
介護は過酷な毎日で精神的にも肉体的にも鍛えられた。仕事をする上では失敗したり苦しいこともあるだろうが、どんなことでも耐えられる自信がある
ゲーム廃人だった経験がある
ゲームにのめり込んで分かったが、自分は一つのことに興味を抱くと他人には真似できないような集中力で作業できる。今回応募している仕事にも強い興味があるので、人一倍の作業量をこなし、同期の誰よりも早く一人前になれると確信している

多少は「こじつけ」でもOKです。あなた自身の経験とそこから得られた知識や能力・気付きについて記した上で、それが応募先の企業で働く際に大いにプラスになると主張しましょう。そうすると採用担当者にあなたを雇うメリットを感じてもらえます。

おわりに:専門家の添削指導も受けてみよう

tool for writing

今回は「職歴の無いアラサーが初めて本格的な就職活動をする場合、職務経歴書をどうするか?」というテーマで私の考えをお伝えしました。

結論を繰り返すと職務経歴書は書くべきです。自分の知識や経験が今後どのような形で仕事に活かせるのかを文章にまとめ、採用担当者にビビッと感じてもらえるようにしましょう。

ところで今回は「元・職歴なしのアラサー」として私なりの考え方をお伝えしてきたのですが、もし就職の専門家のアドバイスを無料で聞けるとしたら、聞いてみたくはないでしょうか。

実はアラサーであるとか、職歴が無いとか、フリーター・高卒・大学中退であるといった「就職に不利な人々」のための就職を支援する無料の就職支援サービスがあり、それを利用すると就職の専門家からのサポートを色々な形で受けられます。

次の記事でその種のサービスを紹介しています。自分に合いそうなものがあればぜひ登録して使ってみてください。

職歴なしの20代・30代におすすめの就職支援サービス2選
職歴が無い20代・30代であってもチャンスはつかめます。就職支援サービスからスタートし、未来を切り開いていきましょう。

以上、参考になれば嬉しいです。

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