職歴なしのアラサーを脱出し、現在はホワイト大手企業で勤めている杉山貴隆です。
今回はこんな疑問に答えます。
職歴なしのフリーターだけど就活をしようと思う。せっかく就職するなら大手企業がいいなあ。でもこの年齢だともう無理だよね…
フリーターの状態からいきなり大手企業に就職したい。虫が良い考え方だとは分かっていても、やっぱりそれが本音ですよね。実際にはあなたも考えている通り、いきなり大手企業に入社することは現実的ではありません。
しかし近い将来(たとえば数年後)に大手企業へ就職することを目指すなら十分に実現可能です。というのも、28歳のとき職歴なしアラサーだった私はその4年半後に「ホワイトな大手企業」に入社できたからです。
私のこれまでの取り組みは今振り返ってみるとそれなりに筋が通った合理的な手順になっており、あなた自身も実践できます。以上を踏まえて今回は職歴なしアラサーが大手企業へ就職する方法についてお伝えしていきます。
なお、実を言うと私も必要なステップをすっ飛ばして大手企業を狙っていた時期があり、それにより大きな落とし穴にはまってしまいました。その失敗経験についても合わせてお伝えします。
職歴なしアラサーが大手企業へ就職する方法
職歴なしアラサーの大手企業就職は段階を踏むことで実現できます。段階を踏むとは具体的には次の通りです。
- ステップ1
- まずは零細企業に就職して職歴を作る
- ステップ2
- 次に中堅企業へ転職して自分なりの実績を作る
- ステップ3
- 実績をアピールすることで大手企業に採用してもらう
私は実際に上記の手順によって「メーカー系の大手企業」と「人材系の大手企業」に就職できました。この段階的方法を以下でもう少し詳しく説明していきます。
【前提事項】最初から大手企業を目指しても無理
前提として認識してほしいのはいきなり大手企業に応募したところで、まともなところに採用される可能性はゼロだということです。
大手企業は人気があるので求人募集を出せばいくらでも応募があります。企業は何百・何千の応募者の中から一番優秀で実績のある人を採用します。
ここで考えてみてほしいのですが、あなたは他のどんな応募者にも勝てるようなすごい実績を持っているでしょうか。おそらく何も持っていないと思います(職歴が無いのですから)。
とすれば大手企業に応募したところで競争に勝つことができず、就職活動は徒労に終わってしまうことでしょう。そう考えると、順番としてまずは大企業にもアピールできるような仕事上の実績を用意する必要があるのです。
しかも大企業にアピールできるような実績であるためには中堅以上の企業で作った実績である必要があります。ということで当面は中堅以上の企業で何かしら実績を作ることが目標になります。
【ステップ1】零細企業に就職して職歴を作る
実績を作るための最初のステップとしてまずは零細企業で良いので入社します。
「え? 中堅企業に入社するんじゃないの?」と思われたかもしれませんが、そうではありません。なぜなら中堅企業の求人募集でもそれなりに優秀な人材が集まってくるからです。
職歴なしの無職アラサーがそんな状況下で戦っても勝てませんので、最初に応募する会社として中堅企業は不適切です。もう一段階下げて零細企業を狙います。
零細企業とは、具体的には資本金が300万円以下で、ワンマン社長がやっていて、従業員が20人以内くらいの会社です。こういう企業では求人募集をかけたところで大した人材は来ないので、無職・職歴なしでも採用される可能性は大いにあります。
まずは職歴を作ることを主な目的として、零細企業に採用してもらえるように就職活動を進めましょう。入社できたら1年から2年ほどマジメに働きつつ経験値を貯めていきます。
【ステップ2】中堅企業へ転職して、自分なりの実績を作る
零細企業で職歴を作れたら、その次のステップとして中堅企業へ転職します。たとえ零細企業でも働いた経験さえあれば中堅の企業への転職はそれほど難しいことではありません。
もちろん前職でどういった成果があったかとか、どんな仕事上の経験をしたかとか、今どんな資格を持っているかといった点は中堅企業の採用プロセスの中ではよくチェックされる部分です。零細企業で働いている間にしっかり準備をしておきましょう。
中堅企業とは資本金が1,000万円~3,000万円前後で、従業員は50~100人くらい、創業後10年以上経っている、くらいが目安です。こういった会社に採用してもらって1~2年かけて何かしらの実績を作るようにします。
私の場合はIT系の中堅企業に入社しました。その会社で私がどんな実績を作ったかというと主力製品のマニュアルやチュートリアルの充実化です。
その会社は良い製品を作っていたのに、ユーザー向けの参考資料が不足していました。そのことに気づいた私はそれらを充実させることを自分から発案し、作成しました。
別に大した実績ではないと思われたかもしれません。その通りです。大した実績でなくて良いので、とにかく何か自分が主体となって提起・推進した事実・成果を残しましょう。
そのことが大手企業に転職活動をする際の強力な武器となり、他の応募者との差別化の材料になります。ですので中堅企業では常に実績作りを意識して仕事をしてください。自分だけの実績が出来上がったら、大手企業にアタックをかけていきます。
【ステップ3】実績をアピールすることで大手企業に採用してもらう
いよいよ大手企業に応募するのですが、その際は中堅企業で作った実績を猛烈にアピールします。
(この段階まで来れば、最初の「アラサー・職歴なし」だった頃とは全く違う状況です。他の応募者とも対等に戦えるバックグラウンドがあり、勝算が出てきています。)
実績をアピールする際は目に見える形で提示するのがオススメです。私の場合、実績であるマニュアル・チュートリアルはウェブ上に公開されていましたので、職務経歴書にURLを記載して「これを私が作りましたので見てください!」とアピールしました。
見えるモノとして提示するのが難しい場合は数字で提示するのも効果的です。月間売上○百万円を達成したとか、コスト削減を提案・実施して利益率がこれだけ良くなったなど。
応募する際に意識してほしいのは「私はこんなにも仕事ができます。私を雇わないと損ですよ?」という気持ちでアピールすることです。
強気で自分を売り込んでこそ大手企業の採用担当者に「この応募者を雇わないのは我が社にとって機会損失だ」と思ってもらえます。そう思わせることができてはじめて、ライバルを退けて採用内定を勝ち取ることができるのです。
【落とし穴注意】順番を飛ばして最初から大手企業に入社すると…
「3ステップもあるなんで、メンドくさいな…どうにか最初から大手企業に入ることはできないの?」
そう思う人もいると思います。実を言うと1ステップで大手に就職することも一応可能です。というか私は実を言うとそういう経験をしています。実は私がアラサー・職歴なしの状態から最初に飛び込んだのはかなり名前の知れた大手企業だったんです。
なので最初はとても嬉しかったことを覚えています。給料もそここそ良かったですし「アラサー・職歴なしでも大手に一発入社できるんだ!」と喜んだものです。
ですが働いてみるとすぐにわかりました。その企業は超ブラック企業だったのです。当時の私はあまり理解できていませんでしたが、大手でもブラック企業であることは珍しくありません。
私はブラック企業で精神的にも肉体的にも疲れ果て、半年で退職してしまいました。今考えてみれば、職歴もなくトシだけとっている私がいきなりホワイトな大手に採用されるわけないんです。当時はそこまで考えが至りませんでした。
この手痛い失敗を反省した私はもう決してブラック企業では働くまいと決意しました。そして職歴がほぼ無い自分でも働ける非ブラックの零細企業からスタートし、その後中堅企業、ホワイト大手というステップを踏んでいきました。
以上をまとめると、アラサー職歴無しの状態でも大手企業に入社することは「やろうと思えば可能」です。ですが自分に競争力が無いはずなのに勝ててしまうとすれば、何かが間違っています。
特筆すべき経験も成果も伴っていない人を採用するような会社はおそらくブラックで、単に労働力としてこき使える人間を確保しようとしているだけです。
順序を考えずに楽して大手企業に入ろうとすると、私のように失敗して結局は損をしてしまいます。そうならないよう、たとえ時間がかかっても段階を踏み、ホワイトな大手企業を目指すことをお勧めします。
この記事のまとめ
今回は職歴なしアラサーが大手企業に就職するための合理的方法をお話ししてきました。その手順を復習すると次の通りとなります。
- ステップ1
- まずは零細企業に就職して職歴を作る
- ステップ2
- 次に中堅企業へ転職して自分なりの実績を作る
- ステップ3
- 実績をアピールすることで大手企業に採用してもらう
上記の段階的なキャリアアップは、多少時間はかかりますが、考え方に無理がなく筋が通った手順になっています。もしあなたが本気で大手企業に就職したいのであれば、3つのステップを確実に実行してください。あなたの希望がきっと実現するはずです。
以上、参考になれば嬉しいです。