ITパスポート試験にほぼ満点で一発合格できた杉山貴隆です。
ITパスポートの受験対策用テキストはたくさんありますよね。あまりにも数が多いので、どれにしたら良いか迷ってしまう人は多いと思います。私自身もそうでした。
そこでこの記事ではITパスポートの人気・売れ筋テキストを7冊を実際に購入して実際に使用した上でおすすめランキング形式でご紹介したいと思います。
合格者である私が各テキストのメリット・デメリットを詳しくレビューしまとめました。あなたが教材・参考書を選ぶ際、役立てていただけると嬉しいです。
なおランキングの方法や根拠についても後半で説明しています。気になる方はご一読を。それではお楽しみください。
レビュー内容と画像は執筆時現在(2019年)のものです。最新年度の内容と異なっていたらゴメンナサイ。
【第1位】『いちばんやさしいITパスポート』
堂々のランキング第1位は高橋京介著『いちばんやさしいITパスポート』(SBクリエイティブ)です。
メリット | デメリット | おすすめスコア |
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出題傾向を深く分析 一発合格の学習法を提示 試験を俯瞰したコメント多数 | 過去問収録数が少ない | 1800 |
本書の一番良いところはITパスポート試験に対する分析が深いことです。そのことは冒頭の「出題範囲(シラバス)と出題傾向」のページで顕著に表れています。
分野別の出題傾向のグラフによってこれまでどのような分野の出題がどれくらいあったのかが具体的に示されています。そして「ITパスポート試験ではテクノロジ系(IT技術)以外のことも多数出題される」ということを指摘しています。
私自身、ITパスポートの学習を始めたときに一番驚き、困惑したのがこのことでした。意外にも「経営戦略」や「法務」「プロジェクトマネジメント」といった内容の出題がかなりあるのです。
試験勉強をスムーズに進めるためには早い段階で出題範囲を熟知しておくことが重要になります。そうすることで先を見通しつつ計画的・効率的な勉強ができるようになるからです。
その観点で言うと比較した7冊の中で最も詳細に出題傾向の説明をしていたのが本書でした。さらに本書では効果的な学習方法についてもページを割いて説明しています。
そこに書かれている学習方法は私も大賛成の内容です。というのも私もほぼ同様の勉強方法で一発合格できたからです。本書に書いてある通りに淡々と勉強すれば、あなたが一発合格できる可能性はかなり高いと思います。
「試験分析や学習方法のことはわかったけど、本編のほうはどうなんだろう?」と心配になる人もいるでしょう。安心して大丈夫です。一言で言うなら、非常に読みやすくわかりやすい解説になっています。
そればかりでなく、本編においてはITパスポート試験に対する「メタ的視点」が随所に盛り込まれています。その例として次の画像を見てください。
損益分岐点について解説したセクションの冒頭部分です。「ITパスポート試験において損益分岐点は毎回出題される。しかも計算問題として出る」ということを指摘していますよね。
このように本書では単に学習事項を解説するだけでなく、その項目の出題頻度や出題形式についてたびたび触れています。ITパスポート試験全体を俯瞰し、学習上有益と思われるコメントを多数盛り込んでいるのが本書なんです。
読む側としても「そんなに試験で問われる事項なら気合入れて勉強しなくちゃ」などと考えながら勉強できます。仮に意識的にそう思わなかったとしても「ここはよく出るよ」と書かれているのを読めば無意識に集中力が高まります。
やる気・集中力を維持する意味でも、こういったメタ的なコメントが多く書かれている本書は合格を目指す上で利用価値がかなり高いです。
一点だけ惜しい点を挙げておきます。本書は過去問の収録数は十分ではありません。一応、各セクションの末尾に練習問題として過去問が織り込まれていますが、それだけで受かるような分量ではないと感じます。
本書をメインのテキストとして利用する場合は別途ITパスポートの過去問題集を1冊用意し、問題演習をすると良いでしょう。
逆に言えば、問題演習の機会さえ別に設けるなら本書が一番強力だということです。迷ったらこの本を選んでおいて間違いありません。合格者の私が自信を持ってオススメします。
これは余談ですが、本書はITパスポートの一発合格というテーマを掲げています。本書を最初から読むと、一発合格に対する著者の熱いメッセージが5ページにわたってつづられていることに気が付きます。
著者の高橋氏は一発合格できるテキストを作り込むことに並々ならない意欲を燃やしているのです。その意味でも合格を目指すあなたにとって本書は最適です。ぜひ利用することを勧めます。
【第2位】『ITパスポート試験 対策テキスト&過去問題集』
ランキング第2位は富士通エフ・オー・エム株式会社著『ITパスポート試験 対策テキスト&過去問題集』(FOM出版)です。
メリット | デメリット | おすすめスコア |
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試験を再現した過去問CD 網羅的な本編 シラバス4.0専用の章あり | 通読は最も時間がかかる | 1500 |
実を言うと本書は私が受験勉強時に使用したテキストです。※だからと言って変にヒイキはしません。あなたのためになる情報をフェアな目線でお届けします。
本書の最大の特徴として過去問題プログラムCDがついていることを指摘できます。
過去問題プログラムCDは18回分(1800問)もの量の過去問を収録しています。それだけでなく18回分の問題を本試験そっくりの画面で実行できるんです。
既にご存じの方も多いと思いますが、ITパスポート試験はCBT形式(Computer-Based Test)です。つまり一般的な試験のように紙の問題用紙があるのではなく「試験会場のPCを使って、画面を見ながら回答していく」形式となっています。
私も受験したのでわかるのですが、CBTの試験は試験形式そのものに慣れておくことが非常に重要です。画面のどのあたりに問題文が出るのか、回答はどのようにクリックすればできるのか、制限時間は体感でどのくらいか、など。
というのも試験形式に慣れているかいないかでスコアが全く変わってきます。人間は不慣れな状況に置かれると実力が全く発揮できないものです。逆に経験したことのある状況であればフルパワーが出せるようになります。
とすれば受験生としては何としてもCBTの雰囲気に親しんでおきたいところ。そこで役に立つのがこちらの過去問題プログラムCDなんです。本試験に非常に良く似た環境を自分のPC上で作れますので。
私自身は過去問題プログラムCDを18回分やり込んだおかげて本試験では9割以上の得点を取って合格できました。
過去問の話ばかりになってしまいました。本書の本編はどうかというと、ITパスポートのテキストの中でもおそらく最も多くの項目を取り上げ解説しています。網羅的とも言える分量になっており、通読すればかなりの知識が得られます。雰囲気はこんな感じ。
今後、基本情報技術者・応用情報技術者の試験も受験したいと考えている方は先々の試験勉強の基礎にもなります。本書をガッツリ読み込んで今のうちにレベルアップしておくと良いでしょう。
ところで2019年4月からITパスポートの試験範囲は「シラバス4.0」という新しいものに変わりました。それに合わせて本書では1章分のページを割いて「シラバス4.0」で追加になった項目を取り上げ、解説しています。
この点も他のITパスポート参考書には無い本書の大きな特徴になっています。(※2020年度版ではこの章は無くなり、章の内容は他の適切な章に分離・配置されたようです。)
最後に「ここだけ惜しい!」という点を挙げておくと、本書は網羅的に学べる分、分量が多く通読に時間がかかります。文章もかなり淡々としているので読み終えるまで少し根気が必要です。
とはいえ非常に知識が豊かになる参考書なので、高い志を持って学習していただければと思います。
以上のことから、本書を特にオススメできるのは「過去問を本番同様のスタイルでやり込みたい人」や「今後のステップアップを考えて、多少時間がかかってもじっくりITの知識をつけたいと考えている人」だと思います。
【第3位①】『ITパスポート合格教本』
ランキングの第3位①は岡嶋裕史著『ITパスポート合格教本』(技術評論社)です。
メリット | デメリット | おすすめスコア |
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本編はエッセイ風でやさしい 過去問アプリで問題演習 知識・実践のバランス重視 | 英略語の日本語訳が 載っていないケース有 | 1400 |
本書は初心者向けであり、かつインプット・アウトプットのバランスが取れたITパスポートの教科書だと思っています。
まず本編ですが、比較的ゆるい調子で書かれていて、エッセイを読んでいるような気分になるくらいです。
上の画像はシステム開発における要件定義の導入の部分です。粘土細工やレゴのたとえ話から始めることで私たちに理解しやすくなるよう配慮してくれています。てるてる坊主の掛け合いも可愛いです。
「ITって苦手だな」「試験勉強ってキライだな」と感じる人でも、かなり気楽に読める文体で一貫しています。もちろん試験の合格に必要な記述はしっかりなされているので安心してください。
本書は過去問対策も充実しています。書籍そのものにも一部練習問題として取り入れられていますが、それ以上に注目したいのが読者限定で利用できる「問題演習ウェブアプリ」です。
過去問を中心に2,000問を収録しています。
第2位「よくわかるマスター」と違ってスマホで気軽に実施できるのが良いですね。
自動採点機能や出題分野の絞り込み、間違った問題のみ抽出する機能なども利用可能です。
このウェブアプリをやり込めば過去問対策は完璧になります。別途問題集を用意する必要はありません。
最後に本書のデメリットとして私が感じたことを指摘しておきます。ITパスポート試験には「ERP」や「SCM」といった英語の略語が多く出てくるのですが、本書ではそういった英略語に対する日本語訳が書かれていないケースが散見されました。
日本語訳があれば理解・記憶の役に立つケースがかなりあると思うので、省くなんてとんでもない!と私は思います。私のように日本語訳も知りたいという人の場合はいちいちネットで調べなければなりません。少し手間が増えてしまうので、この点は惜しいなあと感じました。
とはいえ気になるのはその点だけ。そこが気にならない人であれば本書は1冊そろえるだけで知識のインプットと実践のアウトプットの両方が可能で、しかもIT初心者向けという絶妙なバランスを備えた良書だと思います。
問題演習ではアプリよりも紙のほうが良いと感じる人もいるかもしれません。そういう人のために同じシリーズの過去問題集があります。チェックしてみてください。
【第3位②】『栢木先生のITパスポート教室』
ランキングの第3位②は栢木厚著『栢木先生のITパスポート教室』(技術評論社)です。
メリット | デメリット | おすすめスコア |
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軽快に読み進められる 専門用語をイメージで把握 カバーを取ると目立たない | 解説がやや淡々としている | 1400 |
本書は数あるITパスポートのテキストの中でも最も軽快に読み進められる構成になっています。その秘密は2点あって、ひとつは各セクションの先頭にある「イメージでつかむ」の部分。
上の例は「暗号化技術」というセクションの冒頭部分です。暗号化は難しい用語ですが「宝箱を開けるカギ」に例えています。そうすることでここから先の内容について読者にわかりやすいイメージをもってもらおうということなんです。
50ほどあるセクションの全てにおいて、このようなイメージを膨らませるためのイラストがついています。もしあなたがITに関して知識ゼロの状態であっても上の画像のようなイラストからスッと入っていけますので安心です。
軽快に読み進められるもう1つの秘密は各セクションの分量です。私が確認した限り、各セクションは短ければ2ページ、長くても5ページで終わっています。(※練習問題の部分を除く。)
2~5ページという分量であれば10~15分程度で読み終わってしまうような短さです。それくらいの時間で勉強の区切りを入れることができるので、電車移動などのちょっとしたスキマ時間でもサラッと1セクション分読めてしまいます。
空き時間ごとに1セクション読むことを続ければ、忙しい人でも1~2日で1章くらいは読み終わるでしょう。そうすると「受験勉強がドンドン進行している!」という前向きな気持ちになってきます。
言い換えるなら、本書はモチベーションを維持しやすいテキストなんです。
ところで通勤・通学などの電車など外出先で読む場合、他人に資格の勉強をしていることがバレてしまうとちょっとだけ「恥ずかしい」と思ってしまうことはないでしょうか。私は結構よくあります。
本書はそんな人々への配慮も忘れていません。というのもカバーを外すと何の本かわからないくらい目立たない雰囲気に変わってしまうのです。
色も落ち着いた茶系なので、公共の場所で読んでいても違和感がありません。
背表紙のところを見たい人もいると思うので、角度を変えてもう1枚。
背表紙にもほとんど何も書かれていません。特に女性の場合、周りの視線を意識することが多いと思います。本書であれば変に目立つこともなく、カフェ・職場などで独学しても支障が無いでしょう。
最後に惜しいポイントを。すごく気になるというほどではないのですが、文章が比較的淡々としています。読者にどこまでも寄り添った文体というよりは「あなたならきっとついてこれるはずだからドンドンいきましょう!」という感じ。
だからこそテンポ良く読み進められるという側面もあるので、メリットと表裏一体なのだと前向きに捉えると良いのかもしれません。
【第5位】『キタミ式イラストIT塾 ITパスポート』
ランキングの第5位はきたみりゅうじ著『キタミ式イラストIT塾 ITパスポート』(技術評論社)です。
メリット | デメリット | おすすめスコア |
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視覚要素の多さはNo.1 親しみやすい文章 | イラストを読み込むのが やや面倒 情報量絞りすぎ? | 1200 |
本書はイラストの多さでは間違いなくITパスポートの参考書の中でナンバーワン。もはや「マンガでわかるITパスポート」と名乗れそうな勢いです。
上記は「デフラグ」をイラストで図解した部分ですが、デフラグが一体どんな作用を及ぼしているのか一目でわかってしまいますよね。
ITパスポートはストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系と分野が分かれていますが、パソコンにそれほど馴染みのない人にとってはイメージしにくい内容が多いものです。
でも本書であればイメージの部分は全て本書が担ってくれます。あなたはそのイメージを吸収するだけ。わかりにくい用語や概念も視覚を通してみるみる脳に焼き付いていきます。
文章も親しみやすい雰囲気でつづられています。
「カンタンカンタン」等、軽く流していくような文体です。勉強すること自体があまり好きでない人も趣味の雑誌を読むような気分で読めるのが本書の素晴らしいところ。
デメリットとして気になった点は2点あります。ひとつは好みが分かれるところだと思うのですが、私としては「イラストを読み込むのが少し面倒だな」と感じました。
一般的なテキストの場合は文章の補足として図解・イラストがあるのですが、本書の場合は文章をある程度省略してイラストに任せてしまっている場合があります。
その際はイラストをじっくり見て、そのイラストが何を言わんとしているのか読み取らないといけないのですが、それならばむしろ文章でスパッと言ってくれたほうが早いと私は思うのです。
もう1点は重要度がそれほど高くない項目が省略されていることです。他のテキストで取り扱っているキーワードでも、本書では出てきていないケースが目立ちます。イラストを多くしているために紙幅が足りなかったのかもしれません。
以上のように良い点と惜しい点とが拮抗している本書ですが「ITって難しいから、とにかくイラスト・図解で学びたい!」という欲求の強い人にはよく合う本だと思います。
【第6位】『出るとこだけ!ITパスポート』
ランキングの第6位は城田比佐子著『出るとこだけ!ITパスポート』(翔泳社)です。
メリット | デメリット | おすすめスコア |
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ボリューム少なめで さらりと読める 解説もかなりやさしい | 暗記力に頼りすぎている | 1000 |
本書の最も良い点はボリュームを最小におさえてあるところです。
あなたはITパスポート試験にぜひ合格したいと考えているでしょう。でも仕事があったり学校の課題があったりして、思うように時間が取れないことで悩んでいるのではないでしょうか。
本書はタイトルにもある通り「出るところだけ」に絞ったITパスポートのテキストです。学習するべき内容や読む必要のある文章を極限まで絞ってあります。
ページ数もこのランキングで取り上げている中では最小でほぼ300ページとなっています。かといって字が小さかったりするわけでもなく読みやすい文字サイズです。
ボリュームが最小ということは合格するための学習時間は少なくて済みます。解説もかなりやさしい言葉で書かれていて、IT初心者のことをよく考えた文章で教えてもらえると感じます。
もっとも本書だけでは高得点は望めないでしょう。「ギリギリの得点でも良いから、最短で勉強が終わって合格できればOK」と考えている人によく合ったテキストです。
気になる点は「暗記しよう」という名称のキーワードリストが度々現れる点です。
キーワードがこのようなリストに入ってしまうと、図表などを含めた解説がなされません。短い文章で説明が終わってしまうため、理解しやすいとは言えない部分が多くなっています。
というかそもそも理解は捨てて丸暗記することを求めている感があります。(私は丸暗記は好きではないのです。)
ただこういうリストに入ってしまう語句は相対的に重要度が低いものばかりです。とすれば時間が無い人は「リストの部分を読み飛ばして先に進む」という使い方もできるかなと。そうすればかなりの早さで読了できるでしょう。
資格試験の勉強をする場合、限られた時間の中で「まずは1周」することも大事ですからね。スピーディに学習を進めたい人は本書を選んでみても良いかもしれません。
【第7位】『かんたん合格 ITパスポート教科書』
ランキングの第7位は坂下夕里&ラーニング編集部著『かんたん合格 ITパスポート教科書』(インプレス)です。
メリット | デメリット | おすすめスコア |
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とにかく 価格が安い | 解説は不足気味 | 900 |
本書の最大の魅力は価格が安いこと。税別980円(税込1078円)という価格は今回取り上げているITパスポートのテキスト7冊の中でも最安値です。私もあまりの安さにびっくりしました(※2023年5月現在、価格改定により値上げされています)。
安いぶん内容がひどいのかというと、そんなこともありません。試験範囲はしっかりとカバーし、ほどほどに読みやすい文章で書かれ、イラスト・図表も大いに盛り込まれています。
しかし個人的にはあまり高く評価できませんでした。というのも重要語句・重要概念に対する解説があまり十分でないと感じたところが散見されたからです。
ITパスポートはITの初心者の方が多く受験しますし、ITに親しんでいる方でも馴染みが無い概念を色々と学ぶ必要があります。
そうすると解説のわかりやすさがテキストの肝心カナメになってくるわけですが、本書の場合は「う~ん、もう少し説明して欲しい!」と感じるところが多くありました。
とはいえ価格がぶっちぎりで安いことは事実なので、100円でも50円でも安く済ませたい方は本書を選んでいただくのが良いと思います。
どうやってランキングしたの? 方法・根拠について
この記事ではランキング形式でITパスポートのテキストを紹介してきました。そこでランキングの方法や根拠が気になる方もいらっしゃると思います。
究極の結論を言えば、このランキングは当ブログ運営者杉山貴隆の主観です。 私の主観によって「良い」と判断したものを上位にランキングしています。
しかし良い・悪いを判断するにあたってはできる限りフェアなやり方を取りたいと考えました。そのため以下のような手順を踏んでランキングを作成しました。
主要7冊の抽出
まず数あるITパスポートのテキストの中で比較対象にするものを選ばなければなりません。今回、私はAmazonで「ITパスポート」と検索した結果 やAmazon のITパスポートの売れ筋ランキングを見てみました。
その上で「私自身が購入候補にするであろう7冊」を選びました。この選択方法は恣意的ですが、基本的に「人気があってよく売れている7冊」を選んでいます。
おそらくあなた自身もこの7冊を購入候補としてどれにするべきか悩んだり迷ったりする(or している)はずです。なので上記の方法で7冊を選ぶのはそれほど悪い方法でもないと思っています。
わかりやすさの指標
ITパスポートのテキストは何をおいても記述のわかりやすさで選ぶべきだと思います。意外にも範囲が広く、聞いたこともないような話題が多く出てくる試験ですから。
ところで、ITパスポート試験は「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」という3つの領域に分かれています。
あなたが利用するITパスポートのテキストは「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の全ての領域でわかりやすい記述がなされていなければなりません。
そこで今回は各分野で解説されている重要キーワードを2つずつ選び出し、7冊のテキストの解説を比べてみることにしました。キーワードは以下の通りです。
- ストラテジ系
- 「損益分岐点」及び「SCM(供給連鎖管理)」
- マネジメント系
- 「SLA(サービスレベル合意書)」及び「リバースエンジニアリング」
- テクノロジ系
- 「MACアドレス」及び「RAID」
評価は以下の4段階としています。
- 「◎」の評価
- そのキーワードについて期待を超えた十分な解説がなされており、非常にわかりやすい
- 「○」の評価
- そのキーワードについて一応わかりやすい解説がなされている
- 「△」の評価
- そのキーワードについて取り上げてあるが、わかりやすいとは言えない
- 「×」の評価
- そのキーワードがそもそも取り上げられていない
7冊のテキストを読み比べ、評価した結果は次の通りです。
テキスト | ストラテジ系 「損益分岐点」 | ストラテジ系 「SCM」 | マネジメント系 「SLA」 | マネジメント系 「リバース エンジニアリング」 | テクノロジ系 「MACアドレス」 | テクノロジ系 「RAID」 |
---|---|---|---|---|---|---|
『いちばんやさしい』 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
『対策テキスト&過去問題集』 | ○ | ○ | ○ | ◎ | △ | ○ |
『合格教本』 | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ |
『栢木先生の』 | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | △ |
『キタミ式イラスト』 | ◎ | × | ◎ | × | ○ | ○ |
『出るとこだけ』 | ○ | △ | △ | △ | △ | ○ |
『かんたん合格』 | ○ | △ | ○ | × | △ | △ |
過去問提供の指標
わかりやすさ以外でもう1点、合格にとって重要なのは過去問演習です。そこで過去問をどの程度収録しているかという観点から以下の基準で評価しました。
- 「◎」の評価
- テキスト内の練習問題として過去問が使われていて、ユーザーにとって利用しやすい形で1,000問以上の過去問が提供されている
- 「○」の評価
- テキスト内の練習問題として過去問が使われている
評価した結果は次の通りです。
テキスト | 過去問提供 |
---|---|
『いちばんやさしい』 | ○ |
『対策テキスト&過去問題集』 | ◎ |
『合格教本』 | ◎ |
『栢木先生の』 | ○ |
『キタミ式イラスト』 | ○ |
『出るとこだけ』 | ○ |
『かんたん合格』 | ○ |
おすすめスコアの算出
「わかりやすさ」と「過去問提供」を合わせると各テキストの評価は以下の通りとなります。
テキスト | ストラテジ系 「損益分岐点」 | ストラテジ系 「SCM」 | マネジメント系 「SLA」 | マネジメント系 「リバース エンジニアリング」 | テクノロジ系 「MACアドレス」 | テクノロジ系 「RAID」 | 過去問提供 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
『いちばんやさしい』 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ○ |
『対策テキスト&過去問題集』 | ○ | ○ | ○ | ◎ | △ | ○ | ◎ |
『合格教本』 | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ◎ |
『栢木先生の』 | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ |
『キタミ式イラスト』 | ◎ | × | ◎ | × | ○ | ○ | ○ |
『出るとこだけ』 | ○ | △ | △ | △ | △ | ○ | ○ |
『かんたん合格』 | ○ | △ | ○ | × | △ | △ | ○ |
上記の表のままでは各テキストを比較するのが難しいため「◎」「○」「△」「×」を数値で置き換えることにしました。
- 「◎」の評価
- 300点
- 「○」の評価
- 200点
- 「△」の評価
- 100点
- 「×」の評価
- 0点
「◎」「○」「△」を上記の数値に置き換え、足し算をして「おすすめスコア」としました。結果は以下の通りです。
テキスト | おすすめスコア |
---|---|
『いちばんやさしい』 | 1800 |
『対策テキスト&過去問題集』 | 1500 |
『合格教本』 | 1400 |
『栢木先生の』 | 1400 |
『キタミ式イラスト』 | 1200 |
『出るとこだけ』 | 1000 |
『かんたん合格』 | 900 |
今回のランキングは以上のやり方で算出したおすすめスコアの高い順に並べています。
この記事のまとめ
今回はITパスポートのおすすめテキストランキングをご紹介しました。あなたにとって「これが良い!」と思える参考書はありましたか?
もし迷ったら上位3位のいずれかがオススメです。もし上位3位の中でも迷うならあなたのフィーリングに合うものを選んでいただくのが一番良いです。
どうしても自分で決められない場合はランキング1位の『いちばんやさしいITパスポート』を使っていただければと思います。最高評価のテキストで合格を勝ち取りにいきましょう。
以上、参考になれば嬉しいです。