田舎出身の元・職歴なしアラサーで、現在は地方都市で働いている杉山貴隆です。
今回はこんな疑問に答えます。
田舎生まれ・田舎育ちで今も田舎に住んでます。就職はしたいけど、そもそも田舎は仕事が少ない…。都会に出ることも考えるべき? 何かアドバイスが欲しい
田舎に生まれて田舎で育ったから必然的に就職活動も田舎でする。そんな職歴なしのアラサーの方は多いと思います。私も田舎で就職活動をしたこともあるのでわかるのですが、実際に就活を始めてみると求人のあまりの少なさにガッカリしますよね。
そして数少ない求人の中からなんとか「これならギリギリやってもいいか…」と思える仕事に応募してみるのですが、全然採用されなくて絶望したり。
個人的に田舎での就職活動はつらいものがありましたが、ここではそんな経験に基づいて田舎に住む職歴なしアラサーにオススメの就活の方法をお伝えしたいと思います。
これから就活を始める職歴なしアラサーの方も、今まさに就活をしている職歴なしアラサーの方も、参考にしてみてください。
結論:最寄りの地方都市での就職を狙おう
最初に結論を言ってしまうと、田舎に住む職歴なしアラサーの方にオススメなのは今住んでいる田舎から一番近い地方都市での就職を狙うことです。
私は沖縄県の田舎生まれ・田舎育ちですが、最初の就職に成功したのは人口150万人の地方都市「福岡市」でのことでした。その後諸事情で仕事を辞めて田舎に帰ったため、田舎での就活も経験しました。
地方都市と田舎の両方で就職活動を経験した私としては「今住んでいる田舎から一番近い地方都市での就職」がベストな選択だと自信を持って言えます。私がそう断言できる理由について、体験談を交えつつ以下で説明していきます。
田舎は求人が少なすぎて、圧倒的に不利
田舎で就職活動をする場合、そもそも求人が少なすぎて非常に不利であるという現実があります。実際にどのくらい不利なのかを数字で確認してみましょう。
例として私が最初に就職活動を行った地方都市「福岡市」と次に就職活動を行った田舎「沖縄県の某市」を比較します。ハローワーク求人情報で、2020年1月現在のフルタイムの求人数を比べると以下の結果となりました。
- 福岡市のフルタイム求人数
- 29,230件
- 沖縄県某市のフルタイム求人数
- 1,256件
10倍以上の差です。言い換えれば、田舎の某市で就職活動をする場合、応募できる求人が地方都市の1割に満たないということです。これほど差があれば田舎で就職が難しいのは当然です。
田舎で就活をしていた当時の私は、あまりにも求人が無いため自分が住んでいる市に隣接する2つの市にまで就職活動の範囲を広げました。そうしてようやく隣の市で就職することができました。
ちなみに、その時の私にはすでに福岡市での職歴がありましたので、その経験を目一杯アピールした結果、田舎での就職に成功できました。もし私が職歴が無い状態で田舎で就活していたら、きっと就職することは永遠にできなかったでしょう。
都会が良いと言っても上京は難しい
求人があればあるほど職歴の無いアラサーでも就職する機会を得やすいように思われます。それなら一番の都会である東京に行けばいいかというと、そういうわけではありません。
確かに日本で一番の都会は東京であり、東京の求人数は地方都市よりもさらに多いです。先ほどと同じようにハローワーク求人検索をしてみると次のような結果になりました。
- 東京都23区のフルタイム求人数
- 49,354件
福岡市の5倍以上。数字だけを見れば、職歴なしアラサーが就職するなら東京で就職活動をするのが一番の近道です。でも現実には働き口を見つけるという目的だけのために上京するのは難しいことが多いでしょう。
私自身かつて就職のために東京に移住することを真剣に考えました。しかし交際しているパートナーのことはどうするのか。年老いてきた親は田舎に放置するのか。そういったことを考慮するとどうしても東京移住に踏み切れませんでした。
人生は仕事だけで決められるものではありません。だから東京に仕事があるということがわかっていても田舎を切り捨てて上京するわけにはいかない。それが現実だと思います。
ベストな選択肢は最寄りの地方都市
そこであなたに勧めたい選択肢が最寄りの地方都市での就職活動です。つまり今住んでいる田舎に一番近い地方都市で就職することを目指します。
地方都市といっても具体的にどの市のことか分かりにくいかもしれません。おおよそ次の都市を目安に考えてもらえればOKです。
- 北海道に住んでいるなら
- 札幌市
- 東北地方に住んでいるなら
- 仙台市
- 関東地方に住んでいるなら
- 横浜市・川崎市・さいたま市・千葉市
- 中部地方に住んでいるなら
- 名古屋市
- 関西地方に住んでいるなら
- 大阪市・神戸市・京都市
- 中国・四国地方に住んでいるなら
- 広島市
- 九州・沖縄に住んでいるなら
- 福岡市
Wikipeida の「日本の市の人口順位」で、約800の市のうちトップ10くらいに入っている都市を挙げています。なぜ最寄りの地方都市での就職がオススメなのかというと次のようないくつものメリットがあるからです。
【メリット1】田舎に比べて求人が格段に豊富
地方都市の第一のメリットは田舎よりもずっとたくさんの求人があることです。
先に数字で見た通り、住んでいる場所を「沖縄県の某市」から「福岡市」に変えるだけで、応募できる求人の数が10倍以上に増えます。「あなたが住んでいる田舎」と「最寄りの地方都市」でも同じような求人数の差があるはずです。
求人数が多ければ多いほど、職歴の無いアラサーが採用されやすい求人の数も増えていき就職しやすくなります。シンプルな理由ではありますが、数の力は偉大です。
【メリット2】就職支援サービスが充実している
地方都市の第二のメリットは職歴の無い人が利用できる就職支援サービスがあることです。
次の記事で職歴の無い20代・30代におすすめの就職支援サービスを複数紹介していますが、そのほとんどが地方都市に拠点を置いています。
つまりもしあなたが最寄りの地方都市に軸足を移せば就職のプロの力を借りつつ就活を進めることができるんです。しかもそれらのサービスは利用無料です。
田舎ではお金を払っても就職支援のサービスなんて受けられないですよね。職歴の無いアラサーにとって就職支援サービスのサポートを無料で受けられることは大きなメリットになります。
【メリット3】地方都市は都会過ぎず、なじみやすい
地方都市の第三のメリットは都会だが都会過ぎないため、田舎生まれ・田舎育ちの人であってもなじみやすいことです。
「都会ってなんだか怖いし、冷たい感じがする」「ひどい目にあったらどうしよう」「誰も助けてくれなかったらどうしよう」と考えていないでしょうか。あるいは「物価が異様に高くて、生活に困ってしまうかもしれない」と心配していないでしょうか。
確かに東京の都心部のような都会中の都会であれば、周囲が冷たい人ばかりだったり、家賃や日用品がありえないほど高かったりすることもあるかもしれません。ですが地方都市であれば心配は不要です。
地方都市の「人」に関していえば全然冷たくはありません。かといって田舎の人のように干渉が多いということもありません。ほどよい距離感で付き合うことができます。
私自身、地方都市である福岡市に通算10年以上住んでいますが、人間関係で困ったり不安になったりしたことは皆無です。
物価に関して言うと東京より安いことはもちろんです。そして私の経験から付け加えるなら、田舎よりもむしろ地方都市のほうが物価が安いことがよくあります。
具体的に言うと沖縄県某市のスーパーの物価よりも福岡市のスーパーのほうが全般的にモノの値段が安いです。田舎は輸送コストが上乗せされるため、実のところ物価が高くなりがちなのでしょう。
また地方都市では田舎よりも買い物客が多くモノがたくさん売れるので、そのぶんだけ価格を抑えられるという側面もあります。
以上のように地方都市は「都会ではあるが都会過ぎず、田舎出身者でもなじみやすい」という良さがあり、とても快適に生活できます。
【メリット4】田舎にすぐ帰れる
地方都市の第四のメリットは最寄りの地方都市で就職して生活するのであれば、いざというときにサッと帰省できることです。
東京のような大都会に移住してしまうと、田舎の家族に何かあっても飛行機や電車・バスを乗り継いで半日~1日かけて戻らないといけないかもしれません。お金もたくさんかかります。
最寄りの地方都市であれば数時間もあれば帰れるはず。お金もそんなにかかりません。地方都市での生活に疲れたり、ちょっと寂しさを感じたときでも、すぐに故郷に帰って実家でくつろいだり、友人と遊んだりできますよね。
私自身も田舎である沖縄県から最も近い地方都市である福岡市に住んでいます。福岡・沖縄間だとさすがに飛行機利用になるので「近い」とは言いがたいのですが、それでも東京や他の地方都市に比べれば近いので、安心感があります。
おわりに:地方都市で就職して仕事と人生を楽しもう
今回は田舎に住む職歴なしアラサーにおすすめしたい就活の方法についてお伝えしてきました。私の考えでは最寄りの地方都市で就活を行って就職するのがベストです。そのメリットとして次の4つを指摘しました。
- メリット1
- 田舎に比べて求人が格段に豊富
- メリット2
- 就職支援サービスが充実している
- メリット3
- 地方都市は都会過ぎず、なじみやすい
- メリット4
- 田舎にすぐ帰れる
最寄りの地方都市を狙うことにより距離的にも心理的にも田舎から離れ過ぎずに済みますし、仕事も見つかりやすくその後の生活も快適になります。ぜひあなたも最寄りの地方都市での就職を検討してみてください。
以上、参考になれば嬉しいです。