職歴なしのアラサーを脱出するため必死になっていくつも資格を取った杉山貴隆です。
今回はこんな疑問に答えます。
社会人経験が無いまま20代後半を迎えちゃったけど、これから就職活動を頑張ろうと思う。やっぱり資格をとっておいたほうが有利なの? おすすめの資格はある?
私も職歴がない状態で就職活動をした経験があるので分かりますが、資格はやはりある方が有利です。
そして知っておいてほしいのですが、資格の中でも「広い業界で必要とされている」とか「資格取得者を雇うことが法律で義務付けられている」といった要因により他の資格に比べて一段と就職に強い資格が存在します。
この記事ではそのような職歴なしのアラサーを脱出するのに役立つ資格を3つピックアップしてご紹介していきます。ちなみにその3つは私も持っており、就活をする上での有効性は実体験として確認済みです。ぜひ参考にしてみてください。
職歴なしのアラサーを脱出するのに役立つ資格3選
職歴なしのアラサーの人が就職活動をするとき特に有効な資格は次の3つです。
- MOS
- 宅建士
- 簿記3級
以下でそれぞれの資格の概要とメリット・デメリットをまとめていきます。
MOS
MOSは簡単に言うとパソコンの「ワード」や「エクセル」の資格です。正式名称はMicrosoft Office Specialist(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)といいます。
パソコンのWordやExcelは今やどんな仕事をするときにも必須のツールになっています。事務職の人が利用するのはもちろんですが、営業職の人も資料作成で使いますし、技術職の人も報告書を作ったりデータを分析したりするときに使います。
それくらいよく使われるツールなので、企業としては「WordやExcelが問題無く使える人材だとありがたいな」「最低ラインとしてWordやExcelのスキルは欲しいな」と考えています。
そこであなたがMOSに合格済みであることを履歴書に記載しておけば、企業としては「この人はWord・Excelが使えるから、とりあえずキープしておこう」と判断するわけです。
MOSを持っていれば面接に呼んでもらいやすくなりますし、最終選考の段階で「MOSを持っている人」と「MOSを持っていない人」のどちらかとなれば、圧倒的にMOSを持っている人が選ばれるでしょう。
MOSのメリットは次の3点です。
- 時間をかけることなく取得できる
- MOSは1~2週間勉強すればすぐ合格レベルに到達できる。また都市部では毎週のように試験が実施されていて受験しやすい
- 受験後は履歴書にすぐ書ける
- 受験が終わったら合格したかどうかがその場で通知される。合格していればその日から履歴書に「Microsoft Office Specialist Word 合格済み」と記してアピール材料にできる
- 業界や職種を問わず評価されやすい
- WordやExcelはどんな仕事をするときにも使う機会がある。そのため自分が応募する求人がどんなものであっても必ずプラスに評価してもらえる
デメリットについても触れておきます。MOSはパソコンを持っていないと勉強するのが難しいです。現時点でパソコンを持っていない場合、WordやExcelの入ったパソコンを用意するところから始めることになります。
次の記事でパソコン選びからMOSの勉強の仕方までを解説していますので、参考にしてみてください。
「お金もあまり無いし、さすがにパソコンを買うのは厳しい」という人は期間限定でパソコン教室に通うのも1つの手です。たとえば全国展開のパソコン教室 Aviva(アビバ)にはMOSに特化した対策講座があるので、利用を検討してみると良いでしょう。
宅建士
宅建士は簡単に言うと不動産取引の法律についての資格です。正式名称は「宅地建物取引士」(たくちたてものとりひきし)といいます。「士」を省いて「宅建」と省略することもあります。
就職に役立つ資格として有名なので、あなたも1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。年間でおよそ20万人が資格試験を受験しており、法律系国家資格の中でも最も人気のある資格となっています。
宅建士の資格がなぜ就職に役立つのかというと不動産会社からのニーズが非常に大きいからです。というのも日本には「宅地建物取引業法」という法律があり、この法律は不動産会社に対して「一定数の宅建士を雇いなさい」と義務付けています。
その数はなんと「従業員の5人に1人以上」です。つまり全従業員の20%以上を国家資格の保有者にせよという規制です。不動産会社にとってはなかなか厳しいものがありますが、おかげで宅建士の有資格者の求人は絶えることがありません。
宅建士のメリットは次の3点です。
- 300時間くらい真面目に勉強すれば取れる
- 宅建士は法律系の資格だが、知識ゼロからスタートしても300時間くらい勉強すれば取得できると言われている。受験資格も特にないので、アラサーで職歴がない人にもチャンスがある
- ひとつのことに熱心に頑張れる人という評価が得られる
- 宅建士の合格率は毎年およそ15%。言い換えれば10人いても、1人か2人くらいしか合格できない。合格するのはそれなりに大変な資格なので、履歴書に「宅地建物取引士 合格」と書いてあれば、書類選考の担当者は「この応募者はひとつのことをきちんと頑張って達成できる人だろう」「面接に呼んで、どんな人か見極めてみよう」と思ってくれる可能性が高い
- 手頃な価格の通信講座が豊富にある
- やる気のある人を合格に導いてくれる通信講座がたくさんある。そのぶん自分にあった講座が見つかる可能性が高く、学習しやすい
私の場合はより合格の可能性を高めるため、一般的な勉強時間である300時間に100時間を上乗せして、合計400時間くらいかけました。次の記事で私の勉強法を解説しています。
通信講座については、フォーサイト宅建士講座とスタディング宅建士講座を実際に購入・受講してレビュー記事を書いています。
宅建士の資格に興味を持った人は上に挙げた記事も参考にしつつ学習を始めていただければと思います。
最後に宅建資格のデメリットに触れますが、資格取得までに1年くらい時間がかかるのが普通であることを知っておいてください。試験対策の勉強だけで数か月は必要です。私も半年間かけて勉強しました。
さらに受験した日から合格発表までは1か月以上の期間が空く上、都道府県に資格を登録するのにさらに1~2か月かかってしまいます。今受験しようと決めたとしても、実際に履歴書に書けるのはだいぶ先になると考えておきましょう。
簿記3級
簿記3級(日商簿記3級)は簡単にいうと会社の会計(お金の計算)に関する資格です。
会社は利益を追求する組織ですが、その営業活動の中でとてもたくさんのモノやサービスを売ったり買ったりします。その金額やスピード感は、個人のものとは比べ物になりません。
そのため会社にはお金の出し入れをきちんと管理する担当者、いわゆる「経理担当者」が必要になります。そして経理の仕事には専門的な知識も必要になるのですが、その知識の証明になるのが簿記の資格です。
会社の会計は、企業の大小や業種を問わずどんな会社にも必要になります。そのため経理担当者の求人はコンスタントに発生しています。経理職は簿記の資格を持っていれば職歴のないアラサーでも狙いやすいポジションです。
簿記3級のメリットは次の3点です。
- 会社経営の基礎知識を持っていることを示せる
- 多くの会社経営者は「従業員全員が会社経営を意識してほしい」と考えている。簿記3級を持っていれば「売上」「利益」「販管費」といった経営に関する基本的な用語や会社の仕組みを知っていることを示すことができ、選考上有利になる
- 計算能力が正確で素早いことを示せる(事務処理能力の高さを示せる)
- 日商簿記は簿記の入門的な試験ではあるが、電卓を使って素早く正確に計算できなければ合格できない。簿記3級を持っていれば会社組織においても十分通用する計算力を持っていることを示せる。そこからの類推で事務処理のスピード・正確性についても高い能力を推定してもらえる
- 3級→2級→1級→税理士と発展できる
- 日商簿記3級をとった後、さらに勉強を続ければ2級、1級とステップアップすることが可能。簿記1級に合格すると国家資格である税理士試験の受験資格も得られる。もし税理士試験に合格できれば将来的には独立開業して大きく稼げる可能性も
簿記3級のデメリットは専門知識の勉強に時間がかかるため、取得に時間を要することです。宅建士ほどではありませんが、少なくとも1か月くらいは集中して勉強する必要があります。私自身は2か月ほどかけて勉強し合格できました。
おわりに:まずはMOSをとって就活をスタートしよう
この記事では職歴なしのアラサーを脱出するのに役立つ資格を3つご紹介しました。私は3つとも持っているのでよく分かるのですが、いずれか1つでも持っておくことで採用担当者に高く評価してもらえます。
ただし、繰り返しになりますが宅建と簿記3級は取得するのに時間がかかります。宅建や簿記の資格をとってから就活を始めようとすると、どんどん就活が先延ばしになってしまい、さらに年齢を重ねて不利になってしまうかもしれません。
そこで私としてはまずはMOSだけを取って就活をスタートさせることをお勧めしたいと思います。MOSだけでも持っておけば資格欄を少し埋めることができますし、パソコンを使える人材であることを証明できますので。
宅建や簿記3級もとっておきたいという人は就職活動を進めながら空いた時間を利用して学習を進めるようにしましょう。
以上、参考になれば嬉しいです。