アガルート司法試験・予備試験 合格者11人の勉強時間の実態

アガルート司法試験・予備試験

アガルートの講座で司法試験・予備試験を目指すにあたって、「合格までに何時間勉強すればいいのか」が気になっていませんか?目にする数字は3,000時間から1万時間まで幅があり、これでは計画の立てようがありませんよね。

この疑問を曖昧なままにしておけば、無理な計画を立てて息切れしたり、逆に数字の大きさにおびえて一歩を踏み出せなかったりするかもしれません。でも、手がかりはあります。それは、合格した人たちが実際に残した記録です。

今回は、アガルートを受講した合格者11人が体験記で明かした勉強時間を整理し、数字の中身と背景まで掘り下げます。この記事を読み終える頃には、他人の数字に振り回されず、あなたの生活を前提にした計画の輪郭が見えてくるはずです。

※本記事は2026年7月時点で入手できる情報を基に作成しています。ただし、引用している受講生の評価は受講当時のものであり、現在とは状況が異なる場合があります。

合格者11人の勉強時間一覧

合格者11人の勉強時間一覧

私は今回、アガルートの公式サイトに掲載されている司法試験・予備試験関連の合格者の声を1,000件以上チェックしました。

その中で、受験に至るまでの勉強時間を数字で把握できたのは11人分。累計の勉強時間をはっきり書いている人が4人、本人が語った学習ペースと期間から計算できた人が7人という内訳です。まずはその11人を一覧でご覧ください。

仮称試験(受験年)勉強時間数字が指す範囲属性
合格者A予備試験(令和4年)737時間
(概算)
学習開始から短答式まで30代・社会人
合格者B予備試験(令和4年)1,500時間学習開始から論文式まで大学生(法学部)
合格者C予備試験(令和2年)2,336時間
(概算)
学習開始から短答式まで社会人
合格者D予備試験(令和7年)2,600時間
(概算)
約2年間の学習全体30代・社会人
合格者E予備試験(令和3年)2,912時間
(概算)
学習開始から論文式まで20代・就職を経て受験
合格者F予備試験(令和4年)3,400時間学習開始からの総時間法科大学院生
合格者G予備試験(令和4年)3,900時間
(概算)
再挑戦の2年間30代・社会人
合格者H予備試験(令和6年)3,950時間学習開始から論文式まで20代・専業受験生
合格者I予備試験(令和7年)5,766時間
(概算)
学習開始から短答式まで大学生
合格者J司法試験(令和元年)3,140時間
(概算)
3度目の受験前の9か月のみ20代・学生
合格者K司法試験(令和元年)4,500時間予備試験からの通算20代・学生

「概算」と記した数字は、本人が明かした学習ペースと期間から私が機械的に計算した値です。たとえば合格者Aなら「1日平均4.5時間」を短答式試験までの約5か月半続けたとして737時間としています。あくまで目安の数字として見てください

もう1つ、表を読むうえで欠かせないのが「数字が指す範囲」の列です。

実は合格者の語る勉強時間は、どこからどこまでを数えたかが人によってバラバラ。短答式試験までの途中経過を語る人もいれば、最終合格までの総時間を語る人もいますし、合格者Jのように直前の9か月だけを切り取った数字もあります。

学習歴も同じではありません。たとえば合格者Gには20代の頃に法科大学院を修了した過去があり、合格者Jは予備試験合格済みの状態からのカウントです。

だから私は、この11人の平均を出すことはしません。737時間と5,766時間を足して2で割っても、何の意味もない数字が生まれるだけです。

その代わり、この記事では数字の背景を1つずつ読み解いていく方針を採りました。そうして初めて、11人の記録があなたの計画づくりに使える生きた材料になります。

データから見えた「1日あたりの勉強時間」

データから見えた「1日あたりの勉強時間」

総量の数字はピンと来なくても、1日あたりに直せば実感が湧きます。11人の生活を、専業・学生と社会人に分けて見ていきましょう。

専業・学生の場合

まず、1日あたりの勉強量が多かった人たちです。学生や専業受験生が中心になります。

  • 合格者E受験前年7月から最低でも1日8時間を約1年(概算2,912時間)
  • 合格者H会社を辞めて専業に。1日12時間を目標に、論文式まで1日平均10時間(3,950時間)
  • 合格者I大学生。月250~370時間、1日あたり8~12時間規模を約1年半(概算5,766時間)
  • 合格者J(司法試験):自習室で1日10~13時間を9か月(概算3,140時間)
  • 合格者B大学生ながら週20~30時間の時期もあり、論文式まで1,500時間で合格

上記のうち合格者E・H・I・Jは、1日8時間以上を学習に費やしています。彼らはシンプルに「起きている時間の大半を法律に充てる生活」を送っていたわけです。

予備試験の1年合格と聞くと特別な才能を連想しますが、少なくとも合格者E・H・Iの記録から見えるのは、1日8~12時間という物量を1年前後、長い人で1年半にわたって積み上げた生活の形でした。

司法試験組の合格者Jも、3度目の受験までの9か月間は1日10~13時間という生活を送っています。表の中で目を引く合格者Iの5,766時間も、内訳は「1日10時間前後×約1年半」。数字の大きさは異常でも何でもなく、専業に近い学生生活の積算にすぎません。

なお、この5,766時間は学習開始から短答式試験までで計算した概算です。本人は同じペースを論文式試験まで続けたと書いているので、最終合格までを数えればさらに上積みされる計算になります。表の数字はいずれも、こうした終点の違いを抱えていると考えてください。

一方で、同じ学生でも合格者Bは論文式受験時点で1,500時間ちょうどと、この組では際立って少ない数字です。ただしBは法学部で上三法を学んだ下地があります(もっとも、本人は「完全に初学者と同じだと割り切って受講していました」と述べています)。

合格者Bはアプリで毎日勉強時間を計測していたそうで、1,500時間は日々の記録に裏打ちされた数字と見てよさそうです。学生だから短時間で済むのではなく、下地と計画性がそろったときの最短側の実例と読むべきでしょう。

社会人の場合

次に、仕事や子育てと両立しながら合格した人たちです。

  • 合格者A早朝と子どもの就寝後に1日平均4.5時間(週30時間強)
  • 合格者C序盤は平日3時間・休日6時間、年明け以降は平日4~5時間・休日10時間前後
  • 合格者D働きながら週20~30時間を約2年
  • 合格者G平日3~4時間+休日10時間、週約38時間を2年

興味深いことに、この4人のペースはおおむね週20~40時間の帯に収まっています。仕事や家庭に必要な時間を残しながら積み上げると、この辺りが1つの現実的な解になるのでしょう。

そしてこのペースで3,000時間級に到達するには、単純計算で2年前後かかります。合格者Dと合格者Gがそろって「2年」という期間を語っているのは偶然ではなく、ペースから導かれる「必然」だったわけです。

もう1つ、私が心を動かされたのは合格者Aの記録です。

  • 「2021年の12月から勉強を始め、子どもが体調を崩した数日を除き、1日も欠かしていません。」 【引用元】

子育てをしながら早朝と夜に1日平均4.5時間。派手さはありませんが、「ゼロの日を作らない」という設計思想が貫かれています。

社会人の場合、1日の勉強時間を最大化するより、途切れない仕組みを作るほうが結果的に総量を稼げる。この11人の記録の中で、それを最も雄弁に物語る一節だと感じました。

アガルートの目安と比べる

アガルートの目安と比べる

アガルートはコラムやFAQ、モデルスケジュールで勉強時間の目安を公表しています。ここまで見てきた11人の実態と突き合わせてみましょう

予備試験合格までの時間

アガルートが予備試験の勉強時間コラムなどで示している目安は次のとおりです。

アガルートの目安
  • 予備試験合格までに必要な勉強時間は3,000~10,000時間
  • 合格者の多くは「3,000~5,000時間」
  • 期間は学生で2年~2年半、社会人で3年~3年半
  • FAQでは、アガルートの講座を利用する場合の総学習時間は3,000時間程度(独学では10,000時間かかる場合もあるとの対比)

参考【アガルート公式】予備試験合格に必要な勉強時間は?何年かかる?

参考【アガルート公式】司法試験・予備試験 よくある質問と答え

今回取り上げている11人のうち、予備試験の学習をおおむね通しで語っているのは合格者B・D・E・F・G・Hの6人で、数字は1,500~3,950時間の範囲でした。

「多くは3,000~5,000時間」という目安の帯に収まるか、それより少ない側に分布しています。少なくともこの6人を見る限り、アガルートの目安が実態より軽めに示されているという印象は受けませんでした

ただし、割り引いて考えるべき点も残ります。体験記で勉強時間を明かすのは、日々の学習を記録していた計画的なタイプに偏っているかもしれません。

1,000件以上の声のうち勉強時間の数字を把握できた人が11人しかいなかったことを思えば、ここに並んだ数字を「合格者の標準」と受け取るのは危険でしょう

ところで、私はアガルートのコラムのスタンスに好感を持ちました。勉強時間を解説するコラムでありながら、「何時間という数字自体に意味はない」「何万時間勉強しても方向性がずれていれば合格に近づけない」という趣旨を繰り返し述べているのです。

時間数を宣伝の道具にせず、質と方向性を優先する姿勢は、11人の記録のバラつきとも整合しています。

司法試験までの通算時間

予備試験のさらに先、司法試験までの通算はどうでしょうか。

アガルートの目安
  • 司法試験合格まで通しで3,000~8,000時間(中には10,000時間という人も)
  • 予備試験合格後から司法試験合格までの勉強時間は「2,000時間以下」に収まるケースが多い

参考【アガルート公式】司法試験合格に必要な勉強時間は?

合格者K(予備試験を含む通算4,500時間で司法試験合格)の記録は、この目安の生きた実例になっています

  • 「予備校一筋でした。大学在学中に予備試験に合格し、ロースクールには進学しませんでした。」 【引用元】
  • 「総勉強時間は4500時間ほどでした。1日4時間程度の勉強でも3年余りで達成できますし、社会人の方でも十分に合格可能な試験です。」 【引用元】

予備試験合格までに「3,000~5,000時間」(前セクション参照)。そこから司法試験までは「2,000時間以下」。この2つを足すと通算3,000~7,000時間ほどになり、Kの4,500時間はその内側に収まります。

ただしKが明かしているのは通算の数字だけで、予備試験までに何時間、その後に何時間という内訳までは書かれていません。総量として目安と矛盾しない、というところまでが読み取れる範囲です。

それでも、予備試験合格者の司法試験合格率が直近4年のどの年も9割を超えていることを踏まえれば、「予備試験までが勝負で、その先は上積みで足りる」という構図自体は納得のいくものです。

1日4時間×3年余りという本人の換算は、社会人にとって現実的な射程を示してくれる貴重な一言だと感じました。

対照的に、合格者Jの概算3,140時間は数字を読み取る際の注意点を教えてくれる例です。

Jは2度の司法試験不合格を経てアガルートの利用を始め、3度目の受験までの9か月間だけで概算3,140時間を積んでいます。当然、それ以前の予備試験合格までの学習や2回分の受験対策は含まれていません。

もしこの数字だけを見て「司法試験は3,140時間で受かる」と読んだら、実態を大きく見誤ります。勉強時間の数字は、範囲を確かめてからでないと使えない。この記事で何度も繰り返している理由が、ここに凝縮されています。

合格者アンケートの分布

アガルートは体験記とは別に、合格者アンケートの結果も公表しています。令和7年予備試験に合格した受講生への自社アンケート(回答18人)による勉強時間の分布は次のとおりです。

合計勉強時間割合
2,000時間以上~4,000時間未満38.9%
4,000時間以上~6,000時間未満33.3%
6,000時間以上~8,000時間未満22.2%
8,000時間以上~10,000時間未満5.6%

参考【アガルート公式】予備試験合格に必要な勉強時間は?何年かかる?

回答した18人の中に2,000時間未満はゼロ。7割超が2,000~6,000時間の帯に入る一方、6,000時間以上も約28%います。先ほどの11人の個票と見比べても、大きな矛盾はありません。

学習期間についても参考になるデータがあります。令和6年司法試験に合格した受講生へのアンケート(回答78人)では、学習期間3~4年の人が合わせて約5割を占める一方、10年以上という人も5.1%いました。

アガルートのコラムはこれを「個人差が大きい」と総括していますが、まったくそのとおりで、数年単位の幅は当たり前にあるものと構えておくのが健全です。

もちろん、いずれも自社調査で、回答者はアンケートに応じたアガルート利用の合格者に限られ、母数も小さめではあります。それでも、合格者の実数字をここまで開示してくれていること自体、受講を検討する側にはありがたい判断材料です。

体験記の個票とアンケートの分布を重ねて読めば、予備試験合格までの勉強量の輪郭はかなりはっきり見えてきます

モデルスケジュールの設計

最後に、アガルートが初学者向けカリキュラムで公開しているモデル学習スケジュールを見てみます。

アガルート 予備試験最短合格カリキュラム モデルスケジュール一覧

モデルスケジュール(予備試験最短合格カリキュラム/フル)の設計
  • 必要学習時間の目安:3,000時間
  • 学習ペースの設計:1日4時間台・週30時間前後・月120時間前後(約2年後の短答式試験を目標にする場合)
  • 講義時間の合計:約870時間

参考【アガルート公式】予備試験最短合格カリキュラム

私が注目したのは次の2点です。

1つ目は、講義時間が必要学習時間の3割弱しかないこと。単純に引き算すれば、3,000時間のうち2,000時間以上は講義視聴以外、つまり自分で答案を書き、復習し、暗記する時間に充てる計算になります。講義を見終わることはゴールではなく、序盤戦の終わりに過ぎません。

2つ目は、週30時間前後という設計ペースが、先ほどの社会人合格者たちの実ペース(週20~40時間)とほぼ同じ水準だということ。合格者Dの週20~30時間、合格者Gの週約38時間は、まさにこの設計の周辺にいます。

ただし、週30時間は「平日3時間+休日7~8時間」に相当する水準です。決して軽くはありません。この数字を見て「いける」と感じるか「厳しい」と感じるかが、受講を判断する1つの試金石になると思います。

この記事のまとめ

この記事のまとめ

最後に、この記事の要点を振り返ります。

  • アガルート受講の合格者で勉強時間を把握できたのは、1,000件超の声のうち11人。数字は737~5,766時間だが、それぞれ指している範囲が違う
  • 予備試験の学習を通しで語った6人では1,500~3,950時間で、アガルートの目安(多くは3,000~5,000時間)と大きな矛盾はない
  • この11人では、専業に近い人たちは1日8~13時間、社会人はおおむね週20~40時間の帯だった
  • 令和7年予備試験合格者への自社アンケート(回答18人)では2,000時間未満がゼロで、7割超が2,000~6,000時間
  • モデルスケジュールの設計は1日4時間台×約2年。社会人合格者の実ペースと重なる現実的な水準だった

勉強時間に関する数字は、あなたを不安にさせることもあるでしょう。しかし範囲と背景を確かめながら読めば、それは合格への地図に変わる。1日平均4.5時間をほぼ毎日積み上げた子育て中の社会人も、週20~30時間で2年走り切った社会人も、現にアガルートで合格しています

必要なのは、他人の総量をなぞることではなく、あなたが確保できる時間と続けられる年数から、あなたの計画を組み立てることです。数字を残してくれた11人の記録を取り上げた本稿が、その手がかりになれば嬉しく思います。

タイトルとURLをコピーしました