副業で実務翻訳者をしているアメリア会員杉山貴隆です。
今回は翻訳者ネットワーク「アメリア」に出ている「未経験でも応募できる在宅翻訳求人」の報酬データをもとに、収入として期待できる額を試算します。
これから翻訳をやってみたいと思っても、どのくらいの収入になるのかわからないと手を出しづらいですよね。そこでこの記事では実際に募集されている英日翻訳・日英翻訳の求人から報酬額のデータを抜粋して、1日あたりどのくらいの収入になりそうかを検討します。
これからフリーランスの在宅翻訳をやってみたいと思う方はぜひ参考にしてみてください。
アメリアを活用した場合の未経験者の収入額
最初に結論をお伝えすると、アメリアで未経験者が翻訳の仕事を得た場合、報酬相場と作業量から収入額を推定すると、次の通りとなります。
- 英日翻訳の収入額
- 1日あたり17,600円(税込)
- 日英翻訳の収入額
- 1日あたり19,250円(税込)
- ただし…
- 未経験者は作業量が少ないこと、調べものに時間がかかることから、実際には上記の数値よりもう少し控えめになる
以下で詳しく解説していきます。
英日翻訳の収入額を試算
「英日翻訳」(英語から日本語への翻訳)の収入額を試算します。
未経験可求人の報酬額の相場
執筆時現在、アメリアに出ている「未経験可・在宅フリーランスの英日翻訳求人」は11件あり、その報酬額を抜粋すると以下の通りとなりました。
- 時給1,900円またはワード単価8円(税別)
- ワード単価8円(税別)
- ワード単価6~8円(税別)
- 案件ごとに相談
- 案件ごとに相談
- ワード単価8~12円(税込)
- ワード単価8.5円(税別)
- 実績・トライアルの結果次第
- 応相談
- (出版翻訳)印税6%
- (出版翻訳)買い切りで35万円
案件ごとに色々ですが、英日の実務翻訳(産業翻訳)で最も一般的な報酬の決め方である「原文ベース単価」で考えると「原文1ワードあたり8円(税別)」くらいが相場だと言えそうです。
※上記はあくまでスタート時の単価で、翻訳会社への貢献度合いや交渉等を通じて単価が上がることもあります。
1日あたりの作業量
英日翻訳者の1日あたりの作業量は2,000ワードくらいが標準だと言われています。
もちろん個々人の能力や専門分野、翻訳対象となっている文書の内容等により作業量は色々に変化するわけですが、平均して2,000ワードということです。
(未経験者の場合は2,000ワードを下回ると思われますが、「未経験者の作業量がどのくらいか」に関するデータは無いため、ここでは一般的な翻訳者の作業量をもとに考えます。)
期待できる収入額
単価が「1ワードあたり8円(税別)」、作業量が1日あたり「2,000ワード」だとすると、1日稼働した場合の収入額は
8 × 2,000 = 16,000円(税別)
となります。通常は消費税額を含めて請求しますので、上記の額に10%上乗せして
16,000 × 1.1 = 17,600円(税込)
「1日あたり17,600円」が期待できる収入額となります。
ただし、先にも少し触れたように未経験者は作業量が1日2,000ワードを下回ると思います。また調べものにも時間を要するはずです。
したがって最初のうちは実質的な収入額はもっと少ない可能性が高いのですが、経験を積んで作業に慣れるほど上記の数字に近づいていくことになります。
もし単価が上がれば上記の数字を超えることもあるでしょう。
日英翻訳の収入額を試算
次に「日英翻訳」(日本語から英語への翻訳)の収入額を試算します。
未経験可求人の報酬額の相場
執筆時現在、アメリアに出ている「未経験可・在宅フリーランスの日英翻訳求人」は9件あり、その報酬額を抜粋すると以下の通りとなりました。
- 応相談
- ボランティアのため無償
- 1時間あたり3,000円
- 案件ごとに相談
- 案件ごとに相談
- 文字単価6~8円(税込)
- 案件ごとに相談
- 文字単価4円~10円
- 文字単価3.8円(税別)
案件ごとに色々ですが、日英の実務翻訳(産業翻訳)で最も一般的な報酬の決め方となっている「原文ベース単価」で考えると「原文1文字あたり5円(税別)」くらいが相場だと言えそうです。
※上記はあくまでスタート時の単価で、翻訳会社への貢献度合いや交渉等を通じて単価が上がることもあります。
1日あたりの作業量
日英翻訳者の1日あたりの作業量は3,500文字くらいが標準だと言われています。
もちろん、個々人の能力や専門分野、翻訳対象となっている文書の内容等により作業量は色々に変化するわけですが、平均して3,500文字ということです。
(未経験者の場合は3,500文字を下回ると思われますが、「未経験者の作業量がどのくらいか」に関するデータは無いため、ここでは一般的な翻訳者の作業量をもとに考えます。)
期待できる収入額
単価が「1文字あたり5円(税別)」、作業量が1日あたり「3,500文字」だとすると、1日稼働した場合の収入額は
5 × 3,500 = 17,500円(税別)
となります。通常は消費税額を含めて請求しますので、上記の額に10%上乗せして
17,500 × 1.1 = 19,250円(税込)
「1日あたり19,250円」が期待できる収入額となります。
ただし、先にも少し触れたように未経験者は作業量が1日3,500文字を下回ると思います。また調べものにも時間を要するはずです。
したがって最初のうちは実質的な収入額はもっと少ない可能性が高いのですが、経験を積んで作業に慣れるほど上記の数字に近づいていく、ということになります。
もし単価が上がれば上記の数字を超えることもあるでしょう。
報酬相場に関するアメリアの見解
「報酬の相場にはどのくらいの幅があるの?」「出版翻訳や映像翻訳の報酬相場は?」
上記の疑問を持った方もいると思います。「よくあるご質問」という非会員でも見られるコンテンツがあるのですが、その中に参考になる数値が書かれていますので参考にしましょう。
おおよその目安として下記が相場と言われております。
原文ベースの単価
英日:1ワードあたり7円~14円程度
日英:1字あたり約4円~10円程度
なお出版翻訳では印税方式もしくは買い取り方式で報酬が支払われます。印税方式の場合、印税率は4~8パーセントと、出版社や作品によって大幅に異なります。
映像翻訳では翻訳した文字数ではなく、10分単位の映像の時間単位で決定しセリフの多さは関係しません。相場は10分単位で5,000円~25,000円程と言われています。
「アメリアFAQ」には他にも参考になる情報がたくさん掲載されていますので、翻訳に関心のある方は目を通してみるとことをお勧めします。
アメリアのトップページ下段の「よくあるご質問をもっと見る」から閲覧可能です(登録等は不要)。
この記事のまとめ
今回は「アメリアの翻訳未経験可求人の報酬は?収入額を試算してみた」というテーマでお伝えしました。ポイントをまとめると次の通りです。
- 英日翻訳の収入額
- 1日あたり17,600円(税込)
- 日英翻訳の収入額
- 1日あたり19,250円(税込)
- ただし…
- 未経験者は作業量が少ないこと、調べものに時間がかかることから、実際には上記の数値よりもう少し控えめになる
翻訳未経験可求人の報酬相場がおおよそ把握できたでしょうか。初報酬ゲットに向けて今日も少しずつ行動していきましょう。
以上、参考になれば嬉しいです。