未経験でも在宅翻訳者の仕事を初受注できた!約半年の取り組みまとめ【会社員からフリーランスへ】

翻訳・翻訳者

会社員からフリーランスへの転換を進めているアメリア会員杉山貴隆です。

私は昨年の夏頃、フリーランスの在宅翻訳者という仕事に興味を持ちました。翻訳の経験は全く無いのですが、英語の読み書きは多少できるので「何とかこの能力でお金を稼いでいけないか?」と考えました。

そうして半年かけて少しずつ取り組んだところ、先日初めてお仕事を受注でき、無事納品まで完了できたんです。

そこで今回は私が在宅翻訳の仕事を受注するためにどのように取り組んだのかを振り返り、時系列でまとめておきたいと思います。これから在宅翻訳者を目指している方はぜひ参考にしてみてください。

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【2019年8月】フリー在宅翻訳者という働き方を知る

8月頃、同居しているパートナーから在宅翻訳者という働き方があると教えてもらい興味を持ちました。さっそく情報収集!ということで2冊の本を読みました。

『翻訳というおしごと』で情報収集

1冊目に読んだのは実川元子『翻訳というおしごと』(アルク)です。

翻訳の分野(実務翻訳・映像翻訳・出版翻訳)や翻訳業界の構造、翻訳者として働くとはどういうことなのか等、ざっくり理解できました。

そして自分がやるなら実務翻訳分野であり、その中でも興味を持てるのはIT法務関係だということもわかりました。

本書のおかげで業界全体を見渡すことができ、また自分が立つべき位置がどこなのか検討することもでき、とても助かりました。

『翻訳の布石と定石』で翻訳の勉強

2冊目に読んだのは岡田信弘『翻訳の布石と定石』(三省堂)です。

岡田信弘『翻訳の布石と定石』

私は翻訳の勉強をしたこともなければ実務経験もないため、どのような翻訳が良くてどのような翻訳がダメなのかがわかりませんでした。

そこで翻訳の実践に関する入門的な本を読もうと決めて調べたところ『翻訳の布石と定石』が実務翻訳の入門書として評判が良いとわかり、購入しました。

こちらの本は使われている例文が化学・工業関連のものが多く、私には馴染みがなくて難しいと感じました。それでも望ましい翻訳に関する知識は大いに得ることができました。

また英語を日本語に訳す作業自体は特に難しそうとは思いませんでした。「これなら自分にもできるんじゃないか?」と思うことができ、在宅翻訳者になるための活動を本格的に進めていくことにしました。

【2019年9月】人生初トライアル&アメリア入会

9月は情報収集と翻訳の勉強を進めつつ、TOEIC受験・アメリア入会と盛りだくさん行動しました。

『産業翻訳パーフェクトガイド』で情報収集

まず同居しているパートナーが『産業翻訳パーフェクトガイド』というムックをプレゼントしてくれました。

『産業翻訳パーフェクトガイド』

この本、かなり良かったです。産業翻訳(=実務翻訳)の仕事の取り方や稼ぎ方について詳細な情報を得ることができました。

『はじめての英文契約書の読み方』で翻訳の勉強

法律・契約書分野の知識が欲しいと思い、寺村淳著『はじめての英文契約書の読み方』を購入しました。

寺村淳著『はじめての英文契約書の読み方』

こちらの本は結局11月くらいまでかけてゆっくり読んだのですが、とても良い入門書でした。法務関連の英文がそれまでとは全く違うレベルで理解できるようになりました。

ちなみに後々受けることになったあるトライアルではこちらの本に載っている表現がほとんど同じような形で出ていました

どうしてよく似た内容になるかというと法律や契約書の条文は定型的なものが多いためです。本書が手元にあったので自信をもって翻訳できました。

翻訳者ブログで情報収集

最近翻訳者になった方々のブログをネットで読みまくりました。特に参考になったブログをフリーランス在宅翻訳者になる方法がわかるブログにまとめています。

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TOEICを受験

9月後半は5年ぶりにTOEICを受験しました。というのもフリーランス在宅翻訳者としてはTOEICのスコアが少なくとも800点、できれば900点以上欲しいところですが、この時点で私が持っていたスコアは700点台だったからです。

5年も前のスコアであり、その後に英語で読み書きする機会もあったため、もう1度受験すればもっと良い点数が取れるはずだと考えました。8月の途中から1か月ほどTOEIC対策を行い受験しました。スコアが出るのは1か月後です。

初めてのトライアル

TOEIC受験後は少し時間の余裕があったので、一度トライアルを受けてみようと決めました。トライアルというのは翻訳会社がフリーランス翻訳者に課す選抜試験です。

翻訳会社にフリーの翻訳者としての登録を申し込むと、その会社から翻訳の課題が送られてきますので解いて返送します。トライアルの採点・審査結果がその会社が希望する水準を満たしていれば、晴れてその会社の登録翻訳者になれます。

今回はインターネットで探した某A社のフリーランス在宅翻訳者求人に応募しました。先方から送られてきたトライアルの英文を翻訳して提出。結果待ちとなりました。

アメリア入会

この月の最後に翻訳者ネットワーク「アメリア」(Amelia)に入会しました。私は普段、有料の会員制サービスを利用することは一切ないのですが、アメリアに関しては検討の末、年会費を払って入会することにしました。

というのもインターネットで未経験可のフリーランス翻訳者求人を探しても、上記のA社以外はあまり見つからなかったんです。しかしアメリアであれば未経験可求人が常時掲載されているとの事前情報を得ていました。

「どうしても未経験可求人の情報が欲しい」「でもお金を払って役に立たなかったらどうしよう」などと思いながら入会したのですが、結果的にこれが大正解で、その後の私の初受注につながっていきます。

【2019年10月】トライアル不合格。めげずに次へ

10月はアメリアを利用している2つの企業のトライアルを受けました。

アメリア利用企業B社のトライアル

10月の前半にアメリアに掲載されている未経験可求人を全てチェックしました。その中の1つだった某B社のフリーランス在宅翻訳者求人(未経験可)のトライアルを受けて、結果待ちとなりました。

A社のトライアル結果が判明

B社のトライアルを待っているうちに、前月に受けたA社のトライアル結果の通知がありました。残念ながら水準に満たないとのことで不合格。登録不可となりました。残念…。

アメリア利用企業C社のトライアル

1社落ちたくらいでめげてはいられません。再度アメリアの求人をチェックし、某C社のフリーランス在宅翻訳者求人(未経験可)のトライアルを受けて結果待ちとなりました。

この時点でB社・C社の結果を待っていることになります。

TOEICのスコアを受領

前月に受験したTOEICの結果が10月の最後にわかりました。870点でした。

800点台が取れたのは良かったのですが「900点欲しいな」「もう1回受験しようか、どうしようか…」と迷いを残す結果となりました。

【2019年11月】2社のトライアルに合格

11月前半は特に何も無し。11月の後半、トライアル結果待ちだったB社・C社から合格の通知が来ました。やった!アメリア経由で一気に2社の登録翻訳者になることができました。

このタイミングで翻訳支援ソフトの業界スタンダードTradosを購入しました。それなりの出費になってしまいましたが、いつ仕事が来ても良いように備えることを優先しました。

【2019年12月】会社員を辞めたい!

12月は会社員をやめてフリーランスになるための重要な一歩を踏み出しました。

退職申し出→仕事量を調整する方向へ

前月に2社のトライアルに合格したことで、以前からあった会社員を辞めてフリーランスになりたいという気持ちがいっそう強くなりました。そこで12月の前半に思い切って会社に退職を申し出ました。

しかし引き留められました。話しているうちに私自身もいきなり会社員としての収入が完全に途絶えるのは避けたいと考えるようになったため、いったん引き留めに応じることにしました。

何度か上司と面談し、結局1月いっぱいは通常勤務、2月からは勤務日数を大幅に減らすことで合意となりました。

TOEIC再受験。受注には至らず

前月のTOEIC870点の結果に満足できなかったため、12月の前半に再受験しました。結果がわかるのは1か月後です。

翻訳会社から案件の依頼が来ないかと待っていたのですが、特に無し。登録翻訳者ではあるものの、仕事につなげることができないまま年末を迎えました。

【2020年1月】TOEICのスコアを受領

1月の前半にTOEICの結果が分かりました。890点だったので前回より20点アップです。でも900点台に乗せることはできず、またもモヤモヤの残る結果に。笑

この月は進展が特になく、翻訳案件の依頼もありませんでした。

【2020年2月】営業メール→初受注→初納品

2月に入り、予定通り会社員としての勤務日数をかなり少なくした生活に入りました。時間の余裕ができたので、前年にトライアルに受かっていたB社とC社に営業メールを送りました。「今月から週○時間稼働できます。案件があればください」という趣旨のメールです。

さらにアメリアで見つけた某D社のフリーランス在宅翻訳者求人(未経験可)に応募し、トライアルを受けました(こちらは現在も結果待ち)。

2月も後半となり、「今月も受注無しで終わるかな…」と思っていた矢先。営業メールを送っておいたC社から、翻訳案件の依頼が飛び込んできました!初心者向けの小型案件です。

しかし納期に思いのほか余裕がありません。「果たして自分の能力でこの日までにできるのか?」と不安を感じました。「でも、ここでやらないと一生できない!」と思い直し「ぜひやらせてください!」と引き受けました。

必死に取り組んでみたところ、無事、納期1日前に納品できました。こうして初の納品が完了し現在に至ります。

おわりに:未経験でも在宅フリーの仕事は受注できる

翻訳案件受注に役立った本

今回は私が翻訳者という仕事に興味を持った2019年の夏から初受注・納品ができた2020年2月までを振り返ってみました。完全な未経験・知識無しの状態からのスタートでしたが、約半年で初仕事にこぎつけることができました。

そこに至るまで数々の本とブログに学ばせていただきました。情報発信をしていただいた執筆者の方々には感謝してもしきれません。

また翻訳者ネットワーク「アメリア」へ入会したことで初受注のタイミングが大いに早まったと感じています。アメリア運営者の方々にも感謝しています。

私の経験からあなたにメッセージを送るとしたらこんな感じです。翻訳をしたことがなくても半年間必死になればきっと仕事を受けられます。在宅翻訳者になるという目標に向かって毎日前進していきましょう。

以上、参考になれば嬉しいです。

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