アガルート司法試験・予備試験 合格者81人はいつから勉強を始めた?

アガルート司法試験・予備試験

司法試験や予備試験を目指すと決めたとき、真っ先に浮かぶのが「いつから勉強を始めればいいのか」という疑問ではないでしょうか。合格まで数千時間かかるとされる試験だけに、スタートの切り方を間違えたくないと感じますよね。

この疑問を曖昧なままにしておくと、準備が後手に回るだけでなく、「もう遅いのでは」と思い込んで挑戦そのものをためらう原因にもなります。ですが、もし実際に合格した人たちがいつ走り出したのかを知ることができれば、最も確かな手がかりになるはずです。

今回は、アガルートで学んで予備試験や司法試験に合格した81人の体験記を引用しながら、学習開始のタイミングを分析します。この記事を読み終える頃には、あなたがいつ、どう始めるべきかの輪郭が見えてくるでしょう。

※本記事は2026年8月時点で入手できる情報を基に作成しています。ただし、引用している受講生の評価は受講当時のものであり、現在とは状況が異なる場合があります。

予備試験対策はいつから?

予備試験対策はいつから?

私は今回、アガルート公式サイトに掲載されている予備試験・司法試験の多数の合格体験記を調査しました。まず予備試験からです。学習を始めた時期が読み取れるものを整理すると、開始のタイミングは大きく4つに分かれていました

大学に入る前から

最初に紹介するのは、大学入学よりも前に走り出した人たちです。

高校生のうちに予備校を決めた
  • 「高校2年生の時に、司法試験受験を決意し、インターネット上で情報収集する中で司法試験合格のためには予備校が効率的かつ結果として経済的であると考えました。」「高校3年の夏の大会が終わり、両親に予備校のプレゼン資料を作りました。」 【引用元】
  • 「私は高校3年生の自分がアガルートを選んだことを、褒めてあげたいと思っています。」 【引用元】
  • 「私は大学付属の高校に通っていたため、大学受験がありませんでした。そのアドバンテージを利用して、高校の授業過程が終了した高校三年の11月から、予備校選びを始めました。」 【引用元】
  • 「高校三年の末から勉強を始めてからは、気が休まることは少なく、大学1、2年次は、大半の時間を予備試験の勉強に費やしました。」 【引用元】
  • 「当時、私は田舎の高校性であり、校舎に通学して勉強をすることはとても難しい状況でした。そんな中、オンライン予備校という存在を知り、調べてみることにしました。」 【引用元】
  • 「私が、アガルートの講座を受講したのは、予備試験が初めてではありません。高校3年生の時、行政書士試験を受けており、その際にアガルートの講義を受講しておりました。」 【引用元】
大学受験が終わった直後に切り替えた
  • 大学に入学する前の3月に、予備試験受験のために通う予備校を決定する際……アガルートの講義を受講することに決めました。」 【引用元】
  • 「具体的に、どのように学習をしていたかといえば、大学一年時に、重問を3、4周することで、論文の型を頭に入れ、あとは、試験勉強と並行して自分の気になった文献や論文を読むという生活をしておりました。」 【引用元】
  • 「私は大学受験が終わってすぐにアガルートの受講を開始しました。予備試験は学習量が膨大なので、早めに学習を始めたことが合格につながったと考えております。」 【引用元】
  • 「朝起きて夜まで勉強をする、これを入学式前から4年間続けました。」 【引用元】
  • 「私は、大学受験勉強の経験を通じて、自分が天才ではないことを知りました。ですので、周りより早くスタートを切り、急ぎつつも淡々と勉強し続けました。」 【引用元】
  • 「弁護士資格を得るための司法試験の受験資格のため予備試験の合格が必要だと知り、大学入学前に予備校を比較していました。」 【引用元】

大学受験が終わった直後に切り替えた人たちの言葉で目を引くのは、受験勉強で温まったエンジンを止めず、そのまま次の試験へ乗り換えている点です。

朝から夜までの勉強を入学式前から4年間続けたという一節には驚かされますが、私が注目したのはその人の自己分析でした。大学受験の経験を通じて自分が天才ではないと知ったからこそ、周りより早くスタートを切ったのだと言います。

才能ではなく開始時期で勝負する。そういう戦略を大学に入る前の時点で立てていたわけで、早期スタートとは生まれつきの秀才の特権ではなく、むしろ自分を凡人だと見積もった人の合理的な選択なのだと気づかされました。

もう一つ見逃せないのは、大学付属の高校で大学受験がなかった人や、高校3年時に別の資格試験を経験していた人など、入学前に動ける環境がそろっていた例が複数含まれることです。

アガルートは、司法試験の予備校に通い始めるタイミングとして大学1年生を目安に挙げ、大学受験が必要ない人や早い段階で受験を終えた人には大学入学前からの開始も勧めています。

参考【アガルート公式】司法試験の予備校はいつから通うべき?いつから勉強を始める?大学生のダブルスクール事情

早いほどよいとする理由の筆頭は、大学在学中に予備試験を受けられる回数が増えること。体験記の実例と、アガルートの推奨がきれいに重なっています。

とはいえ、高校に在学しているうちから本格的に走り出すというのは、一般入試に向き合っている人には難しい相談でしょう。その意味で高校生スタートは、真似る対象というより「受験機会を最大化した最速のケース」として眺めておくのがよさそうです。

もっとも、大学受験を終えた直後という入り口なら、一般入試で進む人のもとにも必ず訪れます。ここで挙げた声にも、受験が終わってすぐ動き出した人が何人かいました。

私がとりわけ心を引かれたのは、田舎の高校生がオンライン予備校の存在を知って調べ始めたという一節です。

校舎に通える場所に住んでいるかどうかが、早期スタートを阻む決定的な条件ではなくなってきた。自分では動かしがたいはずの住む場所という条件が一つ外れたのは、早く走り出したい人にとって小さくない変化でしょう。

大学1~2年から

続いて、大学1~2年で学習を始めた人たちの体験記です。

大学2年を境に動き出した
  • 「大学2年生になるにあたり、司法試験を目指そうと思い至りました。さまざまな予備校を検討したところ、アガルートは価格が安いほか、問題演習にベースを置いているため、学校の講義との両立がしやすいと考えました。」 【引用元】
  • 「もともと法曹になることを目指しており、法科大学院への進学を考えていたが、大学2年のとき、早めに学習を開始したほうがよいと考え始め、法科大学院への進学も視野に入れつつ、予備試験の勉強を始めた。」 【引用元】
  • 「学部2年時に法曹の道を志し、ロースクール入学を見据えてとりあえずは予備試験を目指そうと考えました。」 【引用元】
  • 「私は、大学2年次の5月に司法試験予備試験を受験しようと決めました。きっかけは、漠然と法曹への憧れがあったこと、大学入学時から友人が楽しそうに法律の勉強をしていたことです。」 【引用元】
  • 「大学入学時は法曹志望ではなかったが、将来のために何か資格を取りたいという思いから予備試験合格を目指した。」「大学2年生の春頃から講座を受講し始めたが、インプット講義は理解が追い付かず、あまり集中できない時期が続いていた。」 【引用元】
  • 「私は学習開始当時、法学部の2年のはじめで、学部では、民法総則、刑法総則(単位を落とした)、憲法統治の知識しかありませんでした。」 【引用元】
大学1年から積み上げた/2年の秋以降に始めた
  • 「私は大学1、2年時、家から大学まで往復3時間かけて通学していたほか、サークル活動にも参加していたため、まとまった勉強時間を取ることが難しいという状況でした。」「この時間で一定程度の暗記量を確保できたことで、3年時からの勉強が楽になった側面はあったように感じます。」 【引用元】
  • 「私は、法律の勉強をしていた歴だけは長いのですが、(大学1年生春から他予備校の講座を受講していました。)勉強に本腰を入れ、学力が目に見えて伸びたと思う時期(大学3年生秋以降)にしていたのは、論証集を使った勉強ばかりでした。」 【引用元】
  • 「僕は、大学2年の11月から、アガルートで勉強を始めたので、3年生の11月くらいまでは、重問を3周、短答を1周(憲・民・刑は2周)くらいしていたと思います。」 【引用元】
  • 「それでも、日本最難関といわれる司法予備試験に、学習期間1年半、受験1回で、合格できました。」 【引用元】
  • 学習を開始したのが2年次の9月と遅く、その時点では下4法に関しては全くの未修状態でした。」 【引用元】
  • 「始めは1年合格を目指し、1日6時間くらいやろうと思っていました。」「1年目の春休みはほとんど勉強せず、短答の勉強も一切しないまま本番を迎え、落ちました。」 【引用元】

「大学1~2年から」の体験記で面白いのは、同じ「大学2年スタート」でも本人の受け止め方が正反対に割れていることです。

早めに学習を開始したほうがよいと考えて2年で動いた人がいる一方で、2年次の9月からの開始を「遅く」と振り返る人もいます。開始時期の早い・遅いは、暦の上の絶対的な位置ではなく、自分が設定したゴールまでの距離で決まるのでしょう。

在学中の合格を狙うなら2年の秋は確かに残り少なく、卒業後の合格も視野に入れるなら十分に早い。「いつから」の感覚が人によって食い違うのは、目指す着地点が違うからだと読み解けます。

また、始めた時期と学力が伸びた時期を、はっきり区別して語る体験記があることも示唆的でした。

大学1、2年はまとまった勉強時間が取れないなりに暗記量を確保し、3年からの勉強が楽になったと振り返る人。大学1年の春から他予備校で勉強していたものの、本腰を入れて学力が伸びたと感じたのは3年の秋以降だったという人。

早く始めれば早く仕上がる、という単純な比例関係ではないことが、本人たちの言葉からうかがえます。早期スタートの本当の効能は「早く完成すること」ではなく「長く助走できること」にあるのだと、私は受け取りました。

では出足が遅れると望みが薄いのかといえば、そうでもありません。大学2年の11月に始めて、学習期間1年半・受験1回で合格したという報告があります。

その一方で、1年での合格を目標に1日6時間の勉強を予定しながら、春休みにほとんど勉強せず、短答対策もしないまま初回の試験に落ちたという告白もありました。

この2つを並べると、開始時期だけで結果が決まるわけではないことが見えてきます。スタートラインの位置は、ゴールにたどり着けるかどうかまでは決めないのでしょう。

参考【アガルート公式】大学在学中に司法試験合格・予備試験合格は可能?メリットや合格するポイントも解説!

アガルート司法試験・予備試験 合格者50人の学習スケジュール
予備試験・司法試験の対策として、いつ・何を・どれくらい進めればいい? アガルートの合格者の体験記から、時期ごとの学習スケジュールをたどります。

大学3年・4年から

続いて、学部の後半で動き出した人たちです。ここで挙げる言葉の多くには、切迫感がにじみます

残り時間から逆算するしかなかった
  • 「自分は大学3年生の6月ごろ、つまり受験する短答式試験のほぼ1年前に学習を始めたこともあり、時間的余裕はありませんでした。」 【引用元】
  • 「振り返ってみて、1年と少しという短い期間で予備試験に一発合格できたのは、「時間的余裕がなかったこと」だったと思います。」 【引用元】
  • 「また、効率化されたカリキュラムは、大学3年生の終わりと勉強の開始時期が遅かった私にとってちょうど良く、このカリキュラムであれば目標から逆算した合理的な勉強ができると考えたからです。」 【引用元】
  • 「私が予備試験の受験を決意した段階では、既に論文式試験まで10か月しかなかったので、効率よく学習を進める必要がありました。」 【引用元】
  • 「学部3年時に予備試験の受験を決意したとき、独学では何をすればいいか全く見当もつかず、SNSやネットでどういう勉強法があるのかなどを調べたところアガルートアカデミーの講義やテキストが良いという評判を目にして、独学ではなく、資格予備校としてアガルートアカデミーの講座を受講しようと考えました。」 【引用元】
  • 「学部3年生になり、試験について真剣に考える必要があるタイミングで、良いアウトプット教材を探していたところ、当時「重問」が話題になっていたことからアガルートさんの講座を受講することを決めました。」 【引用元】
在学中の合格に間に合わせようとした
  • 「学部4年8月から学習を開始し、ローの既習試験に全落ちし、数カ月の学習でしたが、独学での限界を感じていました。」 【引用元】
  • 「ただ、私は法科大学院2年でして、来年いずれにしても在学中受験ができるという心持ちから、そこまで試験の結果に思い悩むことはありませんでした。」 【引用元】
  • 「勉強初期段階は、部活動と両立しながら勉強を進める必要がありました。」 【引用元】

「大学3年・4年から」の体験記で最も心に残ったのは、1年と少しの短期間で一発合格できた理由を「時間的余裕がなかったこと」だと総括する一節です。

不利に見えるはずの遅めのスタートを、迷う余地を奪ってくれる装置として捉え直しています。同じ認識は「開始が遅かった自分には効率化されたカリキュラムがちょうど良く、これなら目標から逆算した合理的な勉強ができると考えた」という言葉にも表れていました。

残り時間が短いほど、あれもこれもと手を広げる選択肢が最初から消え、教材を絞り込む決断が容易になる。遅れて始めた人には、こうした逆説的な追い風が吹くことがあるようです。

ただし、残り時間からの逆算がいつも狙いどおりに働くとは限りません。学部4年の8月に学習を始め、法科大学院の既修者試験にすべて落ちたという体験記もありました。数か月の学習では独学に限界を感じ、そこから予備校の力を借りることにしたと言います。

切迫感が推進力に変わる人もいれば、短い助走ではどうしても届かない場面もある。そこは正直に受け止めておきたいと思いました。

もう一つ、この時期ならではの安全弁として挙げたいのが、法科大学院ルートとの併走です。

いま触れた合格者は、進学した法科大学院で2年目を迎えたところで予備試験に臨み、来年はいずれにしても在学中受験ができるという心持ちから、結果にそこまで思い悩まずに済んだと振り返っています。遅めのスタートに伴う不安を、制度の側が和らげてくれた形です。

予備試験一本に懸けるのか、法科大学院入試と並行して進めるのか。学部の後半から始める人は、この二正面作戦を選べることを覚えておくと、精神的にかなり楽になるはずです。

参考【アガルート公式】司法試験は「予備試験」「法科大学院」どちらをまず目指すべき?おすすめは?

アガルート司法試験・予備試験講座 一発合格した初学者13人の勉強法
法律の学習は未経験。それでも一度で受かりたい。この願いは無謀でしょうか。アガルートを受講して合格した初学者達の戦略を、予備試験・司法試験に分けて整理しました。

社会人になってから

最後は、働き始めてから予備試験を志した人たちです。

働きながらゼロから始めた
  • 「私は社会人として国内大手企業に勤務しており、平日はフルタイム(残業は月20〜40時間程度)で働いていました。」「それまでの2年間、働きながら時間を確保できず焦りが募り、非常に苦しい時期もありましたが、全てが報われた気がしました。」 【引用元】
  • 「私は、法学部を卒業してから10年以上経つ社会人です。現在は、法律とは無関係の仕事をしています。」「結果として、1年目に短答試験を通過し、2年目に論文・口述試験を突破して最終合格を勝ち取ることができました。」 【引用元】
  • 「学生時代、法学部に在籍していたものの法律にあまり興味を持てず、法曹を目指してはいませんでした。しかし、子供が生まれ、育休から復職した際、コロナ禍の影響で在宅ワークが続く中、単調な日々に漠然とした将来への不安を感じるようになりました。」 【引用元】
  • 「仕事をフルタイムでこなしながらの学習だったため、平日は5時間以上、休日は12時間以上勉強して、2年以内に予備試験に受かると決めて勉強を始めた。」 【引用元】
  • 「会社員として勤務する中で、自分もなにか専門性がほしいと思うようになりました。」 【引用元】
  • 「コロナ禍で、新卒で就職した会社がずっとリモートワークだったため、これで大丈夫なのだろうかと自分のキャリアが不安になったことから司法試験を受験しようと考えました。」 【引用元】
  • 「私はフルタイムで働く社会人であり、法学初学者、さらに内部進学で育ったため受験勉強を中学生以来やったことがありませんでした。」「その結果、何度も勉強を中断しましたが、その中断した数だけ勉強を「再開」したことが合格できた理由だと思います(当たり前ですが…)。」 【引用元】
始まりが「軽い気持ち」だった人もいる
  • 「元々、法律を勉強することが好きだっため、最初は趣味の一つとして予備試験の勉強を始めました。10年くらい勉強していれば司法試験にも受かるだろう、という気軽な気持ちでした。」 【引用元】
  • 「そのようななかで自分もとりあえず予備試験を受けるだけ受けてみるかといった軽い気持ちで学習を始めました(この軽い気持ちのせいで後々痛い目を見ます)。」 【引用元】
ブランク・期限・長期戦と向き合った
  • 「私は、以前法律の勉強をしていたといえども、10年近いブランクがありました。その為、いざ勉強再開しようとしても、多くのことをアップデートせねばならず、本当にやり切れるのか、とても不安でした。」 【引用元】
  • 「私は、いとこ達の中では唯一、司法書士という法律関係の仕事に就いていたため、親族のなかで法曹になれる可能性が残っていると思い、5年間の勉強期間という家族との約束の下で法曹を目指すことにしました。」 【引用元】
  • 「加えて、私は社会人になってから勉強を始めたため周りに勉強仲間がおらず、誰かに答案を読んでもらう機会が必要だとも考えていました。」「5回目の受験で最終合格しました。初めて短答に受かったのが4回目で、論文に受かったのは5回目が初めてです。」 【引用元】
仕事を辞めて専念した
  • 「28歳になるタイミングで、今後の人生をどうしようかと考えた際に、日常の法律トラブルを解決できるような人間になりたいと考えて、法曹になることを目指しました。」「予備試験を受けようと決めた際に、6年間ほど勤めていた会社を退職し、試験だけに全力を注げる環境づくりをしました。」 【引用元】

ここに並べた声を読むと、始めたきっかけが「いまの働き方への不安」に寄っていることに気づきます。

リモートワークが続く中でキャリアが不安になった人。育休から復職したものの、単調な日々に将来への漠然とした不安を覚えた人。会社員として働くうちに専門性がほしくなった人。

法曹への強い憧れというより、現状への違和感が引き金になっているのです。働きながらこの記事を読んでいるあなたにも、覚えのある感覚ではないでしょうか。

同時に、社会人のスタートに学生とは違う困難があることも、体験記は隠していません。

働きながら時間を確保できず焦りが募った。フルタイム勤務で受験勉強の経験も乏しく、何度も中断した。10年近いブランクの知識をアップデートできるか不安だった。そうした記述が並びます。

それでも印象的なのは、中断した数だけ勉強を「再開」したことが合格できた理由だと言い切る一節でした。社会人の学習は一直線には進まない。止まることを織り込んで、戻る回数で勝負する。この構えは、これから始める社会人にとって何よりの心の支えになると思います。

もう一つ注目したいのが、期限の切り方です。2年以内に予備試験に受かると決めて平日5時間以上・休日12時間以上を積み上げた人もいれば、家族と5年間という勉強期間の約束を交わして挑んだ人もいました。

もう若いうちには始められない社会人にとって、代わりに選べるのは「何年でやりきると決めるか」なのでしょう。

反対に、軽い気持ちで始めたせいで後々痛い目を見た、という自己分析もあります。始める日付そのものより、始めるときの構えがその後の受験期間を左右する。社会人の型から私が受け取った、最大の教訓です。

なお、勤めていた会社を退職して試験に専念する環境を作った例もありますが、これは安定した収入を手放すリスクと引き換えの選択であり、誰にでも勧められるものではありません。

ここに挙げた体験記の顔ぶれを見ても、仕事を続けたまま学習を重ねた人が多く並んでいます。退職しての専念は、あくまで選択肢の一つとして受け止めるのがよいでしょう。

参考【アガルート公式】社会人で予備試験&司法試験に合格した体験談!勉強法は?働きながら独学は無謀?

アガルート司法試験・予備試験 社会人合格者37人の勉強法
平日は仕事で、机に向かえるのは朝か夜だけ。そんな社会人がアガルートで司法試験・予備試験に受かるまでの勉強法を徹底分析。時間捻出のコツも教材の使い方もつかめます。

司法試験対策はいつから?

司法試験対策はいつから?

次に司法試験です。司法試験の場合、どのルートで受験資格を得るか、そして何度目の挑戦かによって「いつから」の意味そのものが変わります。体験記から見えてきた4つのパターンを順に見ていきましょう。

予備試験に合格した後から

まず、予備試験を通過して司法試験の受験資格を得た人たちです。

合格後すぐ過去問へ
  • 「予備試験の最終合格後すぐに、司法試験の過去問演習に入った。」 【引用元】
  • 「予備試験合格後は、司法試験の過去問を平成25年まで遡り、予備試験のときと同様に答案作成を行いました。」 【引用元】
  • 「私は予備試験合格後は、司法試験の過去問、苦手な科目の重問(重要問題習得講座のテキスト)、論証集を読むなどの勉強を行いました。」「以上は予備試験合格後の学習ですが、私は、司法試験合格は、予備試験合格前に行なった学習が大きな要因となっていると考えています。」 【引用元】
  • 「予備試験合格後は大きく勉強方針は変えず、司法試験の過去問を使って同様に学習をしておりました。」 【引用元】
  • 「令和6年の司法試験予備試験に合格しました。そのため、令和7年の司法試験に合格するだけであれば、大した勉強をする必要はなかったと思います。」「令和6年の司法試験予備試験合格後、重問は1周、論証集は5周くらいしたと思います。」 【引用元】
  • 「私は予備試験に合格していたため、基礎的な知識はすでに身についていると判断し、新たな基本書を読むことはしませんでした。」 【引用元】
  • 「私は予備試験合格者だったため、司法試験に対する基礎的な力は既に身についている状態でした。」 【引用元】
そのまま滑らかにつながらなかった人もいる
  • 「一方で、司法試験の問題に予備試験後に解いてみたところ答案構成や解答に使う時間のシビアさ、問題の長さなど予備試験と異なる部分に戸惑ったほか、そもそもの問題の難しさにびっくりしました。」 【引用元】
  • 「予備試験に合格してから少しブランクが空き、本腰を上げて司法試験の勉強を始める時も、まずは本講義の音声を聴いて、勉強を再開いたしました。」 【引用元】
  • 「私は予備試験合格後、令和6年度の司法試験が受験可能となりましたが、試験直前に体調を崩し、受験を断念しました。令和7年度司法試験の合格を目指して再スタートを切った直後、基礎固めのために各科目の基本書通読に手を出した時期がありました。」 【引用元】
  • 「予備試験を高順位で突破できたため、司法試験はこれまでの勉強方針を変えることなく進めていけば難なく乗り切れるであろうという認識でした。」「2023年の1月頃から本格的に過去問分析に着手し、直近5年分の過去問と講座で取り扱う過去問は必ず答案を書くようにしていました。」 【引用元】
  • 「アガルートの講座を信じて、働きながら1年間勉強に励んだ結果、2022年度の予備試験に何とか合格することができました。」「そうした経験があったため、2023年度の司法試験を受験する際にもアガルートの講座を信じて走り抜こうと考えて、司法試験論文過去問解析講座・司法試験過去問答練ゼミなどの講座を新たに受講することにしました。」 【引用元】

「予備試験に合格した後から」パターンの最大の特徴は、「いつから始めるか」を本人がほとんど選べないことです。予備試験の最終合格発表は2月上旬にあり、司法試験の本番は同じ年の7月中旬。合格を知ってから試験まで、およそ半年しかありません

アガルートも、この短さを踏まえて、予備試験の論文式試験が終わった後も継続して論文対策を行うことが大切だと説いています。

参考【アガルート公式】大学在学中に司法試験合格・予備試験合格は可能?メリットや合格するポイントも解説!

ここに挙げた体験記で、合格後の学習が過去問演習に集中しているのは偶然ではなく、半年という制約の中でやるべきことが自然と絞り込まれるからでしょう。

注目したいのは、予備試験合格時点の力がそのまま司法試験に通用するという実感が、複数の体験記で語られていることです。新たな基本書は読まなかった、勉強方針は大きく変えなかったという記述が並んでいました。

アガルートも、予備試験合格後から司法試験合格までの勉強時間は2000時間以下に収まるケースが多いとしています。また、法務省の統計でも、予備試験合格の資格で司法試験を受けた人の合格率は直近4年いずれも9割を超えています。

参考【アガルート公式】予備試験合格に必要な勉強時間は?何年かかる?短答・論文・口述の配分も解説

参考【法務省】司法試験の結果について

予備試験の山を越えた人にとって、司法試験は別の山ではなく、連続した稜線の上にあるわけです。

もっとも、合格の余韻の中で誰もがすぐ走り出せるわけではありません。予備試験に合格してから少しブランクが空き、講義の音声を聴くところから勉強を再開したという体験記もありました。

半年という限られた助走路を思えば、この空白をどれだけ短くできるかも小さくない問題でしょう。なお、講義の音声データをダウンロードするサービスは現在は終了しており、いまは学習アプリで講義動画をダウンロードし、オフラインで視聴する形になっています。

そして、「予備試験に合格した後から」パターンの本質を突いているのが、司法試験合格の大きな要因は予備試験合格前に行った学習だったと振り返る一節です。

予備試験ルートの人にとって、「司法試験対策はいつから」という問いの実質的な答えは、予備試験の勉強を始めたその日までさかのぼると言ってよいでしょう。先に見た予備試験の4つのパターンが、そのままこの問いへの答えにもなっているのです。

参考【アガルート公式】予備試験合格後の流れとは?受験回数・司法試験合格対策を解説

法科大学院に入る前から

続いて、法科大学院ルートを選び、入学前から対策を始めていた人たちです。

学部の早い時期から
  • 「私が司法試験の勉強を開始したのが大学1年生の時(2019年)からでして、アガルートの講座を受講したのが大学2年生からになります。」 【引用元】
  • 「私は大学2年生になる直前に本格的に司法試験の勉強をはじめる決意を固め、司法試験対策の予備校を探し始めました。」 【引用元】
  • 「私が、本格的に司法試験を目指し始めたのは、大学2年生の頃です。当時は、大学で授業を受けても難解な法律の概念を理解することができず、将来、司法試験に合格できるとはとても思えない状況でした。」 【引用元】
  • 「私が司法試験を見据えて勉強を開始したのは大学3年生の頃でした。それまでは大学の授業を真面目に受講はしていましたが、試験対策の勉強はしたことがなく、答案の書き方さえもままならない状態でした。」 【引用元】
法科大学院入試までの残り時間に追われて
  • 「私が司法試験の勉強を始めたのは、大学3年の冬。周りよりスタートが遅れていました。ロースクール入試まで1年を切っており、とにかく最短で力をつける必要がありました。」 【引用元】
  • 「アガルートを選んだもっとも大きな理由は、学部3年の秋に予備校を利用して司法試験の勉強を本格的に始めようとしていた際、比較していた他社に比べて安価に司法試験講座を受講できるのがアガルートであったということです。」 【引用元】
  • 「私は大学3年生の頃から、司法試験合格を目指そうと漠然と考えていました。しかし当時は、司法試験を目指す友人や先輩などの知り合いがおらず、司法試験の制度や科目数など、何も分からない状態で、秋頃まで正直ほとんど法律の勉強をしていませんでした。」 【引用元】
  • 「私は、法律の勉強を開始した時期が大学4年生の7月と周りの受験生に比べて遅く、未修コースに入学しました。」「以上を行った結果、未修コースながら法科大学院在学中に司法試験に合格することができました。」 【引用元】
社会人から法科大学院ルートへ
  • 「司法試験受験し法曹になろうと思い立った時、私は非法学部卒の社会人で働いていました。」「法律の学習を始めて約1年半後に法科大学院既習コースを受験、入学後に在学中受験をしましたので法律の学習を始めてから3年弱での合格でした。」 【引用元】
  • 「2021年11月に勉強開始をし、約3年弱後の2024年7月に受験した司法試験に合格することができました。」 【引用元】

引用を読み進めて気づくのは、目の前の目標は法科大学院入試のはずなのに、本人たちの多くが「司法試験の勉強」という言い方で当時を振り返っていることです。

学部3年の秋に予備校で司法試験の勉強を本格的に始めようとした人も、大学3年の冬に始めてロースクール入試まで1年を切っていた人も、口にしているのはいずれも司法試験のほうでした。

この人たちにとって法科大学院入試は司法試験へ続く通過点にすぎず、対策の起点は入学よりずっと手前に置かれているわけです。

この前倒しは、個人の意識の高さというより、制度がもたらした構造だと私は見ています。

在学中受験制度により、法科大学院に在学したまま司法試験を受けられるようになりました。実際、令和7年司法試験の合格者1,581人のうち最大のグループは、在学中受験資格による712人です。

修了してからゆっくり仕上げる時代ではなくなり、在学中の受験に間に合わせるには入学前の蓄積がものを言う。体験記に漂う切迫感は、この構造の反映でしょう。

最後に付け加えると、法学部卒の社会人が学習開始から約1年半で法科大学院を受験し、在学中受験により3年弱で司法試験合格に至った体験記もあります。社会人が法科大学院ルートを選んだ場合の時間軸を示す一つの実例として、大いに参考になるでしょう。

参考【アガルート公式】法科大学院(ロースクール)の入試対策はいつから始める?受験勉強スケジュールや必要な勉強時間は?

参考【文部科学省】法曹養成制度の全体像

法科大学院に入ってから

同じ法科大学院ルートでも、入学が実質的なスタートだった人たちがいます。

入学した時点が実質のスタートだった
  • 「ロースクールの未修コースに入学するにあたり、予備校の受講を検討しました。」「加えて、他の予備校は基礎講義の時間が長いものが多く、在学中受験までの2年半で到底消化できそうにないと感じていました。」 【引用元】
  • 「社会人経験を経て未修でロースクールに入学したため、法律の知識が殆どない状態でした。」「また、ロースクール入学後でとにかく早く勉強を始めたいと思っていたので、すぐに教材を送っていただけることも、アガルートを選んだ理由のひとつになりました。」 【引用元】
  • 「全くの法律未経験者として法科大学院の未修者コースに入学してしまったことから、授業に必要な書籍がどれなのか、答えのない法律の勉強とはどのように進めれば良いのか、皆目思いつかない状態であった。」 【引用元】
  • 「純粋未修で法科大学院へ進学したところ、ローで行われる講義はどれも「法律をわかっている」ことを前提に進むものでしたので、前提知識が皆無だった自分は授業についていくだけで精一杯でした。」 【引用元】
  • 「私は、法科大学院に未修者コースとして入学したため、1年次の間に、2年次のタイミングで入学してくる既修者と同程度の学力を身につける必要がありました。」 【引用元】
  • 「未修1年の春学期は、講座をとっていたものの、ほぼ使用していなかった(アガルートではない)予備校の教材や、法科大学院の授業の予習資料、基本書を使いながら、授業の予習を進めました。」「論文試験の過去問演習を本格的に行うようになったのは、未修3年の4月からです。」 【引用元】
入学後しばらくしてから切り替えた
  • 「法科大学院入試の時点で重要問題習得講座を2周ほど(科目によってはそれ以上)していたと思います。ロースクールに入学後、司法試験の過去問の検討を徐々に始めていきました。」「既習2年目では、司法試験過去問を重点的にしていきました。」 【引用元】
  • 「私は、法科大学院既習1年目に、アガルートアカデミーの講座を受講しようと決意しました。」「私は、ロースクール卒業資格で、司法試験を2回受験し、2回目で合格しました。予備試験は合格していません。」 【引用元】
  • 「法科大学院に入学した当初、司法試験の過去問を解いたときには時間内に書ききれないどころか、全く解けないことを実感し、絶望したことを今でも覚えています。」 【引用元】
  • 「上述の通り、当時、私は法科大学院の授業をこなすことで精一杯であったため、未修1年次、2年次は司法試験にフォーカスした学習は基本的に行っていませんでした。」 【引用元】
  • 「既修2年の夏から、毎週末司法試験の過去問を起案し、自主ゼミで共有して先生にコメントをもらうようになりました。」 【引用元】
  • 「このような背景から、法科大学院在学中は、司法試験に向けた、いわゆる受験対策・試験対策的な勉強や、司法試験の過去問に取り組むことなどは、ほとんどできていませんでした。」「そのような状態で法科大学院の卒業式を迎えたので、司法試験当日まで半年を切ったところで、とても焦っていました。」 【引用元】

未修コースで入学した人の言葉には、独特の緊張感が漂っています。在学中受験までの2年半で講義を消化しきれるのか。1年次の間に、翌年入ってくる既修者と同等の学力へ追いつけるのか

未修コースの3年間は、法律を学ぶための時間であると同時に、司法試験に間に合わせるための時間でもあります。この二重の性格が、入学した瞬間から時計の針を速めているように読めました。

重くのしかかるのは、入学した時点と司法試験の水準との間にある距離です。

入学した当初に過去問を解いてみたら、時間内に書ききれないどころか全く解けなかった。そのとき味わった絶望を今でも覚えている、と書いた人がいます。この一節ほど、その距離を雄弁に物語る言葉もありません。

もう一つのパターンは、入学してもすぐには司法試験対策へ移れなかった人たちです。

授業をこなすことで精一杯で、未修1年次・2年次は司法試験に照準を合わせた学習がほとんどできなかった。在学中は試験対策的な勉強にほとんど取り組めないまま卒業式を迎え、本番まで半年を切って焦った。

こうした告白は、法科大学院に入りさえすれば司法試験対策が自動的に進む、という期待を静かに裏切ります。

興味深いのは、この「半年を切った」という感覚が、先に見た予備試験合格者が合格発表から本番までに置かれる状況とよく似ていることでした。ルートは違っても、追い込みの滑走路は同じくらい短くなり得るのだと気づかされます。

だからこそ光って見えるのが、在学中に自分で仕組みを作った人の記述です。法科大学院入試の時点で問題集を2周ほどこなし、入学後は司法試験の過去問検討へ徐々に移った人。既修2年の夏から毎週末、司法試験の過去問を起案して自主ゼミで共有し続けた人。

授業と受験対策の配分を、誰かが代わりに決めてくれるわけではありません。結局のところ、自分で時間割を引くことになるでしょう。

法科大学院への進学を予定しているなら、「入学してから考える」ではなく「入学までに何を終えておくか」という逆算で準備することをおすすめします。

参考【アガルート公式】法科大学院(ロースクール)の未修者コースとは?基本情報をしっかり解説!

参考【文部科学省】法科大学院について

一度不合格になってから

最後は、司法試験に挑んで届かず、そこから再び走り出した人たちです。

不合格を受けて立て直しにかかった
  • 「そこで、11月に不合格が確定してからというものとにかく重要問題習得講座を毎日回すことを徹底した。」 【引用元】
  • 「不合格直後から講座を申し込み、年内には1周していました。」「その後、年明けから、全ての収録問題を自力で参考答案と同水準の答案が書けることを目標として、周回することにしました。」 【引用元】
  • 「2022年司法試験の不合格(9月発表)後、翌年の合格へ向けた勉強方法に悩んでおりました。」「このように、2022年9月の不合格の後、やや時間をかけて戦略を練り直し、2022年11月初旬から試験直前まで総合講義テキストを中心に反復的学習を続けたところ、無事に2023年の司法試験に合格することができました。」 【引用元】
  • 「選択科目のコンバートを決めたのが1回目の合格発表が終わった後の2月だったことから、本番の7月までになんとか間に合わせる必要がありました。」 【引用元】
  • 「3度目の試験に向け、選択科目の勉強にあまり時間をかけずに合格ラインまで仕上げたいと思って、予備校の利用を検討していました。」 【引用元】
間が空いてから再開した
  • 「さて、再チャレンジを決意したものの、4か月ものブランクがあるため、何から始めればよいか分からない。」「1度目の受験から4か月もの間まともに文字を書くことすらなかったため、まずは年内に論文を書く感覚を取り戻せばいいや程度の気持ちであった。」 【引用元】
  • 「私は過去に法学部・ロースクールでの法律学習を経験していましたが、2度受験の末に会社員として働く道を選択しました。」「その後会社員生活を数年送っていましたが、新型コロナウイルスによる働き方・生活スタイルの変化や法科大学院の在学中受験制度導入を受けて、改めて2021年に司法試験に向けた学習を再開しました。」 【引用元】
  • 「ローを修了した年は司法試験に受からず、次の年の受験から民法改正がされるということもあり、基礎講座から取り直すことを決めました。」「ロー修了後、アガルートの講座を取ったのですが、その頃は忙しかったローがなくなり、反動で、死ぬほどサボりました。そのせいで、2回は受験資格を無駄にし、3回目も到底準備が間に合っておらず、4回目の受験に突入してしまいました。」 【引用元】
  • 「私は、1度ロースクールを修了した後、司法試験に5回不合格となり、ブランクを経て、この度「再ロー」の在学中受験資格で、(通算6回目で)合格しました。」 【引用元】
  • 「そうはいっても、次の本試験まで残り8か月しかありませんから、本試験合格に向け、早く体勢を立て直す必要がありました。」「本試験合格により、私は、12年に及ぶ戦いからやっと解放されました。」 【引用元】
やり直しの中身を絞った
  • 「また、私自身、不合格の理由は明らかでした。それは色々な教材に手を出してしまい、知識の定着が図れていなかったこと、過去問を十分にこなせていなかったことです。」 【引用元】
  • 「基礎講座や論文対策の講座を別の予備校で受講していたのですが、論文に関しては講座を受講してもそもそもどう答案構成したらよいのか分からない、どう勉強をしたらよいのか分からず仕舞いになってしまい、何か別の方法を考えなければならないと思っていました。」 【引用元】

再挑戦の「いつから」には、他のパターンと決定的に違う点があります。起点を自分で選べず、合格発表の日付として外から与えられることです。

現在の日程では、司法試験の合格発表は11月にあり、次の試験は翌年の7月に実施されます。不合格を知ってから次の本番までは8か月ほど

11月に不合格が確定してから毎日教材を回すことを徹底した人や、次の本試験まで残り8か月しかないと体勢の立て直しを急いだ人の言葉は、この限られた時間の中で生まれたものです。

起点は選べなくても、そこから何日で動き出すかは選べます。不合格直後に講座を申し込み、年内に1周を終えた人は、その典型でしょう。

もっとも、誰もが同じように走り出せるわけではありません。1度目の受験から4か月ものあいだ、まともに文字を書くことすらなく、まずは年内に論文を書く感覚を取り戻せばいい、という程度の気持ちで再スタートを切った人もいました。

ただし付け加えれば、この人も2度目の受験で合格へたどり着いています。手が止まる時期があること自体は責められるものではなく、大切なのはそこから戻ってくることのほうなのでしょう。

また、不合格の理由を、色々な教材に手を出して知識が定着せず、過去問を十分にこなせていなかったことだと自己分析し、やり直しの中身を絞った人もいます。再スタートで問われるのは動き出しの速さだけでなく、何を変えるかの見極めでもあるわけです。

重みを感じたのは、受験資格のうち2回分を無駄にしてしまったという告白でした。この人は法科大学院の修了後に講座を取り直したものの、そこから勉強の手が止まってしまったと言うのです。

司法試験の受験資格には5年という期限があるため、止まっていた時間はそのまま持ち回数の消費に変わります。動き出しの早さも、そこから手を止めないことも、精神論ではなく、残された受験機会を守るための実利の問題なのです。

その一方で、在学中受験制度の導入などをきっかけに、会社員生活を挟んだ数年のブランクを経て学習を再開し、合格に至った体験記もありました。

制度の変化が個人の「いつから」を動かすことがある。12年に及ぶ戦いからやっと解放されたという万感の一節も含め、再挑戦パターンが教えてくれるのは、一度つまずいた地点が終着点ではないということです。

参考【アガルート公式】司法試験の平均受験回数と受験回数別の合格率・一発合格の割合を解説

アガルートで2年目以降に予備試験に合格する方法
予備試験合格に1度届かなくても、そこで終わりではありません。独学・他社・継続という異なる道から立て直し、アガルートで合格をつかんだ先人たちの軌跡をたどります。

もう出遅れているのでは?

ここまで読んで、かえって不安になった方がいるかもしれません。高校生や大学1年から走り出した体験記が並ぶと、学部の後半にいる人や社会人は「自分はもう出遅れているのではないか」と感じてしまうものです。

その感覚は自然なものですし、早く始めるほうが有利だという一般論を、私は否定しません。アガルート自身、予備校に通い始める目安として大学1年生を挙げています。

ただ、その「有利」の中身を分解してみてほしいのです。アガルートが早期スタートを勧める理由の筆頭は、大学在学中に予備試験を受けられる回数が増えること。開始が遅れるほど受験回数が減り、在学中に合格できる可能性も下がる、という説明です。

ここで問題になっているのは、才能や頭の柔らかさではありません。在学中という限られた枠の中で何回挑めるか、という話にすぎないのです。

そして学生でない人は、そもそもその枠の外にいます。予備試験には年齢の上限がなく、受けられる回数が学生より少なくなるわけでもないのですから。

実際、制度と統計は次の事実を示しています。

制度と統計が示す事実
  • 予備試験には学歴・年齢・国籍などによる受験資格の制限がない
  • 令和7年予備試験の最終合格者452人は、平均28.46歳・最高68歳・最低19歳
  • 令和7年司法試験の合格者1,581人は、平均26.8歳・最高69歳・最低18歳
  • アガルートが示す予備試験合格までの期間の目安は、学生で2年~2年半、社会人で3年~3年半

誤解のないように書いておくと、これらは「何歳からでも大丈夫」と請け合うための数字ではありません。年齢や環境によって学習時間の確保が難しくなる現実はあるでしょう。それでも、制度の側に壁はなく、実際に幅広い年代の合格者がいる。この事実は動きません。

そのうえで提案したいのは、問いの立て方を変えることです。「いつから始めるべきだったか」は過去の話で、もう変えられません。変えられるのは「何年でやりきると決めるか」です。

先に紹介した社会人たちが、2年以内と期限を切って時間を積み、あるいは家族と5年間の約束を交わして挑んだように、締切は自分で引けます。出遅れたかどうかを測る物差しを、他人の開始時期から自分の決意の日付へ持ち替える。それが、この不安への私の答えです。

参考【アガルート公式】司法試験・予備試験に40代50代から合格できる?弁護士として未経験や高齢でも就職可能?

参考【法務省】司法試験予備試験

この記事のまとめ

この記事のまとめ

今回は、アガルートで学んで合格した受講生の体験記をもとに、予備試験・司法試験の勉強をいつから始めたのかを掘り下げてきました。見えてきたパターンを整理します。

予備試験対策の開始時期に見られたパターン
  • 大学に入る前から:早く始めるほど在学中の受験機会は増える。大学受験を終えた直後も入り口になる
  • 大学1~2年から:早い・遅いは自分のゴールまでの距離で決まる。長い助走を生かせるかが鍵
  • 大学3年・4年から:残り時間からの逆算が、教材とやるべきことの絞り込みを後押しする
  • 社会人になってから:きっかけはキャリアへの不安。期限を自分で決める構えが支えになる
司法試験対策の開始時期に見られたパターン
  • 予備試験に合格した後から:発表から本番までおよそ半年。過去問演習と形式への適応が中心
  • 法科大学院に入る前から:対策の起点は入学よりずっと手前に前倒しされている
  • 法科大学院に入ってから:入学しても対策が自動的に進むわけではない。配分は自分で決める
  • 一度不合格になってから:起点は選べないが、動き出しの速さと変える中身は選べる

81人の体験記を通読して最後に残ったのは、「正しい開始時期」というものは存在しない、という実感でした。

高校生のうちに決意した人も、育休明けに動き出した人も、不合格発表の直後に立ち上がった人も、それぞれの事情の中で自分の起点を定め、そこから歩き切ったからこそ合格に届いています。

私が共通して感じ取ったのは、開始の早さよりも、始めると決めた後の向き合い方の重さです。

あなたの「いつから」は、今日から数え始めることができます。迷っている時間も含めて、この記事を読んだ今日という日付は、起点にするのに悪くないはずです。まずは情報収集でも教材の比較でも構いません。最初の一歩に、今日の日付を刻んでみてください

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