スタディング司法試験・予備試験講座 合格者7人の短答対策まとめ

スタディング司法試験・予備試験

スタディングの教材だけで、予備試験や司法試験の短答式に太刀打ちできるのだろうかと、申し込みの手前で立ち止まっていませんか。講義が短く教材も絞られていると聞くほど、暗記量の多い短答式との相性が気になりますよね。

短答式は、避けて通れない最初の関門です。予備試験では短答式を越えなければ論文式に進めませんし、司法試験でも、短答式で基準に届かなければ論文式の出来にかかわらず不合格が決まります

講座の説明を眺めているだけでは、この不安は晴れないでしょう。実際に合格した人が、どの教材をどう回したのかを知ることが近道です。

そこで今回は、スタディングで学んだ合格者7人の体験記を、短答対策に絞って1人ずつ読み解きます。この記事を読み終える頃には、自分に近い型の合格者が見つかり、明日からの演習の回し方が決まっているはずです。

※本記事は2026年9月時点で入手できる情報を基に作成しています。ただし、引用している受講生の評価は受講当時のものであり、現在とは状況が異なる場合があります。

予備試験合格者の短答対策

予備試験合格者の短答対策

予備試験の短答式は、法律基本7科目に一般教養科目を加えた8科目で行われます。まず立ちはだかるのは範囲の広さでしょう。ここでは、4人の合格者がこの広さにどう向き合ったのかを1人ずつ見ていきます。

Aさん:講義より問題演習を軸に

法律の学習経験がまったくない状態から学習を始め、9か月後の短答式を上位で通過し、そのまま予備試験に一発合格したAさん。短答対策の軸をどこに置いたのかが、この体験記の読みどころです。

Aさんの短答対策
  • 学習を始めた時点で、短答式試験まで9か月ほどしかなかった
  • 講義は1周目から倍速で視聴し、学習を短期間で進めた
  • 学習の軸を講義動画ではなく問題演習に置いた
  • アプリで手軽に演習でき、間違えた問題がゼロになるまで過去問を回した
  • 論文対策では他社の直前答練や模試も併用した
Aさんの体験記より
  • 「この時点ですでに、短答式試験までは9ヶ月ほど。一発合格までは期待していませんでした。」 【引用元】
  • 「ここで一番大きかったのは、3倍速視聴ができた点です。私は1周目の学習時から、全ての講義を3倍速視聴しました。」 【引用元】
  • 「またスタディングでは、学習の軸は動画視聴ではなく、問題演習に置かれていました。私は、間違えた問題がゼロになるまで、とにかく過去問を回しました。これがアプリで手軽にできたのが大きい。解説が丁寧なので、手元に六法がなくとも、学習が進められたのです。」 【引用元】
  • 「学習開始から9ヶ月で短答上位合格、そのまま論文・口述も一発合格することができました。」 【引用元】

私が目を留めたのは、「学習の軸は動画視聴ではなく、問題演習に置かれていました」という一節です。これは受講生が講座の設計思想を自分の言葉で言い当てたものでしょう。

スタディングの学習フローは、講義動画を見たらすぐにスマート問題集を解き、その後にセレクト過去問集へ進む順番をガイドが示す作りになっています。

Aさんは講義を倍速で流してインプットを短く済ませ、軸は演習に置き続けました。講義を見終えること自体が目的になってしまう受講生は少なくないはずですが、Aさんは最初からそこを目的にしなかったわけです。

真似しやすいと感じたのは、「間違えた問題がゼロになるまで」という基準の置き方でした。何周回すかではなく、間違いが消えるまで、という終点の決め方ですね。

スタディングの問題演習には、間違えた問題だけをあとでまとめて出題する機能があります。つまりこの基準は、根性で支えるものではなく、道具の側が支えてくれるものなのです。

加えて私が良いと思ったのは、解説が丁寧なので手元に六法がなくても学習が進んだ、という一文でした。通勤中や外出先で六法を開けない場面でも演習が止まらないことが、短い準備期間を成り立たせた一因でしょう。

3倍速については補足しておきましょう。スタディングが用意している倍速版は1.5倍速と2倍速までなので、Aさんの3倍速は何らかの工夫で実現したものと思われます。ここで真似すべきは速度ではなく、インプット時間を短くして演習の時間を作るという発想のほうです。

もちろん、1年に満たない期間で短答式を上位で通過したという結果は、Aさん1人の経験にすぎません。それでも、演習を軸に据えるという判断そのものは、期間の長短にかかわらず参考になると私は考えています。

Bさん:直前期は解き直しに集中

仕事前の早朝に学習時間を作り、予備試験に合格したBさん。体験記には学習の順番が番号付きで整理されていて、短答対策を「いつ」やるのかがはっきり読み取れます。

Bさんの短答対策
  • 基礎講座を受講しながら、その都度スマート問題集とセレクト過去問集を解いた
  • その後もセレクト過去問集は、論文対策と並行して繰り返した
  • 短答直前は、解き直しと復習に力を注いだ
  • 解き直しには「以前間違えた問題」「要復習にチェックした問題」「メモ」の機能を使った
  • 復習は基礎講座のテキストで行い、テキストに載っていないことは書き足した
  • 論文演習・選択科目・口述対策では他社の教材も併用した
Bさんの体験記より
  • 「①基礎講座を受講しながら、その都度スマート問題集、セレクト過去問集を解く(その後セレクト過去問集のみ、②③と並行して繰り返し解く)」 【引用元】
  • 「④(短答直前)スマート問題集、セレクト過去問集のとき直し・復習に注力。とき直しには「以前間違えた問題」「要復習にチェックした問題」「メモ」などの機能を活用。復習時は基礎講座テキストを使用し、テキストに記載がない部分は書き足す。」 【引用元】

Bさんの体験記で私がすごいと感じたのは、短答対策が「何をやるか」ではなく「いつやるか」で設計されている点です。基礎講座と並走させる時期、論文対策と並走させる時期、そして直前に解き直しへ絞り込む時期。この3つがはっきり分かれています。

短答対策を試験前の一時期に集中して行う単発の作業だと考えている人は多いと思いますが、Bさんはそれを学習期間全体の運用として捉えていました

基礎講座の段階からセレクト過去問集を回し始めているので、直前期を迎える頃には、どの問題を間違えたかという記録がすでに手元にあったはずです。

直前期の中身にも注目してください。新しい問題集を広げるよりも、すでに解いた問題の解き直しに力を注いでいます。しかも「以前間違えた問題」「要復習にチェックした問題」「メモ」と、使った機能の名前まで挙げているのです。

これは、日々の演習の段階で間違いや気になった点に印を付けておいたからこそできる、直前期の過ごし方でしょう。直前期に何をやるかは直前期になってから決めるものではなく、それまでの演習の記録が決めてくれる。Bさんの記述は、そう教えてくれます。

もう1つ、見逃せないと思うのが「テキストに記載がない部分は書き足す」という一手間です。

問題演習で拾った知識をテキスト側に集約しておけば、直前期に見返す場所が1か所に定まります。スタディングのテキストは知識量を絞り込んで作られているため、書き足す余地がありますし、書き足したところで全体が手に負えない量になることもありません。

教材が薄いことを不安に思う人がいるかもしれませんが、Bさんはそれを自分専用のテキストに育てるための余白として使ったと言えるのではないでしょうか。

Cさん:演習偏重だった弱点を直す

法科大学院を出て司法試験に届かず、企業の法務担当として働きながら予備試験に再挑戦したCさん。短答式での自分の弱点を分析し、勉強の仕方を組み替えたところに、この人の体験記の価値があります。

Cさんの短答対策
  • 問題演習に偏り、テキストを理解して記憶する段階が抜けていたと自己分析した
  • テキストの図表を手がかりに、自分でも表を作って似た制度の違いを整理した
  • 知識量が絞られたテキストを覚えても、勉強が過剰にはならなかった
  • 覚える量の多さには「割り切り」で向き合った
  • 分野別の正答率表示を見て、直前期に復習する範囲を決めた
  • エレベーターの待ち時間のような数十秒でも、アプリで短答の確認をした
  • 論文式については市販の教材で補った
Cさんの体験記・インタビューより
  • 「短答式試験に絞ると、私は問題演習に偏重しすぎていて、肝心のテキストを理解して記憶するというステップが抜けていました。これにより、全体像の記憶があやふやで、過去問からずらされると一気に自信がなくなる、という弱点がありました。」 【引用元】
  • 「スタディングのテキストの特徴は、図表を多用し、それが小村先生のセンスの下、記憶しやすい形でまとまっている点にあります。自分でも表を作ってみることにしたところ、類似制度の相違点が視覚的に分かるようになり、記憶が定着しました。」 【引用元】
  • 「また、上記の作業をちゃんとやれば分かるのですが、スタディングのテキストは、知識量が適切に絞ってあります。そのため、テキストを記憶しても過度の勉強という事態にはなりませんでした。」 【引用元】
  • 「ベテランの方は、自身の不合格の原因がなんなのかを自己分析することが、まず大事です。その弱点克服のためにはどのような勉強の仕方が有効かという視点で勉強していきました。」 【引用元】
  • 「一番よかったのは「AI実力スコア」機能ですね。……また、短答式試験の問題について分野別に正答率が表示され、直前期にどこを重点的に復習すべきか一目瞭然だったので、非常に役立ちました。」 【引用元】
  • 「学習内容のボリュームも、短答については必要十分でした。もしスタディングの講義やテキストの内容で足りないと感じるなら、勉強のやり方を間違えているような気がします。」 【引用元】
  • 「通勤中は必ず学習時間とし、あとはエレベーターの待ち時間などスキマ時間が20〜30秒でもあれば勉強していました。スタディングのアプリがあれば、短答対策はいつでもどこでもできますからね。覚えた知識で問題を解いて合っているか、といった確認はスキマ時間にやっていました。」 【引用元】
  • 「特定の科目というよりも、範囲が広いことが大変でした。短答では、行政法や会社法が特に覚えることが多いと感じましたね。」 【引用元】
  • 「ボリュームの多さを克服できたポイントは、「割り切り」です。私はついつい考えすぎるタイプであり、学習中になかなか納得できない点がありました。でも「真理を追求するのではなく、試験だからこう書くしかないんだ」とだんだん気持ちを切り替えて覚えていったことで、学習を前に進めていけました。」 【引用元】

短答対策の常識に逆らう一節が、Cさんの体験記にはあります。問題演習に偏重しすぎていて、テキストを理解して記憶する段階が抜けていた、という自己分析です。

短答式は過去問を回せば何とかなると言われることが多く、実際にAさんはその進め方で結果を出しています。ところがCさんは、演習だけを積み上げた結果、「過去問からずらされると一気に自信がなくなる」という壊れ方をしていました。

問われ方を変えられると手が止まる。知識が問題ごとにばらばらのままで、制度の全体像として頭に入っていない状態なのでしょう。私はこの因果の説明に深く納得しました。

では、AさんとCさんのどちらが正しいのでしょうか。私は、どちらかを選ぶ話ではないと考えています。分かれ目は、演習で拾った知識をテキスト側の全体像に戻す作業が挟まっているかどうかです。

Cさんは、テキストの図表を手がかりに自分でも表を作り、似た制度の違いを目で見て分かる形にしました。この作業を経たあとで演習に戻れば、問題がずらされても制度の側から答えを引き出せます。

しかもCさんは、スタディングのテキストは知識量が絞られているので、覚え切っても過度の勉強にはならなかったと述べています。

演習とテキストを往復する勉強法は、教材が厚いと途中で息切れしますが、絞られた教材ならやり切れる。ここに、この講座で短答対策をする意味があると私は思います。

インタビューで語られている直前期の過ごし方も見逃せません。短答式の問題について分野別に正答率が表示されるので、どこを重点的に復習すべきかが一目で分かったというのです。

スタディングには、今試験を受けたら何点取れるかを科目別・単元別に予測するAI実力スコアがあり、マイページでは科目ごとの成績も確認できます。Cさんはこの数字を、直前期の時間配分を決める根拠として使いました。

感覚で民法が不安だと思うのではなく、数字でこの分野の正答率が低いと特定して手を打つ。敗因分析を重視したCさんらしい使い方だと感じます。

最後に「割り切り」について触れておきましょう。行政法や会社法のように覚える量が多い科目で、Cさんは納得できない点にこだわりすぎる自分に気づき、気持ちを切り替えて覚えていったと語っています。

理屈で納得してから覚えたいタイプの人ほど、この割り切りが前に進む力になるでしょう。「短答については必要十分でした」というCさんの評価は、そうやってテキストと演習を往復し切った人の言葉として読むと、重みが違って聞こえます。

Dさん:スキマ時間に1問ずつ解く

平日はフルタイムで働き、家では子育てをしながら予備試験に合格したDさん。まとまった時間がない中で短答式をどう突破したのか、体験記とインタビューの両方に手がかりがあります。

Dさんの短答対策
  • 講義をスキマ時間に聞いたうえで、章末の肢別問題と短答の過去問を何周も解いた
  • 子どもを寝かしつけた後、布団の中で1問だけ解くといった使い方をした
  • 勉強素材を小さな単位に分けることが、スキマ時間活用の要だった
  • 苦手な行政法は、講義動画を繰り返し見てスマート問題集を解き直し、間違えた問題だけを抽出する機能で集中的に対策した
  • 行政法だけは市販の書籍も併用した
  • 3年目に合格。2年目は短答式の一般教養科目で振るわず、突破できなかった
Dさんの体験記・インタビューより
  • 「講義を隙間時間に聞いた上で、章末の肢別問題、短答の過去問は、何週もしました。スマートフォン上で演習できるので、子供を寝付かせた後、そのまま布団の中で1問だけ解く、と言ったストレスの無い使い方ができました。そのおかげで短答へのアレルギーが無くなりました。」 【引用元】
  • 「隙間時間を使うには、勉強素材を小さなunitに分ける事が有益です。」 【引用元】
  • 「講義動画を見たあとすぐに問題を解く流れになっていて、勉強に慣れるためにかなり助かりました。」 【引用元】
  • 「スマホやタブレットで学べる点も便利でした。子どもを寝かしつけた後の暗い部屋や習い事の待ち時間など、テキストを開けない場所でも問題が解けます。解けなかった問題だけを自動でピックアップしてくれる機能も便利でした。」 【引用元】
  • 「行政法が大の苦手でした。最終合格できた2023年ですら30点中の17〜18点で、他の科目の足を引っ張っていました。克服するためにやったのは、スタディングの講義動画を何度も見て、スマート問題集も繰り返し解いたこと。間違えた問題だけを抽出する機能で苦手を集中的に対策しました。また、行政法だけは市販の書籍もプラスしました。」 【引用元】
  • 「3年かかりましたが、私にとってはこれが最短だったと思います。1年目はお試し受験、2年目は受かるかなと思ったのですが、短答試験の一般教養で撃沈。たとえ突破できても次に控える論文試験の対策がほとんどできていない状態でした。」 【引用元】

短答へのアレルギーが無くなった、という一文に、私は短答対策の本質が表れていると思います。

短答式の最大の敵は、問題の難しさそのものよりも、机に向かう覚悟が要ることによる先延ばしではないでしょうか。7科目分の過去問集を前にすると、今日はまとまった時間が取れないから明日にしよう、と考えてしまうものです。

Dさんは、布団の中で1問だけ解くという、覚悟のいらない単位にまで演習を刻みました。1問なら着手の心理的なコストがほとんどありません。そして1問解けば、もう1問解きたくなる。苦手意識が消えたのは、演習が日常の動作になったからでしょう。

Dさん自身が「勉強素材を小さなunitに分ける事が有益です」と一般化している点も面白いところです。スタディングの講義動画は範囲を細かく区切った作りになっていて、スマート問題集は講義を見た直後に解く一問一答の形式になっています。

講義動画の直後に問題を解く流れを指して「勉強に慣れるためにかなり助かりました」と振り返っているのは、この設計が学習の習慣作りに向いていることの表れではないでしょうか。教材自体が最初から小さな単位に分かれているので、Dさんの方針と噛み合ったと言えます。

苦手科目の潰し方も具体的です。行政法が最後まで足を引っ張っていたと率直に明かしたうえで、講義動画を何度も見る、スマート問題集を繰り返す、間違えた問題だけを抽出する機能で集中する、という3段構えで取り組み、市販の書籍も足しています。

苦手科目を抱えたままでも、他の科目で補って合格できる。予備試験の短答式には科目別の最低ラインがなく合計点で合否が決まるので、この戦い方は制度上も理にかなっています。

気になるのは、2年目に「短答試験の一般教養で撃沈」したという記述でしょう。スタディングの講座に、一般教養科目の教材は含まれていないのです。ではDさんは一般教養の対策を足すべきだったのかというと、私はそうは読みません。

スタディングは、一般教養科目に特別な対策は不要であり、法律基本7科目で8割を超える得点ができれば一般教養が0点でも短答式に合格できる、と説明しています。裏を返せば、法律科目だけで合格点に届かないうちは、足りない分を一般教養で補うほかないということです。

参考【スタディング公式】【予備試験・短答式】一般教養は対策なしで0点でも合格できる!

Dさんの体験記に一般教養の対策を増やしたという記述はなく、語られているのは苦手の行政法を積み上げた話でした。対策した分だけ得点が動きやすいのは、一般教養ではなく法律科目のほうです。

司法試験合格者の短答対策

司法試験合格者の短答対策

司法試験の短答式は憲法・民法・刑法の3科目に絞られる一方、科目ごとに最低ラインがあります。予備試験とは性格の違うこの試験に、3人の合格者はどう備えたのでしょうか。

Eさん:机は論文、移動中は短答

経済学を専攻し、フルタイムで働きながら予備試験を経て司法試験に合格したEさん。予備試験に合格したあと、司法試験までの期間に短答をどう扱ったかを体験記に追記しています。

Eさんの短答対策
  • 予備試験合格の時点で、スタディングで学んだ基礎知識は身についていた
  • スタディングのアプリを使い、苦手分野と論文対策では手薄になる分野(親族法など)に的を絞って演習した
  • 机に向かう時間は論文過去問の起案に充て、電車移動などのスキマ時間を短答に充てた
Eさんの体験記より
  • 「次に、短答については、スタディングのアプリをフルに活用し、苦手分野や短答プロパー分野(親族法等)に絞って演習を重ねました。」 【引用元】
  • 「「机に座って勉強する時間は論文過去問の起案に充て、電車移動等のスキマ時間に短答を対策する」と工夫することで、限られた時間を有効に使えたと思います。」 【引用元】

Eさんの工夫は、短答と論文を「時間帯」ではなく「場所と姿勢」で切り分けている点にあると言えるでしょう。論文の起案には机とペン、あるいはパソコンが要りますが、短答の演習はスマホがあれば片手で進みます。

この非対称を逆手に取って、机に座れる貴重な時間を論文に、移動中の細切れの時間を短答に割り当てました。短答と論文のどちらを優先するかで悩む受験生は多いと思いますが、Eさんの答えは、優先順位ではなく置き場所で決める、というものです。

もう1つ、私が注目したのは「短答プロパー分野(親族法等)」という言い方でした。短答式で問われるのは条文や判例の知識が中心で、論文式で問われるのは、それを使って答案を組み立てる力です。論文の練習を重ねても、短答式に要る知識がそろうとは限りません

Eさんが親族法を挙げたのは、そこに知識の抜けが残っていたからでしょう。予備試験を突破した時点で基礎は固まっているのですから、司法試験に向けた短答対策は全範囲を回し直す作業ではなく、その抜けを埋める作業になります。

Eさんはそこを見抜いて、苦手分野と論文対策では手薄になる分野に演習を絞りました。

Eさんがここまで絞り込めた背景には、予備試験を通ったという事実の重みがあります。予備試験に合格してから司法試験を受けた人は、短答式でほぼ全員が基準を超えており、法科大学院出身者との差は歴然としています。

予備試験の短答式で8科目を戦い抜いた人にとって、3科目の司法試験短答式は範囲が狭まる分だけ、穴を特定して埋める作業に集中できるわけです。

スタディングのセレクト過去問集は司法試験と予備試験の双方の短答過去問を素材にしていて、スマホで解けますから、Eさんの「移動中に短答」という使い方は現在の教材でもそのまま再現できます。

参考【スタディング公式】司法試験・予備試験の短答式試験の合格率・合格点。短期合格者の勉強法

Fさん:別資格の講座で弱点を補強

予備試験まではスタディングの予備試験合格講座で学び、司法試験に合格したFさん。司法試験に向けた短答対策として選んだ教材が、他の6人とはまったく違います。

Fさんの短答対策
  • 予備試験の短答式・論文式で、民法と商法が弱点だと自覚していた
  • 司法試験に向けては、司法試験向けの講座ではなく司法書士講座を受講した
  • 司法書士試験の民法は司法試験より細かい知識を求めるため、司法試験の民法対策として役立った
  • 一方で、知識が細かすぎて覚える量が多すぎるという副作用も感じた
  • 司法試験に向けて、他の予備校の講座も受講した
Fさんの体験記より
  • 「予備試験の短答試験、論文試験で民法、商法が弱点だったことから、そこの実力を上げたいと思って、司法試験に向けてはスタディングの司法試験向け講座ではなく、司法書士講座を受験することにしました。」 【引用元】
  • 「司法試験と司法書士の講座では内容が重複しているところもあれば、司法書士試験の観点から解説されていることもあり、違う視点から説明を得られることで、民法、商法については予備試験の時よりもかなり理解が深まりました。」 【引用元】
  • 「短答試験については、司法試験よりも、司法書士の民法の方が細かい知識が必要なため、司法試験の民法対策としてはかなり役に立ちます。ただ、知識が細かすぎて覚える量が多すぎるというデメリットはありました。」 【引用元】

Fさんが選んだのは、同じ試験の教材を積み重ねる道ではありませんでした。スタディングの「司法書士」講座を、負荷の高い民法の演習として使ったのです。

司法試験の短答式は3科目のうち民法の配点が最も大きく、しかも科目ごとに最低ラインがあります。民法と商法が弱点だと分かっているFさんにとって、民法を重点的に鍛えることには明確な合理性がありました。

私がFさんの体験記を信頼できると感じるのは、副作用をはっきり書いているからです。

司法書士試験の民法は司法試験より細かい知識を求めるので、司法試験の民法対策として「かなり役に立ちます」と述べる一方で、「知識が細かすぎて覚える量が多すぎる」というデメリットも隠していません。

つまりこの方法は、弱点が民法や商法にはっきり特定できていて、余分な知識を抱え込む余裕のある人向けの選択肢です。全員に勧められる王道ではありません。

それでも、Fさんの判断の順序には誰もが学べるものがあります。まず予備試験の短答式と論文式で自分の弱点科目を特定し、それから手段を選ぶ。弱点の特定が先で手段は後、という順序です。

スタディングの司法試験向けコースにもスマート問題集とセレクト過去問集は含まれていますから、Fさんが司法試験向け講座を選ばなかったのは、教材が足りなかったからではなく、弱点を別の角度から突く目的があったからだと私は理解しています。

Gさん:間違いの記録で穴を埋める

法科大学院を修了したあと司法試験に届かない年が続き、一般企業に就職してから合格したGさん。短答式で不合格になった年もあると率直に書いています。

Gさんの短答対策
  • 電車通勤の片道1時間で講義動画を視聴した
  • 短答の演習では、どの問題を間違えたかが記録に残ることを活用した
  • 教材を1周した時点で、法体系のどこに弱点があるかが明確になった
  • その弱点を集中的に対策し、知識の穴を効率的に埋めた
  • 最終合格した年には、短答の得点が全体で8割近くまで伸びた
Gさんの体験記より
  • 「短答式で不合格になった年もあり、司法試験合格自体を半ば諦めるような心理状態で、一般企業に就職しました。」 【引用元】
  • 「短答の対策に関していえば、自分がどの問題を間違えたかをきちんと記録に残してくれるので、教材を1周回したあとで、法体系全体の中で自分が法体系のどの部分に弱点を抱えているかが明確になりました。今度はその弱点を集中的に対策することで、効率的に知識の穴を埋めることができたと思います。」 【引用元】
  • 「最終合格した年には短答の得点も全体で8割近くまで伸び、スタディングのカリキュラムが短答に強いことが実証できたかと思います。」 【引用元】

Gさんの立て直しは、間違いの記録というただ一点から始まっています。間違えた問題を記録すること自体は、紙でもできるでしょう。しかし演習をシステムの上で行えば記録は自動的に貯まり、教材を1周し終えた時点で弱点リストが手元にできあがっているのです。

Gさんが「法体系全体の中で自分が法体系のどの部分に弱点を抱えているかが明確になりました」と書いているのは、このリストのことでしょう。紙のノートで同じことをしようとすると、記録する手間のほうが先に尽きてしまいます。

弱点の捉え方も重要です。Gさんは、民法が弱いという科目単位ではなく、法体系の中のどの部分が弱いかという位置として弱点を捉えていました。短答式は範囲が広いので、弱点を面で捉えると対策が薄まります。点で特定できれば、そこに集中的に時間を注げるわけです。

最終合格した年に短答の得点が8割近くまで伸びたのは、この密度の差が積み重なった結果ではないでしょうか。短答式で不合格になった経験のある人が、記録を起点にここまで立て直したという事実には、十分な重みがあります。

振り返ると、Bさんの「以前間違えた問題」、Cさんの分野別の正答率、Dさんの「間違えた問題だけを抽出する機能」、そしてGさんの間違いの記録は、学習システムが自動で残してくれる記録を、それぞれ別の角度から語ったものです。

スタディングのスマート問題集には間違えた問題だけを出題する機能があり、AI問題復習は成績に応じて復習する日と問題を自動で選びます。Gさんが合格した頃にも、間違えた問題を記録して復習する仕組みは備わっていました。

今はそれがAI問題復習という形でも提供されています。短答対策のセンターピンは、どれだけ多く解くかではなく、間違いをどう管理するかにある。7人の体験記を読み終えた私の実感です。

この記事のまとめ

この記事のまとめ

7人の短答対策を、予備試験と司法試験に分けて読み解いてきました。1人ずつ見てきたのは、短答対策に唯一の正解があるわけではなく、それぞれの状況に合った型があるからです。

7人の短答対策の型
  • Aさん:講義は倍速で流し、間違いがゼロになるまで過去問を回した
  • Bさん:学習全体の順番を組み、直前期は解き直しに集中した
  • Cさん:演習偏重の弱点を自己分析し、テキストの記憶と分野別の正答率で立て直した
  • Dさん:布団の中で1問だけ解くところまで演習を刻み、苦手科目は間違えた問題だけを抽出して潰した
  • Eさん:机は論文、移動中は短答と置き場所で分け、論文で手薄になる分野に絞った
  • Fさん:弱点の民法・商法を、別資格の講座で鍛えた
  • Gさん:間違いの記録で弱点を把握し、集中的に対策した

7人に共通しているのは、どこが弱いのかを自分で突き止め、そこに時間を集中させていた点です。スタディングのスマート問題集やセレクト過去問集は、間違えた問題を記録して抽出できる作りになっているので、この考え方をそのまま実行に移せます。

あなたに近い型は見つかったでしょうか。フルタイムで働きながらの人ならDさんやEさん、再挑戦の人ならCさんやGさん、短期で決めたい人ならAさんの体験記が、明日からの演習の回し方を具体的にしてくれるはずです。

短答式は、積み上げがそのまま得点に表れやすい試験。あなたの1問目が、今日のスキマ時間から始まることを願っています。

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