スタディング行政書士講座を実際に受講してレビューしている杉山貴隆です。

行政書士試験に一度落ちると、その悔しさは思った以上に長く尾を引きます。「同じ講座でもう一度挑んで合格できるのか」「また去年と同じ結果になったら…」と不安は尽きません。とりわけ手軽で安価なスタディングだと、「この教材で大丈夫なのか」という心細さも重なります。
けれど、不安を抱えたまま何となく再開しても、つまずいた原因が分からなければ、また同じ場所で足を取られてしまうでしょう。他方、落ちた人がどこで間違え、受かった人が何を変えたのかを知ることができれば、それには大きな意味があります。
そこで今回は、スタディングで一度落ち、それでも継続して合格した23人の体験から、落ちた年と受かった年の違いを共通点にまとめました。読み終えるころには、次の一年であなたが何にどう取り組めばいいのかが見えてくるはずです。最後までお付き合いください。
※本記事は2026年6月時点で入手できる情報を基に作成しています。ただし、引用している受講生の評価は受講当時のものであり、現在とは状況が異なる場合があります。
落ちた年の共通点

まずは、スタディングを使いながら一度落ちてしまった年に何が起きていたのかを見ていきます。23人の体験を読み比べると、つまずき方には驚くほど似た型が3つありました。順番にたどっていきましょう。
記述式を後回しにしていた
落ちた年の証言を並べてみて、私がいちばん驚いたのは、敗因がこれほど一点に集中していたことです。多くの人が「択一や選択はそれなりに仕上げたのに、記述まで手が回らなかった」と振り返っています。そして結果はあと数点という、ぎりぎり届かなかった悔しい不合格でした。
なぜ記述の後回しがここまで合否に影響するのか。行政書士試験は300点満点で180点を取れば概ね合格基準を達成できますが、そのうち記述式は1問20点、3問で60点を占めます。配点全体の5分の1です。
択一でどれだけ積み上げても、記述がほぼ白紙では180点の壁を越えることは難しい。逆にいえば、記述は択一の取りこぼしを吸収してくれる大きな緩衝材でもあるのです。後回しにするほど、この緩衝材を自ら手放すことになります。
記述を「最後の余力でやるもの」と考えてしまう気持ちは、私にもよく分かります。40字を書く問題はなんだか難しそうで、つい先送りにしたくなりますよね。
けれど、落ちた年の人たちが教えてくれるのは、その「都合の良い後回し」こそが僅差負けの正体だという事実です。もしあなたの今の計画でも記述が後ろのほうに置かれているなら、それは黄色信号かもしれません。
講義中心で演習が足りなかった
2つ目の共通点は、講義を見ることに偏り、問題を解く量が足りなかった点にあります。
とりわけ印象的なのが、講師から「動画は一度見たら、あとはアウトプットを中心に」と言われていたのに、その助言を聞かず「全部覚えればいい」と考えてインプットを続け、落ちてしまった人の告白です。
やるべきことは示されていたのに、それと違う方向へ走ってしまった。これは決して特別な失敗ではありません。
ここにはスタディングという講座ならではの落とし穴があります。講義動画が分かりやすく、スマホで手軽に再生できるからこそ、見ているだけで勉強した気持ちになりやすいのです。
手軽さは間違いなく長所ですが、その心地よさに浸って演習を後回しにすると、知識は「なんとなく知っている」止まりになります。行政書士試験は、この「知っている」と「自力で解ける」の落差がとても大きい試験です。
落ちた年の人が口をそろえて挙げるのは、演習回数や復習の不足でした。言い換えれば、視聴で満足してしまったということです。あなたの今の学習が、講義を見る時間ばかりに偏っていないか。一度立ち止まって、自分の「見る」と「解く」の比率を点検してみてください。
やり切れずに本番を迎えた
3つ目の共通点は、学習が間に合わず、準備しきれないまま本番の日を迎えてしまったことです。その具体的な形はさまざまでした。学習開始が遅かった人、民法と行政法の途中までしか進められなかった人、夏から直前期にかけて失速してしまった人など。
ここでも顔を出すのが、スタディングの設計が抱える裏の一面です。スキマ時間を積み重ねて少しずつ進められるのは大きな魅力ですが、その「少しずつ」を自分で管理しないと、広い試験範囲を最後まで回し切れずに終わってしまうことがあります。
手軽に始められることと、計画的にやり切ることは、まったく別の話なのです。
受かった年の共通点

では、同じ人たちが翌年どう変えて合格をつかんだのでしょうか。興味深いことに、落ちた年の3つのつまずきに、きれいに対応する3つの変化がありました。一つずつ見ていきます。
記述式に正面から取り組んだ
- 「今回は記述式解法講座で記述対策をしっかりして試験にのぞみました。」 【引用元】
- 「2年目は記述対策を万全にしてほぼ完答することができ、合格できました。」 【引用元】
- 「2度目は、記述は50点取ることができました。」「特に行政法に力を入れて取り組みました。」 【引用元】
- 「2回目は、9月から記述問題を中心に練習、関連する動画復習、テキスト精読を行いました。」「試験当日は前年の反省にたち記述を先に下書きしてから選択問題に取り組みました。」 【引用元】
- 「2年目は主に重要論点200と記述式解法講座を繰返し視聴しました。」「特に記述式解法講座で民法、行政法の理解が深まり、択一式対策にもなります。」 【引用元】
ここは、落ちた年の「記述を後回しにした」という共通点の、ちょうど裏返しです。受かった年の人たちは、記述を後ろに追いやるのをやめ、学習の主役の一つに引き上げていました。
なかでも象徴的なのが、記述16点で落ちた人が翌年は記述で50点を取って合格したという証言です。記述の伸びが、そのまま合否を分けたことが点数からはっきり読み取れます。
記述対策というと、択一とは別物の追加負担のように感じるかもしれません。けれど受講生の言葉はその印象を覆します。「記述式解法講座で民法、行政法の理解が深まり、択一式対策にもなった」というのです。
記述で問われる論点は、結局のところ択一で問われる論点と地続きでしょう。だからこそ記述に早く取りかかれば、択一の底上げにもつながります。こうなると、後回しにする理由はますます見当たりません。
具体的には、記述式解法講座や記述式の問題集を直前ではなく、学習サイクルの中に早めに組み込むこと。さらに本番では、記述を先に下書きしてから選択問題に取り組むという順番の工夫まで、受かった人たちは実践していました。
記述問題は、最後の余力でこなすのではなく、最初に取り掛かるべき得点源だったのです。落ちた受験生にいちばん伝えたい一点を選ぶとすれば、私はここを挙げます。
過去問演習を中心に変えた
- 「2年目もスタディングを利用しましたが、過去問演習を中心とする学習に変更しました。」 【引用元】
- 「2年目は、過去問の解説を理解して覚える、複数回過去問を周回する、を意識して勉強しました。」 【引用元】
- 「ざっとインプットが終わったあとはひたすらアウトプット(問題演習)を続けました。」「アウトプット中心にして挑んだ2年目では無事に合格することができました。」 【引用元】
- 「問題のすべての選択肢について、なぜ○なのか?なぜ×なのか?を言えるようになるまで繰り返したところで、今考えてみれば、不合格から合格の一線を越えたんだと思います。」 【引用元】
- 「コースを一通り復習した後は、過去問中心に解き、間違った点や曖昧な点を、講義に戻って復習することを行いました。」 【引用元】
受かった年の最大の変化は、講義を見ることから問題を解くことへ、学習の重心を移したことでした。
先ほど演習不足で落ちたと振り返っていた人が、翌年は「過去問演習を中心とする学習に変更した」と書いています。落ちた自分と受かった自分が同じ人物だからこそ、何を変えたのかがくっきりと浮かび上がるのです。
ただし、ここで注目したいのは、単に問題の量を増やしたわけではないという点です。ある受講生は「すべての選択肢について、なぜ○か、なぜ×かを言えるようになるまで繰り返した」ことが合格との分かれ目だったと振り返ります。
別の人が挙げるのは「解説を理解して覚える」という意識でした。正解の番号を覚える作業ではなく、一つひとつの肢の正誤の理由を自分の言葉で説明できるようにする。これこそが「知っている」を「解ける」へ変える橋渡しだったのです。
スタディングには、この学び方を支える仕組みがそろっています。セレクト過去問集や13年分テーマ別過去問集で量を確保し、AI問題復習が、間違えた問題を頃合いを見て出し直してくれるのです。
講義を見たらすぐに問題を解き、間違えたところだけ講義に戻って確認する。この小さな往復をぜひ回し続けてみてください。受かった年の人たちは、まさにこのサイクルを淡々と積み上げていました。
弱点を絞り計画的に進めた
- 「1年目はお金をけちってスタンダードコースを受講し、本試験では170点で撃沈でした。」「2年目は合格答練や合格模試などがあるのでコンプリートコースで受講し、214点で合格することができました。」 【引用元】
- 「本番試験でのアウトプットのスキルが不足しているとの思いから」「直前の1カ月は模試で間違った問題や過去問を解き、点数が取れそうな行政法の問題を集中的に解きました。会社法は捨てました。」 【引用元】
- 「2年目は講座で教えてもらった合格方法を信じて、民法と行政法を中心に学習しました。」「限られた時間の中で、重要なところとそうでないところの力の入れ方を変えることが合格につながりました。」 【引用元】
- 「あと1年目は受けなかった模試も受け、自分の実力のチェックを1か月ごとに行いました。」 【引用元】
- 「翌年は必ず最後までやりきると決意して再チャレンジしました。」「受験2回目は1月から学習を始め」 【引用元】
3つ目の変化は、やみくもに「もう一年」を繰り返すのではなく、1年目の敗因を具体的に見極めて、そこを狙って手を打ったことです。共通しているのは、自分のどこが足りなかったのかを言葉にできていること。その自己分析が、翌年の戦略の出発点になっていました。
なかでも勇気がいるのが、力を入れる場所を絞り、思い切って捨てる判断です。ある受講生は「点が取れそうな行政法に集中し、会社法は捨てた」と書き、別の人は「重要なところとそうでないところで力の入れ方を変えた」と振り返ります。
これは全部を完璧にしようとして1年目にやり切れなかった反省への、明確な答えです。法令等の中心は配点の大きい民法と行政法ですから、そこを主戦場に据える判断は理にかなっています。
加えて、自分の現在地を測りながら進めていたことも見逃せません。模試で1か月ごとに実力をチェックした人、コンプリートコースの合格答練や模試で本番を想定した演習を重ねた人。
スタディングにはAI実力スコアで科目別の得点を予測する機能もあり、こうした「今どこにいるか」の把握が、無駄のない学習を支えます。
そしてもう一つ。「翌年は1月から始めて最後までやり切ると決めた」という声が示すように、再挑戦の年こそ早く動き出すことが、やり切れなかった前年との決別になるはずです。
また落ちないか不安なあなたへ
ここまで読んでも、心の奥にこんな声が残っているかもしれません。共通点は分かった。でも、同じスタディングを続けて、結局また落ちたらどうしよう、と。
その不安はとても自然なものです。一度味わった悔しさを思えば、慎重になるのは当たり前でしょう。
けれど、ここまで見てきた23人の歩みは、その不安に静かに答えてくれます。落ちた原因は、講座そのものではありませんでした。記述の後回し、演習の不足、やり切れなかった準備。いずれも「教材の良し悪し」ではなく「使い方」の問題です。
事実、23人は皆、行政書士講座を他社に乗り換えてはいません。スタディングを使い続けたまま、勉強方法を見直して合格しました。つまり、変えるべきは講座ではなく、あなたの学習の進め方なんです。
では、落ちた1年目は無駄になってしまうのでしょうか。これも、受講生の言葉が打ち消してくれます。
1年目に積んだ知識は消えてなくなるわけではありません。むしろ土台として残り、2年目はその上に理解を重ねていけます。ゼロからの初年度より、明らかに楽に走り出せるのです。
スタディングには前年度版の購入者が翌年度版を割引価格で再受講できる仕組みもあり、続けることのハードルそのものが下げられています。一度落ちたという経験は、あなたを後ろに引き戻す重りではなく、次の一年を加速させる助走だと考えてよいはずです。
この記事のまとめ
スタディングで一度落ち、それでも続けて合格した23人をたどってきました。落ちた年に共通していたのは、記述を後回しにしていたこと、講義の視聴に偏って演習が足りなかったこと、そして範囲をやり切れずに本番を迎えたことでした。
受かった年には、その3つがそっくり裏返ります。記述に正面から取り組み、過去問演習を学習の軸に据え、弱点を絞って計画的にやり切る。たったこれだけの転換で、170点台の壁を越えた人が大勢いました。
ここで思い出してほしいのは、彼らが特別な才能の持ち主だったわけではないということです。むしろ多くは、あと数点で涙を飲んだあなたとよく似た人たちでした。
1回目に合格圏の入口まで来ていたなら、その経験はすでに大きな財産でしょう。あとは、敗因を一つ見つけて、対になる一手を選ぶだけ。変えるのは高い教材でも、特別な根性でもなく、学習の進め方です。
もしあなたが今、もう一年やるべきか迷っているなら、その迷いこそ前へ進もうとしている証拠。落ちた経験を力に変えて、次の秋にこそ、あなた自身の合格体験記を書き上げてください。




