宅建試験・管理業務主任者試験に独学で一発合格した杉山貴隆です。
今回は宅建試験と管理業務主任者試験は同じ年にダブル受験したほうがいいのかという疑問に答えます。
私自身はダブル受験したい気持ちもありましたが考え直し、別々の年に受験して合格しました。
かといって全ての人がダブル受験を避けたほうが良いわけではなく「ぜひダブル受験をするべきだ」というケースもあると思っています。
以下で順を追って私の考えをお伝えしていきますので、参考にしてみてください。
宅建・管理業務主任者はダブル受験するべきか
「宅建試験と管理業務主任者試験は同じ年にダブル受験したほうがいいのか」という疑問に対する私の答えは次の通りです。
- 宅建と管業、両方の学習時間を確保できるならダブル受験するべき
- そうでないならダブル受験は避けて別々の年に受験するべき
言い換えるなら自分が確保できる学習時間に応じて決めればOKとシンプルに考えています。
では宅建試験・管業試験の合格に必要な学習時間はそれぞれどれくらいで、具体的にどんなスケジュール感で勉強していけば良いのでしょうか。
宅建試験の合格に必要な学習時間
宅建試験の合格に必要な学習時間は一般的に300時間程度だと言われています。
宅建試験の学習時間については目安と私の推奨時間の記事で詳しくお伝えしています。
管業試験の合格に必要な学習時間
管業試験の合格に必要な学習時間も一般的に300時間程度だと言われています。
ただし管業試験と宅建試験は試験範囲が重なっていたり制度の仕組みが似ている部分があったりします。なので宅建の知識が頭に入っていれば管業試験の勉強時間はもう少し短くなると考えて大丈夫です。
私の感覚値では200~250時間ですが、ここでは話を簡単にするために200時間と考えておきましょう。
宅建・管業の合格に必要な学習時間
ここまでをまとめると宅建・管業の合格に必要な学習時間の目安は500時間であることがわかります。
宅建合格のために300時間、管業合格のために200時間、合計すると500時間。試験日までに500時間の勉強を達成できるならダブル受験・ダブル合格が狙えそう、というわけです。
宅建・管業のダブル受験スケジュール例
ここまでの話を前提にしつつ宅建試験・管業試験のダブル受験スケジュール(例)を立ててみましょう。スケジュールを考えるにあたり「宅建試験の試験日」と「管業試験の試験日」も考慮に入れます。
- 宅建試験の試験日は例年「10月の第3日曜日」
- 管業試験の試験日は例年「12月の第1日曜日」
(※ここ数年、宅建試験は10月と12月の年2回実施されています。とはいえ10月試験の受験者数のほうが圧倒的に多いため、ここでは10月試験のみ考慮します)
宅建試験のほうが先で管業試験は後です。そのため宅建の試験日までは宅建の勉強と管業の勉強を並行して進める必要があることに注意してください。
これに対し宅建試験が終わってから管業の試験日までの約50日間は管業の勉強だけやればOKです。
ここまでを総合すると、たとえば「1日あたり2時間勉強できる人」なら次のようなスケジュールを組めば良いということになります。
- 3月中旬頃から宅建の試験日までの約200日間(7ヶ月ほど)で400時間確保できる。
- 400時間のうち300時間は宅建試験の学習に充てる。これで宅建合格に必要な学習時間は達成。
- 残りの100時間は管業試験の学習に充てる。
※管業合格に必要な学習時間は200時間と仮定しているので、この時点で100時間不足している状態
- 宅建試験が終わってから管業試験までの約50日で100時間確保できる。
- この時間を、管業の学習時間の不足分である100時間に充てる。
以上が、宅建試験・管業試験のダブル受験スケジュールの一例です。
私の場合(参考までに)
私が宅建を受験した年にどのような判断をしたのかを参考までにお示しします。
私の場合、宅建試験の勉強を始めたのが3月~4月頃です。当時「半年くらいかけて勉強すれば宅建に受かるだろう」と考えていました。
その時点では管理業務主任者という資格のことをあまり知らなかったので、ダブル受験をするという意識はありませんでした。
宅建の受験勉強を進めていく中で管理業務主任者資格のことを詳しく知り「管業の資格も取りたいな」と思いました。でも正直言って宅建試験の学習時間を確保することで精いっぱいでした。
そんな状態で二兎を追っても良い結果は得られないと考えてダブル受験はせず、その年は宅建試験に集中することにしました。
* * *
後で振り返ってみると、私は宅建試験の試験日までに400時間ほどを学習に費やしていました。
初めての国家試験の受験であり暗中模索で独学を進めていたこと、そして「1回の受験で確実に合格したい」という思いがあったことから、一般的に言われている300時間よりも100時間ほど多く時間をかけたという側面があります。
もし不用意に管業試験の勉強に手を出していたら宅建試験の勉強で追加の100時間を捻出することはできなかったはずです。この場合おそらく宅建は不合格、管業も結局十分に勉強できず不合格という事態になっていたことでしょう。
なので今となっては「宅建試験と管理業務主任者試験を別々の年に受験することにしてよかった」と思っています。
ダブル受験をおすすめできる人・できない人
以上の考察をもとに、私が考える「ダブル受験をおすすめできる人」「ダブル受験をおすすめできない人」について述べていきます。
ダブル受験をおすすめできる人
学生さんやフリーター・無職の方、あるいは会社員でも残業等が無く勉強時間の確保が十分できるという方は、宅建・管業のダブル受験にチャレンジすることをおすすめできます。
やはり短い期間で両方の資格をとれたほうが就職・転職等、キャリア形成の面で有利になりますので、ダブル合格を狙う価値は十分にあります。ただし実際にダブル受験の勉強を始める前に自分なりに学習スケジュールを組んでみてください。
試験日までの間、1日あたり何時間勉強できるのか。そして試験日までに十分な学習時間を確保できるのかを計算してみましょう。前述のように500時間が目安です。
「試験日までに500時間を達成可能であり、問題無い」と判断できてからダブル受験を目指してスタートを切るのが良いと思います。
ダブル受験をおすすめできない人
平日フルタイムで働いていて、かつ残業があるとか、週の休みが1日しかないといった人にはダブル受験はおすすめできません。
なぜならおそらく学習時間の確保が難しいからです。先に挙げた500時間を達成できるかどうか実際に計算をしてみると良いと思います。
フルタイムで働いていて残業があるような人の場合、1日1時間の勉強時間を確保するのも大変だということがほとんどだと思います。そのため現実的に考えてダブル合格はかなりハードルが高いです。
無理に宅建と管業の両方に手をつけると、どちらも十分な勉強ができなくなり「宅建と管業を両方とも取り損ねてしまうリスク」が大きくなります。
そういった事態を避けるため、少し時間はかかりますが「1年目に宅建を取る」「2年目に管業をとる」という具合に受験年度を分けるのがおすすめです。
「2年かけて着実にダブルライセンスという結果を残す」と決めることも、また一つの勇気ある決断だと私は思います。
ダメモトでダブル受験したい場合
「500時間の確保はちょっと難しいかもしれない…でも、もしかすると合格するかもしれないから、ダメモトでダブル受験するというのはダメ?」
そのように考えた方もいるかもしれません。私はダメモトでダブル受験するのも全然良いと思います。
実際ダメモトで受験することには次のようなメリットがあります。
- ダブル合格を目指す場合のほうが勉強時間を多く捻出する必要があるので、ふだんの時間の使い方をより深く見直す機会を持てる(時間のやり繰りが上手くなる)
- 仮にどちらか1つ不合格になってしまったとしても、1度受験した経験があれば翌年以降その経験を活かせるので合格しやすくなる
- 幸運にも両方合格できたら万々歳。短い期間で2つの資格が手に入って非常に効率が良いし、自信もつく
ただ気を付けてほしいのは少なくとも一方は必ず合格するように計画的に学習するということです。ダメモトでダブル受験して万が一「ダブルで不合格」になってしまったら、せっかく苦労したのに何ひとつ結果が残りません。
「来年もダブルで勉強しなければ…」という状況になると非常につらいです。なので少なくとも一方は必ず合格できるようにうまく調整しましょう。
もし宅建合格と管業合格のどちらを優先するべきかわからない場合は、宅建合格を優先することをおすすめします。
なぜなら、宅建のほうがずっと知名度があるからです(管理業務主任者なんて不動産業界以外では知らない人のほうが多い)。加えて就職・転職市場のニーズも宅建のほうがずっと大きいという事実もあります。
「マンションの管理会社に就職したい」とか「マンション管理会社内で昇進したい」といったケースでは管理業務主任者試験を優先するべきですが、それ以外のケースでは宅建試験に重きを置いて勉強していきましょう。
この記事のまとめ
今回は「宅建・管業はダブル受験するべき?両方とも合格した私の考え」というテーマでお伝えしました。この記事の結論を復習すると次の通りです。
- 宅建・管業の学習時間(合計500時間)を確保できるならダブル受験するべき
- そうでないならダブル受験は避けて別々の年に受験するべき
またダブル受験をおすすめできる人・できない人として次の例を挙げました。
- ダブル受験をおすすめできる人
- 学生さんやフリーター・無職の方、あるいは会社員でも残業等が無く勉強時間の確保が十分できるという方
- ダブル受験をおすすめできない人
- 平日フルタイムで働いていて、かつ残業があるとか週の休みが1日しかないといった人
自分自身の状況を見極めて決断していきましょう。
以上、参考になれば嬉しいです。
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次回は合格への道のりを圧倒的に楽にする「宅建試験の5点免除制度」について解説します。下のブログカードをタップすると移動できます。