宅建と管理業務主任者のダブル受験って、どうなの?

二兎を追う者…

宅建を狙う人なら1度は考える、宅建と管理業務主任者のダブル受験

宅建が不動産取引の資格であるのに対し、管理業務主任者はマンション管理に関する資格となっています。どちらも不動産関連の資格であるため、ある程度試験範囲が重なっており、資格学校等でもダブル受験を勧めていることがあります。

でも、実際のところ、ダブル受験ってやったほうがいいの?っていう話。

結論から言えば、私の意見は「残された時間次第という面が大きく、多くの人にはオススメできないけど、やるなら気を付けてやってみてね!」っていう感じです。以下、詳しく述べていきます。

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まず、私について

俺の話!

私自身は、宅建も管理業務主任者も持っています。宅建は平成25年度試験で、管理業務主任者は平成27年度試験で、それぞれ一発合格しました(これだけが人生の自慢!)。

私が宅建の学習を開始したのは、3月半ば頃でした。それまでの法律の学習経験はゼロ。働きながら、毎日コツコツと独学を続けました。...
時期がだいぶ遅くなってしまいましたが…平成27年度管理業務主任者試験に、独学で一発合格しました!結果は、自己採点で3...

なので、ダブル受験はしていません。宅建の試験勉強を開始するときに「しようかな?」と思いましたが、結果的にはやめておいてよかったと思っています。その理由は次の節で。

ダブル受験の是非

時間が勝負

ダブル受験をするべきか否かは、単純に「学習時間が確保できるかどうか」をまず検討してみるといいのではないかと思います。

私の考えでは、宅建に合格するのに必要な学習時間は、300時間。

管理業務主任者についても、同程度の時間が必要だと言っていいです。ただ、宅建と重なる部分もあると考えて、少し割り引いて250時間としましょう。

そうすると、合計の学習時間は550時間。

試験日までに、その時間が確保できますか?というところに尽きるわけです。

ちなみに、宅建の試験日は例年10月の第3日曜日、管理業務主任者の試験日は例年12月の第1日曜日、となっています。

働いている人の場合、たとえば3月くらいに「宅建と管理業務主任者の勉強を始めよう!」って思ったとしても、それだけの学習時間を確保するのって難しいと思うんですよね。

実際、私がそうでした。平日は1時間くらいしか勉強できないので、とても計算が合わなかったんです。なので、もし無理に管理業務主任者の試験勉強をしていたとしたら、どちらか、または両方を落としてしまっていたと思います。

逆に、学生さんとかフリーター・無職の方で、時間の自由がきくという方は、チャレンジを検討してみる価値があると言えます。やはり、短い期間で両方の資格がとれたほうが、有利なことはあるでしょうから。

また、宅建あるいは管業の受験が2回目以降であるという方も、学習計画と合格の見込み次第ですが、考えてみていいのかもしれません。

ダブル受験するなら気をつけたいこと

混乱

宅建と管理業務主任者の学習をした私の経験から、もしダブル受験をするならこんなことに気を付けたほうがいいだろうな、というところを書いてみます。(以下では、宅建を軸に考えていきます。)

内容が重ならない部分も結構ある

宅建と管理業務主任者の学習範囲については、重なっている部分のあることが強調されます。確かにそうなのですが、実は管理業務主任者オリジナルの内容というのも結構あります。

その代表格は次のものです。

  • 標準管理規約:分譲マンションの一棟にはほとんど必ず管理規約が定められることになりますが、その「ひな形」としての役割を持つ文書です。
  • マンション標準管理委託契約書:マンションの管理組合とマンション管理会社が結ぶ契約書の「ひな形」です。
  • 管理組合の会計(特に簿記の仕訳):分譲マンションでは共有部分の維持等のために管理費・修繕積立金を各戸から集めますが、その会計についての実務知識です。

こんなの、宅建では全然やらないですよね? でも、これらは管理業務主任者のメインの科目であり、頻出の論点でもあります。学習にはかなり時間を使います。

また、区分所有法・建築基準法などについては、宅建でも学習しますが、管理業務主任者の方が、ずっと深く学習することになります。宅建で学んだ内容だけでは管業では太刀打ちできませんので、心しておきましょう。

逆に、借地借家法・宅建業法については宅建の知識でほとんどまかなえると思います。

混乱しそうになる内容がある

管理業務主任者のメインの科目のひとつに、マンション管理適正化法というものがあります。

これはいわば宅建業法のマンション版で、ちょうど宅建業法が宅建業の各種制度を定めているように、マンション管理適正化法がマンション管理業の各種制度を定めています。

これら二種の制度はよく似ている部分が多く、宅建もマンション管理業も基本的には国から認められなければ営むことができません。認めてもらうには欠格要件等のよく似た一定の要件をクリアする必要があります。

また、各々の法律で宅建士と管理業務主任者の制度も定められていますが、やはりよく似た内容となっており、どちらも登録の必要があったり、どちらにも重要説明という独占業務が割り当てられていたりします。

そしてそれらの制度は似ている部分もあるのですが、微妙に違っている部分も多いです。

例えば、宅建業は免許制であり、国土交通大臣または都道府県知事が免許を行うこととされていますが、マンション管理業の場合は登録制であり、登録は国土交通大臣が管轄することとなっています。

宅建士は事務所ごとに従業員5人に1人の割合で設置するのが原則ですが、管理業務主任者は事務所ごとに30管理組合につき1人の割合で設置することになります。重要事項については、重要な事項を前もって説明するという点では共通していますが、説明すべき具体的な内容は宅建士と管理業務主任者でかなり異なってきます。

そんな具合で、宅建と管理業務主任者の勉強を同時にやろうとすると、似て非なる制度を同時に理解していかないといけないので、結構混乱する可能性が高いです。

私自身は、宅建に既に合格したあとで管理業務主任者の学習を始めましたので、「あ、宅建でもこんな制度あったなぁ」と思いながら勉強しました。このように、「宅建取得後、管業」(またはその逆)という場合には、むしろ理解がはかどるのではないかと思います。

おわりに

以上、宅建と管理業務主任者のダブル受験について、私の思うところをお話ししました。

お分かりのように、私は個人的にはダブル受験は勧めません。どちらにも本気で合格しようと思えば、相当大変な思いをするだろうと思うからです。

でも、どうしても宅建だけでは不足な感がある!(俺はもっとできる子なの!)という人には、もう一つ別のアドバイスがあります。

そのお話は、また次の機会に。