宅建試験に独学で一発合格した宅建士杉山貴隆です。
「独学で宅建合格を目指して本当に良いのだろうか」と疑問に思っている方は多いと思います。今回はそのような方に向けて「宅建試験に独学で合格できるかどうか」と「独学のリスクおよびリターン」についてお話しします。
この記事を読むと独学のリスクとリターンを比較して独学するかどうかを決定できるはずです。ぜひ参考にしてみてください。
宅建は独学で合格できる
始めに結論をお伝えすると宅建試験に独学で合格することは可能です。そう言える根拠は少なくとも3つあります。
- 色々な人が「独学で合格できる」と言っている(むしろ「独学だと合格不可」という主張のほうが見つからない)
- 独学で合格している人が毎年それなりの数いる
- 私(このブログの運営者)も独学で合格した
上記のことから独学で宅建試験に合格することが可能であることは議論の余地がないくらい明白です。
その一方「独学で合格できるかどうか」という論点と「独学するべきかどうか」という論点は別々に考える必要があります。独学で合格できるからといって誰でも独学したほうが良いわけではないのです。
なぜなら宅建の独学にはリスクとリターンがあり、そのどちらを重くみるかは人によって全く異なるから。独学のリスクとリターンという観点はあまり語られることがありませんので、以下で詳しく説明します。
宅建を独学することによる4つのリスク
宅建を独学することには特有のリスクがあります。次の4点です。
- 教材選びで失敗するリスク
- 学習法の選択で失敗するリスク
- 進捗管理で失敗するリスク
- 学習継続を失敗するリスク
1つずつ確認していきましょう。
教材選びで失敗するリスク
宅建独学の第一のリスクは教材選びで失敗するリスクです。
独学する人は書店に行ってテキストを見比べたり、Amazonのレビューを見たり、友人や同僚に評判を聞くなどして自分が使う教材を決めますよね。
でも独学用の教材は基本的に合格実績が不明であり、その教材を使うことが本当に正解かどうかわかりません。実は今まで合格者が出ていない教材かもしれませんし、自分に合っていない教材かもしれない。
気づかない人も多いですが、独学者は最初のステップである教材選びの時点で早くも失敗してしまうリスクを抱えているのです。
学習法選択で失敗するリスク
宅建独学の第二のリスクは学習法の選択で失敗してしまうリスクです。
独学する人はどのような手順で勉強を進めていくかを自分なりに決める必要があります。テキストに学習方法の記載があってそれを参考にする人もいますし、ネット上で紹介されている勉強法を試す人もいるでしょう。
でもテキストに記載されている学習法に頼っていれば必ず合格できるというものではありません(もしそれで合格できるなら、みんな市販の独学用テキストを購入するでしょう)。
またネット上で紹介されている勉強法は誰がどんな目的で書いたものかわかりませんので、テキスト以上に信頼を置くことが難しいです。
自分で選んで決めた学習方法であっても、それが本当に自分に合っているのか、合格に近づけるのかということも、結局はやってみなければわかりません。
独学の成否を決めるといっても過言ではない学習方法の選択においても独学者は多大なリスクを抱えています。
進捗管理で失敗するリスク
宅建独学の第三のリスクは進捗管理で失敗してしまうリスクです。
宅建試験の独学をする人は自分で学習の計画を立ててそれを管理する必要があります。今週はこの範囲を勉強する、来週はこの範囲を勉強すると決めて実行していくわけです。
そうする中で「今のペースで学習を進めていて間に合うのか」「もっとペースを上げたほうがいいのか」と不安に思うこともあるでしょう。しかしその答えを教えてくれる人はいません。ぶっつけ本番以外に取れる方法がないんです。
進捗管理で失敗すれば合格できる人もできなくなってしまいますから、特に国家試験を受験するのが初めての独学者はこのリスクに細心の注意を払うことが勧められます。
学習継続を失敗するリスク
宅建独学の第四のリスクは学習の継続を失敗してしまうリスクです。
独学で試験勉強をする場合、学習がつらくなって投げ出してしまっても失うものはあまり多くありません。多額のお金をかけたわけでもなければ誰か応援してくれる人がいるわけでもない。
だからこそ「自分が勉強をやめたところで誰も困らないし、もういっそのことやめちゃえ」と考えてしまいがちになります。
独学を始めるのはいいのですが、ドロップアウトすることを止めてくれる障壁が無い。これも独学する際には大きなリスクになると言えます。
宅建を独学して得られる2つのリターン
次に、宅建を独学することでどんなリターンが得られるかを確認しましょう。次の2点です。
- 金銭的リターン
- 学習ノウハウのリターン
以下でもう少し解説します。
金銭的リターン
宅建を独学することで得られるリターンの1つめは金銭的なリターンです。
独学以外の方法(通信講座や通学講座)で学習した場合、安くても数万円、高いと10万円以上の出費が必要になります。
これに対して、市販の教材で独学するのであれば費用は1万~2万円程度で済んでしまいます。相対的に独学するほうが経済的負担が軽く、その意味で独学には金銭的リターンがあります。
学習ノウハウのリターン
宅建を独学することで得られるリターンの2つめは学習ノウハウのリターンです。
宅建試験を独学で合格できると、教材の選び方・学習方法・進捗管理・学習継続といったことに関して自分なりの知見を得られます。
この知見は別の国家試験や検定試験を受験しようと決めた場合に非常に役に立ちます。実際、私は宅建試験を独学で合格した翌々年に、管理業務主任者試験に独学で一発合格しています。
あなたが宅建試験を受験した後も独学で勉強を続け、1つ、また1つと資格をとっていきたいと考えている場合、この学習ノウハウのリターンは大きな財産になります。
リスクとリターンの大きさを比較検討しよう
ここまで、宅建試験の独学のリスクとリターンについて検討してきました。
独学のリスクは「教材選びで失敗するリスク」「学習法の選択で失敗するリスク」「進捗管理で失敗するリスク」「学習継続を失敗するリスク」の4点です。
独学のリターンは「金銭的リターン」と「学習ノウハウのリターン」の2点です。
リスクとリターンを比較してみてください。人によってリスク・リターンのどちらが大きいと感じるかは異なります。あなたはどう感じるでしょうか。
リスクが小さいと感じるのであれば独学する
もし「独学するリスクはそれほどでもない、むしろリターンのほうが大きい」と感じるのであれば独学するべきです。
例として私のことを話します。私はもともと自学自習することについて自信があるほうだったため「教材選び」や「学習法の選択」をするにあたり自分が大きな失敗をすることはないだろうと考えました。
「進捗管理」や「学習の継続」に関しては先行き不透明な感もありましたが、やってみれば何とかなるんじゃないか、と比較的楽観視していました。
一方で独学のリターンには非常に大きな魅力を感じていました。というのも宅建の受験を決めた頃の私は本当にお金がなく、通信講座や通学講座に出せるお金が全然無かったのです。
また宅建を取った後にも何かしら資格をとりたいという意思があり、宅建はその登竜門として挑んでみようと考えていました。
以上のことから、私は「独学のリスクは小さい、むしろリターンが大きい」と判断して独学することに決めました。このようなリスク評価ができたなら独学の道に進んでOKです。
リスクが大きいと感じるのであれば独学は避ける
もし「意外と独学するリスクは大きそうだ、その割に得られるリターンは小さい」と感じるのであれば独学は避けるべきです。
過去の私のような追い込まれた状況でなければ、独学はリスク大リターン小と判断する人も多いのではないかと思います。
では独学を避けてどうすれば良いのかというと通信講座を選択するのが良いでしょう。宅建試験の通信講座を利用する場合、独学のリスクは次のような形で回避できます。
- 教材選びで失敗するリスク
- 通信講座の教材は老若男女に適した内容になっており、合格実績も明確になっていることが多い
- 学習法の選択で失敗するリスク
- 通信講座が指導する学習法は毎年合格者を輩出し続けている。よほど新しい講座でもない限り心配不要
- 進捗管理で失敗するリスク
- 講座によっては学習進捗を管理するアプリを提供しており、試験本番まで適切なペースで学習を進められる
- 学習継続を失敗するリスク
- 通信講座には数万円のお金を支払うことになるため「ここでやめたら損」という気持ちが歯止めになる
上記のリスクを全て回避できる講座として、当ブログではフォーサイト宅建士講座を勧めています。私も実際に購入して受講してみたのですが、合格者の目からみても充実した構成になっており費用感も相場くらいと手頃です。
フォーサイト宅建士講座のレビュー記事を書いていますのでぜひ読んでみてください。
この記事のまとめ
今回は「宅建試験に独学で合格できるかどうか」「独学のリスクおよびリターン」の2点をお伝えしました。記事の内容を復習しましょう。
まず宅建試験に独学で合格することは可能であり、その根拠は次の通りです。
- 色々な人が「独学で合格できる」と言っている(むしろ「独学だと合格不可」という主張のほうが見つからない)
- 独学で合格している人が毎年それなりの数いる
- 私(このブログの運営者)も独学で合格した
その一方、独学することには次のような4つのリスクがあります。
- 教材選びで失敗するリスク
- 学習法の選択で失敗するリスク
- 進捗管理で失敗するリスク
- 学習継続を失敗するリスク
他方、独学することのリターンは次の2つです。
- 金銭的リターン(独学以外の方法に比べ安く済む)
- 学習ノウハウのリターン(別の資格試験も独学しやすくなる)
リスク・リターンのどちらをどれだけ重く見るかは人によって違います。もし「リスクはそれほどでもない、むしろリターンを得たい」と思うのであれば、独学を決行しましょう。
逆にもし「リスクは大きいが、その割にリターンが小さい」と感じる場合は通信講座を使ってリスクを回避するのが良いでしょう。あなた自身がどちらに当てはまるのか、じっくり考えていただければと思います。
以上、参考になれば嬉しいです。