宅建試験一発合格済み、不動産業界で数年勤めた経験もあるKiryuです(*^o^*)
今回は宅建士の仕事について語ります。
具体的な内容としては、以下の3点です。
- そもそも宅建士の仕事内容とは何か?
- 宅建資格を持っていると役立つ職種とは?
- 宅建士の仕事が楽すぎる理由3つ
私が不動産業界で目にしてきた現実をもとにして書きました。
「宅建士の資格を取って楽な仕事をしたい…!」という方にとっては、きっと参考になる記事になっています(^^)
ぜひ最後まで読んでみてください。
宅建士の仕事内容とは
宅建士の仕事内容は、宅建資格者に認められている3つの独占業務が主体となります。
- 重要事項説明
- 重要事項説明書(35条書面)への記名押印
- 契約書(37条書面)への記名押印
以下で詳しく解説します。
重要事項説明
重要事項説明とは、不動産をこれから買おうとする人(買主)や借りようとする人(借主)に対し、契約に関係する重要事項を事前に説明する業務です。
省略して「重説(じゅうせつ)」とも言います。
たとえば、営業担当者がお客様を物件に案内した後、契約する気になったお客様と一緒に戻ってきたとします。
お客様が申し込みに至った場合は、宅建士はお客様に宅地建物取引士証を提示して、重要事項を口頭で説明することになります(日を改めて説明することもよくあります)。
重要事項の例としては次のものがあります。
- 対象不動産の登記簿上の所有者
- 契約の解除に関する事項
- 貸借の場合は、台所・浴室・便所その他の設備の整備状況
上記以外にも多岐にわたる事項があるため、宅建士が全て暗記して説明することは不可能です。
なので、あらかじめ重要事項説明書を印刷しておいて、その書面を手元に置き、お客様にも一部手渡して、読み上げるという形で説明をします。
重要事項説明書(35条書面)への記名押印
重要事項説明書(35条書面)への記名押印とは、作成された重要事項説明書に対し宅建士が記名し自身の印を押すという業務です。
重要事項説明書は、営業担当者が作る場合もあれば宅建士が主体となって作る場合もあります。
どちらの場合も、重要事項説明書の内容は最終的には宅建士がチェックします。
そしてその内容に法令上の問題が無いと判断できたら、「確認完了しました」という意味合いで宅建士が記名・押印します。
もし重要事項説明書の内容が誤っていて、それに気づかずに記名押印してしまうと、後でトラブルになって宅建士の責任が問われることになります。
最悪の場合は訴訟を起こされて損害賠償責任を負うこともありますので、結構気を使う業務です。
契約書(37条書面)への記名押印
契約書(37条書面)への記名押印とは、作成された契約書に対し宅建士が記名し自身の印を押すという業務です。
契約書も、重要事項説明書と同様、営業担当者が作る場合もあれば宅建士が主体となって作る場合もあります。
契約書は数十、場合によっては百を超える条文から成りますが、最終的にはその1つ1つを宅建士がチェックします。
内容に法令上の問題が無いと判断できたら、「確認完了しました」という意味合いで宅建士が記名・押印します。
もし、契約書の内容に問題があるのにそれに気づかず記名押印してしまうと、後でトラブルになって宅建士の責任が問われることになります。
契約書は重要度が極めて高い書面ですので、その記名押印は重要事項説明書以上に気を使う業務です。
宅建資格が役立つ職業とは
宅建士の仕事内容を踏まえた上で、宅建資格が役立つ職種にはどんなものがあるでしょうか?
- 宅建事務
- 営業
- 不動産管理
宅建資格が特に有利になるのは上記の職種です。
以下で詳しく説明します。
宅建事務
宅建資格を活かせる職種の最も代表的なものは、宅建事務です。
「宅建事務」は、その名の通り宅建資格を持った事務員をイメージしてください。
事務職として社内のさまざまな事務をこなしつつ、営業担当者がお客様を連れて戻ってきたときは宅建士としての業務(重説など)を行います。
宅建事務は、宅建資格を持ったオバちゃんやお姉さんがやっていることが多いです。
営業
宅建資格を活かせるもう1つの職種は、営業です。
ここまでの説明では「営業担当者がお客様を連れてきて、宅建士が重説をする」というシーンを前提にしてきました。
このように営業担当者と宅建士は別々のことが多いですが、実際には営業担当者自身が宅建資格を持っていることもあります。
そういう場合は、その営業担当者が宅建士の仕事も兼ねます。
営業担当者は、重要事項の説明や書面関係のチェックを自分以外の人に依頼しないで済みますので、スムーズに仕事を進められ、効率的です。
お客様としても、それまでやりとりしてきている営業担当者に重要事項を説明してもらったほうが、他の見慣れない宅建士に説明してもらうよりも安心できます。
以上のことから、売買仲介や賃貸仲介においては営業担当者が宅建資格を持っているのが最も望ましい形だと考えられています。
不動産会社では、営業として就職した人に半ば強制的に宅建試験を受けさせることがよくありますが、これは上記の事情があるためなんです。
とはいえ、宅建試験はそこそこ難しく簡単には合格できません。
そのため、現実としては営業担当者が宅建士を兼ねることは多いとは言えません(^^;)
不動産管理
宅建資格を活かせる職種で宅建事務・営業以外の職種として、「不動産管理」があります。
不動産管理会社は、オーナーの委託を受けて賃貸物件を管理しています。
管理そのものには宅建士の業務は不要なのですが、不動産会社は賃貸契約の局面においてオーナー側の不動産業者(いわゆる元付業者)として契約を代理または媒介することが多く、その際に宅建士が活躍します。
つまり、不動産管理会社の宅建資格を持ったスタッフは、いつもは管理物件を巡回して設備の状況を確認したりしているのですが、他社の不動産会社(いわゆる客付業者)が入居希望のお客様を見つけたときは宅建士としての業務を行う、ということです。
不動産管理会社の管理スタッフは、私のイメージではオジさんがやっていることが多いですね。
ちなみに私も不動産管理会社で管理業務+宅建士をやっていました(^^)
宅建士の仕事が楽すぎる理由
正直、宅建士の仕事は楽です!
ここで宅建士と言っているのは、上でも紹介した宅建士の最も一般的な仕事形態である「宅建事務」を指しています。
宅建事務の仕事が楽な理由は、次の3つです。
- ノルマに追われない
- 定時に出社・退社できる
- 給料や年収も悪くない(手当あり)
以下で詳しく見ていきます。
ノルマに追われない
宅建士(宅建事務)は、ノルマに追われません。
事務系職種なので当然と言えば当然ですね。
宅建士は、営業職の男性スタッフがノルマ未達で上司に詰められているのを横目に見て、「かわいそう…」と感じつつ「でも自分には関係ない」と思っていたりします。笑
定時に出社・退社できる
宅建士(宅建事務)は、定時出社・定時退社が可能です。
これも事務系職種なので当然と言えば当然でしょうか。
もちろん、繁忙期(年度の変わり目など)には残業が必要なタイミングも出てくることはあります。
でも、普段していない残業をしているのですから、当然残業手当はもらえます。
宅建士は、営業職の男性スタッフが早朝出社・サービス残業にあえいでいるのを横目に見て、「かわいそう…」と感じつつ「でも自分には関係ない」と思っていたりします。笑
給料や年収も悪くない(手当あり)
宅建士(宅建事務)は、給料・年収が悪くないです。
「宅建手当」といって、資格を持っていることに対して1万円~数万円の手当まで出たりします。
実際、先日の当ブログの調査では宅建事務の平均年収は425万円でした。

ノルマ無し、定時出社・退社可で425万円もらえたら、素晴らしいですよね(^^)
宅建士は、安月給でこき使われている営業職の男性スタッフを横目に見て、「かわいそう…」と感じつつ「でも自分には関係ない」と思っていたりします。笑
楽をするための注意点
宅建士として楽をするための注意点ですが、「宅建資格を持った営業職」になっては絶対にダメです!
「宅建資格を持った営業職」になると、自分の契約を処理していくだけでも忙しいのに、他の営業マンの重説やら何やらを頼まれて、そちらの業務にも追われることになります。
「えっ 他の営業マンの重説は宅建事務の人がやってくれるんじゃないの…」
と思った方。するどいですね。確かに原則はそうです。
しかし、宅建事務の人は定時に帰ってしまうことを忘れてはいけません。
つまり、定時以降の宅建士の業務は、全て宅建持ちの営業担当者に降りかかってくるのです。メチャクチャ大変です…!
といっても、大変な分、他の宅建資格を持たない営業マンからは尊敬や信頼を集めたりもします。
それに宅建資格を持った営業担当者は会社から見ても理想的な人材なので、将来の収入アップとか昇格とかは期待できると思います。
とはいえ、「楽をする」という点のみを重視するなら、業務が増えて忙しくなるばかりの「宅建資格を持った営業職」には決してなってはいけないのです。
よくある質問
ここからは、宅建士の仕事に関するよくある質問に答えます。
宅建士の仕事は未経験でもできる?
未経験可の募集であれば、応募し入社するところまでは可能です。ただし、業務の細かい部分については経験のある先輩から教えてもらう必要があります。
先に宅建士の独占業務を3つ紹介しました。
- 重要事項説明
- 重要事項説明書(35条書面)への記名押印
- 契約書(37条書面)への記名押印
このうち、「重要事項説明」はほぼ読み上げるだけなのでそう難しくはありません。
一方、重要事項説明書への記名押印は、書面のどんな点をチェックすればいいのか、実務的なところは先輩社員に教えてもらう以外にないと思います。
重要事項説明書を作成するところから任される場合もあります。その場合はなおさらです。
契約書への記名押印に関しても、同様にチェック箇所や作成方法の手ほどきを受ける必要があるでしょう。
宅建士の仕事は40代以降でもできる?
宅建士の仕事は40代以降でも可能です。
体力を使う仕事ではなく、考える力や専門知識を使う仕事ですので。
求人状況は検索で調べてみるといいでしょう。
宅建士の仕事に英語は必要?/英語求人はある?
宅建士の仕事に英語力は基本的に不要です。
街の不動産屋や一般的な不動産会社に勤めるにあたって、英語力が求められることはまずありません。
とはいえ、都市部では英語力を持った宅建士の求人が出ることもあります。両方の能力を兼ね備えていれば年収も上がりやすいです。
英語力と宅建士をかけあわせた求人を探したい場合は、「宅地建物取引士 TOEIC」で求人サイトを検索してみるといいです。
「英語」ではなく「TOEIC」というキーワードがおすすめです。「英語」をキーワードにすると「英語力不問」という求人ばかり出てきてしまいますので(^^;)
建築士と宅建士の仕事の違いは?
建築士は、建物を設計することが主な仕事です。
建物の設計図を作るための専門知識を持っていて、実際に設計図を書くこともできるのが建築士なんですね。
一方、宅建士は建物(あるいは土地)を「買いたい」とか「借りたい」という人がいるときに、スムーズかつ適正に取引がなされるようサポートするという仕事です。
建物や土地の契約に関する専門知識を持っていて、実際に契約を進めていく力をもった人が宅建士なんですね。
まとめると、建築士は設計図を書く。宅建士は契約をサポートする。
社会において果たす役割は、結構違います。
宅建士の仕事がわかる本は?
『こんなにおもしろい宅地建物取引士の仕事』という本があります。
私は読んでいないので特におすすめはしませんが、資格の概要・歴史から開業の方法まで、一通りのことを学べる本のようです。
第2版の詳しい目次を知りたいと思って情報を探したのですが、見つかりませんでした。
第1版でよければ次のページに目次情報があります。
⇒ 【Rakutenブックス】こんなにおもしろい宅地建物取引士の仕事
この記事のまとめ
今回は宅建士の仕事について詳しくお伝えしました。
要点を復習すると、以下の通りです。
- 宅建士の仕事内容とは「重要事項説明」「重要事項説明書(35条書面)への記名押印」「契約書(37条書面)への記名押印」の3つである
- 宅建資格を持っていると役立つ(就職に有利になる)職種は「宅建事務」「営業」「不動産管理」である
- 宅建士(宅建事務)の仕事が楽すぎる理由は「ノルマに追われない」「定時に出社・退社できる」「給料や年収も悪くない」の3つである
以上、参考になれば嬉しいです。
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