引っ越しをする宅建士が知っておくべき知識3選【手続き等】

引っ越しをする宅建士が知っておくべき知識3選

不動産業界での実務経験もある宅建士Kiryuです。

私は宅建士の資格登録をしている福岡県から資格登録をしていない沖縄県へ引っ越した経験があります。その際は宅建関連で「これはどうしたら良いんだろう?」と多くの疑問にぶつかり、調べたり問い合わせをしたりしました。

今回は一連の経験を通じてわかった必要な手続きや注意点を引っ越しをする宅建士が知っておくべき知識3選としてまとめます。あなたが引っ越しをするとき役立てていただければ幸いです。

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引っ越しをする宅建士が知っておくべき知識3選

引っ越しをする宅建士が知っておくべき知識は次の3つです。

  1. 変更の登録が必須である
  2. 登録の移転ができる場合がある
  3. 更新時の法定講習は登録している都道府県での受講が原則

このうち現在登録している都道府県の中で引っ越しをする人は1とその周辺知識を知っておけばOK。一方、登録している都道府県から出て他の都道府県に転居する人は1から3まで知っておくのが良いと思います。

以下で詳しく見ていきましょう。

【知識1】変更の登録が必須である

引っ越しをする宅建士が知っておくべき知識の1つめは変更の登録が必須であることです。

変更の登録とは

そもそも変更の登録とは何でしょうか。宅建業法20条では「(宅建士の)登録を受けている者は、登録を受けている事項に変更があつたときは、遅滞なく、変更の登録を申請しなければならない」と定められています。

要するに資格登録の際に都道府県に届け出た内容に変化があったときはそのことを必ず都道府県に伝えなさいということです。ちなみに登録事項としてどんなことを届け出ているのかというと…

  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 国土交通省令で定める事項(本籍及び性別、試験の合格年月日及び合格証書番号、実務の経験に関する事項、従事する宅地建物取引業者の商号又は名称及び免許証番号)
  • 登録番号
  • 登録年月日

引っ越しをする場合、登録事項の1つである住所が変わりますので都道府県に届け出て新しい情報を登録します。これが変更の登録です。

届出の期限

変更の登録は変更が生じた後に遅滞なく行うこととされています。明確な期限こそありませんが、引っ越し先の市役所・区役所等で住民登録の手続きが完了してから1~2週間以内くらいを目途にやっておけば良いでしょう。

必要書類

住所の変更の登録をする場合、一般的には次のものを提出します。

  • 宅地建物取引士資格登録簿変更登録申請書
  • 住民票(引っ越し先の住所地のもの)

その他、状況に応じて必要書類が追加されることもあります。あらかじめ都道府県の担当窓口がネットで提供している情報を確認しておくとスムーズです(窓口の調べ方は後述)。

宅建士証の書換え申請も合わせて行う

有効な宅地建物取引士証を持っている場合は宅地建物取引士証に記載されている住所を書き換えるための申請も必要です。書き換え申請は変更の登録と同時に行います。

書き換え申請の必要書類として次のものを提出するのが一般的です。

  • 宅地建物取引士証 書換え交付申請書
  • 宅地建物取引士証(原本)

その他、状況に応じて必要書類が追加されることもあります。あらかじめ都道府県の担当窓口がネットで提供している情報を確認しておくとスムーズです(窓口の調べ方は後述)。

郵送による手続きの可否

変更の登録と宅地建物取引士証の書き換え申請は郵送でできる場合が多いです。ただし都道府県によって取り扱いが微妙に異なります。例えば2022年2月現在だと次の通りです。

東京都
郵送申請可
大阪府
郵送申請可
神奈川県
県外に住んでいる場合に郵送申請可
※感染症拡大防止のため県内在住でも可となる例外あり
福岡県
県外に住んでいる場合に郵送申請可
※感染症拡大防止のため県内在住でも可となる例外あり

上記のように都道府県によって対応可否が変わります。都道府県の担当窓口のウェブサイトで可否や条件を確認しましょう(窓口の調べ方は後述)。

窓口の調べ方(問い合わせ先)

変更の登録の受付窓口を担当している部署は都道府県によって異なります。例えば2022年2月現在だと次の通りです。

窓口はいつの間にか変わってしまうこともあります。変更の登録の窓口を知りたいときはGoogleで「○○県 宅建士 変更の登録」と検索して最新情報を調べるのがお勧めです。下記のリンクをご利用ください。

【知識2】登録の移転ができる場合がある

引っ越しをする宅建士が知っておくべき知識の2つめは登録の移転ができる場合があることです。この知識は今住んでいる都道府県から出て別の都道府県に住む場合に知っておくと特に役立ちます。

登録の移転とは

登録の移転とはA県に資格登録していたものをB県に移し替えることをいいます。誰でも移転できるわけではなく登録をしている都道府県以外の都道府県に所在する宅建業者の事務所の業務に従事する場合に移転できます(宅建業法第十九条の二)。

たとえば「これまで福岡県に宅建資格を登録していていたが、転職で沖縄県に引っ越して沖縄県内の不動産会社に勤めることになった」場合に登録の移転ができます。

登録の移転は任意の手続きなのでやってもやらなくてもどちらでも構いません。

たとえば福岡県に資格登録をしている人が沖縄県に引っ越して沖縄県内の不動産会社に勤めることになったとき、福岡県にある登録は沖縄県に移し替えてもいいし、移し替えなくてもいい。自分の都合に合わせてどちらでもOKです。

登録を移転するメリット

登録の移転をするメリットにはどんなことがあるのでしょうか。結論から言うと福岡・沖縄間のようにやや離れた場所に引っ越す場合は登録の移転をしておくと各種手続きがしやすいです。

というのも宅建関連の手続きは全て現に登録している都道府県で行う必要があります。例として福岡県に資格登録をしている人が沖縄県に引っ越して沖縄県内の不動産会社に勤めるケースを考えましょう。

この場合、沖縄県に登録を移転しておけばその後の宅建関連の全ての手続きを沖縄県で済ませることができます。逆に登録の移転をしなかった場合は宅建関連の全ての手続きは登録を残している福岡県で行います。

要するに引っ越した後は元の都道府県に行く機会があまりなく、行くとしても時間もお金もかかってしまうときは登録の移転をしておくほうが負担が少ないんです。

登録を移転できない場合

登録の移転をしたくてもできない場合がありますので注意しましょう。大きく2パターンあります。

登録の移転ができないパターンの1つめは引っ越した先の都道府県で宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しない場合です。たとえば福岡県に資格登録をしている人が沖縄県に引っ越して沖縄県内の普通の小売店に勤めることになった場合は登録の移転はできません。

こういうケースでも登録の移転ができてもよさそうな気がしますが、制度上認められていませんので諦めるほかありません。

登録の移転ができないパターンの2つめは事務の禁止処分(宅建業法第68条2項・4項)を受け、その期間を満了していない場合です。あまりいないと思いますが、該当する人は登録の移転ができないことになっています。

実際に登録の移転をする際の注意点

登録の移転の手続きをする際は次の点に注意してください。

  • 登録の移転に必要な書類の提出先は移転元の都道府県(現在登録している都道府県)の窓口である
  • しかし必要な書類は移転先の都道府県(引越す先の都道府県)の求めに従って揃える

書類の提出先は移転元の都道府県です。一方で必要な書類の種類や数は移転先が決定します。手続き前に移転元・移転先都道府県の公式の案内をよく読んで手続きを進めることをおすすめします。

窓口の調べ方(問い合わせ先)

登録の移転の受付窓口を担当している部署は都道府県によって異なります。変更されることもありますので、やはりGoogleで「○○県 宅建士 登録の移転」と検索して最新情報を調べましょう。下記のリンクをご利用ください。

【知識3】更新時の法定講習は登録している都道府県での受講が原則

引っ越しをする宅建士が知っておくべき知識の3つめは宅地建物取引士証更新時の法定講習は登録している都道府県での受講が原則になっていることです。

法定講習とは

宅地建物取引士証の有効期間は5年です。5年経過時に更新を希望する場合、期限満了の日の前6か月以内に行われる一定の講習を受講することが条件となります。これが法定講習です。

法定講習は登録をしている都道府県の知事が指定するものを受講することとされており(宅建業法第二十二条の二 第二項)、通常は現に登録している都道府県の講習を受講します。

登録していない都道府県での受講可否

ここで問題になるのが登録をしている都道府県から引っ越したが、登録の移転をしなかった(できなかった)場合の法定講習です。

先にも挙げた例ですが、たとえば福岡県に資格登録をしている人が沖縄県に引っ越して普通の小売店に勤めることになったケースでは登録の移転はできません。

したがって原則通りに考えると沖縄県に住んでいようとも現に登録のある福岡県で法定講習を受けることになります。とはいえ旅費・交通費は該当の宅建士が個人的に負担しなければならず不経済です。

そこで遠隔地に居住している等やむを得ない事由があると認められるときは所定の手続きを経ることにより登録していない都道府県で法定講習を受講できる場合があります。

念のため強調しておくと「できる場合がある」だけであり、できない場合もあります。このあたりは都道府県等の裁量にある程度ゆだねられているようです。

登録していない都道府県で受講を希望する場合の手続き

登録していない都道府県での法定講習受講を希望する場合、まずは登録のある都道府県の宅建関係の窓口に問い合わせて指示を仰ぎます。以下、私のケースをお話していくので一例として参考にしてください。

私はあるとき「資格登録をしている福岡県」から「資格登録をしていない沖縄県」に引っ越すことになりました。しかし沖縄県で宅建業に従事する予定は無く、登録の移転ができませんでした。

そこで更新時の法定講習について福岡県の窓口(建築指導課)に問い合わせたところ、福岡県外での受講を希望する場合は次の手順で手続きをするようにとの回答を得ました。

  1. 受講を希望する都道府県の法定講習実施団体(つまり引越し先となる沖縄県の宅建協会等)に問い合わせ、福岡県登録の宅地建物取引士が受講可能かどうか確認する
  2. 受講可の確認がとれた場合は福岡県に対し「他の都道府県での講習受講を承認してください」と申請し承認を受ける

登録している都道府県に問い合わせるだけでなく引越し先の都道府県の宅建協会等に受講の可否を問い合わせることになります。

ここで少し不可解なのですが登録している都道府県と受講希望の都道府県(の宅建協会)の組み合わせによっては法定講習を受講できないことがあるようです。具体的にどの組み合わせで受講できないのか知りたいところですが詳細は不明です。

INFO

たとえば全日本不動産協会 神奈川県本部の法定講習の案内を見ると次の記載があります。

宅地建物取引士の法定講習は有効期限の6ヶ月前から受講することができます。全日会員で無い方でも、宅地建物取引士であればどなたでも受講することが可能です。

(但し、東京・大阪等一部の都府県登録の場合を除きます。)

法定講習のご案内|公益社団法人 全日本不動産協会 神奈川県本部
公益社団法人全日本不動産協会 神奈川県本部の法定講習のご案内です

東京・大阪に登録のある人は全日神奈川県本部での法定講習受講はできないようです。大都市の登録者が受講することを認めると人数が多すぎて無理という判断なのかもしれません。

Yahoo!知恵袋にも同様の情報がありました。「東京・大阪の登録者は、他の地域での法定講習は絶対に受けられない」とのことです。

宅建主任者の登録県外の法廷講習について現在、大阪府知事の宅建主任者証を所持しています。法廷講習を大阪まで講習に行くのが、億劫です。 - ... - Yahoo!知恵袋
宅建主任者の登録県外の法廷講習について現在、大阪府知事の宅建主任者証を所持しています。法廷講習を大阪まで講習に行くのが、億劫です。 住所地に登録を移転したいのですが、不動産業に携わっていないので、無理です。大阪以外の登録の方が大阪で受けるようですが、逆はダメなのでしょうか。いざという時困るので、登録はしておきたいので、...

ただし2013年の情報であり、情報源も不明であることに留意してください。

さらに受講希望の都道府県にもともと登録している宅建士のほうが優先されるため、残席数によっては断られることもあるとのこと。

加えて他の都道府県での講習受講の承認を得る手続き自体に時間がかかるうえ、受講承認が下りた場合も別途、受講上の注意点や受講後に必要になる手続きなどがあります。

以上のようにそこそこ煩雑なのでどうしても登録している都道府県以外で受講したい場合には早め早めに確認をとり、必要な手続きを進めていくのが良いです。

窓口の調べ方(問い合わせ先)

登録していない都道府県での法定講習受講について詳細を知りたいときはインターネット上に公式の案内があるかどうかを探して、見つからなければ登録をしている都道府県の窓口に電話で問い合わせるのが良いでしょう。

イレギュラーな話なのでネット上の情報は少なめです。私が見つけたページを示しておきます。

福岡県に登録のある方はこちら↓

宅地建物取引士証交付のための法定講習を県外で受講するには - 福岡県庁ホームページ

岩手県に登録のある方は下記ページ中段の「法定講習を他都道府県で受講する場合」の部分。

宅地建物取引士証の交付手続について
岩手県

佐賀県に登録のある方はこちら↓

宅地建物取引士の法定講習を県外受講する場合の手続き
宅地建物取引士の法定講習を県外受講する場合の手続き / 佐賀県

上記以外はウェブページを探しても情報が見つからないかもしれません。その場合は電話で問い合わせてみてください。窓口の連絡先はGoogleで「○○県 宅建士 法定講習」を検索して調べましょう。下記のリンクをご利用ください。

この記事のまとめ

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今回は引っ越しをする宅建士が知っておくべき知識3選を紹介しました。3つの知識を復習すると次の通りです。

1. 変更の登録が必須である
郵送で手続きできる場合も多いが要確認
2. 登録の移転ができる場合がある
引っ越し先の都道府県で不動産会社に勤める場合は資格登録を転居先の都道府県に移し替えることができる(義務ではない)
3. 更新時の法定講習は登録している都道府県での受講が原則
登録していない都道府県で受講できる場合もあるが要確認

引っ越しでバタつくからといって引っ越した後に対応しようとすると余計な手間が増えそうです。できる限り引っ越し前に情報を集めて、できる問い合わせや手続きを済ませておきましょう。

以上、参考になれば嬉しいです。

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