ユーキャン宅建士講座を実際に受講した宅建士Kiryuです。
今回はユーキャン宅建士講座の『実戦テキスト』をレビューします。実戦テキストに関する情報はネット上にほとんどありませんが、実は実戦テキストこそユーキャン宅建士講座の中で最も重要度が高い教材です。
そこで今回は実戦テキストの概要を紹介しつつ、実際に使ってみて感じたメリット・デメリットをお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
※2022年4月追記:この記事でレビューしているのは、ユーキャン宅建士講座の「本科講座」の内容です。これに対し、ユーキャンは4月1日から「短期合格講座」を提供しています。両講座の内容は完全に一致するものではないことをご了承ください(短期合格講座のほうが絞り込まれたカリキュラムです)。主な違いは別記事で解説しています。
ユーキャン宅建士講座の実戦テキストとは
ユーキャン宅建士講座の実戦テキストは他の通信講座で言うところの過去問題集に相当する教材です。テキストという名称ですが実態は過去問題集であると考えて構いません(一部、予想問題を含む)。
事実、相当な数の過去問が収録されています。
テキスト名 | 問題数 |
---|---|
実戦テキスト1 権利関係 | 509問 |
実戦テキスト2 宅建業法 | 646問 |
実戦テキスト3 法令上の制限/税その他 | 642問 |
合計 | 1797問 |
掲載問題数はおよそ1800問。これだけの数の問題を収録しながらなぜテキストという名称になっているのでしょうか。この疑問への答えは実戦テキストのメリットやデメリットを見ていく中で明らかにしていきます。
実戦テキストのメリット
宅建試験の受験対策でユーキャン宅建士講座の実戦テキストを使用するメリットは次の3つです。
- 独自の構成により基礎テキスト再読が不要
- 選択肢ごとの出題なので取り組みやすい
- 解説動画で気分転換しながら学習できる
以下で詳しく見ていきます。
独自の構成により基礎テキスト再読が不要
実戦テキストを使用するメリットの1点目は基礎テキストを再読する必要がないことです。
宅建試験の学習では通常「基本書」とか「テキスト」と呼ばれる参考書(ユーキャン宅建士講座で該当するのは基礎テキスト)をまずは一読します。これは一冊の本を丸ごと読んで知識のベースを作る作業で、いわゆるインプット学習です。
その後は過去問を解きながら学んでいくアウトプット学習を進めていくのですが、多くの人は思うように過去問が解けません。そのためもう1~2回、インプット学習用のテキストを読み返すことになります。
同じ内容のテキストを何度も読むわけですから、時間もかかりますし精神的にキツいです。テキストの再読が嫌になって宅建試験の勉強をやめてしまう人が毎年大勢いるほど。
しかしユーキャン宅建士講座であれば基礎テキストの再読を回避できます。その理由は実戦テキストの中で必須知識の復習ができるから。次の画像をご覧ください。
実戦テキストでは上の画像のようなCheck! Pointと呼ばれる要点まとめがそれぞれのセクションのはじめに載っています。実践テキストのCheck! Pointの内容は基礎テキストのCheck! Pointと同じ内容であり、ここで要点を振り返ってから問題を解く流れとなっています。
つまり実戦テキストのCheck! Pointを一読することが基礎テキストを再読するのと同じ効果をもたらすわけです。実戦テキストが過去問題集であるにも関わらずテキストと呼ばれる理由がここにあります。
この構成のおかげで受講生はインプット学習用のテキストを繰り返し読む苦痛から解放されます。再読によるタイムロスもありません。圧倒的に効率の良い受験勉強が実現可能です。
ユーキャン宅建士講座の実戦テキストのスタイルはテキスト再読が当たり前になっている宅建通信講座の常識をくつがえす画期的なものだと言えるでしょう。
選択肢ごとの出題なので取り組みやすい
実戦テキストを使用するメリットの2点目は選択肢ごとの出題なのでスキマ時間にも取り組みやすいことです。
比較のために書店で市販されているような一般的な過去問題集のことを考えてみましょう。一般的な過去問題集では過去の本試験問題を1問ずつまるごと出題します。でも1問まるごとの出題には次の3の問題点があります。
- 原則として選択肢4つを全て検討する必要があるため、1問あたりの時間がかかり過ぎる
- 逆に1つの選択肢の正誤がわかるだけでその問の答えがわかってしまうこともあるため個々の肢の検討がおろそかになり、伸び悩みの原因になる
- 今後はほとんど出題されないと思われる重要度の低い選択肢も除外されず問題に含まれる
1問まるごと解く作業は試験本番と同じ形式である点は良いのですが、学習の効率は低くならざるを得ません。これに対しユーキャン宅建士講座の実戦テキストでは1問をまるごと出題するのではなく肢別過去問の形式で出題しています。
この形式では1問に含まれているのは選択肢1個分です。そのため先の問題が次のように解決されます。
- 1問につき選択肢1個を検討するだけなので1問あたりにかける時間が短くて済む。スキマ時間などあまり時間の余裕がないときでも取り組みやすい
- 1問につき選択肢1個だけなので個々の肢ごとの検討がおそろかになることがない。したがって実力が伸びやすい
- 今後ほとんど出題されないと思われる重要度の低い選択肢は最初から除外されている
ユーキャン宅建士講座の肢別過去問のスタイルは一般的な過去問に比べて取り組みやすく、効率の良い学習が可能になっていると言えます。
解説動画で気分転換しながら学習できる
実戦テキストを使用するメリットの3点目は解説動画で気分転換しながら学習できることです。
宅建試験の学習を進めていく際は過去問を解いた後に長文の解説を読むことが不可欠です。しかしひたすら文章を読み続けていると疲れてしまい「全く頭に入ってこない!」と感じることがよくあります。
この点、ユーキャン宅建士講座の場合は文章の解説だけでなく解説動画も用意されており、映像を見ることで過去問の学習を進めることができます。
※解説動画はインターネットにつながっているスマホ・タブレット・PC等で視聴します。
動画ではユーキャン宅建士講座の講師たちが問題を解く際におさえておきたいポイントをサクッと説明してくれます。文章の解説を読み続けることに疲れたら、映像の解説に切り替えて新たな気持ちで勉強できるというわけです。
なお動画の本数は私が数えたときは以下の通りでした(時期によって変動があるようです)。
テキスト名 | 動画数 |
---|---|
実戦テキスト1 権利関係 | 147本 |
実戦テキスト2 宅建業法 | 241本 |
実戦テキスト3 法令上の制限/税その他 | 189本 |
合計 | 587本 |
動画の本数を問題数と比較するとわかりますが全ての問題に対して動画がついているわけではありません。
原則として重要度または難易度が特に高い場合のみ解説動画でフォローアップするという方針をとっているようです。言い換えれば難しい問題には解説動画があるので、安心して学習を進められます。
まとめると、ユーキャン宅建士講座の実戦テキストは解説動画つきです。映像で気分を変えながら学習を進めたり、特に難しい問題については映像で理解する、といった学習ができます。
実戦テキストを利用するデメリット
実戦テキストを使ってみて私が気づいたデメリットは収録問題数がやや少ないことです。
「え? 最初に1800問って言っていたよね。それだけあれば十分じゃないの?」
確かに1800問ですが、実戦テキストが肢別過去問であることを考慮にいれなくてはなりません。
実戦テキストは過去問何年分?
宅建試験は四肢択一式です。つまり4つの選択肢で1問を構成します。とすれば実戦テキストに収録されている1800肢は計算上過去問450問分です(1800÷4)。
宅建試験の1回あたりの出題数は50問なので、実戦テキストに収録されている1800問はおおよそ過去問9年分だと考えなくてはなりません。
一般的な必要問題数は10~12年分
一般的に宅建試験の合格に必要な問題数は過去問10~12年分だと言われています。実際、市販の過去問題集は10~12年分くらいの問題数を収録しているものがほとんどです。
また毎年高い合格率をたたき出すことで知られるフォーサイト宅建士講座は私の調査では約13年分の過去問を収録しています。

このように宅建試験対策の一般的な基準からするとユーキャン宅建士講座の問題数はやや少ないんです。
問題数が少ないことのもう1つの側面
とはいえ収録問題数が少ないことはデメリットではなくメリットだと見ることもできます。なぜなら受講生としては解く問題は少なければ少ないほどありがたいからです。
過去問を解く作業は非常に頭を使いますので、疲れますし時間もかかります。慣れないうちは、試験1回分50問を解くだけで3~4時間かかったとしても不思議ではありません。
とすれば問題数が絞り込まれているほど学習の負担が軽くなるわけで、問題数は少ないほうが良いという見方も可能です。
問題数が少ないことをメリットと見るかデメリットと見るかは最終的には個々人の判断になりますが、ユーキャン宅建士講座の合格実績を考えるとそれほど間違った方向性ではないのかもしれません。
この記事のまとめ
今回はユーキャン宅建士講座の実戦テキストの概要を紹介し、メリット・デメリットを検討してきました。メリット・デメリットを復習しましょう。
- 独自の構成により基礎テキスト再読が不要
- 選択肢ごとの出題なので取り組みやすい
- 解説動画で気分転換しながら学習できる
- 収録問題数がやや少ない
※問題数が少ないことでスピーディかつ負担の少ない学習が実現する側面もある
実戦テキスト全体を通して感じるのは効率重視で勉強するための工夫が大いに組み込まれているということです。
テキストの再読を回避しつつ、肢別の出題なのでスキマ時間にも取り組みやすい。難問については動画でフォローしてくれますし、そのうえ問題数も9年分に圧縮されています。
根性論で長時間学習をするのではなく必要最低限のスマートな学習で合格を目指すのがユーキャン宅建士講座の戦略です。もしあなたが「毎日忙しくて時間が無い」「勉強は苦手だから最小限の努力で合格したい」と感じているなら理想的な講座だと言えます。
ユーキャン宅建士講座を受講して短い時間で質の高い学習を行い、着実に合格を目指しましょう。


