宅建試験一発合格済みの宅建士Kiryuです。
今回はユーキャン宅建士講座のテキスト『基礎テキスト』をレビューします。基礎テキストはその名が示す通り基礎的な知識の習得を目的とした教材です。
私はこのテキストを実際に使ってみてメリット・デメリット両方があると気が付きました。この記事ではそれらをできるだけ完結にまとめていきます。ぜひ通信講座を選ぶ際の参考にしてみてください。
※2022年4月追記:この記事でレビューしているのは、ユーキャン宅建士講座の「本科講座」の内容です。これに対し、ユーキャンは4月1日から「短期合格講座」を提供しています。両講座の内容は完全に一致するものではないことをご了承ください(短期合格講座のほうが絞り込まれたカリキュラムです)。主な違いは別記事で解説しています。
ユーキャン宅建士講座『基礎テキスト』のメリット・デメリット
最初に結論をお伝えします。ユーキャン宅建士講座の基礎テキストのメリット・デメリットは次の通りです。
- 解説がとてもわかりやすい
- ウェブ教材との連携により質の高い学習ができる
- コンパクトな3巻構成で、持ち運びも通読も楽
- 遊び心がほとんどない
各々の詳細を以下で見ていきましょう。
『基礎テキスト』のメリット
ここではユーキャン宅建士講座の基礎テキストのメリットを3つ指摘します。
解説がとてもわかりやすい
基礎テキストの1点目にして最大のメリットはベテラン講師が優しく解説するような文体で書かれており、その内容も非常にわかりやすいことです。
一例として基礎テキストの「債務不履行」の章から抜粋した次の箇所を見てください。
債務不履行は難しい概念ですが「Aの家をBが買う」という具体例を設定し、どんな状況で用いられる言葉なのかをイメージしやすくしています。また最終的に債務不履行を「約束違反」と言い換えています。誰にでもわかる言葉でとらえやすくしているわけです。
さらに講師が生徒に語りかけるような文体で書かれておりスッと頭に入ってきます。このように基礎テキストは初心者の人でも必ず理解できるように書かれているので安心して勉強を続けられます。
* * *
もうひとつ例を見てみましょう。宅建試験に毎年出題される不動産登記法という法律があります。権利関係分野の重要法令ひとつです。
宅建試験を攻略するためには登記の理解が欠かせません。でも土地や建物を所有していない限り登記に関わる機会はそう多くないため「よく知らない・わからない」という人がほとんどだと思います。
そこで基礎テキストの不動産登記法を学ぶ章の冒頭では登記がなぜ必要なのかということを次のように説明しています。
たとえば、A所有の建物をBが買ったとします。AとBにはその建物がBのものであることは分かります。しかし、他の人からは誰のものなのかは分かりません。そこで、不動産の権利関係を明確にし、不動産の取引の安全と円滑化を図るために登記という制度が登場します。
ここでも「A所有の建物をBが買った」という具体例が設定され、イメージしやすくしてから解説が始まっています。そして売買の当事者以外からは建物が誰のものなのかわからないという問題があるから登記が必要になる、と解説されています。
登記制度に馴染みがなかったとしても何となく「確かにそういう問題があるなら、権利関係を記録しておく公的制度が何かしら必要そうだな」と思わせてくれます。
このように基礎テキストでは難しい法制度を誰にでも理解できる言葉と具体例・図解で解説しています。わかりやすさが徹底的に追及されているので、初心者がつまづくことがないんです。
* * *
ちなみに宅建試験の受験勉強で挫折してしまう人の多くはテキストを使って学習している最中に「わからない」と感じ始めるようです。そして「わからない」が積み重なることで勉強の意欲を無くしてしまい挫折に至ります。
ユーキャン宅建士講座の基礎テキストならそういうことは起こりにくいでしょう。むしろテキストを読むと「わかる・わかる・わかる」が連続するので、ずっと読んでいたい気持ちになるくらいです。
読むだけで理解が促進されるテキストなので、結果的に基礎知識をスピーディに習得できます。このことは合格可能性を高めていく結果にもつながります。
ウェブ教材との連携により質の高い学習ができる
ユーキャン宅建士講座の基礎テキストを使うメリットの2点目はウェブ(インターネット)上の補助教材との連携により質の高い学習ができることです。
どういうことかというと、基礎テキストを読み進めるうちにこんなアイコンが現れます。
こちらのアイコンはユーキャン宅建士講座のオンラインツール「合格デジタルサポート」で解説動画が用意されていることを示しています。
動画の内容は講師によるピンポイント講義です。テキストの中で特に重要な部分を講師がわかりやすく伝えています。
といっても先にお伝えしたとおりユーキャン宅建士講座の場合テキストだけでも十分過ぎるくらいわかりやすいです。なので「実は動画の視聴は必須ではない」と私は考えています。
「それなら講義動画の使いどころはどこなの?」と疑問に思いますよね。私は復習する必要があるときに動画を見るのが良いと考えています。
というのもテキスト学習を一通り済ませた後、何らかの理由でテキストの一部を再読する必要が出てくることがあるんです。でも一度読んだテキストを繰り返し読むのは精神的には辛く感じます。
そういうときテキストを読む代わりに復習したい項目の解説動画を見るという方法が取れるのです。同じ内容でもテキストの文章を再読するのと講師の解説動画を見るのとでは印象が異なるため、新鮮な気持ちで学べます。
* * *
基礎テキストをさらに読み進めるとこんなメッセージが出てくることに気づきます。
○×チェックへGO!
こちらは先にも紹介したオンライン学習ツール「合格デジタルサポート」でクイズが用意されていることを示すメッセージです。クイズは「○×チェック」という名称で一問一答形式のドリルになっています。出題画面と解説画面はこんな感じ。
○×チェックを解くことにより理解があいまいだった部分が明確になり、考える作業自体が脳を刺激して記憶が定着しやすくなります。
以上見たように基礎テキストは補助教材である解説動画・○×チェックと連携しています。動画を見ることで全く新しい気持ちで復習に取り組むことができ、一問一答クイズを解くことで理解が深まります。
こうしておのずと質の高い学習が実現していくという点が基礎テキストを使う第2ののメリットです。
「解説動画・○×チェックがあることはわかったけど、充実しているの?実際には2~3個くらいの動画・クイズしかないんじゃないの?」
そのように気になる人もいると思います。そこで解説動画とウェブテストの数を数えて下の表にまとめました。
解説動画 | ○×チェック | |
---|---|---|
基礎テキスト1 | 181本 | 391問 |
基礎テキスト2 | 113本 | 242問 |
基礎テキスト3 | 135本 | 298問 |
合計 | 429本 | 931問 |
これだけの動画本数・問題数があれば学習の助けとしては十分です。(ただし動画と問題の数は時期によって変化していきますので上記は参考値としてご理解ください。)
ちなみに受講期間内であれば動画は何度でも見れますし、クイズも何度でも解けます。通信講座によっては回数制限があることもありますがユーキャンの場合は制限はありません。
動画・テストを日々の学習でガンガン活用して実力を上げていきましょう。
持ち運びも楽な3巻構成、オンラインテキスト有
ユーキャン宅建士講座の基礎テキストを使うメリットの3点目はコンパクトなA5版・3巻構成で持ち運びも通読も楽にできることです。
「宅建試験の勉強は自宅外でも積極的にやっていきたい」「通勤・通学時間などのスキマ時間を活用したい」と思う人は多いでしょう。でももし重たいテキストを毎日カバンに入れていたら外でテキストを開くのがおっくうになって、結局外では勉強しなくなってしまいます。
一方ユーキャン宅建士講座のテキストであればカバンに1冊入っていても全く気にならない程度の重さです。どこにでも気軽に持って行けるので自宅外での学習にも積極的になれます。
こうして学習時間が確保されることにより得点力がアップし、合格につながっていきます。
「紙のテキストすら、できれば持ち歩きたくない」という人も多いと思います。荷物が重くなるのはイヤですよね。その場合はオンラインの電子テキストを使いましょう。
スマートフォンやタブレットといった端末がネットにつながっていれば、いつでもどこでもテキストを読めます。スマホやタブレットを毎日持ち歩いている人はこちらの電子版テキストを読むことにすれば、紙のテキストを持ち運ばなくて大丈夫です。
基礎テキストは持ち運びが楽なだけでなく通読も楽です。「これくらい軽めのサイズ感なら勉強があまり好きじゃない自分でも読めるかも?」と思わせてくれます。
もちろん単に情報量を減らしてテキストが薄くなっているわけではありません。基礎テキストの薄さは余分な記述を可能な限り削減した結果です。文章もかなりスッキリしていて楽な気持ちで学習を進められます。
以上見たように基礎テキストはコンパクトな3巻構成になっていて持ち運びや通読が楽であるという点が基礎テキストの第三のメリットとなっています。
『基礎テキスト』のデメリット
ユーキャン宅建士講座のデメリットは言葉を選ばずにハッキリ言ってしまうと遊び心がほとんどないことです。
これはユーキャン宅建士講座の教材全般に言えることなのですが、良くも悪くも真面目一直線の雰囲気になっています。宅建試験の合格に必要なことは書いてあるのですが、それ以外のことは全く書かれていません。
遊び心をフォーサイト宅建士講座と比較
遊び心の有り無しはたとえばフォーサイト宅建士講座と比較してみるとよくわかります。
フォーサイトの場合テキストには「コラム」という息抜きコーナーがあったり、あるいは講義動画にも「COFFEE BREAK」(コーヒーブレイク)という講師のお喋りコーナーがあったりします。
ユーキャンの場合そういった寄り道の要素がありません。ひたすらストイックに脇目もふらず学習を続けることになります。個人的にはちょっと息がつまってしまうと感じるので、その点がデメリットだと考えています。
ただし感じ方は人による
とはいえユーキャン宅建士講座のそんなキマジメな雰囲気は人によっては良いと感じることもあると思います。
実際、寄り道など無いほうがテキストの分量も減り、ひいては学習に費やす時間も少なくて済むわけです。このあたりは個々人の好みで評価が分かれてくるところでしょう。
あなたは寄り道の要素が有るのと無いのとではどちらが好きですか?
もしあなたが「学習以外のことはどちらかと言えば不要。最速最短で試験対策を極めたい」という気概を持っているなら、ユーキャンのストイックな雰囲気はむしろメリットになるでしょう。
もし「ガチガチに勉強だけをするのではなく、寄り道の要素も取り入れつつ楽しみながら勉強したい」と思うならユーキャン宅建士講座のテキストはややカタ過ぎだと感じるはずです(そういう人はフォーサイト宅建士講座のほうが合っています)。
以上の考察をもとに、ユーキャン宅建士講座が自分に合っていそうかどうかを考えてみていただければと思います。
フォーサイト宅建士講座も気になってきた人は次の記事も合わせてチェックしてみてください。

この記事のまとめ
今回はユーキャン宅建士講座の基礎テキストについてメリット・デメリットをご紹介してきました。要点を復習しておきましょう。基礎テキストのメリット・デメリットは以下の通りです。
- 解説がとてもわかりやすい
- ウェブ教材との連携により質の高い学習ができる
- コンパクトな3巻構成で、持ち運びも通読も楽
- 遊び心がほとんどない
いずれにしてもユーキャン宅建士講座のテキストは長年にわたって合格者を輩出し続けてきた実績を持っており、信頼感は抜群です。
内容は全体を通して洗練されていて読みやすく、むしろ積極的に勉強したくなるくらい。個人的には使って後悔しないテキストNo.1だと思っています。
今回の話を通じて「自分に合いそうだな」と思えた人はユーキャン宅建士講座の受講を始めましょう。そのときが宅建試験合格への第一歩です。
以上、参考になれば嬉しいです。


