宅建試験に一発合格した宅建士杉山貴隆です。
「宅建試験は過去問を完璧にマスターすれば合格できる」。そう語る人が大勢います。だからあなたがそれを真に受けてしまうのも無理からぬことです。でもここではっきりと指摘しておきます。
「過去問だけで合格できる」は真っ赤なウソです。信じるべきではありません。
宅建試験に過去問だけで合格できないことは試験そのものの構造や試験の歴史・現状を観察すればすぐにわかることなんです。しかし宅建講座の講師など権威をもった人物が「過去問だけでOK!」と言うと、多くの人はついその言葉を信じてしまいます。
そこで今回は宅建試験は過去問だけで合格できないという真実を明確に指摘したいと思います。この記事を読み進めていくとあなたには次のメリットがあります。
- 過去問だけで受かると仮定すると説明できない事実があるとわかる
- 過去問だけで受かるという言説の歴史的位置づけがわかる
- 過去問以外に何をすれば宅建試験に合格できるのかわかる
このブログの運営者杉山貴隆は宅建試験の受験生だった頃「過去問だけで合格できるというのは何か変だぞ?」と感じ取りました。そして自分なりに考えて施策を打ち、宅建試験に一発合格できました。
以下で受験当時の私が感じ取ったこと・考えたこと・対策したことをまとめています。あなたの合格にもきっと役に立つはずです。
過去問だけで受かるとしたら説明できない事実
「宅建試験は過去問だけで合格できる」説はおそらく全ての受験生が一度は耳にしたことがあるでしょう。何となく耳触りが良いので、多くの人の心に刺さるようです。
でも本当に過去問だけで合格できるとしたら、宅建試験の合格者が毎年15%程度にとどまるのは何故なのでしょうか?
宅建試験は毎年20万人が受験し、たったの3万人しか合格していません。不合格となった17万人の人達も皆「過去問だけで合格できる」という言葉を聞いたことがあったはずです。
彼らは過去問に取り組まなかったのでしょうか? あるいは過去問の有効性は信じていたけど十分に勉強する時間がとれなかったのでしょうか?
私はどちらも違うと思います。おそらく不合格となった17万人の中には、過去問を何周も回し100%の正解率になるまで仕上げた人が何万人もいたはずなんです。
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もちろん過去問に対する態度は人によりさまざまだと思います。中には過去問には全く手をつけずテキストだけ読んで受験した人もいれば、過去問に取り掛かったが1周するかしないか程度で終わった人もいたことでしょう。
とはいえこれだけ過去問の重要性が強調されている中です。ひたすら真面目に過去問に取り組み、過去12年前後の出題であれば100%正解することができるようになった人達が17万人中数万人はいただろう、そう推測しても不自然ではないと思います。
そして彼らは「もう大丈夫。過去問をしっかり解いて完璧にしたから、これで合格は間違いない」と信じていたに違いありません。しかし勝利の女神は彼らに微笑まず、彼らを不合格の谷底へと突き落としています。
「過去問だけやれば合格できる」が真実だとすれば、彼らの不合格は一体どうやって説明すればいいのでしょうか? 納得いく答えはどこにもありません。とすれば前提である「過去問だけで合格できる」という言説がそもそも間違っているのです。
確かに昔は過去問だけで合格できた
「過去問だけで合格できる」の一文はもし文の終わりが過去形だったら真実だと言えます。つまり「過去問だけで合格できた」は正しい。15年くらい前までなら確かに過去問を繰り返し解くだけで非常に高い確率で合格できたんです。
しかしそれ以降、過去問重視の勉強法が広く知られるようになりました。そうすると当然ですが過去問を熱心に解く受験生が増加します。受験生のレベルが向上すると、それに合わせて試験そのものが難化していきます。
このようなプロセスを何年も繰り返した現在では受験生全体の知識水準が大いに底上げされ、宅建試験を過去問だけで攻略することが困難なほど試験の難易度が高くなってしまいました。
こういった経緯で「過去問だけで合格できる」説はすでに過去のものになっているのです。過去問だけで十分なんだと思わせてくれる前時代の必勝法はシンプルでつい魅力的に感じてしまうかもしれませんが、いったん忘れましょう。
あなたはあなたの時代にあった勉強法を淡々と実行し、合格を勝ち取らなければなりません。
現代の宅建試験で有効な勉強法は?
すっかり難易度が上がった現在の宅建試験では「過去問12年分程度を完璧に仕上げる」程度のことは合格者であれば誰でもやっています。言い換えれば過去問演習はせいぜい「合格するために最低限必要な作業」に過ぎません。
それでは合格のためには過去問以外に何が必要なのでしょうか?「過去」だけを見て勝てないのであれば「未来」に目をやる必要があります。すなわち「次に出ると予想される問題」を攻略することが宅建試験を攻略することであると言えます。
そこで役立つのが、資格対策予備校が出している予想問題集(予想模試)です。
予想問題集は資格対策予備校各社が過去の出題履歴を徹底的に分析し「次の本試験にはこの分野がこんな形式で出るはず」と予想し、そのエッセンスを詰め込んでいます。
そして、その出題予想は当たります。(予想問題集の冒頭で「昨年度もこんなに的中しました」と詳しく紹介されていることが多いので、参考にしてみてください。)
といっても1冊の予想問題集で「お見事!」と言えるくらいに的中するのは片手か両手で数えるくらいの少数の肢かもしれません。でも宅建試験では1肢の正誤が判定できれば1つの問が正解できることもよくありますので、少数の肢であっても的中することの価値は大きいです。
さらに、予想問題集のやり込みを数冊重ねれば自分の中に「当たり」の肢がストックされていき、数問という単位で正解が増え、試験本番の得点アップに繋げることができます。
まとめると、現在の宅建試験に合格するためには予想問題集に取り組んでおくことが必要不可欠です。私自身、過去問10年分程度に加えて予想問題集をしっかりこなしておくことで、50点満点中40点という余裕のある点数で宅建試験に合格できました。
合格率の高い通信講座も予想問を利用
ここまでの私の主張は「過去問だけで宅建試験に合格することは難しい」「過去問と予想問の両方を勉強しておくことが宅建試験合格の一番の近道だ」というものでした。
「でも、それってあなたの独断と偏見でしょ?どこまで信じて良いか分からないな…」
という声が聞こえてきそうです。しかし私だけがそう考えているのではありません。
たとえば毎年高い合格率を記録することで有名なフォーサイト宅建士講座は、教材の中に過去問だけではなく模擬試験1回分を含んでいます。
「模擬試験」はフォーサイト宅建士講座のオリジナル予想問題です。
フォーサイトの受講生はこの模擬試験を何度も解いて解答・解説を読み込んでいます。結果として「過去問だけで合格できる」と信じている人達に大きな差をつけ、合格可能性を飛躍的に高めているのです。
フォーサイトのように毎年多くの受講生を合格に導いている通信講座も過去問以外に予想問を解くことを推奨しています。
こういった事実を踏まえると「過去問だけでは合格できない」という主張が私のひとりよがりな意見でないことがおわかりいただけるのではないかと思います。
今紹介したフォーサイト宅建士講座に関しては私自身も実際に購入・受講してレビュー記事をいくつも書いています。質・量ともに充実した講座になっていて、かなりオススメです。
さらにフォーサイト宅建士講座は2018年・2019年・2020年にオリコンの宅建士通信講座ランキングで1位を獲得しています。
⇒ 【フォーサイト公式】フォーサイトがオリコン顧客満足度調査「通信講座 宅建」で第1位を獲得
つまり私以外の多くの受講生からも支持されている高品質な通信講座なんです。過去問と予想問の両方を使った試験対策をしたい方はフォーサイト宅建士講座をぜひ受講しましょう。
この記事のまとめ
今回は「過去問だけで宅建試験に合格できるのかどうか」について私の考えをお伝えしてきました。この記事の要点を復習しましょう。
- 「過去問だけで合格できる」が真実だとすると、過去問を一生懸命に解いて完璧に仕上げたのに合格できなかった人が大勢いることを説明できない
- 過去問だけで合格できた時代もあったが、既に過去の話である
- 過去問演習はせいぜい合格するために最低限必要な作業でしかない。別途予想問題集を利用する必要がある
過去問だけやっていると落ちる。この真実に早く思い至ることが合格への近道です。
以上、参考になれば嬉しいです。
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次回は宅建試験に受かる気がしない人がとるべき対策について検討します。下のブログカードをタップすると移動できます。