宅建試験一発合格済みの宅建士Kiryuです(*^o^*)
今回は宅建試験が難しい理由と、難しさを乗り越えるための具体的対策についてお伝えします。
「勉強を始めてみたら、宅建って意外と難しい!」「どうしたらいいの?」と考えている方は、この記事の内容を参考にしてほしいです。
きっとこれまでとは少し違う捉え方ができるようになり、受験勉強がスムーズに進むようになります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
なぜ宅建の資格試験は難しいのか
宅建試験が難しい理由は、一言で言えば「落とすための試験だから」です。
毎年約20万人もの大量の受験者がいるのですが、その大半を不合格にするために意図的に難しく作ってあります(^^;)
実際、合格率は毎年約15%になるように調整されており、8割以上の人が不合格になるんです。
難しいと感じるのは自然なこと
もしあなたが「宅建試験って難しい」と感じたとしても、不安になる必要はありません。
もとより「落とすための試験」として作られていますので、受験生はみんな難しいと感じています。
難しく作られたものを難しいと感じるのはごく自然なことですよね。
「難しい」を攻略するために
とはいえ、単に「難しい」と感じているだけでは合格には近づけません。
「難しいと感じるから、どう対策すれば良いか?」を検討していきましょう。
私のおすすめは、あなたが具体的に何をどう難しいと感じているのか、一度冷静になって考えてみることです。
宅建業法や権利関係など、「特定の科目」が難しいのでしょうか?
あるいは、「過去問」を解いてみたら難しいと感じた?
もしかすると、「模擬試験」を受けてみたら思っていたよりずっと難しかったということかもしれませんね。
いずれにしても、自分が宅建のどういう側面を難しいと感じているのか、見極めましょう。
そして、その内容に応じた対策を打っていけば、問題は解決するはずです。
私が提案できる対策を、以下に示していきます。参考にしてみてください。
宅建試験の科目(分野)ごとの対策
もし宅建試験の特定の科目が難しいと感じる場合は、次の方法を試してみてください。
宅建業法が難しい場合
宅建業法には、「こんな決まりがあるの!?」と驚いてしまうような規定・制度がたくさん定められていますよね。
宅建業法が難しいと感じる場合は、「宅建業者は悪だ」「消費者は善だ」という観点でもう1度学習してみてください。
宅建業法は、極端な言い方をするなら「不動産屋が無知な消費者をだまして不当な利益を得ないようにするための法律」です。
たとえば、不動産屋に悪いことをさせないために免許制度が運用されています。
また、不動産屋に法律を守らせるため、従業員5人に1人の割合で宅建士雇わせています。
さらに、売主が宅建業者のときには特に厳しくするため、8種制限なんてものもあります。
なぜこんな複雑で奇妙な制度があるんだろう?と思ったときは、宅建業者から消費者を守るという観点でとらえ直してみましょう。
ナルホド!と腹落ちするはずです。
権利関係が難しい場合
権利関係は宅建試験の中でも最も難しいと言われている科目です。
権利関係が難しいと感じる場合は、「民法は対立する二者の利害のバランスをとるための法律である」「バランスのとり方には根拠がある」という観点でもう1度学習してみてください。
* * *
たとえば、AがBの詐欺や強迫により自己所有の土地をBに売り、Bがその土地を善意のCに売った場合。
AがAB間の土地の売却を取り消せるか、という論点がありますよね。
Bの行為が詐欺だろうと強迫だろうと、本来、AもCも悪くありません。
Aは詐欺または強迫の被害にあっただけですし、Cは何も知らずに買っただけですから。
でも、土地は1つしかないので、Aのものになるか、Cのものになるか、どちらかしかありません。
AとCは利害が対立しているんですね。
こういうとき、土地がどちらのものになるかを法律で決めておかないと、喧嘩になってしまいます。
そこで民法は、「Bの行為が詐欺のときは、AB間の売買の取消は不可。土地はCのもの」「Bの行為が強迫のときは、AB間の土地は取消可。取り消した場合、土地はAのもの」と決めています。
そうすることで、AとCの利害のバランスを取っているんです。
* * *
でもなぜ「Bの行為が詐欺のときは土地はCのもの」で、「Bの行為が強迫のときは土地はAのもの」と決めたのでしょうか。
そこには一応の根拠があります。
「Bの行為が詐欺のときは、Aはよくよく注意をしていれば騙されることを防げたかもしれないから、落ち度がゼロではない。ゆえにAよりもCを保護するべきなので、AB間の取消は認めない」
「Bの行為が強迫のときは、Aの落ち度はゼロだ。この場合Aは全く悪くない。強迫によってなされたAB間の売買をAの意志に反して有効とすれば、正義に反する。だからAが取り消したいという場合には取消可とする」
こんな感じです。
何の根拠もないバランスのとり方をしているのではなく、それなりの理由があるんですね。
* * *
民法や、権利関係で扱われるその他の法律は、「対立する二者の利害のバランスをとる」という原点に立ち返って考えると、スッと理解できるようになります。
また、「なぜそのようなバランスのとり方なのか」という根拠・理由付けの部分もおさえておくと、未知の出題に対しても推論を働かせて答えることができるようになります。
法令上の制限が難しい場合
法令上の制限が難しい場合は、「暗記しない」ことを意識してください。
法令上の制限の難しさの原因は、覚えておかなければならない数字や用語の多さです。
やれ1,000㎡だ、5,000㎡だ、やれ第一種中高層住居専用地域だ、高度地区だ、高度利用地区だと、もうわけがわからなくなりますよね。
こういったものは、一度に全部暗記しようと思っても無理です。
かといって何回かに分けて暗記してもすぐ忘れてしまいます。
だから暗記してはいけません。
暗記は諦めましょう! 私は早々に諦めましたよ(^^)
ではどうすればいいかというと、「問題を繰り返し解いていく中で、自然と脳に定着することを狙う」のが良いです。
最初は、テキストを見ながら過去問を解きます。
1~2回解いて、何となくわかったかなという気になったら、次はテキストを見ないで解きましょう。
解き終わったら、正解した問も不正解だった問も、解説を読み込んで復習です。
あとはこれを繰り返します。4回、5回と解けば、イヤでも覚えてくるはずです。
といっても、1日のうちに何度も解くのではなく、今日解いたら次は明日、その次は明後日、という具合に少し時間をあけて解くのがコツです。
1日とか数日という単位で時間を空けて何度か繰り返すと、記憶が強化されて非常に忘れにくくなります。このことは、エビングハウスという心理学者の研究によって科学的に実証されています(エビングハウスの忘却曲線)。
ひたすら数字や用語暗記しようと一生懸命になるのではなく、過去問等の問題を何度も解いて、「いつのまにか覚えている」という状態を目指してください。
過去問が難しい場合
過去問を解いていて「難しい」と感じることがあると思いますが、「あまり気にしない」というのがとるべき対策になります。
なぜかというと、宅建の過去問はテキストを1~2回読んだくらいで解けるものではないからです。
たとえば私の場合、テキストを深く読み込み、サブノートも大量に作ったのに、過去問10年分を最初に1周したときは30点台前半くらいしかとれず、かなり焦りました。
その辺の話は、次の記事で詳しくお伝えしています。

でも、今になって考えると、誰でも最初は解けないものなんです。
なので、全く気にしなくて構いません。
気持ちを切り替えて、過去問を2周、3周と続けてください。
そして、1周するたびに解説をしっかり読み込んで理解してください。
これを愚直に繰り返した人のみが、合格する可能性をつかめます。
なお、過去問の難易度は年度によってばらばらで、「特に難しい年度」というのもあります。
最近でいうと、2014年(平成26年)と2015年(平成27年)の宅建試験は難しく、受験生の点数も全体的にかなり低かったようです。
その次に難しかったのが2008年(平成20年)・2009年(平成21年)・2012年(平成24年)だと言われています。
これらの年の過去問を解いて難しいと感じた人は、「あぁ、やっぱり難しい年度だったんだ~」と気軽に受け止めるようにしましょう。
模試が難しい場合
LEC・TACなどが実施または出版している予想模試が難しいと感じた場合、その原因は2つ考えられます。
* * *
原因の1つめは、こういった資格スクールの模擬試験は、実際に難しく作っている場合が結構多いということです。
特に会場で受験するタイプの模試は、かなり難しいという声がよく上がっています。
なぜ難易度を上げた模試を作るのかというと、受験生に「難しい!ヤバい!」と思わせて、本試験までにできる限り多く勉強してもらおうということなんですね。
なので、こういった資格スクールの模試があまりにも難しいと感じた場合、「意図的に難しく作ったんだろうなぁ」と思っておけばOKです。
あとは、やるべきことは決まっています。
淡々と模試の復習をして、本試験に備えましょう。
模擬試験が難しかった分、宅建試験の本番は少しやさしく感じるかもしれません。
そのときは資格スクールの模試作成者に感謝しましょう(^^)
* * *
原因の2つめは、模試の問題は「初見の問題」なので難しく感じられる、ということです。
模試を受ける人は、たいてい過去問を何度も解いている人ですよね。
過去問って、繰り返し解いていると当然ですがサクサク解けるようになります。
その感覚のままいざ模擬試験を受けると、「あれ?いつものように解けない…」という感覚に陥ります。
それで「難しい」と感じるわけですね。
これも、そういうものなので気にしないでください。みんな同じですから(^^)
そして、やはりやるべきことは決まっています。
淡々と模試の復習をして、本試験に備えましょう。
ちなみに、初見の模試でもサクサク解けるという猛者がたまにいます。
それは上位3%の天才なので、無視でOKです。
よくある質問
「難しい」と感じることについて、その他のよくある質問に答えます。
5問免除のための登録講習は難しい?
5問免除を受けるために受講する「登録講習」は、修了試験も含めて難しくないです。
安心して受講を申し込みましょう。
5問免除については次の記事で詳しくお伝えしています。

用語が全体的に難しい…
宅建関連の用語は耳慣れないものが多く、確かに難しいと感じられます。こればかりは慣れるしかない、というのが正直なところです。
私も、民法の担保権の用語(「抵当権」「先取特権」「質権」等)は、たびたびわからなくなるので難しいと感じていました。
用語は、わからなくなった都度、テキストや用語集で意味を調べましょう。
意味がわかったら過去問を解いてください。知識を実践で使うと、より深く理解できますし、定着しやすくなります。
テキストで調べる他に、ネット上の用語集を使うというのもオススメですよ。
本番は難しい?
宅建試験の本番は、少し難しく感じられます。
先に「模試が難しい場合」のところでも触れましたが、初見の問題は難しく見えるからです。
本試験で「あっ、難しいな…最後まで解けるか不安だな…」と感じるかもしれませんが、恐れるなかれ。
周りの人全員が同じように感じています。
本番では、今まで積み重ねてきた成果を発揮するつもりで全力を尽くせば大丈夫です。
結果はきっとついてきます。
今年の宅建は簡単?難しい?
「今年の宅建」が未来の宅建試験のことであれば、難しいかどうかは誰にもわかりません。
「今年の宅建」が既に終わった宅建試験のことであれば、資格スクールの講師の先生やスタッフが「試験講評」を出しますので、そちらを参照してみると良いと思います。
「試験講評」については次の記事で詳しく説明しています。

この記事のまとめ
今回は「宅建試験が難しい理由」と「難しさを乗り越えるための具体的対策」についてお伝えしました。
記事のポイントをまとめると、以下の通りです。
- 宅建試験は「落とすための試験」であり、難しいと感じるのは自然である
- 自分が何をを難しいと感じているのかを明確にして、その内容に応じた対策をとると良い
上記の指摘に基づき、「科目ごとの対策」「過去問が難しい場合の対策」「模試が難しい場合の対策」について、それぞれ述べてきました。
- 宅建業法が難しい場合
- 「宅建業者は悪だ」「消費者は善だ」という観点でもう1度学習する
- 権利関係が難しい場合
- 「民法は対立する二者の利害のバランスをとるための法律である」「バランスのとり方には根拠がある」という観点でもう1度学習する
- 法令上の制限が難しい場合
- 「暗記しない」ことを意識し、問題を繰り返し解いていく中で自然と脳に定着することを狙う
- 過去問が難しい場合
- 気にせず過去問演習を繰り返す
- 模試が難しい場合
- 気にせず模試を復習する
以上、参考になれば嬉しいです。
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