働きながら独学で宅建試験の対策をして、初回受験で一発合格できた宅建士杉山貴隆です。
今回はこんな悩みや疑問に答えます。
独学で勉強したいけど、どうすればいいのか分からない!
絶対に合格したいんだけど、高得点を取るにはどうしたらいいの?
合格した人の「こうしておけばよかった」って話も聞いてみたい!
私の場合、法律知識ゼロの状態から独学をスタートしました。半年ほどかけて自分なりに受験対策を進め、受験。試験当日の夜に自己採点した結果は50点満点中40点でした。
宅建試験で8割とれれば高得点です。「絶対に落ちることはない」と確信できて、ホッとしたことを今でも覚えています。
そのような経験を踏まえて今回は私が高得点で合格できた宅建学習法を詳細にお話ししたいと思います。今となっては「こうすれば良かった」と感じていることもあります。そういった反省点も含めてお伝えしていきます。
記事を読み進めていくと、あなたは次のメリットを得られます。
- 当ブログ運営者杉山貴隆の独学勉強法が分かる
- 高得点を取って確実に受かるための方法が分かる
- 合格者が感じた反省点を今後の勉強の参考にできる
ちなみに私は宅建の受験で得られた知見をもとに自分の学習法を洗練させ、マンション管理系の資格試験である管理業務主任者試験にも独学一発合格できました。
2つの不動産系国家試験に合格できたことから確度が高く再現性のある独学勉強法になっていると自負しています。※嬉しいことに読者の方から「こちらのブログを参考にして勉強し宅建試験に合格できた」とのご報告もいただいています。
きっとあなたの宅建合格の助けになるはずです。ぜひ最後まで読んでください。
受験した年の私の状況・勉強時間
はじめに私の受験当時の状況と日々どのくらい勉強したのかを共有します。
私が宅建試験の勉強を開始したのはある年の3月の半ば頃でした。普通にサラリーマンをやっていましたので、時間の捻出が大変だと感じました。
平日は朝早起きして1時間くらい勉強しました。夜は残業で遅いため勉強できず。休日は日によりますが3時間くらいは勉強しました。
色々あって当時勤めていた会社を8月いっぱいで退職。それから10月の受験までは就職活動をしつつ宅建の学習を続けました。
宅建試験の合格に必要な学習時間は300時間くらいだと言われています。私が受験対策に充てた時間は後で計算してみるとそれより多く、全部で400時間くらいでした。
学習の流れは3ステップ
私がとった学習方法は結果的に次の3ステップでした。
- テキスト学習
- 過去問演習
- 予想問演習
初めから上記の3ステップと決めていたわけではありません。テキスト学習と過去問演習は必須と考えていましたが、予想問演習は試験が近づいてから必要性を感じ追加しました。
結果的に予想問演習を追加したことで他の受験生との差別化ができ、高得点・一発合格の大きな助けになったと考えています。
その辺りの考えは「過去問だけでは合格できない」の記事で書きましたので時間のあるときにどうぞ。
以下では私がとった学習方法の3ステップを詳しく説明します。
【独学ステップ1】テキスト学習
独学の第1ステップはテキスト学習です。何はともあれ、まずは宅建試験の対策テキストを読み込んで基礎知識をつけなければなりません。
私が使った参考書
私が使ったのはユーキャンの市販テキスト『宅建士速習レッスン』でした。ユーキャンのテキストを選んだ理由は次の3点です。
- 講師が受講生に語りかけるような文体で書かれていて、「通信講座や通学講座を受講する代わり」になると思った
- 抽象的な法律の話を具体例に置き換えて説明しており、理解しやすそうだと感じた
- 資格対策で有名なユーキャンなら大丈夫そうだと思った
『宅建士速習レッスン』は実際に使ってみると非常にわかりやすかったです。このテキストを選んだのは正解でした。
※『宅建士速習レッスン』は2022年度より『ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』にリニューアルしています。
宅建の独学用テキストに関する現在の私の考えはおすすめ・ランキングに頼らないテキストの選び方の記事で詳しく書いています。ぜひ参考にしてみてください。
私の勉強法
私は学習を始める前から「同じテキストを2回以上読むのはイヤだな」と考えていました。
そのためいわゆる「サブノート」を作ることにしました。テキストを1章分読み終わるごとに手元のノートに要点をまとめていく学習方法です。
要点をまとめる作業はテキストの内容をきちんと理解していなければできません。つまりサブノートを作ると決めたことでテキストを1ページずつ確実に理解していく作業を自分に課したことになります。
そうすることで1回の読了でテキスト学習を終わらせようと思ったわけです。しかし結果的にはサブノートを作ったことは失敗でした。(後述します)
サブノートは紙のノートに手書きするのではなくパソコンのMicrosoft Wordで作成しました。参考までに当時のサブノートを一部抜粋します。
上の画像は重要事項説明に関する論点をまとめた部分です。箇条書きが好きなので、ほとんど全ての箇所を箇条書きにしています。
PCでサブノートを作る利点は任意のキーワードで素早く検索できる点です。「あの論点、どういうことだっけな?」と思ったとき、Wordの検索機能(Ctrl + F)を使えばすぐに該当箇所を探し出せます。
たとえば「重要事項説明」というキーワードでWordファイル内を検索するとこんな感じです。
ファイル内の「重要事項説明」が含まれる箇所が瞬時にリストアップされます。検索機能は後々復習をする際に役に立ちました。
反省点
サブノートを作ることで当初の狙い通りテキストの通読は1回で済みました。またテキストの理解の促進と知識の定着の面でも大きな効果があったと思います。
しかしサブノートの作成作業そのものに非常に時間がかかってしまうというデメリットがありました。
ノートをとるためにはテキストの内容を一度インプットして頭の中でまとめて、それをノートに書きつけていくわけですから、時間がかかるのは当然です。
1章分読んでまとめ終わるのに平均で3時間くらいかかっていたと思います。上記のテキストは60章あるので単純計算で180時間をテキストに費やしたことになります。
サブノート作成を自分に課したため、3月半ばに開始したテキスト学習が終わったのは6月末頃となりました。通しで1回読むのに3カ月余りとは…時間がかかり過ぎです。
ということで、今となってはサブノートはやめておくべきだったと反省しています。もし私が過去に戻ってもう1度宅建試験の勉強をするなら、サブノートは取らずにテキストを2回通して読むでしょう。
※この反省を生かし、その後の管理業務主任者の学習ではサブノートを取らずテキストを2回読んだのですが、予想通りテキスト学習の時間がかなり短く済みました。またノート作成作業がないぶん精神的にも楽でした。
【独学ステップ2】過去問演習
独学の第2ステップは過去問演習です。一般的に宅建試験を攻略するためには10~12年分の過去問をマスターするべきだと言われています。
そのため宅建試験に本気で合格したい人達は皆、過去問を解きまくってきます。彼らと同じ土俵に立つためにも過去問演習は欠かせません。
私が使った参考書
受験対策をしていた当時、私は全くと言って良いほどお金がありませんでした(今もですが)。 そのため当初「過去問はネットに掲載されている無料のもので何とかならないだろうか?」と考えました。
それで宅建スーパーWEBサイトというサイトに掲載されている無料過去問を利用しようと決めました。まずは3年分をと思い、プリンターで印刷して解いてみましたが…
大量の紙がかさばって管理がすごく面倒だ!と気が付きました。
市販の問題集のようにきれいにまとまっていないので、整理して保管するだけでも時間を浪費してしまいます。そのためネット上の過去問を使い続けるのはすぐにやめました。
私が受験した年は宅建士の過去問7年分というものが販売されていました。私は過去問7年分を購入し、既に印刷し終えていた3年分と合わせて合計で10年分の過去問演習をしました。
私の勉強法
過去問10年分を繰り返し3周解きました。宅建の本試験は2時間なので、各回を2時間以内で解くようにしました。
つまり毎回毎回、時間を測って解いたということです。そうすることで「どのくらいのスピードで解き進めていけばいいのか」が体感で分かるようになりました。
早い段階で解答速度の感覚をつかんでおくと、その後の問題演習を全て「試験本番のリハーサル」に変えることができます。
言い換えると本番と同じくらいのスピードで解くことを常に意識しながら問題演習に取り組めるということです。演習の効果が抜群に上がりますのでオススメです。
試験1回分を解いたら、正解できた問題も間違った問題も、じっくり解説を読み込んで理解し直すように努めました。解説で不明な点があれば、ネットで調べました。
1周目は試験1回分を解くのに2時間、解説の読み込みに4時間くらいかけていました。試験1回分だけで合計6時間かけていたため、過去問演習をするたびグッタリしていました。
計算すると試験10回分を1周するのに60時間かかったことになります。
1周目は時間がかかりますが、2周目・3周目は解答するのも解説を読むのもスピードが上がります。1年分50問を解いて、解説を読み流すまでやって3~4時間くらい。
2周目は40時間、3周目は30時間かかった計算です。過去問演習で合計130時間かかりました。
テキスト学習と過去問演習とを合計すると、310時間です。既に宅建試験の合格に必要だと言われている学習時間「300時間」に到達しています。
でもここはまだ通過点に過ぎないのです。ここからが本番!
反省点
過去問演習の反省点は最初から過去問10年分程度の紙の問題集を購入しておけばよかったということです。
お金がちょっと惜しかったばかりに当初ネットの無料過去問を使おうとしました。その後も「ネットの無料過去問3年分、購入した書籍で7年分」という変則的な過去問演習をしていたのですが、管理の面で手間が増えただけでした。
過去問題集は必要経費だと思ってはじめから10~12年分を購入したほうが断然効率が良いです。そのほうが法改正に対応した最新の解説をきちんと読むこともできますしね。
ネットの無料のものはたいていは法改正に対応しておらず古いままになっていますので注意してください。
【独学ステップ3】予想問演習
独学の第3ステップは予想問演習です。
繰り返しになりますが、当時の私はお金がありませんでした。資格対策予備校には通えませんし、共通模試のようなものに参加するお金もありませんでした。
でもそんなのは言い訳にはなりません。当時の私は宅建に合格しなければ再就職は絶望的な状況でしたから、予備校に通って合格を狙っているような人たちにも打ち勝って確実に合格する必要がありました。
そのためには市販されている予想問題集(予想模試)を使用して実力アップを図ることが不可欠。過去問を解き終えた頃の私はそう確信していました。
また宅建試験は年々難化してきています。そのことからも「過去問演習だけで合格できると考えるのはそもそも間違いだ」と思うようになっていました。
以上のことから私は予想問演習をいかにこなすかが勝負の分かれ目だと考え、予想問(予想模試)を繰り返し解く道に突き進みました。
私が使った参考書
私は市販されている予想問(日建学院などの有名どころ)を3冊購入しました。
(補足:読者からの質問に答える記事で「同じものを3冊? それとも違う出版社のものを3冊?」とご質問いただきました。違う出版社のものを3冊です。質問者様に感謝!)
予想問題集には1冊あたり3~4回分の模試が含まれています。合計で試験10回分の演習ができるように3冊そろえました。
10回分って多くない?と思われたかもしれません。でも私は逆の考えでした。私は絶対に確実に合格したかったので、最低でも10回分をやるのだと心に決めていました。
ポイントは「誰もこれほどの量は勉強してこない。これだけやれば95%の人には負けないから、絶対に合格できる」というレベルまで自分の実力を引き上げておくことです。
なお予想問の中には本試験よりもずっと難しく作られているものもあります。なので取り組んでみて「難し過ぎる!」と感じたとしてもあまり気にしないことにしていました。
私の勉強法
過去問演習と全く同じやり方です。1回分を解いて解説を読み込む、の繰り返しでした。
1周目は1回分を解くのに2時間、解説の読み込みに4時間、計6時間ほどかけて解きました。これを10回分やるので60時間かかります。
もう1周しました。解くスピードも解説を読み込むスピードも上がるので、2周目は40時間くらいです。
本当はもう1周やりたかったのですがタイムリミットがやって来ました。そのため予想問演習は100時間で終わりです。テキスト学習・過去問演習と合わせると合計で410時間かかりました。
反省点
予想問をしっかりやり込むというのは我ながら目の付け所が良かったと思っています。
最近は以前よりも予想問演習の重要性が少しずつ認識され始めているように思います。ですが当時は「宅建と言えば過去問!過去問だけで十分合格できる!」という意見が圧倒的でした。
そんな中あまり人が目をつけていない予想問までじっくり対策しておくことで一歩も二歩も抜きん出ることができ、高得点独学一発合格を勝ち取れたのだと考えています。
今でも予想模試を10回分やり込む人は滅多にいません。なので「絶対合格したい!」という人は予想模試10回分の反復練習を強くお勧めします。時間はかかりますが、他の多くの受験生を追い抜いて、合格をググッと引き寄せることができます。
反省すべき点は、時間が足りなくて予想問演習の3周目ができなかったことでしょうか。テキストにかける時間をもう少し圧縮できていれば3周目の時間も作れたかもしれません。
この記事のまとめ:合格したいあなたへ
以上、色々な反省もありながらの私の宅建学習法でした。この記事のポイントをまとめておきます。
- 「テキスト学習」「過去問演習」「予想問演習」の3段階の学習を経ることで独学一発合格できた
- テキストを読む際はサブノートを作るべきではない。過去問は無料のものを利用するのではなく、10~12年分が収録されているものを購入する
- 合格可能性を最大限高めるために市販の予想問(予想模試)を10回分やると良い
参考書にかけた費用はテキスト3,000円、過去問1,700円、予想問3冊4,700円で、合計およそ1万円。金銭面だけ見れば資格対策予備校に通うよりはずっと安く済みました。
ここまでお伝えした内容があなたの今後の学習の参考になれば嬉しいです。
* * *
ところで「独学ってこんなに大変なの!? 自分にできるか不安…」と感じた人もいるのではないでしょうか。
残念ですが、そう感じたあなたには独学はあまりオススメできません。
実は私がストイックに400時間も勉強できたのは、私自身が勉強が好きで得意であるという要因が結構大きいです。私の周囲にいる独学で一発合格を成功させた人を見ても、やはり頭脳派が多いと感じます。
では勉強が嫌いな人や苦手な人に宅建合格は無理なのでしょうか? もちろんそんなことはありません。ただ、独学にこだわるのはやめて通信講座を利用するほうが良いと思います。
なぜなら…宅建試験って、合格率約15%ですよね。100人いてもたった15人しか合格せず、残りの85人が落ちるという狭き門です。
この15人+85人の構成比ってどんなものだと思いますか? 正確なデータはありませんので想像ですが、私はこんなところだろうと思っています。
- 上位5人
- 勉強が好き・得意で、しかも通信講座や通学講座を利用し効率よく勉強した人(→もちろん合格。こいつらに勝てるわけがない)
- 次の上位5人
- 勉強が好き・得意で、独学で地道に対策した人(→合格)
- 次の上位5人
- 勉強が嫌い・苦手で、通信講座や通学講座を利用した堅実な人(→合格)
- 残りの85人
- 勉強が嫌い・苦手で、独学で済ませようとした人(→不合格!)
上位の10人は勉強が好きだったり得意だったりする地頭の良い人が独占しています。
勉強が嫌いな人や苦手な人は残る5人分の席に滑り込まなければならないのですが、そうすることを助けてくれる唯一の手段が通信講座なんです。
(※通学講座は値段が高すぎますし、時間の融通も利きにくいので除外します)
宅建試験対策の通信講座といっても色々ありますが、私はいくつかの通信講座を実際に購入して使ってみた結果、フォーサイト宅建士講座を一番オススメしています。
フォーサイト宅建士講座なら、テキスト学習・過去問演習・予想問演習の3段階全てに取り組むことができるからです。※私の基準からすると予想模試の分量が少ないのですが、その分過去問が多く収録されています。
「できれば独学で合格したいんだけど…」というあなたの気持ちは分かります。私もそう思って独学しましたので。でも独学で合格するのは本当に大変です。
私の場合は初めから「自分ならできる!」という謎の確信があったので独学を決行しました。でも、もしあなたが私のように確信を持っていないのであれば独学は避けておくのが望ましい。
通信講座だと確かに少しお金はかかります。でもそのお金を払って講座のサポートを受けつつ、さっさと一発合格してしまったほうが良いと私は思います。
実際、合格後に就職できたり宅建手当がもらえたりすれば、通信講座の費用なんて簡単に回収可能ですしね。
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どちらの道を選ぶにせよ、最終目的が宅建試験の合格であることは忘れないようにしてください。そしてゴールが合格であるなら、そこへたどり着くための手段を独学に限定するのは必ずしも良くないということも。
通信講座を選択した場合は合格するための勉強法も色々と指導してもらえますので、安心感が違いますよ。
長くなりましたが、私が伝えたいことはそんなところです。宅建試験合格に向けて今日から前進していきましょう!
以上、参考になれば嬉しいです。