宅建試験一発合格済みの宅建士杉山貴隆です。
資格試験を受験した経験があまりない場合、いざ宅建の勉強を始めようと思っても何から手をつけてよいのかわかりませんよね。そこで今回は宅建の勉強の始め方について私の実体験からお伝えしたいと思います。
私自身、宅建以前の受験経験は英検やTOEICを1~2回受けた程度でしたので、国家試験の対策は何からやればいいのかわからず非常に戸惑いました。
でも今回紹介するやり方でとても良いスタートを切ることができ、結果として初回の受験で合格を勝ちとることができました。
きっとあなたにとっても参考になると思います。ぜひ一読していただき、最初の一歩を踏み出すきっかけにしてください。
宅建の最初の勉強は「マンガ」で始めるのがベスト
私の経験から得られた結論を先にお伝えすると、宅建の勉強は入門マンガを読むことから始めるのが一番良いです。宅建の入門マンガというのは例えば次のようなものです。
書店の資格コーナーの書棚やAmazon・楽天ブックス等をチェックして「自分がよさそうだと思った宅建入門マンガを購入し、サクッと目を通してみる」ところから受験勉強をスタートしましょう。
でも、どうしてマンガが良いと言えるのでしょうか。その理由は次の3つです。
- マンガなら挫折しないで一冊読めるから
- 本格的な参考書を読むための予備知識がつくから
- 不動産業界に興味が湧いて知識が定着しやすくなるから
以下でもう少し詳しく説明していきます。
マンガなら挫折しないで一冊読める
宅建の勉強の最初にマンガを読むべき理由の1つめはマンガなら挫折しないで一冊読めるからです。
宅建のテキストを手に取って眺めてみたことはあるでしょうか。市販のテキストはどれもぶ厚くて文字が小さく、長々と退屈そうな文章が続いています。
ページ数でいうと700ページくらいあるのが普通です。全くの初心者が読み始めても、10ページもいかないうちに心がバキバキに折れてしまうでしょう。
それに比べればキャラクターの動きやセリフを楽しめるマンガタイプの入門書は圧倒的に読みやすいです。途中で放り出すこともなく自然と最後まで読んでしまいます。
気軽に学習をスタートできて、苦もなく読了できる。そんなマンガの利点を活かさない手はありません。
マンガが学習に良い影響を及ぼすことは学術的にも知られています。
マンガで学習内容を提示すると理解にどのような影響があるかを調べた例として、富山大学教育学部 向後智子・向後千春両氏の論文「マンガによる表現が学習内容の理解と保持に及ぼす効果」(『日本教育工学雑誌』, 1998)があり、そこでは次のように述べられています。
学習内容部分とストーリー部分を含むマンガを材料として,(1)マンガか文章かによる学習内容部分の表現方法の違い,および,(2)マンガによるストーリー部分の提示の有無の2つの要因が内容の理解と保持に及ぼす効果について実験した.(中略)推論や新しい事態への知識の適用が必要とされるテストでは,マンガによるストーリー部分を提示することが成績を有意に高めることが明らかになった.
本格的な参考書を読むための予備知識がつく
宅建の勉強の最初にマンガを読むべき理由の2つめは本格的な参考書を読むための予備知識がつくからです。
たとえばあなたが英語で書かれた小説を一冊持っているとします。その小説をいきなり読み始めると、知らない英単語がたくさん使われていてなかなか読み進められないことでしょう。
でも、もしその小説に使われている英単語の予習をあらかじめ済ませていたとしたらどうでしょうか。おそらくいきなり読み始めるのに比べてずっと楽に読めるはずです。
宅建の入門マンガは英単語の予習にあたるものです。本格的な参考書に入る前に、そこで使われている「専門用語」や「考え方」にざっくりと触れてなじんでおきます。
そうやってマンガで予習を済ませた上で宅建試験のテキストや問題集を読み始めれば、スピーディかつ正確に内容を把握できます。
予備的学習がその後の理解を促進することがわかる例として、森嘉久・本山智弘両氏の論文「物理学実験の予習学習におけるビデオ教材の活用とその効果」(岡山理科大学教育実践研究, 2020)があります。
この研究では、ビデオ教材を使った予習を行うことによりその後に行われた実験に対する理解度が高まったことが報告されています。
不動産業界に興味が湧いて知識が定着しやすくなる
宅建の勉強の最初にマンガを読むべき理由の3つめは不動産業界に興味が湧いて知識が定着しやすくなるからです。
宅建入門マンガでは主人公たちが何らかの形で不動産業界に関わっています。そして不動産取引に関係する事件が起こったり、何かしら問題を解決したりといったストーリーが展開していきます。
あなたは読み進めていくうちに知的好奇心が刺激され、自然と不動産業界に興味が湧くようになるでしょう。以前から興味があった人は、さらに強い興味を持てるようになるはずです。
そうなればしめたもの。その後は学習内容が脳に定着しやすくなります。有利に学習を進められるので、当然合格する可能性を高めることができるんです。
興味がある分野だと学習内容が定着しやすい、というのはあなたにもきっと経験があると思います。
たとえばあなたが好きな芸能人やゲーム、スポーツなどを思い浮かべてください。その分野の知識は勝手にどんどん覚えていって、やたら詳しくなっていますよね。
同じように不動産業界に興味を持つことで勉強がはかどるようになり、他の大多数の受験生に対し確実に差をつけていくことができます。
教育学や心理学の研究成果を見ても、興味や好奇心が学習内容の定着と強い関連を持っていることは疑う余地がありません。
たとえば山口大学教育学部准教授 沖林洋平氏の論文「知的好奇心と授業に対する興味と学習内容の定着の関係」(『日本教育工学会論文誌』, 2017)の抄録を参照すると、次のことが述べられています。
本研究では,(中略)受講者を対象として,知的好奇心尺度と大学生用興味尺度および授業内容定着度調査を実施した.その結果,特殊的好奇心と興味対象関連の知識が内容定着と関連が見られることが明らかとなった.
宅建入門マンガは恥ずかしい?
「でも、マンガを読んでいることを家族や周囲の人に知られたら、恥ずかしいかも…」
「宅建マンガ読むなんて必死すぎって、笑われてしまうかもしれない…」
そんな声が聞こえてきそうです。確かにマンガに対して良い印象を持っていない人も世の中には多いので、あなたが「マンガを読んでいる姿を見られたくない」という気持ちになるのは分かります。
とはいえ宅建試験に合格したいなら「他人に何を言われてもどう思われても気にせず、合格という目標に向かってただひたすらに勉強する」くらいの気持ちでいたほうがいいと私は思います。
実際、私がこれまでに見てきた「ゼロから学び始めて一発合格する人」はそういう人です。
周囲の人に馬鹿にされたりからかわれたりしても、意に介しません。通勤中や職場での休憩時間・ランチ中であってもテキストや問題集を使って宅建の勉強をしています。
だって、せっかく勉強できるチャンスがあるのに他人の目を気にしてそのチャンスを逃すなんて、もったいなすぎますから。
宅建マンガを読むことだって同じです。誰にどう思われたって、いいじゃないですか。あなたは、あなたが打ち立てた目標に向かって進むだけ。
それに何かに一生懸命取り組んでいるあなたを応援してくれないような他人のことなんて、気にするだけエネルギーの無駄だと思います。
そんなふうに割り切ってしまえば「宅建マンガを読むと恥ずかしい」という気持ちも和らいでいくのではないでしょうか。
「それでも宅建マンガだけはどうしても人前で読めない…」という人もいるかもしれません。そういう人にひとつ提案があります。宅建マンガの電子書籍(Kindle版)を読むのはいかがでしょうか。
電子書籍であれば画面をのぞき込まれない限りはマンガを読んでいるとは気づかれませんよね。それにKindle版のほうが単行本より100円~200円くらい安いというメリットもあります。
「確かにKindleで読むのはいいかも」と思った人は、アマゾンで「宅建 マンガ Kindle版」で検索してみてください。試し読みも可能です。
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ちなみにKindleを読むのにKindle Paperwhiteとかの専用端末は不要です。Kindleの書籍はスマートフォン・タブレット・PCの無料アプリを使って読むことができますので。知らなかった人は試してみてください。
おわりに:宅建の勉強をマンガからスタートしよう
今回は「宅建の勉強は何から始める?一発合格の私が最初にしたこと」というテーマでお伝えしました。この記事の要点を復習しましょう。
宅建の勉強の始め方としてお勧めしたいのは宅建入門マンガです。その理由は以下の通り。
- マンガなら挫折しないで一冊読めるから
- 本格的な参考書を読むための予備知識がつくから
- 不動産業界に興味が湧いて知識が定着しやすくなるから
私自身も宅建の勉強はマンガからスタートしました。マンガを1冊さらっと読んだ後に分厚いテキストの読み込みを始めたのですが、あらかじめマンガで予習できていたので理解がスムーズに進みました。
その後無事一発合格できたので、自分のやり方は間違っていなかったと確信しています。あなたもぜひ学習のはじめの一歩として宅建マンガを手に取ってみてください。
以上、参考になれば嬉しいです。
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次回は宅建入門マンガ6タイトルを比較しおすすめ順にランキングします。購入前の参考にしていただけると嬉しいです。下のブログカードをタップすると移動できます。