法定講習は登録地外の都道府県でも受講可能か?【遠隔地へ引越す宅建士が知っておくと良いこと 3/3】

「遠隔地へ引越す宅建士が知っておくと良いこと」の続きです。前回はこちら。

「遠隔地へ引越す宅建士が知っておくと良いこと」の続きです。前回はこちら。前回見たように、宅建士が、登録を行った都道府...

今回は宅地建物取引士証の「更新」に関する話題です。

これを読んでいる方ならおそらくよくご存じのように、宅地建物取引士証には5年という有効期限があります。

有効期限が切れる際には、期限満了の日の前6か月以内に行われる「法定講習」を受講して、宅地建物取引士証の交付を受ける必要があります。

今回考えたいのは、法定講習を、登録地の都道府県以外で受講できるのか?という問題です。

結論から言えば、「できる場合もある」というのが答えになるのですが、以下も合わせてお読みください。

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法定講習は登録地での受講が原則

宅地建物取引士証の有効期限切れの前に受講する法定講習は、全国どこのものでも受けてよい、というものではありません。

「登録をしている都道府県知事が指定する講習」を受ける必要があります。ですので、基本的に登録地の講習を受けなくてはならないのです。

でも、それだと困ってしまうことがあります。私の場合が良い例です。

私は現在福岡県に宅建士の登録があり、最近沖縄に引越しました。しかしながら、今のところ沖縄では宅建業者に勤める予定がないため、登録の移転ができません。宅建業者に勤めない場合には登録の移転ができないことは、前々回に説明した通りです。

私は宅建士として福岡県に登録をしているのですが、今回、勤め先を辞めて沖縄県に引越すことになりました。他県へ移って住民票なども...

従って、必然的に登録地である福岡県の法定講習を受けるのが原則ということになってしまいます。でも、法定講習のためにわざわざ沖縄から福岡に出かけるのはちょっと…ということになります。

登録地以外での受講の可能性

では、登録地以外の都道府県で法定講習を受けることは全くできないのでしょうか? 実はそんなことはなく、遠隔地に居住している等、やむを得ない事由があると認められる場合には、所定の手続きを経ることで登録地外で法定講習を受けることができる場合があります。(できない場合もあります。)

その手続きは2段階の方式となっており、少々面倒です。

  1. 受講を希望する都道府県の法定講習実施団体(つまり引越し先の都道府県の宅建協会等)に問い合わせ、自身の登録地にて登録している宅地建物取引士が受講可能かどうか確認をする。
  2. 上記でOKの確認がとれた場合には、登録地の都道府県に「他の都道府県での講習受講を承認してください」ということを申請し、承認してもらう。

まず宅建協会等に受講の可否を問い合わせるというステップがあることに注意してください。というのも、登録地と受講希望地の組み合わせによっては、受講ができないことがあるようです(具体的にどのような場合に受講できないかの詳細は、不明です)。

たとえば、「全日本不動産協会 神奈川県本部」のサイトを見ると、次の記載があります。

「宅地建物取引士の法定講習は有効期限の6ヶ月前から受講することができます。全日会員で無い方でも、宅地建物取引士であればどなたでも受講することが可能です。(但し、東京・大阪等一部の都府県登録の場合を除きます。)

公益社団法人全日本不動産協会 神奈川県本部の法定講習のご案内です

また、Yahoo 知恵袋を見ると、「東京・大阪の登録者は、他の地域での法定講習は絶対に受けられない」という情報がありました(2013年1月の情報。どこに問い合わせたのかは不明)。

宅建主任者の登録県外の法廷講習について 現在、大阪府知事の宅建主任者証を所持しています。法廷講習を大阪まで講習に行くのが、億劫です。住所地に登録を移転したいのですが、不動産業に携わっていないので、無理です。大阪以外の登録の方が大阪で受けるようですが、逆はダメなのでしょうか。いざという時困るので、登録はしておきたいので、...

さらに、その希望地にもともと登録している宅建士のほうが優先されるため、断られることもあるとのこと。

加えて、上記の手続き自体に時間がかかる上、受講承認が下りた場合も、受講上の注意点や受講後に必要になる手続きなどもあります。

実際に上記のような登録地外での法定講習受講の手続きが必要になりそうな場合は、早め早めに確認をとり、進めていくのが良いと思います。

登録地外の受講ができなかった場合

登録地ではない都道府県にて法定講習を受けようと思ったが、断られてしまったような場合には、どうすれば良いのでしょうか。取りうる方法は2つないし3つあるかなと思います。

方法1:原則通りの手続きをとる

1つは、仕方がないので登録地に赴いて、法定講習を受講するという方法です。

面倒ですし、不経済ですが、宅地建物取引士証の有効期限を途切れさせたくない場合は、原則に従って手続を進めるのが、実は一番確実です。

方法2:期限切れを受け入れる

もう1つは、宅地建物取引士証の更新自体を諦めてしまうということです。当分使わないということであれば、期限切れを受け入れてもよいのかもしれません。この場合、宅地建物取引士証はいったん返納します。

宅建士証が期限切れになったとしても、登録は有効です。したがって、次に必要になったとき(つまり転居先都道府県で宅建業に従事することとなったとき)、登録を現在の居住地の都道府県に移転する手続きをとり、現在の都道府県にて開講される法定講習を受講する、という流れになります。

ちなみに、法定講習が実施される頻度についてですが、都道府県によって違いがありますが、ひと月に1回程度は開講されているようです。

方法3:宅建業者に就職する

最後に思いつく方法としては、有効期限切れ前に急いで転居先都道府県の宅建業者に就職し、急ぎ登録の移転を完了し、居住している都道府県の法定講習を受講するという方法です。

このやり方は、不可能とは思いませんが、そううまく就職できるかどうかは分かりませんし、仮にできたとしても、有効期限が迫っている場合はスケジュールの調整がかなり大変だと思います。さらに、もし計画通りにいかず更新が失敗してしまえば、勤め先にも迷惑をかけることになると思うので、オススメはできません。

「登録地外の法定講習受講」主な問合せ先・詳細ページ

「登録地外の法定講習受講」の詳細が知りたいときは、登録している都道府県の担当窓口に電話で問い合わせるのが良いでしょう。ウェブ上の情報はあまり豊富ではありません。

詳細を記したウェブページの例を以下にいくつか例示します。

福岡県に登録のある方はこちら。

岩手県に登録のある方はこちら。

佐賀県に登録のある方はこちら。

宅地建物取引士の法定講習を佐賀県外で受講する場合の許可申請手続きについてお知らせします / 佐賀県

おわりに

以上、「遠隔地へ引越す宅建士が知っておくと良いこと」として3つの記事を書いてきました。

基本的に、登録の移転をしない、またはできない場合に問題となる点をお話ししてきました。何かしらのお役に立てば幸いです。

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