宅建試験に独学で一発合格した宅建士杉山貴隆です。
宅建試験をもう1度受験しようと決めたとき、手元に前年またはそれ以前に出版されたテキストが残っていることがあります。この場合、人によっては以前のテキストをそのまま使い続けるようですが、私はそれには明確に反対です。
古いテキストは思い切って処分するべきです。そして新しいテキストを購入して新規一転やり直すのが正攻法だと考えます。
なぜそう言えるのか。今回は宅建を再受験する際にテキストを買い替えるべき理由について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
宅建を再受験するならテキストを買い替えるべき理由
宅建を再受験するならテキストを買い替えるべき最大の理由は最新の法改正に対応したテキストを使う必要があるからです。
宅建試験は不動産取引の法律に関する試験であり、その出題範囲には数多くの法律が含まれます。
- 権利関係
- 民法、不動産登記法、借地借家法、etc.
- 宅建業法
- 宅建業法、宅建業法施行規則、住宅瑕疵担保履行法、etc.
- 法令上の制限
- 都市計画法、建築基準法、農地法、etc.
- 税その他
- 地方税法、地価公示法、景品表示法、etc.
法律は制定されてから永久に変わらないわけではありません。時代に合わなくなったものは国会の審議を経て改正されます。不動産取引に関係する法律も毎年必ずいずれかが改正の対象となっています。
そして宅建試験を受験する人にとって重要なことは法律の改正部分が本試験で毎年問われていることです。
法改正を正確に把握しておけばそれだけで点数アップを見込めます。逆に法改正を放置しておけば確実に1点以上を失うことになり、自ら不合格を近づけることになります。
さらに言うなら実務に就いてからも法律知識は必ず使います。改正点を正確に理解できていてこそプロの仕事ができるのであり、そうでなければ顧客はもちろん自分自身にも損害をもたらしかねません。
このように受験や実務のことを鑑みると最新の法律について知っておくことが重要であり、そのためには法改正を反映した最新のテキストに買い替えるべきだと言えます。
法改正はネットで対応できるのか
「法改正はネットで確認できるからテキストを買い替えなくても大丈夫、っていう意見もあるみたいなんだけど…」
確かに宅建試験に関する情報サイトはたくさんありますので、どの法律がどのように変わったのかをネットで確認することは可能です。しかしネットで発信されている情報を利用することには少なくとも次の3つの問題があります。
- 発信者の素性がわからないことが多く、情報の信頼性に疑問が残る
- 必要な情報が過不足なく発信されているかどうか確かめようがない(抜けがあったり過剰だったりするかもしれない)
- ネットに書かれている情報を自分で古いテキストに書き込むといった手間が要る
これに対し、書籍として出版されている市販テキストであれば専門家が何重にもチェックをしていますので情報の信頼性は非常に高いです。
また市販テキストはその道のプロが合格に必要な事項を体系化してまとめており、法改正に関する情報も過不足なく盛り込まれています。
最新の法律を前提として編集されたテキストですので自分でテキストに書き込むような作業は当然不要です。
以上を考慮すると、やはり古いテキストを使い続けるのではなく最新のテキストに買い替える方がメリットが大きいと言えます。
せっかく買い替えるなら他の効果も狙おう
せっかくテキストを買い替えるのであれば、やり方次第で法改正以外の面での効果を狙うこともできます。
- より適切なテキストに変更することで学習効果を上げる
- 独学をやめて通信講座に切り替えることで合格可能性を上げる
以下でもう少し説明します。
テキスト変更で学習効果を上げる
あなたがもし去年使っていたテキストの内容や使い勝手に満足しているのなら、そのテキストの最新年度版を購入すれば良いでしょう。でも昨年度の受験で失敗しているわけですから、不満や不足を感じていても不思議はありません。
もし去年使ったテキストに問題があると思うなら、テキストの選び方の記事も参考にしつつ全く異なるテキストの最新年度版を購入してください。自分に適したテキストを使って試験対策を進めることで、学習効果を高められます。
また、去年と同じテキストの最新年度版を使うのに比べて、全く異なるテキストの最新年度版を使う場合は新鮮な気持ちで学習を進められる効果もあります。
どういうことか。「去年使ったテキスト」と「その最新年度版」とでは文章もイラストもほとんどが同じものにならざるを得ません。おそらく読んでいるうちに「前にも読んだことある内容ばかりで、いい加減飽きた」と感じることでしょう。
でも「去年使ったテキスト」と「全く異なるテキストの最新年度版」とでは文章・イラストは完全に別物になります。なので新鮮な気持ちで宅建試験の学習を再スタートできるんです。
通信講座に切り替えて合格可能性を上げる
去年使っていたテキストに不満がある場合に取り得る手段がもう1つあります。いっそのこと市販テキストで独学するのをやめて通信講座に切り替えるという方法です。
と言うのも、一度市販テキストで独学して失敗した人はそもそも法律系国家試験を独学すること自体にあまり向いていない可能性があります。
もっとはっきり言うなら、法律系国家試験は学ぶこと自体がある程度得意な人でないと独学で合格するのは難しいです。少なくとも宅建・管理業務主任者の両方に一発合格した私の実感としてそう思います。
学ぶことが得意でない人が市販テキストを買い替えてもう一度独学したとしても、再び不合格となってしまうことが大いにあり得るんです。そこで発想を転換して次は通信講座で学習することを考えてみてください。
通信講座はテキストをはじめとした各種教材が充実しています。何年・何十年と積み上げた合格実績があり、たとえ学ぶことが苦手な人であっても最短ルートで合格を目指せます。
私は5社ほどの通信講座を購入・受講してみたのですが、特にフォーサイト宅建士講座とスタディング宅建士講座は非常に使いやすく、多数の合格者を輩出していますのでお勧めです。気になる方は次のレビュー記事を読んでいただければと思います。
とはいえ通信講座は独学に比べてお金がかかってしまいますから、よく検討する必要があるでしょう。独学するよりも通信講座を使ったほうが合格できる可能性が高そうだと判断できたときだけ通信講座に切り替えれば良いと思います。
フォーサイト宅建士講座は無料でサンプル教材を取り寄せたりeラーニングをお試し利用したりできます。スタディングも専用アプリで無料お試し受講が可能です。一度試してみると合格への新しい道が見えてくるかもしれません。
この記事のまとめ
今回は「宅建試験を再受験するならテキストを買い替えるべき理由」について解説しました。この記事の要点を復習すると次の通りです。
- 法改正を正確に把握するためにテキストは買い替えるべきである
- 法改正はネットで確認できるとする意見もあるが、ネットの情報は信頼性等の面で問題がある
- テキストを買い替えるなら「より適切なテキストに変更する」「独学をやめて通信講座に切り替える」といった方法をとることで法改正以外の面での効果も狙える
新しい教材を用意すると気持ちもフレッシュなものに変わります。改めて「今年こそ合格する!」と決意して宅建試験の学習を再開しましょう。
以上、参考になれば嬉しいです。