宅建試験に一発合格した宅建士杉山貴隆です。
今回は高卒の方が宅建に関して抱きやすい3つの疑問に解答します。具体的には次の3つです。
- 高卒でも宅建を取れるのか?
- 高卒者が宅建を取るメリットは?
- 高卒者に最適な勉強法は?
先に結論をお伝えすると私の答えは次の通りです。
- 高卒でも宅建を取れるのか?
- 取れる。宅建は受験資格がなく、中学生でも受験して合格している。高卒者の合格体験記もたくさんある
- 高卒者が宅建を取るメリットは?
- 自己肯定感が高まること。就職・転職が有利になること。給料・年収が上がること
- 高卒者に最適な勉強法は?
- 1~2回の受験で合格したいのなら独学は避けて通信講座を選ぶべき。費用は早期に回収できる
以下で詳しく述べていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
高卒者が宅建を取れる理由
第一の疑問「高卒でも宅建を取れるのか?」に対する私の答えは「取れる」です。なぜそういえるのか? 高卒者が宅建を取れる理由を3つ述べていきます。
【理由1】宅建試験は高卒者も受験できるから
高卒でも宅建を取れる理由の1つめは宅建試験には受験資格がなく高卒者も受験できることです。国家資格の中には大卒でなければ受験できなものもあり、そういう資格は高卒者には取ることができません。
一方、宅建に関してはそのようなことは無いです。宅建試験の実施団体である不動産適正取引推進機構(RETIO)は受験資格について次のように記しています。
年齢、性別、学歴等の制約はありません。
誰でも受験できます。
資格取得の扉は高卒者にも開かれています。
【理由2】宅建試験は中学生でも合格しているから
高卒でも宅建を取れる理由の2つめは宅建試験は中学生でも合格していることです。試験実施団体が毎年公表している最年少合格者のデータを確認してみましょう。
年度 | 最年少合格者 |
---|---|
平成26年度 | 12歳・男(愛知県) |
平成27年度 | 13歳・男(神奈川県) |
平成28年度 | 16歳・男(京都府) |
平成29年度 | 13歳・男(福岡県) |
平成30年度 | 16歳・男(福岡県) |
令和元年度 | 14歳・男(茨城県) |
12歳・13歳・14歳の合格者はおそらく中学生です。上記6年間のうち4回という高い割合で中学生が合格しています。中学生が合格できる試験なのに高卒の人が合格できないはずがありません。
【理由3】高卒者の合格体験談はいくらでもあるから
高卒でも宅建を取れる理由の3つめは高卒者による宅建試験の合格体験談は探せばいくらでも見つかることです。例として通信講座フォーサイトの合格体験記を見てみましょう。
自分は高校卒で(ギリギリ卒業です)、30になります。
(中略)
難しい試験だと知らず、まわりにはお前には無理だの、仕事辞めて予備校行けだの、大卒のやつでも一回じゃ受からないだの散々言われました
(中略)
ほんとにしんどくて、弱音をはきたくなることもありましたが、合格できたこと以上に素晴らしい経験をすることができました。
私は高卒30歳独身会社員です。
(中略)
転職を考え今独身のうちに「何か少しでも役に立つ資格を取れるようにならないと」と思い本屋さんで見つけた宅建の試験を受けようと思いました。
(中略)
本日無事合格を確認することが出来ました。
今回宅建の資格を取得する以外にもたくさんの経験をしました。自分にはどういう勉強が合っているのか「書くこと」でした。どこで勉強すれば良いのか「自宅か図書館」でした。
家事をどうやれば早くこなせるかどうすれば時間を作れるのかなど人生において大事なことを学べたと思います。
宅建がほしいと思ったのは、「高卒の私にも国家資格がひとつでもほしい」というとても単純な理由でした。
不動産関係の仕事をしたこともないですし、今の仕事とは全くの畑違いでしたが、それでも挑戦しようと思いました。
(中略)
4年ぶりに、今度こそ諦めていた試験の合格通知。こんなにうれしいことはありません。
ネット上には他にもたくさんの高卒の方の合格体験が綴られています。これまでそうであったように、これからも多くの高卒者が宅建試験に合格することでしょう。
【補足1】高卒者の合格率
高卒者が合格できる理由に関して2点補足します。補足の1点目は高卒者の宅建試験の合格率です。気になりますよね。
しかし残念ながら高卒者の宅建試験の合格率に関するデータは存在しないため「わからない」のが実情です。
ついでに言うなら「学歴が高いほど合格率が高い」とか「高卒の人は合格率が低い」といったデータも存在しません。なので高卒とか大卒だとかいったことはあまり気にせず、宅建を取りたいのならまずは勉強を始めてみることが大切です。
* * *
「そうは言っても、高卒者に比べれば大卒者のほうが要領よく勉強できるのだから、高卒者はどちらかと言えば合格が難しいだろう」
そういう意見を持つ人もいるでしょう。でも「大卒者のほうが要領よく勉強できる」というのは単なる傾向に過ぎません。
大卒でも勉強が苦手な人はいますし、宅建試験に落ちる大卒者も毎年たくさんいます。一方で高卒でも効率の良い勉強をすれば合格に近づけますし、事実、合格する高卒者も毎年います。
そもそも高校でも大学でも不動産取引の授業など無いのですから、宅建試験に関するスタートラインは学歴に関わらず同じです。スタートが同じであればゴールにたどり着けるかどうかは個々人がいかに努力するかで決まると私は思います。
宅建試験の受験生全体の合格率については合格率の解説記事で詳しくお伝えしています。
【補足2】宅建試験に合格した高卒の知人の話
補足の2点目として私が不動産業界にいた頃の話をします。同僚には高卒の人が何人もいました。そしてその中には宅建合格を目指す人も多くいました。
その中で特に私の印象に残っているのはKさんという当時20代後半の男性です。Kさんは高卒でイジられキャラでした。普段の言動に抜けているところがあったので、皆にいつも小馬鹿にされていました。
Kさんは既婚者で2人の子供がいました。家族のために少しでも給料を増やしたい、できることなら昇進したいという思いがあったのでしょう。毎年、積極的に宅建試験を受けていました。
「バカなんだから、受かるわけないだろ」と皆に言われていました。それでもめげずに受験を続けていたところ3回目の受験で見事合格したんです。周囲の人々は最初は誰も信じていませんでしたが、次第に彼の合格が本当だとわかり仰天していました。
私がKさんを見ていて思ったのは宅建試験の合格には高卒・大卒といった学歴は本当に全然関係が無いということです。逆に関係があるのは自分は絶対に合格して資格を取るという信念を持ち、勉強を継続することでした。
もっともKさんには「独学にこだわり過ぎる」という良くない点もありました。より適切な勉強法を採用していれば1~2回の受験で合格できたのではないかと私は思います。この点は後でもう1度触れます。
高卒者が宅建を取るメリット
第二の疑問「高卒者が宅建を取るメリットは?」に対する答えとして次の3つを指摘できます。
- 国家資格を持つことで自己肯定感が上がる
- 就職や転職に有利
- 給料・年収が上がる
以下で詳しく説明します。
国家資格を持つことで自己肯定感が上がる
高卒者が宅建を取るメリットの1つめは国家資格を持つことで自己肯定感が上がることです。
高卒の方は学歴に負い目を感じてしまう人が多くいます。大学進学が当たり前とも言われる世の中ですので、ある程度仕方ないことかもしれません。
しかし高卒の方は宅建資格を取得することで自分に大きな自信を持つことができます。なぜならたとえ大卒であっても国家資格を1つも持っていないのが普通だからです。
もちろん学歴の高さや国家資格の有無で人としての価値が決まるわけではありません。それでも「大卒でも簡単にはできないようなことが自分にはできた」という自信が自己肯定感を大いに高めてくれます。
就職や転職に有利
高卒者が宅建を取るメリットの2つめは就職や転職で有利になることです。
高卒の方は「将来、良い就職・転職ができなかったらどうしよう」と不安に思うことが多いようです。就職・転職における学歴の影響は年々弱まってきていますが、確かにまだまだ無視できるほどではありません。
でももし高卒の方が宅建試験に合格していれば就職・転職市場で大きな力を得ることができます。その理由は採用内定をもらいやすい3つの理由の記事で解説しました。
不動産業界において宅建士はニーズがとても高く、常に求人募集がある職種です。不動産会社は「宅建を持っている高卒」と「宅建を持っていない大卒」とを比べたら、ほとんどのケースで前者を優遇します。
履歴書の資格欄に「宅地建物取引士試験 合格済」と書いてあれば確実に興味を持ってもらえますし、面接でも有利に働くでしょう。ウソだと思うなら街の不動産屋の社長にたずねてみてください。きっとこの意見に同意してくれるはずです。
給料・年収が上がる
高卒者が宅建を取るメリットの2つめは給料・年収が上がることです。
先に述べたように宅建取得者は不動産業界への就職・転職がしやすく、また資格を持っていることで待遇も良いものなるため給料・年収アップにつながります。
既に不動産業界で仕事をしている人の場合も、宅建の資格登録を済ませることで月1万~2万円、多いところでは月3万円の手当が月額給与に加算されます。
仮に資格手当が2万円だとすれば年間で24万円の収入アップです。ボーナスが1ヶ月分増えるくらいの影響力がありますのでバカにできません。
宅建士の年収の具体的な額については宅建士の年収の解説記事を参照していただければと思います。
高卒者が宅建試験に合格する勉強法
第三の疑問「高卒者に最適な勉強法は?」に対する答えとして次の3つのことをお伝えできます。
- 独学は避けて通信講座を選ぼう
- 通信講座の費用は早期回収可能
- おすすめの通信講座
以下で順番に見ていきましょう。
独学は避けて通信講座を選ぼう
宅建試験に挑もうとする高卒の方は独学は避けるべきです。宅建試験は独学で合格する人もいるので、独学で挑戦したくなる気持ちはわかります。でも独学で合格できる人のほとんどは元々勉強が好きで得意な人たちです。
これに対し高卒の人は勉強があまり好きでない・得意でないことが多いと思います。そういう人は合格実績のある通信講座等を利用したほうがずっと効率的に学習できます。
ちなみに先に紹介した高卒のKさんは勉強が得意ではないのに独学を続けたため、合格までに3年もの日々を費やしました。時間がかかっても構わないということであれば独学するのも良いかもしれません。
しかし1回または2回程度の受験で合格することを目指すのであれば素直に講座を受講するのが近道です。
通信講座の費用は早期回収可能
通信講座を受講すると数万円~10万円ほどのお金がかかってしまいますが、この程度の費用は宅建取得後に早期回収できる可能性が非常に高いです。
たとえば宅建資格を取れたことで就職できた場合、毎月20~30万円の給料をもらえるようになります。転職の場合でも宅建を活かしたキャリアアップであれば年収が数十万円上がることを期待できます。
今勤めている会社に居続ける場合でも、宅建手当が給与に追加されれば年収が10万円以上アップするはずです。このように考えるとお金を払って通信講座を受講したとしても、短くて1ヶ月、長くて1年くらいで費用を回収できる可能性が十分あります。
早期に合格できればそのぶんだけ受講料の回収も早くなり、回収が終わった後は利益だけが毎月入ってきます。宅建資格を取得した後の余裕ある未来を思えば通信講座の費用はそれほど高額なものではないのです。
おすすめの通信講座
私が高卒の方におすすめしたい通信講座はフォーサイト宅建士講座です。
私はこれまでいくつもの通信講座を受講してレビューしてきました。中でもフォーサイト宅建士講座はテキストが読みやすく、かつ問題演習が十分にできるという特徴があります。
受講生になるとeラーニングアプリも利用できるので、通勤時やちょっとした空き時間を利用して勉強でき、学習時間の確保がしやすいです。そして何より先の合格体験記からもわかるように高卒の方が何人も合格しています。
とはいえ、どのような講座かわからなければ受講は考えられないと思いますので、よければ私が書いたフォーサイト宅建士講座のレビュー記事読んでみてください。
上記を確認した後、自分に合っていそうだと感じたら、ぜひ受講を開始していただければと思います。
フォーサイト宅建士講座の案内資料・無料サンプル教材を取り寄せることができます。また無料でeラーニングを試すこともできます。申し込み後に営業の電話などがかかってくることもありません。ぜひ利用してみてください。
おすすめの本
宅建取得を目指す高卒の方におすすめの本が1冊ありますので紹介します。杉本宏之著『30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由』です。
著者の杉本宏之氏の人生は壮絶なものでした。極貧と非行の少年時代。不動産会社を起業し成功を納めた20代。リーマンショックによる転落と借金地獄。どこまでも深い谷底からの再起をかけた挑戦。
私がなぜこの本を勧めるかというと、著者が高卒で宅建資格を取った人の一人だからです。
※もう少し正確に言うと、高校卒業後は専門学校に行き、その1年目に猛烈に勉強して宅建試験に合格したようです。専門学校を卒業したかどうかは明記されていません。
この本を読むとかつて非行に走るばかりだった高卒者でも宅建は取れるのだと明確にわかります。また宅建を取った後に不断の努力を続けることで大きな経済的成功を勝ち取れることもわかります。
(著者は運悪く世界規模の金融危機で400億の借金を背負う羽目になりましたが、その後再起し、現在は株式会社シーラホールディングスの会長です)
私がこの本を読んだのは宅建取得の後でしたが、取得前に読んでいたら間違いなくモチベーションが10倍になっていたと思います。もし興味があればぜひ一度読んでみてほしいです。
中古でよければ送料込みで500円くらいで買えることもあります。ちなみに私自身はKindle Unlimitedの無料お試し期間中にタダで読みました。
今後Kindle Unlimitedの読み放題ラインナップに入るかは分かりませんが、気になる人はチェックしてみてください。
この記事のまとめ
今回は高卒の方が宅建に関して抱きやすい3つの疑問について解答しました。3つの疑問と私の答えを復習すると次の通りです。
- 高卒でも宅建を取れるのか?
- 取れる。宅建は受験資格がなく中学生でも受験して合格している。高卒者の合格体験記もたくさんある
- 高卒者が宅建を取るメリットは?
- 自己肯定感が高まること。就職・転職が有利になること。給料・年収が上がること
- 高卒者に最適な勉強法は?
- 1~2回の受験で合格したいのなら独学は避けて通信講座を選ぶべき。費用は早期に回収できる
宅建資格は未来を切り開くための武器になります。できる限り早期に取得・活用して、人生をより豊かで実りあるものに変えていきましょう。
以上、参考になれば嬉しいです。