宅建試験に独学で一発合格した宅建士杉山貴隆です。
独学で宅建試験の学習をしようと決めた人がぶつかる疑問の1つが「宅建の独学に必要なテキストは何冊だろう?」というものです。1人で勉強するからには2冊以上読まなければならないのだろうかと不安になりますよね。
そこで今回は宅建の独学に必要なテキストの冊数について解説します。この記事を読んでいただければ最低限の冊数とその理由がわかりスッキリと学習に臨めるはずです。ぜひ参考にしてみてください。
宅建の独学に必要なテキストの冊数
最初に結論をお伝えすると、宅建の独学においてテキストは究極的にはゼロ冊でもOKです。
「えっ?テキストを一切読まなくても宅建試験に合格できるってこと?」と思われたかもしれません。そうではなく、ここで言いたいのは市販のテキストはゼロ冊でも大丈夫ということです。
代わりにネット上に無料のテキストが存在しているのでそちらを使いましょう。Googleで「宅建 無料 テキスト」と検索するといくつも見つかります。
その中から自分が読みやすそうなものを選んで読んでいけば市販のテキストを用意する必要はありません。私のおすすめ無料テキストは厳選無料教材の紹介記事で紹介しています。
テキストゼロ冊学習の注意点
ただしテキストを買わずにテキストゼロ冊学習をする場合、注意してほしいことが2つあります。
- 内容の信頼性は保証されない
- 不合格になったときは原因特定が難しくなる
以下でもう少し説明します。
網羅性・信頼性は保証されない
テキストゼロ冊学習の注意点の1つめはウェブ上の無料テキストを使う場合、内容の網羅性・信頼性は保証されないことです。
無料のテキストなので必要な学習事項が網羅されていないことは大いにありえますし、内容についても正しいことが書いてあるかはわかりません。無料のテキストなのでどんな内容であっても自己責任で使うほかないのです。
もちろん無料テキストと言えども世に出てきた当初は網羅性・信頼性が十分だったケースもあるでしょう。しかし時代の流れとともに宅建試験の出題傾向は変わりますし法律も改正されます。
出題傾向や法律の変化に合わせて無料テキストが改訂されていれば良いのですが、無料のものが更新され続けることは少ないため、次第に網羅性・信頼性が損なわれてしまいがちです。
要するにタダのものなので内容が不足していたり間違っていたりすることが十分ありうることに注意してください。
不合格になったときは原因特定が難しくなる
テキストゼロ冊学習の注意点の2つめはもし不合格になったときに原因の特定が難しくなることです。
宅建試験は8割以上の人が不合格になる試験ですので、どんなに努力しても落ちる可能性は残ります。もし不幸にもあなたが合格できなかったらと想像してみましょう。
この場合、あなたはおそらく不合格の原因を知りたいと願うはずです。原因がわかれば、その原因を改善することで来年は合格できるかもしれませんから。
しかしウェブ上の無料テキストを使っていた場合、不合格の原因として自分の努力不足以外に無料テキストの質が良くなかった可能性が残ってしまいます。
自分の努力不足なのか、それとも無料テキストの質がよくなかったのか、どうやって見極めたら良いのでしょうか。正直、無料テキストの良し悪しなんて、一般的な宅建受験生が見たところでわかるものではありません。
結局、自分の努力不足と無料テキストの質のどちらのせいで不合格になったのかがわからず、原因の究明が困難になってしまいます。
市販テキストを1冊使うと楽なのでおすすめ
上記のような注意点がわずらわしいと感じる場合は無料テキストを避け、市販テキストを1冊使うことにすると楽です。私自身、テキストは市販テキスト1冊だけで合格しました。
書店に売っている市販テキストは資格対策予備校が知恵を絞り、プライドをかけて製作しています。もちろん毎年改訂がなされていて最新の出題傾向・関連法令に沿った内容に改められています。
ゆえに市販テキストにおいては網羅性・信頼性は保証されているといってよいでしょう。そして市販テキストはそもそも質が高いのでもし不合格になったとしてもテキストの質がよくなかった可能性は除外できます。
以上のことから、究極の方法としてテキストゼロ冊の学習ができるとしても、市販のテキストを1冊使うのがおすすめです。余計な問題に悩まされず、楽に学習を進めていくことができますので。
市販テキストを選ぶ際には宅建テキストの選び方の記事もぜひ参考にしてみてください。
よくある質問
必要なテキストの冊数に関連したよくある質問に回答していきます。
他に必要な教材は?
宅建試験の独学をするにあたりテキストの他に必要な教材は過去問題集と予想問題集(予想模試)です。
「過去題集はよく聞くけど、予想問題集も必要なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。知識ゼロから独学で宅建試験に一発合格した私は予想問を学習に取り入れることを強くおすすめしています。
その理由を知りたい方は宅建独学の最適な流れを解説した記事を読んでみてください。
なお必要な冊数は過去問題集が1冊、予想問題集が1~3冊です。
結局、独学の費用はいくらかかる?
宅建の独学に必要な費用は約12,000円です。この金額は市販テキスト1冊、過去問題集1冊、予想問題集(予想模試)3冊の合計額となっています。詳細は宅建の独学に必要な費用の解説記事をご覧ください。
テキストを一切読まないのはダメ?
かつて宅建試験の難易度は今ほど高くありませんでしたので、テキストを飛ばして過去問対策のみに集中することで合格できた時代もあったようです。その名残なのか、今でもテキストを読まない勉強法が喧伝されることがあります。
しかし現在の宅建試験はそれほどやさしい試験ではありません。試験問題は昔に比べたら異様に難しくなっています。ですので私はテキストを読まない学習法は現実的ではないと思っており、お勧めしません。
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ところで、もし実際にテキストを読まずに過去問題集にいきなり取り組んだらどうなるでしょうか。おそらく過去問の問題文が全く理解できないと思います。結局はテキストを少しずつ読みながら問題を解いていかざるを得ないでしょう。
その際は全ての問題について「今問われている内容はテキストのどこに書いてあるのか?」と探しながら解くことになり、かなり効率が悪いです。
そんなことになるくらいなら、まずはテキストを一読しましょう。テキストを最初から最後まで読んで全体像をある程度頭に入れておくのです。
そうした後で過去問題集に取り組めば何が問われているのかは読み取れます。仮にわからない点があっても全体像がわかったうえでテキストの該当箇所を探すわけなので、それほど時間はかかりません。
以上のことから、テキストを全く読まない勉強法ではなく、まずは市販テキスト1冊、あるいは無料テキストを1つ読んでから過去問を解き始めるべきだと思います。
この記事のまとめ
今回は「宅建の独学に必要なテキストは何冊?」という疑問に答えてきました。この記事の要点を復習すると次の通りです。
- 独学するにあたり市販のテキストはゼロ冊でも構わない。この場合ネット上の無料テキストを読んでいく
- ただしネット上の無料テキストは網羅性・信頼性の保証がなく、不合格になってしまった時は原因追及も難しい
- 市販のテキストを1冊使うと、無料テキストが抱えている問題を回避して楽に勉強を進められる
宅建の独学をする際はできれば市販の有料テキストを1冊、どうしても無理ならネットの無料テキストを1つ読み込んで、専門知識の基盤を固めていきましょう。
以上、参考になれば嬉しいです。